「…?ん?」
「あら、起きたのね」
―――目を覚ます、どうやら意識を失っていたようだ。
「枯羅統…?ここは一体―――」
「さぁ…?見た感じ…炭鉱かしら?」
辺りを見渡してみると、入り組んだ薄暗い洞窟で周りにはツルハシだったり、鉱石を積む用のトロッコが置いてある。
…いや、どうして僕等は炭鉱にいるんだ?先程まで僕等は小屋の中にいたはずだ。
なのに一体全体どうなって…?
「―――そうだ、あの時聞こえてきた声…!」
「声…?あぁそういえば聞覚えの無い声が聞こえてきたわね」
「それで辺りが光って…ってどうすんだよコレ!?理代や先輩達とハグレちまったじゃねぇか!」
「それはまぁアンタのせいってのもあるけど…まぁこの際どうでもいいわ、今はここから出る方法を探りましょ」
そういうと枯羅統は炭鉱の奥へと進んでいった。
…しかしまぁ、皆と離れるのはこれで何度めなのだろう。
辺りをもう一度見てみると、所々が岩で塞がれていた。
唯一塞がれていないのは目の前の道のみである。
うーむどう見ても怪しい、絶対罠だ。
でもまぁ、ここから出るには通るしか無いもんな…。
▲◆□◇○♡■
「――何も起きねぇ!!」
なんか起きる雰囲気だったじゃん!ただの一本道だったよ!
普段だったらこう…『異端』が現れて襲いかかったり…。
「…そう言えば、ここって本当に僕等のいる世界か?もしかして…」
「『裏世界』、その可能性も無くはないわね」
と、いつの間にか合流していた枯羅統が言った。
「どうりで鼻が腐りそうな感じがしたわ。…でも、あの小屋にはゲートは無かった筈、いやでもまさか…」
「―――あの光が関係してるってことか?」
―――この世界が『裏世界』なら、間違いなくあのタイミングで僕等はここに飛ばされた…かも知れない。
兎に角、ここが『裏世界』なら、一刻も早くゲートを…いや待て。
「…どうしたのよ、急に止まって」
「―――もう少し辺りを見てみないか?」
「辺り?…あーまさか」
まだそうだと決まった訳では無いけれど、この空間―――もしかしたら、ここに行方不明になっている七人がいるかもしれない。
辺りは余りにも広い。
いや広すぎるなオイ、上を見れば階層がかなりあった。
…いたとしてもこれをすべて確かめるのは骨が折れるな…。
「まぁでも調べるに越したことはないわ、行きましょ」
「あっちょっ…ってナチュラルに地の文を読むなオイ!?」
そう言うと枯羅統は上の階層へと飛んでいき、足場に立つと上から僕に向かって、
「アンタは下の階をみてなさーい」
と言った。
「まぁいいか…じゃあ先ずはこのドアから…」
僕は右から2番目のドアに手を伸ばす。
「おっ開いた開いた…ん?」
確かにドアは開いた筈だった。
―――しかし、そのドアを開けると、そこには岩で塞がれた…というか壁があった。
「はっハズレのドア…?そんなんまであるのかよ…」
これは時間がかかりそうだ…けれど、一つ一つ試すしか無いだろう。次はこのドアだ。
僕はドアに手を伸ばす――――。
「…開いた、そして部屋がある!」
やったー!当たりかもしれない!
