『イマジネーションランド……だっけ? それに関してだけど、どうやら存在しない遊園地みたいね。まさにイマジネーション、想像ね』
『でも、気になる情報を得られたわ。ここ最近、廃れた遊園地跡地を通りかかると、何もない空間から人が現れる事が多発してるみたい。まぁ、十中八九そこがそいつ等の言ってる、イマジネーションランドの入口ね。どうせゲートを利用してるんでしょ。あれ確か『普通』の人間には見えないとか言ってなかった?』
『それでその遊園地について何だけど、西地区と東地区の間の所にあったみたい。数年前までは凄い人気だったみたいだけど、ほら、中央にもっとでっかいのが出来たじゃん? そこのせいで営業終了しちゃったみたいなの。まぁだから、その想いから出来たとか何だかじゃない?』
『……まぁ、あんな空間を簡単に利用出来るなんてあり得ないし、手は使ってると思うから、出来るだけ安全にしなさいよ? 行く前に作戦会議でも何でもする事をおすすめするわ』
「分かったわ。……さて、作戦についてだけど」
「どう行くんですか? 二手に分かれるとか、それとも応援を呼ぶとか……」
「正面突破よ」
「……ちょっと聞こえませんでした。もう一回言って下さ―――」
「正面突破よ」
「……はい」
「……ちょっと数が多いわね。来て早々に囲まれたわ」
だから言ったじゃ無いですか。相手は僕等よりも数がいるって念を押して言ったじゃないですか。
何なんです? 貴女毎回脳筋で行かなきゃ気が済まないんですか?
見てくださいよ周りの子達みんな構えてますよ。如何にもいまから一斉にかかって来ますよってポーズしてますよ。
「むぅ……とりあえず、まとめて気絶させるしか無いわね」
「え? 良いんですか!? でもさっきななしー先輩、戦闘は極力避けるって……!」
「上を見なさい明日奈」
「上?」
明日奈に釣られ、僕等も上を見上げる。すると、そこには観覧車の上から僕等を見下ろす二人の少女が僕等を出迎えるかのように、佇んでいた。
「よーこそ! イマジネーションランドへ! ここまで辿り着くなんてすごいね〜! ……まぁ、正面突破はちょっと予想外だったけど」
「言った通りだったでしョ? 予想なんて外れてばかりヨ。でも少なくとも、こいつ等が普通のバカじゃなく、只者じゃ無いバカだって事が分かっただけ良しだと思うケド?」
「ん〜良いのかなぁ? まぁいいか、おにーさーん!久しぶりー!しばらくぶりー!」
「お前は……!?」
観覧車の上から僕に声を掛けてきた少女―――彼女は、あの『御園 神子』であった。
隣りにいる少女は知らないが、彼女だけは知っている(理代にも聞いてみたが、良くわからない固有魔法を使っていたとの事だった)。
しかし、これだけはハッキリ理解できる。前回のように、少しだけ僕を助けてくれた時とは、違い、その逆。彼女は、僕達の敵として立ち向かって来るのだ。
「あー!あの時の!」
「成る程、彼女もあの組織の一人だったとはね。あの時の雰囲気はやっぱり気のせいじゃ無かったのね」
「でっでも、隣の金髪の娘は知りませんよ……?」
「アタシも見たことねーな。歩は?」
「え? ……いや、僕も知らない」
隣りにいる神子とは違い、彼女は明らかに僕等を見下している。
手を組み、頭を上に上げ、鋭い目で僕等を見ているようだった。
「あれ? この雰囲気、アクターちゃんも自己紹介しなきゃじゃない? ほら、おにーさん達が知ってるの私だけだもん。アクターちゃんについては、綺麗サッパリ分からないと思うよ?」
「ン? んー、自己紹介とか好きじゃ無いんですケド。でも一応しとこうかナ」
「私は『吉崎 アクター』。人読んで、『狂気なる子役』……まぁ、もう『元』だケド。これでも五年前まではちやほやされたんだヨ? そこの凡人共とは違ってネェ? はい、自己紹介終わリ」
凡人に話す事なんてこれくらいでいいでしョと、アクター……『吉崎 アクター』は、悪態をつきながら僕達に名を名乗った。
「とまぁそんな感じかな? ホントは他にもまだまだいるけど、あんまり長く話しちゃうと怒られちゃうしね? 早速始め「その前二」……?」
「アンタ、そこの、白髪野郎」
「……? 僕がどうかしたか?」
「アンタが例の相談役? なら、これから一番面白いのが見れて良かったネ」
「……どういう意味だ?」
「咄嗟に思いついて正解だったワ、やっぱ私ってば天才……、一を狙うなら十を狙えって言うしネ」
「言わないよ?」
「凡人は一しか選ばない……いや、選べないのヨ。でも私は天才だからか、見事に十を選べたってワケ」
「何の話か分からないって顔してるみたいネ、だって理解できるわけ無いカラ。凡人は私の言葉を理解できる筈が無いからネ?」
「イイ? この世は凡人と天才で分けられてるノ。眼の前しか見ない凡人と、周りを見る天才……、その差はデカいのヨ」
「無論、ここにいる天才は私……アクターのミ。他はみーんな凡人、もしくはそれ以下ヨ」
「救いのないディストピアに生きる『名優』のアクターと、演劇の木役以下のキャストのみ……いや、モブって言ったほうが早いカモ? 『名優』が行動を起こせば、そのモブは釣られて行動するからネ」
「……そんな怪訝な顔なんかしないでヨ? 私はただ事実を話してるだけなんだカラ。私がただ世界の中心だったけだかラ」
