アタシがどーゆう人間だって、簡単に説明してみると、まぁ難しい。
と言うか説明する意味なんてねーだろ、みたまんま何だしさ。
室星遊は室星遊。それで終わりだろ?
それ以上でも以下でもねーんだよ。
……まぁ、それは今となってはって話だけどな。
やっぱりこの喋り方が一番好きだな。あんな堅苦しい喋り方、アタシには向いてね―よ。
後は一人称を昔みたいに出来たら良かったんだけどな、アタシっつーのは今でも慣れねぇ。
……そういや、何時からあの喋り方を始めたんだったけ?ばーちゃんに矯正された時から?それとも、三玖がアタシに会ってくれなくなってからだっけか?
どちらにせよ、アタシにはもうどーでも良いことだしな。
あの時はまぁ、誰もいなくなって一人ひもじい思いをしてたけれど、今はまた、三玖がアタシの隣にいてくれる。
そこらへんに関しては、理代やしほに感謝だな、あの時三玖を救ってくれて本当にありがたかったぜ。
「ちょっと!!私も一緒にみっくん救ったでしょ!!」
……今は回想中だから黙ってくんね―かな、明日奈も確かに救ってくれたけども、とにかくアタシはそこそこ今の仲間とは友情感じてんだよ。
でも、篠目歩。
お前はちげーよ。
……何て、思ったりして。アイツすげーよな、アタシらの計画をアイツ一人で狂わせたんだから。
何で皆はアイツの味方すんだろーな?アタシは馬鹿だから分からねーよ。
……でも、アイツなら三玖の心を救えるかもな。
アタシには出来なかった事だ。三玖を背負ってどっか行っちまったが、まぁそこら辺、頼んだぜ。
今のアタシの相手は、
「『イマジナリスヴァレット』」
「『アストラプロビデンス』!!」
……戦闘が長引いてるからか、二人共大技を連発してきたな。
そろそろこっちも固有魔法を使うべきかもな、今なら明日奈のを使われても感づかれねぇ筈だ。
アタシは迷わず固有魔法を使うことにした。
―――狙いはそうだな、さっきからアタシを狙っている……
「!?」
理代からだな。
持ち前の足の速さと固有魔法で、直ぐ様アタシは理代の目の前に現れる。
「!? しまった、『透明化』を……!」
「理代ちゃん!避けて!」
間に合わねーよ、アタシの鎌は、どんなモンより速くぶった斬るんだよ。
「―――なーんて、思っちゃったりしてるんでしょ?」
「!?」
―――アタシは、理代をぶった斬った。ぶった斬った筈なんだ。
けれど、アタシの目の前にいたのは、理代じゃなく、あの見知らぬ女だった。
「ん〜?もしかして、私をあのお姉さんだと思ってたの?残ー念〜!お姉さんはあっちだよ☆」
「は?」
アタシは、アイツが煽りながら示した場所を直ぐ様見た。
その通りに、理代は由紀にしがみつきながら、アタシの真上にいた。
「ありがとう火出さん! ……どうやって浮けてるの?」
「あの詐欺師からもらった魔具だ!数十秒だけ身体能力を上げてくれるんだ!ほら、このハチマキ!」
それ身体能力か?と、ツッコミそうにはなったが、これはマズいな、前門のしほ、後門の明日奈、上の理代。
見事なまでの追い詰め方じゃねーかよ。尊敬するぜ。
でもな
「ッ! 消えた!」
それだけじゃ、アタシを止められねぇぜ。
「―――おらよッッ!!!」
アタシは何時もの構えをし、鎌を思いっきり横に振った。
思った通り、後退りしようとした地面の二人には命中、理代はそれを見て動揺した。
「しっしほ先輩!!明日奈ちゃん!」
理代、お前はホント優しいよ。あの時私をあそこまで気にかけてくれたんだ。
でもな、今はちげ―んだよ。
三玖の為に、アタシは戦ってんだ。
お前が困ってる顔を見て、攻撃を止めるほど軟じゃねーんだよ。
この勝負もらったぜ。
「なんて」
「思っちゃったんでしょ?ゆーゆん?」
「―――ガハッ!?」
なっ何だ……?何が当たった……?クソッ!頭が回らねぇ!落ち着けアタシ!
アタシは直ぐ様周りを確認した。そして、何が当たったのか、直ぐ様理解した。
「ねぇねぇ、手伝ったんだからさっきのチャラにしてよ?」
「……そうね、考えておくわ」
アイツだ、またアイツに何かされたんだ。固有魔法は何だ……?そういや此処に来る前、妙に長く感じた。まさかそれはアイツがやったのか?
「ん?もしかして此処に来る時のを私のだと思ってる? 違う違う!あれは友達……というか部下のかな〜?」
……部下?いや、今は良いんだ。コイツに気に掛けてると三人がいつ仕掛けてくるか分からない。
「……攻撃してこないの?」
「何してくるか分かんねーのに出来るかよ」
「へー?何時になく弱気だね?」
「そっちだって急に攻撃してこなくなってんじゃねーかよ、チキンレースでも始めんのか?」
「始めないよ」
……順番に話してんじゃねーよ、そこまでしてアタシを止めて―のか?
