魔法少女の相談役始めました   作:チョコーン

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今回は何時もと比べ長い内容となってます。
あと歩君の名前をずっと間違えてました。


ウィッチ ザ ランデヴー6

「―――む、おい!あゆむ―――歩!」

 

「うわーこりゃ無理でしょ。頭からいってたわ」

 

薄れゆく僕の意識の中に誰かの声が響く。

 

いやぁ、近年こんな落下オチなんてあるもんなんだなって、僕は感じたよ。最近は色んなバラエティ番組でも落下オチを見なくなったからセルフ落下って奴?(一応言っておくが、わざとではない。てかあれは知ってても対応出来ないです)それより、一体どれぐらいの高さまで落ちたのだろう。こうして、まだ意識があるって事は即死する程では無かったという事になる。だが、身体のあちこちが鉛をぶつけられたかのように全身に痛みが響いている。

 

…てか、僕は何時まで倒れてるつもりなんだ。何で開幕落下オチの話をしてんだよ。まぁいいや、そんな事ずっと考えると終わりが見えなくなる。大人しく起きるとしよう。

 

目を開く、すると辺りに光が――という訳でもなく、さっきよりも暗く、ボロボロな教室が目に映るだけだった。

 

「あ、時之、時之、歩のヤツ起きたわ」

 

「マジか!?おい歩平気か?」

 

声の鳴る方へ顔を向ける。すると目の前には僕を揺らしている時之と、それを遠目に見てるメル子がその場にはいたのだった。

 

「お前ら…イテテ、おい、何で勝手に入って襲われてんだよ」

 

「いやそれはメル子が…」

 

「何よー」

 

…教室の周りを歩く(痛い)。見た所、この教室は僕が先程までいた教室よりも酷い有様だった。机の脚が一つ一つ欠けていて、どれもバランスがとれていない。黒板も刃物で引っ掻かれたかのように傷つけられていた。

 

―――そして、ドア。教室のドアだけは、原型を留めていた。

僕はドアに手を伸ばし、開こうとする。

 

「…あれ?…開かないだけど」

 

「当たり前でしょ?でなきゃ私達ここで気ままにのんびりとしてないわ」

 

「のんびりすんな」

 

「窓もどうやら板で封じられてるみてーなんだ。…なぁ歩、枯羅統ならこの教室破壊できるんじゃねえのか?」

 

そうか!そうだそうだ…あのツンツン幽霊ならこんな所一発の筈だ。そう思うといてくれて本当に感謝だな…ホント、流石だよ枯羅統。カワイイよ枯羅統。

 

「よし、そうと決まればこの刀から起こして―――」

 

「いい方法ね、歩」

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、肝心の刀は?」

 

「え」

 

ここで一度、前回の僕が落下する所から思い出してみよう。落下以前、確かに僕は刀を持っていた。が、あの落下の際、ほらここここ、落ちる時引っ掛かって穴に落ちずに空中に飛び、そのまま教室に落ちた。

 

「なるほどぉ、そういう事か」

 

「いや文だけだから何が何だか誰も分からないわよ…」

 

「そもそもお前ここに来るまで刀の事忘れてたろ」

 

「…テヘっ☆」

 

メル子に蹴飛ばされ僕は床と接触する。そしてそのままの体制で、時之とメル子に蹴られ続けている。

 

「痛い痛い痛い痛い!?ごめんごめんってば!何とか他の方法思いつくから!」

 

「信じられるか!」

 

「アンタの案何か毎回ロクなのないじゃない!」 

 

蹴られ蹴られ、蹴られ続ける。しかしこのままじゃラチがあかない。何とか別の方法は無いのだろうか、少なくとも、この教室のドアだけでも破壊出来るモノ…。

 

「…あっオイ二人共!方法が分かった!分かったから蹴るの止めてくれ!」

 

「…ホントか?」

 

「あぁ!」

 

「絶対ロクなのじゃないわ」 

 

「いやいや、これは僕にとっては珍しい名案だよ、どれくらい名案かと言えばそうだな、出掛ける際に雨が降るか降らないかくらいの」

 

「解散」

「解散」

 

「待ってくれぇー!」

 

二人の解散を止めると、僕は制服のポケットから、キャロットに託されたグローブを手にはめた。

 

「コレだよコレ!このグローブだ」

 

「何よ、グローブがどうかしたの?」

 

「キャロットの話だとこのグローブ、過去の魔法少女の遺品らしいんだ。だから、これを使えば…!」

 

