「しっかし良くわかったなぁ、割とバレね―ようにしてたんだぞ?」
「……通話中にお前が僕が皆とハグレたって言った時に確信したんだよ―――それに」
「それに?」
「『こっち』と『あっち』を介しての通話は出来ない、その筈なのにお前は僕に通話してきた。―――僕が分からないとでも思ってたのか?」
「―――へぇ、結構知識あんだな」
時は数分前、僕が『絶望化』した室星に吹き飛ばされる前の事である。
僕は火憐と水樹を僕の後ろに隠れるよう促し、室星を少しずつ刺激しないよう会話している。
―――それと、今話した『裏世界』と本来僕らのいる世界を介しての電話は不可能だという会話、僕はあれをあの日あの野郎から教わった。
――――ん?メル子はメール送れてなかったかって?まぁそれについてはおいおいって事で………。
「あの時会った時はそんな風には思えなかったけどなぁ、アタシの勘違いだった見て―だ、こりゃあ三玖も懐くわけだ。意外性がたけーよ」
「―――室星、お前は」
「あー分かってる分かってる。何でアタシがここにいるのか、それとここにいる三玖は本物なのかって事を聞きたいんだろ?」
―――室星は平然とした表情でそう言った。彼女の言う通り、僕はその二つの事を室星から聞こうとした。
……それにしても、室星の奴、何でこんなにも冷静でいられるんだ…?
顔を見ても『絶望化』特有のアレは起こっておらず(寧ろ何時ものカワイイ顔だ)、僕は彼女が何をしようとしているのかが段々分からなくなってきた。
「まぁ、結論から言っちまえば」
―――と、そんな事を考えていると、彼女はこう発した。
「―――この一連の半分の事柄は、アタシと三玖が仕掛けたモンなんだよ」
「……は?」
「んあ?分かりづらかったか?まー1から話すとなるとこうだな」
「まず、三玖が何日か前―――、あぁ、篠目君がしほ先輩堕とした時な、ここの山にあった小屋を見つけたんだよ、それを三玖は直ぐにアタシに連絡し、新しいアイツの心を落ち着かせる場所にしようってことにしたんだ。そう考えていると突然、ゲートが開いたんだよ、アタシらはそれに入ろうとしたんだけど突然辺りが光って気付けばアタシらはこの炭鉱の良く分からない場所にいたんだよ。そっからは大変だったなぁ、ここの『異端』のせいで三玖の人格が二つに別けられて、そっから片方は―――まぁそれはいっか、そのせいで三玖は状態が不安定になって記憶もチグハグになってんだよ。突然この事を噂話として広げようとか言い出したし、もう訳が分かんなかったなぁ。まぁでも三玖の頼みなら断れないのがアタシだから、いつも通りしほ先輩筋トレに誘ったりしながら秘密裏に計画を進めてたんだ。そっからはまさか七人もここに来たからビックリしたよ」
「まーこれが真実―――ってありゃ?結局何を仕掛けたんだっけ?まぁいっか」
「―――つまり」
「あの三玖も、ここの三玖も両方とも本物…!?」
「おう、あー勿論アタシも本物だぜ、『異端』の攻撃を喰らったのは三玖だけだからな」
と、室星はヘラヘラとしながら僕にこの一連の事を語った。
……僕は徐々に足を前にし、火憐と水樹を近づけさせないようにしている、室星が何をするのか分からない。……それに、アイツの言う通りなら、この奥にいる伊予川は―――。
「―――――――あ、不味い。時間だ」
「え?」
室星がそう言うと、辺りから――――
「―――!!!!!!!!」
と、怒号が辺りに響いた。
「なっ何だ!?」
「ありゃりゃ、三玖がご乱心だ。こりゃー話してる暇はないみてーだな」
「ひっ暇はないって―――」
「仕方ねぇ、そろそろ始めるか」
と、室星は何処かから『マインドハート』を取り出し、そして僕の目の前に――――。
「――――ガッ!?」
「―――しっ篠目さん!?」
――――なん……だ!?僕の目の前には室星がいた筈だ…!!
なのに、今映ってるこれは……手!?
「よっこらせっと!!」
室星は、僕を壁の方へと押し付け、力を込めて僕を強く押し込んだ。
それによって炭鉱の壁は破壊され、僕はそのまま室星に押し込まれたまま落下していった。
●▼◆□◇○
「どっどういう事なんだ歩!?遊も伊予川ちゃんも『絶望化』したって……!?」
「そのままの意味だ!それに遊は―――ぐっ!?」
「ふぅ……おー皆集まってんじゃん、これは都合がいぃなぁ」
回想が終わるやいなや、僕は室星に頭を掴まれたまま地面に叩きつけられる。
今の室星は、魔法少女の姿でありながら、その目は何も映らず、光もない虚構となっていた。
―――彼女は今、『絶望化』状態になっているのである。
「遊……!?貴女何でここに―――」
「しほー、何でそんな鋭い目で見るんだよ?アンタは仲間に敵意見せる人だったか?」
「……相変わらずの減らず口ね、ガサツな割に口も達者」
「今それは関係ないだろ?アタシが聞いてんのはアンタが味方に敵意みせる人だったかって話―――」
「イマジナリスヴァレット」
――――炭鉱内に大きな揺れが起こる。しほ先輩が斧を室星へと向け振り下ろし、それが地面に激突したため、炭鉱内の地形が変形し、揺れが起こったのだ。
……いや、ホント容赦ないなこの人。仮にも僕が目の前にいるだぞ?
