魔法少女の相談役始めました   作:チョコーン

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あけましておめでとうございます。


ウィッチ ザ バディ9

 アタシがどーゆう人間だって、簡単に説明してみると、まぁ難しい。

と言うか説明する意味なんてねーだろ、みたまんま何だしさ。

 

室星遊は室星遊。それで終わりだろ?

それ以上でも以下でもねーんだよ。

 

……まぁ、それは今となってはって話だけどな。

 

やっぱりこの喋り方が一番好きだな。あんな堅苦しい喋り方、アタシには向いてね―よ。

後は一人称を昔みたいに出来たら良かったんだけどな、アタシっつーのは今でも慣れねぇ。

 

……そういや、何時からあの喋り方を始めたんだったけ?ばーちゃんに矯正された時から?それとも、三玖がアタシに会ってくれなくなってからだっけか?

 

どちらにせよ、アタシにはもうどーでも良いことだしな。

あの時はまぁ、誰もいなくなって一人ひもじい思いをしてたけれど、今はまた、三玖がアタシの隣にいてくれる。

 

そこらへんに関しては、理代やしほに感謝だな、あの時三玖を救ってくれて本当にありがたかったぜ。

 

 

「ちょっと!!私も一緒にみっくん救ったでしょ!!」

 

……今は回想中だから黙ってくんね―かな、明日奈も確かに救ってくれたけども、とにかくアタシはそこそこ今の仲間とは友情感じてんだよ。

 

 

 

でも、篠目歩。

お前はちげーよ。

 

……何て、思ったりして。アイツすげーよな、アタシらの計画をアイツ一人で狂わせたんだから。

 

何で皆はアイツの味方すんだろーな?アタシは馬鹿だから分からねーよ。

 

……でも、アイツなら三玖の心を救えるかもな。

アタシには出来なかった事だ。三玖を背負ってどっか行っちまったが、まぁそこら辺、頼んだぜ。

 

今のアタシの相手は、こっち(親友)だもんな。

 

 

 

「『イマジナリスヴァレット』」

 

「『アストラプロビデンス』!!」

 

 

……戦闘が長引いてるからか、二人共大技を連発してきたな。

そろそろこっちも固有魔法を使うべきかもな、今なら明日奈のを使われても感づかれねぇ筈だ。

 

アタシは迷わず固有魔法を使うことにした。

 

―――狙いはそうだな、さっきからアタシを狙っている……

 

 

「!?」

 

 

理代からだな。

 

持ち前の足の速さと固有魔法で、直ぐ様アタシは理代の目の前に現れる。

 

「!? しまった、『透明化』を……!」

 

「理代ちゃん!避けて!」

 

間に合わねーよ、アタシの鎌は、どんなモンより速くぶった斬るんだよ。

 

「―――なーんて、思っちゃったりしてるんでしょ?」

 

!?

 

―――アタシは、理代をぶった斬った。ぶった斬った筈なんだ。

けれど、アタシの目の前にいたのは、理代じゃなく、あの見知らぬ女だった。

 

「ん〜?もしかして、私をあのお姉さんだと思ってたの?残ー念〜!お姉さんはあっちだよ☆」

 

は?

 

アタシは、アイツが煽りながら示した場所を直ぐ様見た。

 

 

その通りに、理代は由紀にしがみつきながら、アタシの真上にいた。

 

 

「ありがとう火出さん! ……どうやって浮けてるの?」

 

「あの詐欺師からもらった魔具だ!数十秒だけ身体能力を上げてくれるんだ!ほら、このハチマキ!」

 

それ身体能力か?と、ツッコミそうにはなったが、これはマズいな、前門のしほ、後門の明日奈、上の理代。

 

見事なまでの追い詰め方じゃねーかよ。尊敬するぜ。

 

 

でもな

 

 

 

「ッ! 消えた!」

 

 

それだけじゃ、アタシを止められねぇぜ。

 

 

―――おらよッッ!!!