僕は教室のドアの前に立つ、そして右手に力を溜めた。

 

「…おお、何か粒子みたいなのが出てきたぞ!」

 

「こっこれまさかいけるんじゃ!?」

 

「多分な…!これで充分か?なら…!」

 

力を溜め終わった右手を、僕は大きく、力強く教室のドアに向って振りかざす。すると、教室のドアは僕が拳を当てた部分を中心にヒビ割れていき、それが辺りに広がり、なんとドアどころか壁一つ破壊出来てしまったのだった。

 

「おおー!やるじゃない歩!これならまた上に戻れそうよ!」

 

「やったな歩!…歩?」

 

「痛い」

 

「は?」

 

「手…右手が…右手の骨が粉々になってる…」

 

…負荷が無いなんて甘い考えはやめよう。

 

「そう」

 

「んじゃあ頑張れよ」

 

「は!?オイちょっと待て僕を置いていく行く気か!?」

 

僕は怪我人だぞ!てかそんなサラッと置いていくか!?…いや、この二人ならやるだろうな、なにしろ出会った時もこんな態度だったし、五月のあの事件が終わるまでは三人共まぁまぁ冷たかったしな、それが少しずつ温くなってきた感じ、いや何処がだよ全然温くなってきたねぇじゃねぇか、むしろカッチカチだよ、氷じゃねぇ、氷山だ。しかも水面上では小さいが水中を見てみたらかなりデカいヤツだ。にしても右手が痛い、いや…逆に痛すぎて感覚が麻痺してるのか?まぁそうじゃ無かったらこんなゆっくり長く地の文が長くなってないわ、てかホントに置いていく気か!?待って待って一人は怖い!

 

「オイお前ら待てって…」

 

ゆっくりと僕は自分の脚を立たせ、教室のドアを跨ぐ―――――跨いだ筈だった。

 

「…は?」

 

その、跨いだ筈の脚が無かったのだ。

 

「…ッ!?ぐきゃあぁぁぁぁ!?」

 

痛い痛い!?何だ!?何なんだ!?あの二人は確かに普通に通れた筈だ!何で、何が起こっているんだ!?『異端』の能力か…!?なら何処に―――、クソッ!脚の痛みが尋常じゃ無い!…一か八かまたグローブで殴ってみるか…?でもそんな事をしたらまた腕が…いや、腕なんてどうでもいい!

 

「どうせ粉々になってるなら…少しは抑えられる筈だ!」

 

※良い子は真似しないで下さい。

 

僕はまた勢いよく、拳を当てる。今度は床だ。

 

「―――ッ」

 

最早、痛みさえ感じなくなってきた。が、拳を当て、見事に校舎の床が崩れた。僕はそのまま落下し勢いよく下にぶつかる。

 

「…何だコレ、教室が浮いてやがる…!」

 

何十、何百、何千もの、この木造校舎の教室が僕の視界に映る。どれも宙に浮いていた。

 

「本体は何処だ…?何処にいやがる…!」

 

教室は一つ一つ動き出し、繋がる。そうすると廊下が生まれ道が出来る…成る程、そういう事か…つまり僕等はここに来た時点で『異端』の策略にハマっていたようだ。だが、分かった所で、脚が無いから立てもしない。右手は粉々だからグローブを使いにくい、左手を使おうにも、両手が使えなくなるのは致命的だ。

大人しくここで助けを待つ他ないのだろうか…でも、理代もしほ先輩も明日奈の相手で精一杯の筈だ。

 

「…なら、僕一人でこの状況を打開しなきゃ―――」

 

「そんな格好でよくそんな事言えるねぇ」

 

突然、僕の耳に不快な声が訊こえる。その声の訊こえた方向を見ると、予測通り、不快の象徴(キャロット)がいた。

 

「どちらも五文字だからしっくり収まるね、それはそうと…ボロボロだねぇ…歩くん」

 

「お前…どっから来たんだよ」

 

「僕はあるべき時に来てあるべき時ではない時にはこないマスコットだよ?突然現れるのは寧ろ都合の良い展開で良いじゃないか」

 

「都合…悪すぎんだよ!見ろよホラ…僕の右手と脚が…」

 

「右手と脚がどうしたのさ?両方ともピンピンとしてるくせに」

「え?」

 

―――改めて、右手、そして脚を見る。

そこには、確かに無かったはずの脚、粉々に折れ使い物にならなくなった右手が、全て元通りになっていたのだ。

 

