おかしい……前は長く感じた筈なのに……。
「……うーむ」
あれから数時間、奏にどう謝るべきか模索したが、肝心の本人が帰ってこない。
不味いぞ不味いぞ。これでは明日奈に「あーあ、あゆむんが早く謝らないから」とか言われるぞ。
僕も人の事言えないが、家に一人だけってまぁまぁ寂しいからな。
ウチは二人暮らしなのもあって余計に寂しい。片方いなくなるだけでここまでガラッとした雰囲気になる。
時計の音が僕の心をざわつかせる。
「……落ち着かないな」
……まぁ、そろそろ帰ってくるだろ。それまで寝てるか。
僕は二階の僕の部屋へと行き、ベッドにダイブした。
「―――かてぇなぁ」
「……ん」
病室、またこの夢か。こうも夢の中で意識があるというのは、何だか気味が悪いな。
……あれ?今日は誰もいないんだな。何時もならあの娘らが僕の周りにいた筈だが……?
身体を動かそうにも言う事を聞いてくれない為、僕はそのまま寝そべる事にした。
――すると、僕の耳に、カーテンを開く音が聞こえた。
僕はすぐに目を覚ます。そこにいたのは紡三代本人であった。
一人で来るだなんて珍しいな。
口が動かせるなら声を掛けてやりたいが、それも出来ないからな。
……と言うか、泣いてないか?
「……さん」
……ん?今喋った?
「……さん。起きて、……さん」
な、何だ何だ?状況が分からないぞ?と言うか顔近っ。
「起きて……!お姉ちゃんが……!お姉ちゃんが……!」
……ッ!?
「三代ッ……! ……あ」
目が覚めてしまった。何だったんだあの夢……、妙に現実味があったような…?
「……そんな事ない……よな?」
僕と彼女はあった事がない、だからこんな夢見るはずが……?
「……あれ」
僕は脳裏を巡らせる。そして、とある事に気づいた。
―――何故僕は彼女を『紡 三代』と認識している?
「……へんな夢だなぁってもうこんな時間!?」
少し休憩しようと思っただけなのに……、まさかもう三時間も経っていたとは、……流石に奏も帰ってきた……よな?
僕は二階に降りる。
「あれ……?」
しかしそこには誰もいなかったのであった。
「それでね……って、ちょっと歩!聞いてんの?」
「……聞いてるよ、メル子のパソコンが爆散した話だっけ?」
「あんたを爆散させてやろうか」
冗談だよ……何て、普段なら言えた筈なのになぁ。
どうにも今はそんな気分じゃないんだ。ここの所ずっとそうだ。
奏が行方不明になってから三日が経った。警察にだって連絡もしたし、やれる事はとにかくやろうとしている。
……でも、一向に見つからない。一体どこに行ったんだよ……。
「……はぁ、何しょぼくれた顔してんのよ。まぁ、私はそのアンタの妹については知らないけど、きっと生きてるわよ!……多分だけど」
「……だと良いな」
メル子の励ましは有り難いが、今の僕には気持ちを整理するのに時間が掛かるようだ。一刻も早く見つけ出せないと……!
「――はぁ、こんな時に理代と明日奈は何処に行ったのよ……、そもそも紹介したい人って誰よ?屋上にまで連れ出すなんて……」
……そう言えばそんな事を理代が言っていたような気がするな。紹介したい人かぁ、……誰だ?
「まぁあの二人が紹介してくるなら悪い人じゃ無いでしょ、とにかく今は二人を待ちましょ」
僕はゆっくりと頷く。……と言うか、ホントに遅いな。
もしかしてそれ程時間の掛かる人なのか?
「――時間の掛かる人で悪かったわね」
「へ?」
「はい?」
「ふぅん、アンタが例の相談役?何だか冴えないわね」
「まぁまぁそう言うなって、や!初めましてだな!」
「……」
「……」
……突然、僕等は知らない誰かに声を掛けられ、冴えないと言われた(良く見たら後ろにもう一人いるな……)。
誰なのか分からないまま僕らは顔を合わせ、その際、固まった僕らに対しその内の一人(ツインテールの娘?)が「ちょ、ちょっとどうしたの!?何で顔を合わせたまま固まってんのよ!?」と動揺するような動きをしていた。
「うーん、五十鈴ガツガツ行き過ぎ、突然知らない人に話しかけられた上に冴えないなんて言うから、二人共固まっちまったぞ」
「わ、私のせいなんですか!?」
「まぁ半分くらい?……さて、そろそろ二人も来る頃かだな」
妙に男勝りな喋り方をする少女(服装的に先輩か?)がそう言うと、理代と明日奈が急いで屋上のドアを開けた。
「さ、三人とも速すぎるって〜!追いつける訳ないじゃん!」
「あ、歩君紹介するね!この三人は―――」
「『音無 五十鈴』よ、よろしくね」
「『照橋 とがめ』。……で、こっちの隠れてるのは……」
「……はっ『春原 にぼし』です」
(にぼし……?)