 

アタシは何時もの構えをし、鎌を思いっきり横に振った。

思った通り、後退りしようとした地面の二人には命中、理代はそれを見て動揺した。

 

「しっしほ先輩!!明日奈ちゃん!」

 

 

理代、お前はホント優しいよ。あの時私をあそこまで気にかけてくれたんだ。

でもな、今はちげ―んだよ。

三玖の為に、アタシは戦ってんだ。

お前が困ってる顔を見て、攻撃を止めるほど軟じゃねーんだよ。

 

この勝負もらったぜ。

 

 

 

 

「なんて」

 

「思っちゃったんでしょ?ゆーゆん?」

 

―――ガハッ!?

 

なっ何だ……?何が当たった……?クソッ!頭が回らねぇ!落ち着けアタシ!

アタシは直ぐ様周りを確認した。そして、何が当たったのか、直ぐ様理解した。

 

「ねぇねぇ、手伝ったんだからさっきのチャラにしてよ?」

 

「……そうね、考えておくわ」

 

アイツだ、またアイツに何かされたんだ。固有魔法は何だ……?そういや此処に来る前、妙に長く感じた。まさかそれはアイツがやったのか?

 

「ん?もしかして此処に来る時のを私のだと思ってる? 違う違う!あれは友達……というか部下のかな〜?」

 

……部下?いや、今は良いんだ。コイツに気に掛けてると三人がいつ仕掛けてくるか分からない。

 

「……攻撃してこないの?」

 

何してくるか分かんねーのに出来るかよ

 

「へー?何時になく弱気だね?」

 

そっちだって急に攻撃してこなくなってんじゃねーかよ、チキンレースでも始めんのか?

 

「始めないよ」

 

……順番に話してんじゃねーよ、そこまでしてアタシを止めて―のか?

 

「……遊、貴女の気持ちも、分からなくもないわ。私も明日奈も……貴女も、同じ様な感情を一度でも持ってしまったのだから」

 

「……私も人の事言えないけど、ゆーゆん、もうやめよ?こんな事したって、意味ないんだよ。あゆむんのお陰で、私はそれに気付けたの」

 

……

 

……歩、歩歩歩歩またアイツだ。どいつもこいつもアイツの事ばっかり、三玖だってそうだ。分裂してもあっちの三玖は意識を共有してるから、アイツの話ばっかり聞く。

 

三玖の口からアイツの名前を聞きたくない。

三玖の目にアイツが映ってほしくない。

三玖の声をアイツに聞かせたくない。

三玖の身体をアイツに見せたくない。

三玖の全てをアイツに渡してやるもんか。

 

……あれ?何だ?何でアタシ、こんな事考えて……?

 

「……あー、お姉さん達ー!そろそろ急いだほうが良いと思うよー!その人助けたかったらねー!」

 

「……急ぐ?」

 

()()のままでい過ぎてるんだよー、ほらほら!早くしないと手遅れになるよ!」

 

「……良くわからないけれど、理代!明日奈!」

 

「はい!」

 

「おまかせ!」 

 

……あれ、何だ?アタシさっきから何してたんだ……?何で皆してアタシを……?

 

 

あれ

 

 

 

でもなんか

 

 

 

 

ものすごくいい気分だ。

 

 

 

 

「アストラプロビデンス!!アストラプロビデンス!!」

 

「それ何度も撃っていいものなのか!?」

 

「もの凄く吐きそう!!」

 

明日奈があの技を何度も撃ってる。身体がとても軽く感じているからか、あんなに早かった筈のあの技が、とてもゆっくりに見えた。

 

「うそ!?全部避けられた!」

 

「ッ……!」

 

しほがまた斧をアタシに向ける。……アタシ?いや、そんな呼び名じゃねーだろ?何で、アタシ何て呼び名で喋ってんだ?

 

アタシじゃねぇ、オレだ。

 

オラァ!!

 

「!? まっ魔具を蹴りひとつで……!?」

 

オラッ!!

 

「ガハッ!?」

 

「ななしー先輩……!?」

 

ルラァよ!!