「なっ何だコレ…!?確かに僕は…」

 

「おやおや、良かったじゃないか」

 

「まっまさかコレって…」

 

「…」

 

 

「この魔具の力か…!?魔法少女の遺品だってならそういう力だってある筈だ…!お前なんてモノ渡してくれてんだ!」

 

「は?…ンン゙ッ、んーまっまぁそういう所だね。キミに死なれちゃ困るからさ、丁度いい魔具があって助かったよ」

 

「ざけんな!…って思ったけれど、そうだな…こんな状況じゃ有り難い魔具だよ…」

 

にしてもこんなデメリットだらけのグローブを使ってた魔法少女はかなり大変だっただろうな…いくら再生するからってこれが何度も続くのは精神面でのかなりくるだろうな…しほ先輩の魔具や理代の魔具(あれを魔具といっていいのか)はそこら辺のデメリットは無さそうだったし、魔具に関しては魔法少女になった者の運も絡んでいるのだろうか?だとしたらヒドいの引いたらその時点で人生を棒に振るレベルの事態になりそうだな…この魔具も、デメリットが大きいから、それが原因で殺られてしまったのだろうな…。

 

「まぁいいや、身体が無事なら何とかなるさ、問題は『異端』の本体が何処にいるかだが…」

 

「本体?…あぁ、そっか、まだ気付いていないんだ」

 

「…は?気付いていない?」

 

「うん。今回はかなり分かりやすいと思うけどなぁ、入った時点でみんな既に会っているんだよ?」

 

「既にって―――?」

 

「まぁ後は自分で考えてみなよ。ほらほら、早くしないと今度はメル子ちゃんや時之君が既に危険に会ってるかもしれないぜ?」

 

「…だな」

 

僕は再度身体を立たせ、再び廊下に出た―――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●○■□●○ 

 

「ほらほら!どうしましたか?ななしー先輩、段々押されてるじゃないですか〜!」

 

「…ッ!そうね、けど、貴女に負ける気はないわ」

 

「へーこの期に及んでまだそんな強気な事言えるんですね」

 

明日奈との戦闘、魔法少女同士の戦闘は珍しくないと言われているけれど、私も、それに他の一部の魔法少女はそんな事は望んでいない。互いのすれ違いそれによって生まれてしまう。私はそれを何度だって見た事がある。…そして、結果も知っている。

 

「明日奈…貴女にどんな事情があろうとも…誰かを巻き込もうだなんて行為は、私が見過ごせないわ」

 

「フフッ…そうですかーそうなんですね」

 

――明日奈は、自分の持つ大剣を上に翳す。

 

「ッ!?貴女まさか――!」

 

「テヘっ☆あまり長引くような戦い、私好きじゃないんですよねーだからもう終わりです」

 

「明日奈!」

 

「アストラ・プロビデンス」

 

「イマジナリスヴァレット!」

 

明日奈の攻撃、そして、私の攻撃、お互いの技が反発し合い、木造校舎の教室が壊れだす。

 

「―――技が…いつものより強い…!」

 

あの時もそうだった。あの時…キャロットが言っていた『絶望化』に陥っていた私と同じ…!

マズい…!体制が…!

 

「よっこらせっ!」

 

「あっ…!」

 

――私の攻撃が弾かれ、明日奈による大剣の斬撃が、私へと降り掛かる――――。

 

「まったく、うるさいわね」

 

筈だった。

 

「何…?急に現れて邪魔しないでよ」

 

「貴女は…!枯羅統ちゃん!」

 

「ちゃん付け止めて、…随分と苦戦してるようね。歩は何処?」

 

「…歩君は―――」

 

「その様子だと何かあったようね。まったく…しほ、ここからは私も戦ってあげる。勝てなくても、理代や歩に繋げるわよ」

 

「…ええ!」

 

「あーあ、何人集まっても勝てないのに…まぁいっかドンと来て下さい」

 

「言われなくても」

 

「明日奈…貴女は私達が止めてみせるわ!」

 

勝てなくたっていい。けど、仲間として、友として、私は貴女を止めなきゃいけないのだから――――。




歩君?

一章最終話間近ですがここまでで歩君にどんな印象を感じました?

  • おー……ええやん
  • 影薄過ぎない?
  • ロリコン
  • 今からでも理代ちゃんに主役の座よこせ
  • ヤンデレに×××されろ
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