「ふぅ……そろそろ本題にでも移ろっ
カ? 単刀直入に言うねェ」
「アンタの妹、『絶望化』させちゃっタ♡」
「――――!」
僕の中で、今まで感じたこと無い感情が溢れ出す。今日に至るまで、こんな気持ちになるなんて事は無かった。それは殺意でも、嫌悪感でも、哀しみでも、怒りでも無かった。
―――ただ単に、気持ち悪いと感じた。
コイツは、笑顔で、余裕そうに、何事も無いかの様に、話を進めていく。ヘラヘラと僕等を嘲笑うかのように。……いや、嘲笑っている。
下に見て、僕等を煽る。
しほ先輩達の方へ目を向けると、彼女達も同様、異様な気持ち悪さ、そして、強い殺意が滲み出ていた。
「アクターちゃん話し過ぎだって、みんなドン引きしてるよ? ……それに、こんなに話し過ぎたら、また二人にガミガミ言われるよ?」
「あんなメスガキに叱られた所で何になるノ? もしかして神子、まだあんな奴らが怖いと思ってんノ? カワイイ〜!」
「も〜バカにしないでよ! まぁとにかく、ごめんねおにーさん。妹さんなら、あっちの洞窟エリアに隔離してあるから、会いたかったら今から案な―――「イマジナリス」」
「ヴァレットッッ!!」
「―――っ」
あまりに一瞬の出来事で、僕の脳がまだ追いついていなかった。段々と脳が状況を理解し始めようと働き、ようやく何が起きたのか分かった。
僕の隣りにいたしほ先輩が、一瞬で観覧車の上へと飛び移り、斧を振りかざしたのだ。
『イマジナリスヴァレット』。しほ先輩の大技だ。槍を斧へと変形させ、大きく振りかぶり相手に当てる技だ。
僕も一度あの技をくらったが、まぁ痛かった、と言うか気絶した。
人間がくらって肩が割れる程なんだから、それを観覧車などの建築物に当てれば、形が変形し、崩れるに決まってる。
「―――ヘラヘラヘラヘラ、うるさいわね。高みの見物なんかしてないで、正々堂々降りてきなさいよ」
「あはっ、相変わらず人の話を最後まで聞かないね。頭打っちゃってくらくらしてきちゃったよ」
「……やっぱりあの時、頭かち割っておけば良かったわ。ここまで面倒な事になるなんて、思いもしなかったもの」
「かち割る? あははっ無理無理、おねーさんには絶対に無理だよ〜」
「第一に、何で私がそこにいると思ったの?」
「!?」
「あはっおにーさん一名ご案なーい♪」
僕の眼の前に突然、神子が姿を現し、僕の視界を手で隠した。
僕の夢であった女の子への「だーれだ?」状態をこんな所で経験するとは思いもよらなかったが、今はそんな事考えてる場合じゃない。
身体が動かない。と言うか、何だか切り離されてる気が――――?
「……おや、神子が彼を洞窟に送ったようだね」
「兄妹同士で戦わせる気かにゃ? ヒメカメラ持ってる?」
「生憎今日は所持してないね……それより、監視役の桃園姉妹、後は任せたよ。後でアクターも来てくれるだろうけど、それまではキミ達が抑えててね
」
「了解!」
「……了解」
「任せたよ……さて、そんなじっくり見てちゃ、目を悪くするよ? お姉さん」
「もしかして友達が消えちゃったのに驚いちゃった? うぷぷっ安心しなよ〜あれば簡易的な転送なだけだから」
「……黙って無いで何か喋ってくれないかな。語りもしてないみたいだし、良くわからない人だね」
「……」
「埒が明かないや、そろそろビデオを見せる準備をしよう」
「あいあいさ〜!」
「……」
―――まだ、声を出しちゃダメ。二人に気づかれたら、全部おじゃんになっちゃう。
二人が部屋を出る一瞬で、紐を解くんだ。そうすれば、歩君達を救いにいける。
歩君が神子ちゃんに転送された時、声を出しそうになったけど、何とか我慢できた。大丈夫、歩君は無事な筈。
……それに、どうして此処に歩君の言っていた桃園さんがいるんだろう……? もしかして、あの時から私達を……?
とにかく早く歩君の下に行かなきゃ、このままじゃあの二人に……「あれー? 二人だけ?」
「神子とアクターは? もしかしてもう行っちゃった?」
「あー! ミツルさん遅い! もう始まってるよ!」
「一体いつまで寝ていたのだか……、結局キミの代わりに桃園さんが全部してくれたよ。お姉さんまで引き連れてね」
「ふーん……、この娘が例の?」
「まぁそうだね」
「そっかぁ……初めまして『紡 理代』さん。『文月 ミツル』」
「『しほ』ちゃんの大の親友だよ♪」
一章最終話間近ですがここまでで歩君にどんな印象を感じました?
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おー……ええやん
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影薄過ぎない?
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ロリコン
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今からでも理代ちゃんに主役の座よこせ
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ヤンデレに×××されろ