「えっと中には…」
「――ちゃん!どうしよう…もう何日――」
「大丈夫だよ―――ちゃん!きっと誰かが」
―――声が聞こえてきた。
どうやらこの奥からの様だ。
周囲に罠がないか確認し、ぼくは奥へと向かい、
「おーい!誰かいませんかー?」
と、言った。
「―――!こっこっちです!こっちにいまーす!」
左の方から声が聞こえた。
僕はその声の聴こえる方へと向かってみた。
―――すると、二人の少女が牢屋のような部屋に閉じ込められていた。
「やっやった!助けが来たよ水樹ちゃん!」
「うっうん…!良かったぁ…」
「水樹…?」
「あっはっ初めまして!私は『鏑木 火憐』です!この娘は『周防 水樹』ちゃんです!」
「どっどうも…!あっあの…貴方はどうしてここに…?」
普段ならここで説明を何行か挟むが、流石にそれを今やるのは間が悪い。今は…。
「ごめん!話は後にしてくれ!今は君達をここから…!こっここか…ら…!?」
僕は牢屋のような部屋の(もうそれは牢屋だ)鉄格子を開こうとするが、何度引いても開かなかった。
どうやら鍵が閉まっているようだ。
「ウソだろ…!?此処に鍵の概念あるのかよ…!?」
「あっ…やっやっぱり開かないですね…」
「私達も色々な方法を試したんですが、どれもダメで…うぅ、どうしよう…」
「諦めちゃだめだって水樹ちゃん…!何か方法があるはず…!」
…さっきここに来る前、二人…いや水樹の方から何日もと言う言葉が聞こえてきた。
このままこの状況が続けば、幾ら契約してる可能性が高い二人でもいつかは…。
「――それは駄目だ」
僕はズボンに入れていたグローブを手にハメる。
「…?あの、何をして―――」
「二人共、少し下がって」
「えっ…?あっはい」
僕は大きく拳を振りかぶり―――鉄格子を殴った。
「っ!?なっ何してるんですか!?トチ狂ったんですか!?」
「あっみっ見てよ火憐ちゃん!鉄格子が吹っ飛んでる!」
「えぇ!?…良くわからないけど、その!ありがとうございます!もう何と言っていいの…か…?」
…いや、ホントに馬鹿な行動をしたとは自分でも思ってるんだ…。
木造校舎を殴った時に腕が砕けたんだから鉄なんか殴ったらどうなるかなんて分かってた筈だ…。
案の定腕どころか肩まで粉砕しやがった…!
「あっあのー大丈夫ですか?」
「だっ大丈夫…!大丈夫だから…!キミらの方こそ大丈夫かい…?」
「大丈夫ですけど…その、貴方は大丈夫じゃ無さそうなんですが…」
「平気平気…ほっはら…此処に長くいたら危険だから、安全な場所まで送るよ…!」
「はらじゃなくてほらですよ!舌までおかしくなってます!」
「かっ肩貸してください…!貴方も此処にいたら危ないです!」
火憐と水樹は、僕の肩に手を回し、部屋の出口に連れて行く。
助けに行ったはずなのに逆に助けられてしまう如何にもマヌケな事態ではあるが、段々僕は考える気力も無くなってきた。
「えっと…ここを出れば…あっちょっ寝ないでください!こんな所で寝たら死ぬかもしれませんよ!」
「火憐ちゃん…これ寝てるんじゃなくて死にかけて…」
「それはもっとヤバいですー!?」
■♡○▼●○
「…お?」
「…あっ!火憐ちゃん!この人目覚めたよ…!」
「ホント!?ひやぁぁぁぁ…一時はどうなる事かと…!」
目が覚めると、(あれこの展開さっきしたな?)知らない部屋に僕は横たわっていた。
…状況をひとつひとつ理解しようと辺りを見る。
どうやらあの部屋から出た後、二人は別の部屋を見つけ、僕をこの部屋に運んだと言う事だろう。
…あれ、なんだろうか?助けに行ったはずなのに物凄く迷惑になっている気がする。
「えっと…その…ごめんな二人共、助けに行ったはずなのに逆に助けられるだなんて…迷惑させたよ」
「いえいえ!迷惑なんてしてませんよ!寧ろ助かりました!」
「貴方がここに来なかったから…その、がっ餓死してたかもしれませんし…」
その言葉を聞いて、僕はもしあの時助けられて―――いや、見つけられていなかったら…という事を考えてしまった。
…いや、これはもう過ぎた話だ、二人はもう助けられている。
一先ず救助者の内の二人を救出…でいいのかな?けれど、あの牢屋にいたのはこの二人だけ、残りの五人の行方が分からない。
「…あっそうだ、貴方の名前…聞いてなかったです。えへへ…この出会いはなにかの縁かもしれませんしね」
「…名前?あぁ、そういえばあの時名乗ってなかったな…僕の名前は『篠目 歩』。魔法少女の『相談役』だ」
「魔法少女…?相談役…?」
あれ?…この二人はその知らないのか、両者同じタイミングで首を傾げる。
「あのー魔法少女ってなんですか?」
「もっ、もしかしてですけど…その魔法少女って言うのが私達が此処にいる原因なんですか?」
理解が早いなこの娘ら、まだそこまで話してないよ?