何か一人だけ美味しそうな名前だなオイ。
「アンタ今この娘の事美味しいそうとか思ったでしょ」
「ふにゃぁ!?」
ばっ……!ナチュラルに読むな!と言うか最近その変な叫び声流行ってんのか?皆こんな感じのを出してる気がするな……。
「にぼしは美味しく無いわよ!まったく……」
「ん?五十鈴も始めて会った時似たこと言ってなかったか?」
「!? い、いいい言ってないわよ!」
「言ってたよ……」
「言ってない!!」
「ゆゆっ!!」
……話がそれに逸れ始めてる。このままじゃこの下りだけで今回終わってしまうぞ(と言うかゆゆってなんだよ)
「はいはい、そろそろ止めよーなー。……さて、二人からそっちの事情は聞いてるぜ、奏ちゃんとはアタシらも仲良いし、大事な大事な後輩が行方不明になるだなんて、この大先輩が見過ごせね―からな!」
「大先輩?」
「とがめさんは、しほ先輩と張り合える位に魔法少女歴が長いんだ。実力もあるし、凄く頼りになる先輩だよ」
「うへへ〜何だか照れるなぁ〜」
そんなに長く活動を続けているのか……、でも、確かに頼りになりそうな先輩だ(顔すっごいとろけてるけど)。
「でも、どうやって探すのよ?アタシの情報網でさえも探知出来なかったモノを見つけるなんて、不可能にも程があるわ」
「そんなのアンタのその情報網?が役に立たなかっただけでしょ!私達『五十鈴組』に不可能はないわ!」
「ん?チーム『とがめちゃんと愉快な仲間達』じゃないのか?」
「に、『にぼしーズ』」
「「それはない(な)」」
「ふにゅう!?」
それぞれの考えるチーム名で互いに議論し合う三人。
それが長くなると感じたからか、僕の隣にいるメル子と明日奈が、若干呆れだしていた。
まさか普段もこんな感じなのか?
「え、えっと……取り敢えず、奏ちゃんが何処にいるのか、今日の放課後から捜索開始って事で良いよね?」
「ま、まぁ……それで」
「このままじゃ決まらなそうだしねー、取り敢えず、捜索メンバーは後で考えておくから、また放課後、校舎前でねー!」
明日奈が解散と合図をした瞬間、タイミング良く、チャイムが鳴った。
僕らは互いに自分の教室へと戻っていく。
今回は、今までとは訳が違う。
数年間共に暮らしていた妹が魔法少女だと判明し、喧嘩して、行方不明になった。今まで仲良くしなかったツケが周ってきたのかも知れない。口を開けば互いに暴言、お互い自分勝手で片方の事を考えない。そんな事続けていたからか?
……そんな筈ない。そう僕は自分に言い聞かせ、席に座ったのだった。
――――――――――――
――――――――
――――
あれから数時間、予定通り全員が校舎前に揃い、明日奈が、決めたメンバーで手分けして探す事になった。
メンバーには含まれる人がいたりいなかったりはしているが、一先ず、僕は五十鈴とにぼし、それととがめさんと行動する事になった。メル子は単独で調べると先に帰り、明日奈と理代の二人はしほ先輩達にも捜索を手伝ってもらいに行く事になった。
「それじゃあ、私達は東地区を調べるから……西地区をそっちはお願いね」
「西地区かぁ、気をつけなきゃだな」
「気をつける?」
「あぁ、あっちは『異端』の発生度が高い上に、あっちの魔法少女は殺気立ってる連中ばかりだからな。……『鍛冶屋』まだしも、一日半であそこを占拠した『女帝』とは二度と関わりたくねー」
もし探してる時にアイツ等にあったら……と、震えながら説明するとがめさん。と言うか西地区そんなに治安悪いのかよ。僕も嫌だよそんな『女帝』っていう二つ名ある魔法少女と関わるのは、何されるかたまったもんじゃない。
「……歩君。少し良い?」
「? どうかしたか?」
「あのね……、五十鈴ちゃん達の事なんだけど、一つ伝えておかなきゃいけない事があるの」
と、僕の耳元でそう告げる理代。どうやら相当重要なのか、心なしか若干早口になっていた。
「あのね、これから五十鈴ちゃん達と一緒に行動するけど、五十鈴ちゃんとにぼしちゃんには目を離さないでね。……目を離すと、とんでもない事に巻き込まれてるかもしれないから……」
とんでもない事?どんな事なんだろうか、何だか嫌な予感がするので、僕はこの事を頭に留めておくことにした。
「なにボソボソ話してんのよ。さぁ行きましょ!私が西地区まで案内してあげる!」
理代が伝えてくれた事を頭に留めておくと、五十鈴が強く僕の肩を引っ張った。
西地区には僕も言った事は無い。でも、さっきの話から感じるに、相当治安が悪いのだろうか?
やっぱ枯羅統は連れて来るべきだったかなぁ。
……でも、そんな事考えてても仕方ないよな。
今はとにかく、奏を見つけることが最優先なんだ。
明日奈が「取り敢えず、夕暮れには終了すること!それまでは辺りをくまなく探すよ!」と言うと、僕等は互いに目的地へと向かった。
「―――さか――――とは」
「――ぇ〜―――の〜?」
―――あれ、私何時の間に寝てたの……?確か知らない娘に手を引かれてそれから……。
「……とにかく、後は『彼女』だけだよね?」
「うんうん!きっと今頃血眼になって探してるだろーから、今が狙い時だよ!」
「うわ〜、ホントに必死に探してる。ぷぷぷ、そんなに探しても見つかる訳ないのにねー」
「ね」
誰……?この娘達一体……?
「――――あ、起きたみたい。ごめんね〜手荒な方法使っちゃってさ〜」
「こうでもしないと暴れて逃げるでしョ?」
「早速だけど始めるよ。さぁ、この画面を見て」
……あれ?このメガネの娘、何処かで――――。
「―――これが、真実だよ」
そう言えばそろそろ一周年ですね!
どっかでまた特別編を投稿するかもしれません!
一章最終話間近ですがここまでで歩君にどんな印象を感じました?
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おー……ええやん
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影薄過ぎない?
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ロリコン
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今からでも理代ちゃんに主役の座よこせ
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ヤンデレに×××されろ