「―――確かに、私は味方に敵意を見せるような人物ではないわ、でもね」
「―――友達に危害を加えようなら、私は貴方に敵意を見せ続けるわ」
「なるほど、よくわかんないっすね!!」
―――室星の持つ鎌型の魔具を、しほ先輩は自身の斧で弾き返す(そうやって使うもんじゃない気がする)、そして、お互いの魔具が弾き合った後、しほ先輩は斧を槍に変形させ、室星は姿勢を低くして攻撃態勢に入った。
……そんな時僕はと言うと、そそくさとその場を離れようとしていた。
いやだってこんな所にいたら何時僕まで巻き込まれるか分からないもん。今の内に理代達の方への向かうとしよう。
僕は急ぎ足で理代の方へと向か―――。
「ほいっとぉ!も〜駄目だよお兄さん逃げ出しちゃ〜」
「え?―――オブっ!?」
――僕が理代の方へと駆け出そうとした瞬間、突然何かに引っ掛かったのか躓いてしまった。何に躓いたのか僕は地面に伏せた状態で探したが、何も無かった。……というか、こんなにも平坦になった所の何処で引っ掛かったんだ…?
躓いた瞬間聞こえてきた声……って、誰だあの娘?
「歩君!!なっ何したの!?」
「ん〜?何って?私はなーんにもしてないよ〜?お兄さんが勝手に転んだだけだよ?」
―――と、知らない少女は笑顔でクルクルと回りながら言った。
……いや、マジで誰だこの娘?僕がいない間何があったんだ?というかしほ先輩の方を見てみたらまだ戦ってるし…ってというかしほ先輩押されてない?
「ッ…おいおい、何時になったら攻撃すんだよ、さっきから受け流してばっかりじゃねーか」
「……」
「……まぁ、そんな事聞いても意味ね―か」
と、室星は呆れながら片脚を地面に強く踏み込んだ。
「――――なら、これも受け流して見ろよ!!」
「ッ……!?それは…!」
室星は鎌を地面に向かって強く振り下ろし――――。
「―――やっやめて遊ちゃん!!」
「……三玖?」
「さっさっきからどうしたの遊ちゃん…!?どっどうしてしほさんと戦ってるの!?私分からないよ!!」
「……」
「そっそんな事しないでよ…!私そんな遊ちゃん見たく「そっか、
―――室星は、先程までしていた姿勢を崩し、伊予川の方へ身体を向けた。
そういえば室星がさっき記憶がちぐはぐになっているって……。
「――ごめん三玖、はっきり言う」
「今起きているこの一連、起こしたのはアタシら二人なんだ」
「―――え?」
「まぁそこにいる奴はしらねーけどな、誰だお前?」
「あれ?今更気付いたのー?」
……いやそうだよ、誰だよ。マジで誰だよ。この状況で一人情報のない奴がいるのはホラーなんだよ。
「なぁ三玖ー、……聞こえてないか。じゃあ理代ーソイツの事知ってるか?」
「……」
理代は黙って室星の方を見続ける。
僕はそんな理代のそばに近づき(実はさっきまでバレないように移動してました)、あの少女について聞くことにした(よくこの状況で聞こうと思ったなオイ)
(なぁ理代、誰なんだあの娘…?)
(えっと、御園神子って娘みたい…。それ以外は分からないけど、詳細が不明だったからさっきしほ先輩に殺されかけてたの)
……何してんだよこの人、判断するのが早すぎるわ。てか、この街に魔法少女ってまだいたんだな……、僕が知らないだけでまだまだ沢山いるのだろうか?
……骨が折れるなぁ。
「……教える気なしか、理代の事は信頼してたのになぁ―――いや、もしかして」
「
と、室星が何かを言おうとした瞬間、銃弾が室星の顔を横切った。
理代が銃で室星を狙ったのである。
その時の理代の顔は、まるで仇を見るかのようだった。
「……そうキレんなよ。安心しな、もう終わらせっからよこんな長々と喋ってばっかりじゃつまんねーしな」
室星は先程と同じく、鎌を地面に強く振り下ろした。
すると、先程までそこにいた筈の室星がその場から消えていた。
「は…!?アイツどこに…!?」
「歩君!上!」
僕は理代のその呼び掛けに反応し、上を見下ろす。すると、あり得ないほど高い所から室星が鎌を振り降ろしながら落下してきていた。
……いやいや待て待てこんなの避けられないって!?助けて!誰が助けて!ここで最終回になっちゃう!
僕に向かって室星の鎌が強く振り降ろされ、その先端が僕の頭に――――、
「どっりゃぁぁぁ!!」
「ッ!?なっ…!!」
―――と、思いきや、何かが僕の目の前を横切り、上空にいた室星を突き飛ばした。
「クソッ…!誰だよこんな時…に?」
「ふっふーん、ゆーゆんったら、油断し過ぎ!今回は私が蚊帳の外だと思ってた?」
「助けに来たよ!あゆむん!皆!」
おまけ(いつもの)
伊予川 三玖(いよかわ みく)
現時点で作中キャラの中で最年少。
メインかと思いきや出番の少ない彼女の活躍はこの後沢山出ます。
魔法少女体での魔具は盾。
室星 遊(むろぼし ゆう)
背中の下部分まで掛かるほどの長細いポニテをしている赤い髪の少女。普段の学校生活とかでは最初の時の優しい(?)喋り方だが、身内だったりにはタメ口出話すタイプ。
魔法少女体の鎌に特にそれといった能力は無く、今回やってたあれこれは本人の技能や固有魔法のお陰だったりする。
一章最終話間近ですがここまでで歩君にどんな印象を感じました?
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おー……ええやん
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影薄過ぎない?
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ロリコン
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今からでも理代ちゃんに主役の座よこせ
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ヤンデレに×××されろ