―――二時間後。
「困ったわね、道に迷ったわ」
「だから言ったじゃないですかー!!!」
現在、僕等は裏山の何処かで見事に迷子になってしまったのだった。
辺り一面同じ景色、歩いても歩いても何一つも変わらない状況、まぁ…大体はしほ先輩のせいだけどね。
…最初はリーダーシップあるなこの人とは思ったよ。まさか全部ハズレの道とは思わんわ。そりゃ伊予川もそんな事言うよ。
元々体力のある火出は良いとして、体力がカスな僕や理代は既にヘトヘトな状態になっている(それでも僕の手を離そうとはしないのである)。
「可笑しいわね…?分かれ道というのは左に行けば安全なのに」
「そんな事無いですよ…?」
「歩…この人っていつもこんなに優柔不断なのか…?」
「いっいや…それは無い筈だったんだ…最初の頃は僕も威厳のある人だと思ってたんだよ…」
よくよく考えたら初期のしほ先輩はもうちょっとこう…話しかけづらい雰囲気が漂っていた気がする。それが何で方向音痴キャラになりかけてんだよ。
「安心して、私がいるから必ず皆を…」
「それさっきも聞きました…」
「そっそれに…この山、噂だと熊とか出るそうなのでその時は逃げましょうね…?」
「…え?」
三玖がひっそりと忠告する。てかどんだけ危険なんだよこの山、これが学校の近くにあるってマジか?
…と、そんな事を考えてると、理代が手を上げた。
「あっあのーみなさん…このまま歩いててもキリが無いので、もう戻った方が…」
「駄目よ」
「駄目!?」
即答であった。
「歩けば着くわ」
「それは着かないやつです!」
「歩、これは流石に不味いぞ、このままじゃ今回迷子になってるシーンだけで終わるぞ」
「それはマジでヤバい!」
余計な回で話数を稼いでる場合じゃねぇ!何が何でも小屋を見つけてやる!
僕は全速力で森を駆けた。
「あっ歩君!?」
「駄目です!森で走ると―――!」
「確かこういうのって…」
「崖に落ちるのがオチだったりするわね」
「あー確かにそうですね」
僕は見事に落下した。
■●★▲▲◆
「痛てて…クソっ、周りを見るのを怠った…!」
「…何か揺れたから起きてみたら何してんのよ」
崖から落ちると、枯羅統が落下の衝撃で起きたようだ。僕も身体を起こそうとする。やはり足が折れていた。グローブを先に付けておいて良かった。これのお陰で何でも治るから便利だよホント。
「…少しくらいなら背負ってあげるわ」
「マジ?ありがとな」
枯羅統が僕を背負う。
「…何だろなぁ、何かお前、少し丸くなったよな」
「は?丸くなった?」
「一ヶ月前のお前だったら背負うなんてまずしないだろ?このまま放置してどっかいき…」
「だったら今ここで放りだしてもいいのよ?」
「…あぅ」
冗談というものは、時に人を傷つける。こればかりは僕が悪い。
「…まぁ、丸くなったのはそうかもしれないわね」
と、枯羅統はため息をしながら言ったのだった。僕は辺りを見渡す。本当に景色の変わらない山だなと僕は感じた。本当に小屋なんてあるのだろうか?やっぱりただの噂話だったんじゃないのだろうか。
「…」
静かな時間が続く、その割に、枯羅統の足が少し速くなったようだ。…というか、イライラしてない?
「…チッ、歩、少し降りて」
「え?お、おう…」
枯羅統に言われた通り、僕は枯羅統の背中から降りた。
「…ッッ!!!」
―――次の瞬間、枯羅統が自身の身体から取り出した鎌を振り回した。
「――――ッ!おい!?何してんだよおま―――」
「やっぱり、これじゃあ迷う筈よ」
「は?」
「前、見てみなさいよ」
僕は言われた通り前を見てみる。
「…は?」
そこには、信じられない光景が映ったのだった。
「幻覚…、『異端』の能力じゃなさそうね、魔法少女の力かしら…?」
「幻覚って…!?一体いつから…」
「分かんないけど…まぁ見事にハメられたわね。学校の裏山なのに何も整備されてない道だと思ったわ」
「こんな一本道に幻覚を仕掛けるなんて、相当性格悪いわね」
―――僕等の目の前には、目的地である小屋があった。
「しっかし良く分かったな…お前」
「当然よ?こういう同じ景色が続く場所でのループするっていうのが定番なの、昔ゲームでそれにイライラしたわ」
「へー」
「一応聞くけどイライラしたから無策に振った訳じゃないよね?」
「ソンナコトナイワヨ」
…図星じゃねぇか。
「…とりあえず、入る?」
「…うん」
僕は小屋の取っ手に手をかけ、前に引く。キィィと言う音と共に戸が開いた。
中は薄暗く、変な臭いも漂っている。小屋のものは大半が木で出来ていて所々欠けていた。
「ホントにここにあの七人がいるのかな…?なぁ枯羅統…枯羅統?」
「似てる」
「は?」
「…ここ、昔来た場所に似てる」
「…昔ってお前…?」
そのとき、僕は木製の机に置いてある1枚の紙切れに目を通した。
「…『may you be happy(あなたが幸せでありますように)』?なんだコレ?」
「ッ!?そっそれは…!?」
「あらら、もうウチらの小屋見つけたんだ」
「「!?」」
「まぁいっか、キミらもこっちに来なよ」
後ろから声が聞こえて、僕は直ぐに振り向いた。しかし、謎の光で姿が見えず、次の瞬間―――。
僕の意識は途切れたのだった。
◆▲○◇□◆▲
「あれ?幻覚消えちゃった」
「むぅ〜迷ってる所面白かったのに」
「こうなったら私も小屋にいっちゃお!」
一章最終話間近ですがここまでで歩君にどんな印象を感じました?
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おー……ええやん
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影薄過ぎない?
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ロリコン
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今からでも理代ちゃんに主役の座よこせ
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ヤンデレに×××されろ