 

さっきからちょこまかとうるさい。でも、ぶんなぐったらうるさくなくなった。

 

「しほ先輩!!明日奈ちゃん!」

 

「あ〜あ、もうタイムリミットすれすれだね」

 

「どっどうにかならないの!?」

 

「……うーん、そうだね。実力行使が一番だけど、安全に戻したかったら、さっきの子が必要かもね」

 

「三玖ちゃんが必要……!?……そっか、二人の関係的に三玖ちゃんなら……、でも、今は歩君が……!」

 

「あの人なら大丈夫だと思うよー?」

 

「――!」

 

「もしかしたら私達より先に解決してるかもね〜?それなのに、魔法少女である私達が解決出来てないほうが問題だよ?」

 

「……」

 

「……一応言っておくけど、戦いの最中焦りを見せるっていうなんて事は、一切してはいけない考えなんだよ」

 

「今の状況みたいに、大切な人が虐げられている中、ひとり悩んでいるってどんだけ馬鹿だと思う?」

 

「いますべきなのは焦りじゃなく、今の自分に出来る事を考えるんだよ、貴女ならできると思うよ」

 

「―――私なら」

 

……さっきからながながなんのはなしをしてるんだろ?

まぁいいか、あとはりよだけだ。てっていてきにぶっつぶしてやる。

 

「―――遊ちゃん、私は」

 

オラァ!!

 

「ッ……!私は!貴女と戦いたくない!!……友達と争いたくなんかないの……!」

 

ギィッ!!

 

「覚えてる……?あの時私を助けてくれたときの事!自分の事だけ考えていなかった私に言ってくれたよね……?」

 

……いった?なにを?

 

 

 

 

「『アタシらの心配はしなくていい、今は理代のやるべきことを考えろ』って!」

 

……え、あ。

 

 

 

 

いった。たしかにいった。

あの時理代が、アタシらが傷付くのを怖がって一人で戦おうとした時のだ。

……もう、あれから一ヶ月もたったのか。

でも、今更そんな事になんの意味がある? 

これはアタシのやるべきことだ。

三玖を守る、三玖の為に生きる、それがアタシの生き様だ。

 

 

「……あの時は何も言えなかったけれど、今は言えるよ」

 

……!?

 

アタシは身体の腹部から妙な違和感を感じ、急いで腹部を確認した。

銃だ。しかも、私の腹にピッタリと銃口をつけてやがる……!?

 

「……ごめんね」

 

クソッ!待てっ!?

 

「これが、私の今やるべき事だよ!!」

 

 

 

 

 

 

◁■□■○◇

 

 

 

「うひゃぁぁ〜すっごい爆発、結構エグい事考えるんだね〜!」

 

「関心してる場合か!二人を早く助けないとだろ!」

 

「……その必要はないわ」

 

「え……?」

 

 

 

「……あれ?」

 

なっ何が……!?

 

 

―――戻ってそうそう、ここまで命を掛けるような状況に出くわすとは思っていなかった。

 

ここまでの爆発、先に皆を枯羅統に預けて正解だったぜ。

 

それに、ここまで三玖のバリアが強いとは、思わなかったよ。

 

「まっ間に合いましたぁ〜!」

 

「そうだな……理代、立てるか?」

 

「歩君……!」

 

三玖……!何で……!?

 

「遊ちゃん聞いて」

 

と、三玖は自身の持つ盾を仕舞い、遊にゆっくりと近づいた。

 

……おっと、ここから先は、あまり僕は語るべきではないな。

二人の時間だ。じっくり聞いて欲しい。

 

 

「――私はもう、大丈夫だから」

 

ッ!? 何いってんだよ!?……まさか、アイツに何か吹き込まれたのかよ!!

 

「吹き込まれてなんかない、……これは、私の意志なの」

 

「もうあの私はいない、『異端』だって、皆と一緒に倒せたよ。時期にここも消える」

 

なっ……!?