「あーえっと…まぁそうかな、詳しい事は今度話すよ。今はここから出る場所と他の子たちを探さないとだ」
「他の子たち?それって…」
「宇津木ちゃんや野土香ちゃん達のことですか!?」
―――宇津木、それに野土香。二人も確か、例の小屋に辿り着いた人物だ。
「私達…四人で此処に来たんですけど、小屋に入った途端意識を失ったらここにいて…あっその時、他にもここにいた人がいました!」
「えっと確か…高等部の桃園先輩に遠藤先輩、それに湯桜先輩…そして―――」
この三人も、理代が調べた(調べたのメル子だけど)リストに載っていた。
火憐の言葉通りだと、火憐、水樹、宇津木、野土香は中等部、月華、亜金奈、明日は高等部と言う事だろう。
七人は全員ここにいたって事か――――。
「あと、同じクラスの伊予川さんもいました!」
「――――は?」
○●○●▼●
「歩くーん!どこー!?」
「…駄目ね、落ちた所をいくら探しても、何処にもいないわ」
「…というか、私らが迷ってません?」
「ここ何処ですか…?」
…あれから数十分、私達は歩君の落ちた先に急いで向かったけれど、何処にも見つからない。
もしかして、誰かに拐われた…?そんな事はないハズ…だよね?
きっと歩君の事だからまたどっかに走っていっちゃっただけなハズ。…そうだよね?
「理代ちゃん、大丈夫か…?さっきから息が荒いぞ…?」
「えっ…あっうん。大丈夫…、大丈夫だから…」
「本当か…?にしてもここ、さっきも来たような…」
辺り一面同じ景色、歩いても歩いても何も変わらない。もう何処から来たかも私達は覚えていない。それに、何だか気分が…。
「あの…しほさん」
「えぇ、分かってる」
「…?、何をしてるんですか?二人共…」
「二人共、周囲を警戒して」
――しほ先輩が、武器を取り出す。
「誰?さっきから追ってきてたみたいだけれど、まさか気付かないとでも思ったの?」
「しほ先輩…?」
「理代、見つけ次第狙って、三玖は盾で火出ちゃんの安全を」
「はっはい!」
私はしほ先輩に言われた通り、ガトリングを出す。…追われてただなんて、しほ先輩に言われるまで気付かなかった。
「―――あーあ、見つかっちゃった〜」
――木の陰から、突然女の子が現れた。
「あのお兄さんが小屋に向かったから付いてこうと思ったけど〜丁度お姉さん達が来たから遊ぼうと思ったのにな〜、どーお?この幻覚すごいでしょ?私の友達のものすごーい能力なんだよ?」
「小屋に…?歩君は小屋にいるのね?」
「うん!ん〜そうだな〜ここじゃ狭いしー
「あっち?―――ッ!?」
突然、私達のいた景色が全て消え去り、目の前にゲートが現れだした。
「丁度いい所で気付いてくれてくれたみたい、改めまして!私は『御園 神子』!」
「名前だけでも覚えてくれたら嬉しいな☆ピースピース!」
一章最終話間近ですがここまでで歩君にどんな印象を感じました?
-
おー……ええやん
-
影薄過ぎない?
-
ロリコン
-
今からでも理代ちゃんに主役の座よこせ
-
ヤンデレに×××されろ