「……遊、貴女の気持ちも、分からなくもないわ。私も明日奈も……貴女も、同じ様な感情を一度でも持ってしまったのだから」
「……私も人の事言えないけど、ゆーゆん、もうやめよ?こんな事したって、意味ないんだよ。あゆむんのお陰で、私はそれに気付けたの」
「……」
……歩、歩歩歩歩またアイツだ。どいつもこいつもアイツの事ばっかり、三玖だってそうだ。分裂してもあっちの三玖は意識を共有してるから、アイツの話ばっかり聞く。
三玖の口からアイツの名前を聞きたくない。
三玖の目にアイツが映ってほしくない。
三玖の声をアイツに聞かせたくない。
三玖の身体をアイツに見せたくない。
三玖の全てをアイツに渡してやるもんか。
……あれ?何だ?何でアタシ、こんな事考えて……?
「……あー、お姉さん達ー!そろそろ急いだほうが良いと思うよー!その人助けたかったらねー!」
「……急ぐ?」
「
「……良くわからないけれど、理代!明日奈!」
「はい!」
「おまかせ!」
……あれ、何だ?アタシさっきから何してたんだ……?何で皆してアタシを……?
あれ
でもなんか
ものすごくいい気分だ。
「アストラプロビデンス!!アストラプロビデンス!!」
「それ何度も撃っていいものなのか!?」
「もの凄く吐きそう!!」
明日奈があの技を何度も撃ってる。身体がとても軽く感じているからか、あんなに早かった筈のあの技が、とてもゆっくりに見えた。
「うそ!?全部避けられた!」
「ッ……!」
しほがまた斧をアタシに向ける。……アタシ?いや、そんな呼び名じゃねーだろ?何で、アタシ何て呼び名で喋ってんだ?
アタシじゃねぇ、オレだ。
「オラァ!!」
「!? まっ魔具を蹴りひとつで……!?」
「オラッ!!」
「ガハッ!?」
「ななしー先輩……!?」
「ルラァよ!!」
さっきからちょこまかとうるさい。でも、ぶんなぐったらうるさくなくなった。
「しほ先輩!!明日奈ちゃん!」
「あ〜あ、もうタイムリミットすれすれだね」
「どっどうにかならないの!?」
「……うーん、そうだね。実力行使が一番だけど、安全に戻したかったら、さっきの子が必要かもね」
「三玖ちゃんが必要……!?……そっか、二人の関係的に三玖ちゃんなら……、でも、今は歩君が……!」
「あの人なら大丈夫だと思うよー?」
「――!」
「もしかしたら私達より先に解決してるかもね〜?それなのに、魔法少女である私達が解決出来てないほうが問題だよ?」
「……」
「……一応言っておくけど、戦いの最中焦りを見せるっていうなんて事は、一切してはいけない考えなんだよ」
「今の状況みたいに、大切な人が虐げられている中、ひとり悩んでいるってどんだけ馬鹿だと思う?」
「いますべきなのは焦りじゃなく、今の自分に出来る事を考えるんだよ、貴女ならできると思うよ」
「―――私なら」
……さっきからながながなんのはなしをしてるんだろ?
まぁいいか、あとはりよだけだ。てっていてきにぶっつぶしてやる。
「―――遊ちゃん、私は」
「オラァ!!」
「ッ……!私は!貴女と戦いたくない!!……友達と争いたくなんかないの……!」
「ギィッ!!」
「覚えてる……?あの時私を助けてくれたときの事!自分の事だけ考えていなかった私に言ってくれたよね……?」
……いった?なにを?
「『アタシらの心配はしなくていい、今は理代のやるべきことを考えろ』って!」
……え、あ。
いった。たしかにいった。
あの時理代が、アタシらが傷付くのを怖がって一人で戦おうとした時のだ。
……もう、あれから一ヶ月もたったのか。
でも、今更そんな事になんの意味がある?
これはアタシのやるべきことだ。
三玖を守る、三玖の為に生きる、それがアタシの生き様だ。
「……あの時は何も言えなかったけれど、今は言えるよ」
「……!?」
アタシは身体の腹部から妙な違和感を感じ、急いで腹部を確認した。
銃だ。しかも、私の腹にピッタリと銃口をつけてやがる……!?
