緊急事態、非常に不味い事になった。
明日奈から嫌い宣言をされた挙句、理代に今の状況を見られてしまった。
何時もとは違い、少し恐ろしげな雰囲気が彼女に漂っている。
可笑しい、変だ。理代がこんな雰囲気を出すか?
何かしらの術とかにでも掛かったのだろうか、……いや、そんなのは有り得ない。
それに何だろう、何故だかあの雰囲気を僕は知っている。
『異端』に対しての理代と似ているのだ。
殺意の籠ったあの雰囲気。
だとしたら不味いことになる。何としてでも止めなければ。
「ねぇ、明日奈ちゃん」
理代がゆっくりと歩き出す。
「何、してるの?」
「りっ…理代ちゃ――」
「ねぇ」
明日奈の口から小さく、ヒッという悲鳴が聞こえてきた。
恐怖心、彼女の心にはそれが彼女の脳内で這いずり回っているのだろう。涙も出ている。
―――僕も、同じだ。怖い、彼女の現在の嫌悪の対象が僕じゃないと分かっていたとしても、この数年間、キレる事なんてほぼ有り得ない少女のこんな顔を見てしまうのは正直分かっていても怖いものなんだ。
「……歩君、帰るよ」
「は!?おいちょっと理代!」
突然、明日奈の方を見ていた理代が、僕の手を握り、教室のドアへと向かっていく。
「おい理代!待ってて!別に僕は気にしてないし、それに明日奈だって……!」
「帰るよ」
「ッ…!?」
僕はそのまま、理代に腕を強く握られながら、教室を出てしまう、……教室の机、戻しといて良かったな。
「……なぁ理代、話を聞いてくれ」
「……」
「ッ…!理代!」
「へ?」
――理代の口から気の抜けたかのような声が出る。顔を見ると、何時もの可愛らしい日曜朝の魔法少女みたいな顔に戻っていた。
「……あっ歩君?あれ…?私…」
「なぁ、理代、話を…」
「話って何?」
「だから…!明日奈の事だって…!」
「…?明日奈ちゃん?明日奈ちゃんがどうかしたの?」
「は…?」
まるで人が変わったかの如く、状況を理解していない理代、一体どういうことなのだろうか、この時、僕は何一つも考えが正解に向かう事は無かった。
「あ…確か歩君。掃除当番だったんだっけ靴箱にいなかったから見に行って…あれ?」
「……もういい、帰ろう」
「へ?あっうん。そういえば、時之君とメル子ちゃん。もう帰っちゃったみたい」
「……そうか」
僕等は階段を下る。何事もなかったかのように、安全に、健全に、ゆっくりとゆっくりと、理代と共に階段を下る。
ついた頃には、明日奈の事を忘れたい。明日が怖い。だから忘れたい。
忘れて、何事も無かったかのように、何時もと同じように…。
「……駄目だよな」
そんな美味しい話をしようと思ったが、そんな都合の良い話は絶対にないのだ。
言った通り、今回の物語は彼女の物語だ。ここで、忘れたら反感を喰らうだろう。
だから、何としても彼女と向き合う、……だからと言って、今行ったら多分殺されるだろうから、先ずは『相談所』で作戦会議と行こう。
僕は『相談役』だ、魔法少女が困っているなら、何としてでもその曇り空を晴天に変えてやるさ。
例え、嫌われたとしても、だ。
■□●○■□
「―――――あ」
あれ、ボーッとしてた。私何してたっけ。
あぁ、掃除してたんだった、忘れてた忘れてた。ちゃんと掃除しないとせんせー五月蝿いからね。皆ダルいって言ってるけど、私はそこまでかなぁ、汚い物嫌いだし。
……あれ?あゆむん帰っちゃったの?早いなぁもう少しお喋りしたかったのに、お昼にあゆむんと喋ったけれど、オモシロイ子だったなぁ、そりゃあ、理代ちゃんも、ななしー先輩も話題にするよ。……そういえばななしー先輩、何か雰囲気変わった?前までは私一人で仲間はいりませーん、って感じだったのに変わっちゃったなぁ。うーむ、どうしよ。まぁいっか!細かいことは気にせず帰ろ帰ろー!……そうすれば、明日は良い日が。
「やぁ、『木戸川 明日奈』」
――教室のドアを開け、廊下に出ると、知らない人が声を掛けてきた。
誰?見た所この学校の人じゃない。……けれど、見た目は(フードで顔は見えないけど、多分男性)私達と同じ高校生の様だった。
「おめでとう、残念だったね。まさか好きな人にあんな感じにフられちゃうとは、いやぁおめでたいよ」
「……?あの、誰ですか?何で私の名前を?それにフられたって…?」
「うん?――あぁ、成る程、都合のいい脳内だねぇ、下らなすぎて笑いが心から漏れてしまったよ」
「…あのっさっきから一体「キミ、歩って人物を殺したいんだろう?」」
……は?
「オモシロイなぁ、それがキミの愛なんだね、会ったときは何も感じなかったけど…まぁ、狂ってるね。
「……」
何?何なの?私があゆむんを殺したい…?どういう事?私が…?ワタシが…?
「勿論、僕はなにも君を煽りにきた訳じゃないさ、でもまぁ、展開作りにこういう役回りをしているだけ、別に謎の新キャラって訳じゃないさ、直ぐ忘れて構わない」
「チガウ…ワタシは…」
「……脳が回らなくなっちゃったか、まーいいか、後は君次第さ『木戸川 明日奈』」
「兎耳の猫は嘘をつくって事を覚えながら『絶望』してくれよ」
「そうすれば、明日はきっと良い日になるさ」
「……」
「明日はきっと良い日に」
あゆむんェ……
一章最終話間近ですがここまでで歩君にどんな印象を感じました?
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おー……ええやん
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影薄過ぎない?
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ロリコン
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今からでも理代ちゃんに主役の座よこせ
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ヤンデレに×××されろ