魔法少女の相談役始めました   作:チョコーン

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まどドラ始めました
……やちよさんでないんだけど? 他のみかづき荘のメンバー揃ってるのに肝心な方がいなんいんだけど?


ウィッチ ザ ヘイト5

 「何度も言ったでしょう? 私は仲間なんか作らないの。幾ら止めたって変わらないってこと位もう分かってるでしょ?」

 

「え〜でも一人で活動するより、皆で活動した方が楽しいですよ?」

 

「……貴女は楽しいかどうかで行動するの?」

 

呆れた。そうとしか私は感じなかった。たった一度助けただけで懐かれて、うんざりするほど構ってくるモノだから、この際実力行使してまでも追い返そうとしようとした。

 

「? だって、楽しいって悪い事じゃないですよ?」

 

「は?」

 

「私、普通の生活が嫌だったんです。だからこうやって魔法少女になれてから、とっても楽しい事だらけなんです! そりゃあまぁ……怖い事も沢山ありますけど、それをりょーが? する位楽しいって気持ちでいっぱいになるんです!」

 

「……」

 

そんな気持ちでいられたのなら、私はもっと楽でいられた筈だ。貴女は奴らの本質を知らないから、そう言えるのよ。そんな考えでこれから先生きていけるの思っているのかしら。

 

「……悪い事は言わないわ、今日は帰りなさい。それかほかを当たってチームを「嫌です!!」」

 

「私は貴女が良いんです!  何を言われたって、私、認めてもらうまで絶対帰りません!!」

 

「……どうしてそこまで、私にこだわるの?」

 

「え? だって……」

 

 

木戸川明日奈。夜中に活動してた時に出会った魔法少女。

多数の赤クラス相手に劣勢になりながらも、彼女は笑顔を絶やさなかった。

誰かを好きでいられるように、誰かに好きでいてもらえるように振る舞う彼女の行動に振り回される事もあったけれど、それでも側にいてくれるだけで、久方ぶりに楽しいと感じられるようになった。

 

「貴方の笑顔が、私とっても大好きなんです!」

 

 


 

 

「いやーわりーわりー! アタシ新米でさぁ、戦闘とかまだ慣れてねーんだよ〜」

 

「……」

 

「なんだよ、そんなゴミ見るような目して」

 

「別に、ただあんなヘマした癖にへらへらとしている貴方じゃ、今後生きてはいけないと思っただけよ」

 

「――え、そう……なのか?」

 

「当たり前よ、これは殺すか殺されるかの勝負。遊び感覚で思ってるのなら叶えた願いも叶い損になるだけよ」

 

でなきゃ、死を目の当たりにした時に、正気を保てなくなるわよ。

 

「……ごめん。アタシ、軽く思ってた。この力があればどんな奴にも負けないと思ってたし」

 

「そう、まぁ反省したのなら良いわ。これに懲りたらあんな無茶な真似はやめなさい。いい?」

 

「……分かった。アンタ色々知ってるんだな、もしかしてすげぇ先輩だったりするのか?」

 

「まぁ、数年以上は続けてるわね」

 

「なら教えてくれないか!? 彼奴等との戦い方とかさ!」

 

「……そこまで彼奴等に固執するのは初めてよ。何か理由でもあるの?」

 

「――ある、だから魔法少女になった」

 

室星遊。外出中に見かけたゲートに入った時、既に戦闘をしていた彼女と遭遇し、苦戦していた所を助け、懐かれた。

いざ戦闘を教えると私の特訓に苦言を呈す所か、丸3日で白相手にも単独で勝てるまで成長した。

……まだあの娘と会う前は、彼女が勝つ事に固執したりするのを理解できなかった。

けれど彼女のその顔を見た時、私は何故か、懐かしい気分になった。

 

「守りたい奴を守れる様、アタシは強くなりたいんだ」

 


 

「……」

 

「……」

 

「あっあの……」

 

「何?」

 

「ひぃっ!? なっなんでもないです……」

 

「そう」

 

連れてきてからというもの、ずっとこの調子ね……。

返事すれば驚かれるし、声を掛ければ固まるし、理代と遊の頼みだからコテージに連れてきたけれど、本当に良かったのかしら……。

 

「よりによって二人きりだなんて……」

 

事前に持っていた本が無ければ、空気の悪さで倒れてたかもしれない。

勿論、私ではなく三玖が。

 

「―――あっその本」

 

「?」

 

珍しくあの娘から話しかけてきた。興味津々なのか、私が読んでる本を眺めるのをやめなかった。

 

「おーっすパイセーン! 今日も修行してく……お?」

 

「遊ちゃん」

 

「なんだよー三玖もいたのかよ。もしかして二人きりだったのか?」

 

「……うん」

 

突然現れ静寂を遮った遊を横目に本を読む。幸い、三玖の興味が遊に移ってくれたので、気にせず読めて少しホッとした。

 

「あのね遊ちゃん……」

 

「ん? ……へーそうなんだ。パイセンもいい趣味してんなー」

 

「?」

 

……話題が私になった? 