「……ごめんね」
「クソッ!待てっ!?」
「これが、私の今やるべき事だよ!!」
◁■□■○◇
「うひゃぁぁ〜すっごい爆発、結構エグい事考えるんだね〜!」
「関心してる場合か!二人を早く助けないとだろ!」
「……その必要はないわ」
「え……?」
「……あれ?」
「なっ何が……!?」
―――戻ってそうそう、ここまで命を掛けるような状況に出くわすとは思っていなかった。
ここまでの爆発、先に皆を枯羅統に預けて正解だったぜ。
それに、ここまで三玖のバリアが強いとは、思わなかったよ。
「まっ間に合いましたぁ〜!」
「そうだな……理代、立てるか?」
「歩君……!」
「三玖……!何で……!?」
「遊ちゃん聞いて」
と、三玖は自身の持つ盾を仕舞い、遊にゆっくりと近づいた。
……おっと、ここから先は、あまり僕は語るべきではないな。
二人の時間だ。じっくり聞いて欲しい。
「――私はもう、大丈夫だから」
「ッ!? 何いってんだよ!?……まさか、アイツに何か吹き込まれたのかよ!!」
「吹き込まれてなんかない、……これは、私の意志なの」
「もうあの私はいない、『異端』だって、皆と一緒に倒せたよ。時期にここも消える」
「なっ……!?」
「だから、もう戦わなくていいの。何時もの遊ちゃんに戻って……」
「……そんな、じゃあアタシのやった事は、全部無駄だったのかよ……」
「ちげーよ」
「歩さん……!」
あっやべ、心のなかで言おうとしたのに口に出てしまった。
……三玖が期待の目で見てくる、仕方ない、ここは『相談役』として室星とじっくり話してやる。
「……無駄な訳ねーだろ、少なくとも、ここの『異端』を残していたら、遅かれ早かれもっと被害が広がってたと思うぜ」
「あの娘らだって救えなかった、……あんまり言いたくないけれど、室星、お前のお陰でもあるんだ」
仮に、二人が今回の一件を起こさなくても、例の『マスコット』によって、似たような自体が起こる可能性だってある。
結局あれについては分からなかったが、あの場合、僕達がいなければ皆あそこで死んでいたかもしれない。
三玖の盾で全員を守れた。これだけは言える。
……それに、三玖自身だって今回の一件で成長できた。
「……ずっと三玖を守っていたかったんだろ?」
「……」
「やり方は確かに間違えていたかもしれない、けど、責める気はないよ」
「……三玖は、もうアタシがいなくても平気なのか?」
「いや、どうだろうな。そこら辺どうなんだ?三玖」
「……私は今でも遊ちゃんがいないと何もできないと思うよ。……でもね」
「これからは、皆とも積極的に関わっていきたい。遊ちゃんだけじゃなく、皆を守れる魔法少女になりたいの」
「……三玖」
震える声で、室星は三玖の名を呼ぶ。
今にも泣きそうな程の声で呼んでいた。
彼女の身体は徐々に三玖へと近づき、辿り着いたときには、へたり込んでしまった。
三玖より背の高い筈の彼女が、今では彼女より小さくなっていた。
彼女の目から、一粒の涙が溢れていた。
――ごめんと呟く彼女を、三玖は優しく抱きかかえていた。
◇▲◆○■□
さてさて、これにて今回の騒動は幕引き。こっからは後日談……というかその後の話だな。
僕らがいた『裏世界』が消滅し、僕らは元の世界に帰ってきていた。
空を見ると、その美しい日の出に僕は魅力され……?
日の出?
「……今、何時だっけ?」
「えっと……丁度五時半だね。午前の」
「……僕ら何時にここに来たんだっけ?」
「午後七時だな」
……えーと。
「因みに今日は平日よ」
「うぎゃぁぁぁぁ!!」
ふざけんなよ!!そんなにかかってないじゃん!!
体感三時間だぞ!!
「歩ー、あの娘ら帰して来たわよ……って、どうしたの?」
「ほっといてくれ……」
「それより、皆はどうするの?私の家は基本放任主義だから、平気だけど、皆はそうはいかないでしょ?」
と、しほ先輩は僕等に問いかける。……それよりって。
「私の家も平気ですね、遊と三玖に関しては……大丈夫なのか?」
「アタシらも……まぁ大丈夫かな」
「そう、……明日奈は?」
「わっ私は魔具で身代わり置いといたけど、そんな長く持たないから先に帰りますー!!」
と、明日奈は猛ダッシュで走り去っていった。
そういやアイツ、今療養中じゃなかったっけ?
「ハハハ……やっぱ明日奈はおもしれーやつだな」
「だな……さて、そろそろ山を降りるか」
「あっ待って下さい歩さん」
「?」
三玖の声掛けに僕は足を止める。
彼女の方を見ると、何やら僕に何かをしてほしい様な様子。
……まさか
「……ほら」
「……!よいしょっと!」
やっぱりおんぶだった。しっかり捕まってやがる。
「もうべったりじゃねぇか……ごめんな篠目君」
「歩でいいよ」
「そうか?……なら」
「アタシの事も、遊って呼んでほしい……か?」
「そ」
……こうして見ると、テレビやら学校での雰囲気やらで見る、彼女とは違い、何だか幼く感じる。
これが、三玖が今まで見ていた『本当』の彼女何だろう。
だって、こんな可愛い笑顔なんだ。
目の前に映る日の出より、美しく感じた。
次回、第五話終了?
一章最終話間近ですがここまでで歩君にどんな印象を感じました?
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おー……ええやん
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影薄過ぎない?
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ロリコン
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今からでも理代ちゃんに主役の座よこせ
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ヤンデレに×××されろ