魔法少女の相談役始めました   作:チョコーン

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ウィッチ ザ ネバーランド8

 「しほ先輩の、親友……!?」 

――文月ミツル。しほの大親友。つい最近、理代はその話をしほ本人から聞いたことがあったのである。

しほが魔法少女になったきっかけになった少女。彼女の話なら、ミツルも神代町出身ではなく、別の地域にいる筈なのだが―――、

 

「まっ元だけどね。もう五、六年も会ってないからさー、やっと会えると思って中々寝付けなかったんだよ」

 

「だから遅れたのかい?」

 

「まぁそんな感じ、それで、しほちゃんはどこ?」

 

彼女もしほと同様に、キャロットの手招きでこの町に来たのだろう。理代はそう確信した。

ミツルが眼の前に近づいてきたせいか、紐を解くのは一旦止めなければいけない。

もし彼女に見つかりでもすれば、何をされるか分からない。

一先ず、理代はこの場を凌ぐ事にした。

 

「今は神子達が相手してるよー、早くしないと、負けちゃうかもにゃ?」

 

「ふーん、じゃあ一つ提案しても良い?」

 

「何?」

 

カチャリ

 

「……え?」

 

―――突然、理代のこめかみに銃口が押し付けられた。

 

「空間を一時的に開いて人質作戦! ……ってのはどう?」

 

「良い訳ないでしょ!?」

 

「ふむ……でも理にかなってるかも知れないね」

 

「何で納得してるの!?」

 

「彼女達にとって、おねーさんは大切な存在だろう。……まぁ、それに何かあろうものなら、一目散にこっちに向かってくるだろうからね」 

 

「そう言う事! ……ホントは今すぐにでも撃ち抜きた―――ンン゙ッ! ……とにかくやってみよう」

 

姫はミツルの提案に乗り、先程までの空間を一時的に解除し、窓を開け――――いや、破壊した。

 

「……そこまでする?」

 

「見えにくいと思ってね」

 

空間を作る。窓を破壊する。ここまで姫は数々の能力を使いこなしている。

しかし、理代の中にとある疑問が生まれた。

―――なぜ彼女は、種類の違う固有魔法を何度も扱えているのだろうか?

前にキャロットに固有魔法の事を聞いた際、彼は理代に、こう伝えたのだ。

 

『―――固有魔法は一人一つずつ、平等に分け与えられてる。複数持ちなんて、誰もいないよ』

 

(……やっぱり、嘘だったみたい)

 

元々理代は、彼の事を信じてはいなかったが、今回の事でより信頼を失った。

自身が魔法少女になった際も、歩についての約束を交わした時で際も、彼は理代の予想を裏切ったのだ。

 

(……やっぱり、キャロットも危険な存在なんだ)

 

―――歩君や皆も、自分に都合が良いように動かしているのだろう。

理代は心の中でそう思い、そして、呆れた。

 

 

「はい仙華、拡声器。これなら聞こえやすいでしょ」

 

「ありがとー、……ふぅ」

 

「みなさーん!ごちゅーもくー!」

 

 


 

「みなさーん!ごちゅーもくー!」

 

「……ナニ? 耳がキンキンするんだけド」

 

「あー! 見てよあれ! ヒメちゃん達が!」

 

「……!?」

 

イマジネーションランド内にひとつの声が響き渡る。

それはこの場で闘い続ける彼女等に耳に直ぐに渡った。

 

「こちらにいる紡理代さんの命が惜しくば、今直ぐ投降せよー! ……なんちゃて♪」

 

「理代……!」

 

「うわー、人質作戦? まさかミツル先輩の仕業?」

 

「でしょうネ。本人が出向いてるし」

 

「……ミツル?」

 

しほは目を凝らした。そして、予想だにしない事が彼女の眼の前で起こっていた。

 

「おいしほ……! あの娘って……!「何で……?」」

 

そこにいたのは、自分に手を差し伸べてくれた人。自分を理解してくれた人。

 

 

――そして、自分で手放してしまった人。

文月ミツルがそこにいたのだ。

 

「なっ何で……? どうしてミっちゃんが……?」

 

しほ脳が理解を拒む。槍を握る手は汗で濡れ、構える足は震え続ける。

折角、自身の親友とする再会したと言うのに。

そこには、恐怖しか無かった。

 

「なっななしー先輩大丈夫!?」

 

「おいしほ! 気をしっかり持てって!」

 

仲間の声は響き渡らない。彼女の脳には、もうミツルとの思い出しか刻まれていないのだから。

 

「……ピコーン! ねぇねぇおねーさんおねーさん。ちょっと良い話があるんだけどぉぉぉ!?」

 