 

「だから、もう戦わなくていいの。何時もの遊ちゃんに戻って……」

 

……そんな、じゃあアタシのやった事は、全部無駄だったのかよ……

 

「ちげーよ」

 

「歩さん……!」

 

あっやべ、心のなかで言おうとしたのに口に出てしまった。

 

……三玖が期待の目で見てくる、仕方ない、ここは『相談役』として室星とじっくり話してやる。

 

「……無駄な訳ねーだろ、少なくとも、ここの『異端』を残していたら、遅かれ早かれもっと被害が広がってたと思うぜ」

 

「あの娘らだって救えなかった、……あんまり言いたくないけれど、室星、お前のお陰でもあるんだ」

 

仮に、二人が今回の一件を起こさなくても、例の『マスコット』によって、似たような自体が起こる可能性だってある。

 

結局あれについては分からなかったが、あの場合、僕達がいなければ皆あそこで死んでいたかもしれない。

 

三玖の盾で全員を守れた。これだけは言える。

 

……それに、三玖自身だって今回の一件で成長できた。

 

「……ずっと三玖を守っていたかったんだろ?」

 

……

 

「やり方は確かに間違えていたかもしれない、けど、責める気はないよ」

 

……三玖は、もうアタシがいなくても平気なのか?

 

「いや、どうだろうな。そこら辺どうなんだ?三玖」

 

「……私は今でも遊ちゃんがいないと何もできないと思うよ。……でもね」

 

「これからは、皆とも積極的に関わっていきたい。遊ちゃんだけじゃなく、皆を守れる魔法少女になりたいの」

 

……三玖

 

震える声で、室星は三玖の名を呼ぶ。

 今にも泣きそうな程の声で呼んでいた。

 

彼女の身体は徐々に三玖へと近づき、辿り着いたときには、へたり込んでしまった。

三玖より背の高い筈の彼女が、今では彼女より小さくなっていた。

 

彼女の目から、一粒の涙が溢れていた。

 

――ごめんと呟く彼女を、三玖は優しく抱きかかえていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇▲◆○■□

 

 さてさて、これにて今回の騒動は幕引き。こっからは後日談……というかその後の話だな。

 

僕らがいた『裏世界』が消滅し、僕らは元の世界に帰ってきていた。

 

空を見ると、その美しい日の出に僕は魅力され……?

 

日の出?

 

「……今、何時だっけ?」

 

「えっと……丁度五時半だね。午前の」

 

「……僕ら何時にここに来たんだっけ?」

 

「午後七時だな」

 

……えーと。

 

「因みに今日は平日よ」

 

「うぎゃぁぁぁぁ!!」

 

ふざけんなよ!!そんなにかかってないじゃん!!

体感三時間だぞ!!

 

「歩ー、あの娘ら帰して来たわよ……って、どうしたの?」

 

「ほっといてくれ……」

 

「それより、皆はどうするの?私の家は基本放任主義だから、平気だけど、皆はそうはいかないでしょ?」

 

と、しほ先輩は僕等に問いかける。……それよりって。

 

「私の家も平気ですね、遊と三玖に関しては……大丈夫なのか?」

 

「アタシらも……まぁ大丈夫かな」

 

「そう、……明日奈は?」

 

「わっ私は魔具で身代わり置いといたけど、そんな長く持たないから先に帰りますー!!」

 

と、明日奈は猛ダッシュで走り去っていった。

そういやアイツ、今療養中じゃなかったっけ?

 

 

「ハハハ……やっぱ明日奈はおもしれーやつだな」

 

「だな……さて、そろそろ山を降りるか」

 

「あっ待って下さい歩さん」

 

「?」

 

三玖の声掛けに僕は足を止める。

彼女の方を見ると、何やら僕に何かをしてほしい様な様子。

 

……まさか

 

「……ほら」

 

「……!よいしょっと!」

 

やっぱりおんぶだった。しっかり捕まってやがる。

 

「もうべったりじゃねぇか……ごめんな篠目君」

 

「歩でいいよ」

 

「そうか?……なら」

 

「アタシの事も、遊って呼んでほしい……か?」

 

「そ」

 

 

……こうして見ると、テレビやら学校での雰囲気やらで見る、彼女とは違い、何だか幼く感じる。

 

これが、三玖が今まで見ていた『本当』の彼女何だろう。

 

だって、こんな可愛い笑顔なんだ。

 

目の前に映る日の出より、美しく感じた。




次回、第五話終了?

一章最終話間近ですがここまでで歩君にどんな印象を感じました?

  • おー……ええやん
  • 影薄過ぎない?
  • ロリコン
  • 今からでも理代ちゃんに主役の座よこせ
  • ヤンデレに×××されろ
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