「バーカ」

 

良からぬ事をしほに伝えようとした神子だったが、近付いた瞬間、しほは又もや槍を斧に変化させて、遮った。

 

「ちょっと待ってよ〜! 今回は本当に良い話なんだからさー!」

 

「……何? これ以上邪魔するなら今度こそ――」

 

「ミツル先輩に会えるかも知れないのに?」

 

「―――!」

 

「さっきおにーさんを飛ばしたのなら、あそこまで一飛びで行けるよ―――? 悪い話じゃ無いんだからさー、どう?」

 

「……」

 

しほの心に迷いが生まれる。ミっちゃんにまた会える? あの時の様に、また一緒に―――?

ミツルとの思い出が蘇る。

 

そして―――――、

 

「……いいわ。呑んであげる」

 

「しほ!?」

 

「おっけーい! えーっと確かここだよね……よし! じゃあご対めーん!」

 

その迷いは解かれた。

しほの肉体が切り離され、理代、そして、ミツルのいる建物まで飛ばされる。

 

「……感謝するわ、送ってくれて」

 

しほの迷いを解いたのは、至って簡単。 ミツルに会えるそれだけだ。

神子はそれを利用した。しほが動けなくなると思っていたからだ

 

「……けれど」

 

 

しかし、それは、自分の墓穴を掘る事だったのだ。

 

「「「っ!?」」」

 

 

「しほせんぱ―――「伏せなさい!」

 

しほにとって、ミツルは最早過去でしかなかったのだ。

 

 

「メモライズヴァレットッッ!!」

 

建物が崩れ、理代達は落下する。

 

「……しくじったね。神子」

 

「あははっ! 大失敗だにゃー!」

 

「……ふぅん」

 

「ミっちゃん。私は貴女に会えて、嬉しかったわ」

 

「けれど、大切な仲間に手を出したのなら」

 

「例え貴女でも、後悔させるわ」

 

 


 

「――いったぁ!? 背骨がぁ!!」

 

場面は代わり、とある平原。……いや、花畑である。

まるでそこにいる白髪かのように。

 

「おい今何つった」

 

帰れ帰れ。ここは僕の語りだぞ。と言うか何だこのナレーション? こんなの今まで無かっただろ。

 

……いや、それよりも何だここ? 突然目の前が暗くなったと

思えば、さっきの遊園地とは違って、何だか逆に気味が悪いような……?

 

 

おにいちゃん

 

「――――?」

 

声だ、声が聞こえてきた。

どこからだ? 誰の声だ? 僕は辺りを見回す。

……誰もいない。周りにあるのは花だけだ。

……本当に花だけか?

 

おにいちゃん おにいちゃん

 

「……ん?」

 

……あれ? この声、聞いたことが――――?

 

「篠目君」

 

「うわっ!?」

 

「うわって何? 折角月ちゃんが話しかけてくれたのに」

 

「月玖美ちゃん……!」

 

「もっ桃園!?」

 

何で桃園がここに……? てか、二人いるし……、前に言ってた妹さんか? にしても似てんな……。

 

「驚かせてごめん。……えっと、この娘は私の妹の月玖美」

 

「月玖美だよ。相談役さん」

 

「あっあぁ、どうも……」

 

「そんなかしこまらなくて良いってば……」

 

凄いな、まだそこまで喋っていないが、ここまで性格って違うモノ何だな。

しっかり者の月華と、明るい(?)月玖美。……明るいって言うか、お姉ちゃんっ子か? 何か凄いべったりくっついてるし。

 

「って、そうじゃなくて、何で二人はここにいるんだ? だってここは―――」

 

「決まってるでしょ?」

 

「……此処にいるって事はそういう事よ」

 

「そういう事って……まさか!?」

 

おにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃん

 

 

「うおっ!?」

 

「キャッ!?」

 

「痛っ! ……もっもう目覚めたの?」

 

「目覚めた!?「あれ見て」」

 

僕は月玖美の指差す方を見る。

 

「――――」

 

言葉も出なかった。言葉を出したくなくなった。

感情がぐちゃぐちゃになる、脳が理解を拒む。

 

「気持ちは分かるけれど……本物よ」

 

「そ、私達姉妹が組織の一員であること同じように」

 

 

 

 

()()が貴女の妹ちゃんだよ」

一章最終話間近ですがここまでで歩君にどんな印象を感じました?

  • おー……ええやん
  • 影薄過ぎない?
  • ロリコン
  • 今からでも理代ちゃんに主役の座よこせ
  • ヤンデレに×××されろ
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