 

「うん、だからね、今度さ……」

 

「良ぃんじゃねーの? 三玖が満足するならそれでいいって、あ、でもアタシも誘えよなー」

 

「……何の話をしてるの」

 

「あっえっ!?」

 

「あーそのな、パイセンの今読んでる『Elena-SA』って本、三玖が大ファンなんだよ」

 

「……この本が?」

 

 

これは当時、読書感想文を書けと言われた時に適当に選んだ本なのだけれど……三玖のこの食い付き様、相当なモノね。

 

「あの……しほさんは、その……どのキャラが好きですか?」

 

「えっ……まぁ、強いて言えば主人公のエレナ「分かります!」」

 

初めて三玖の大声を聞いた。

 

「わっ私もエレナが好きなんです。勿論、相棒のシオンも捨てがたいのですが、彼女の信念が心に染みたんです! それに、第4章の決別のシーンでも一人冷静に世界の為に立ち向かう姿や、皆を守る為に一人立ち向かうシーンとかも……」

 

「……」

 

すっ少し引いてしまった。ここまで興味を持ってるだなんて……早口で話し始めたからか遊が頭抱え始めてるわ。

 

「えーっと三玖? ちょっとリラックスしような?」

 

「え? あっすっすいません! 私その本が大好きで……全巻揃えた時は達成感に浸る程で……」

 

「それで、私に何を頼みたいの?」

 

「あっその……」

 

三玖は遊に目線をやる。それに気付いた遊は少し考えた後、三玖の頭を撫で、

 

「それは自分で言いな」

 

と笑顔で言った。

 

「……! ……しほさん、私とこの本のリアイベに参加して欲しいんです」

 

「……リアイベ?」

 

「この町でやるって珍しいよな〜」

 

「……このリアイベ、どうしても参加したいんですけど、三人以上での参加で貰えるグッズがあるんです、だからどうしても欲しくて……」

 

何そのグッズ、ぼっちキラーじゃない。でも三玖のこの目を見てると断るのもね……。(と言うか断ったら遊に殺される)

 

「……良いわ、一緒に行ってあげる」

 

「えっ……! ほっホントですか!?」

 

「おーっ! 良かったなぁ三玖!」

 

「うっうん……! しほ先輩……その」

 

伊予川三玖。理代と町を出歩いている時に、逃避ヶ丘に現れた『異端』を一人で退治しようとしていたのを助け、それからというもの、遊と幼馴染と言うことで同じ様に私の下へ付くと言い出した。

正直、歩君が彼女の心の内を開くまでは戦力としてはまずまずだったけれど、今日を境に彼女が好きな事にはとことん熱心な事が分かった。

過去を知る前は何も考えていなかったけれど、今になると、こうして彼女が感情を顕にしているのは、彼女自身が、魔法少女になって成長した事を表していたのだろう。

 

「本当にありがとうございます!」

 

 


 

――本当に、馬鹿ね。

仲間なんていらないなんて言ってた癖に、気付けば友情に浸かり始めてるじゃない。

だから嫌だったのよ。仲間なんて作ったら強くなんてなれない、なんにもなれないの。

――だって、仲間なんて作ったら、

 

 

「―――ぁ」

 

 同じ事の繰り返しだって分かってたじゃない。

 

ななしー せんぱい

 

「明日奈……待って、やめて――」

 

刃も震えない臆病者には何もできないの。

 

「しほ先輩!!」

 

「えっあっ……!」

 

突然、背後から聞き覚えのある声が、私の耳の中に響いた。

間違いない、これは理代の声だ。幻聴でも何でもない、本物の声。

弾丸が私を横切り、明日奈の大剣を弾いたのだ。

 

「しほ先輩……大丈夫ですか?」

 

「理代……」

 

「やっと追いついたぁ〜。もぉ一人で突っ走んないでくださいよ!」

 

「奏……!」

 

「そこまで離れてなくて良かったです、それで、これってまさか……」

 

「……貴方の思ってる通りだと思うわ」

 

正直、まだ私も理代も上手くこの状況を把握できてない。

奏に関しては三人がこの状態に陥っているのを初めて見た為、同様を隠せていない。

……前は歩君が何とかしてくれたけど、まだ彼は追いついてないみたいね。

 

「理代、歩君は?」

 

「もう少しで着くと思います。……でも、これじゃあいつまで待てるか分かりません」

 

「そうね……なら、私に任せて」

 

「え……?」

 

私が食い止めてる間に、二人が歩君を連れてくる。

そうすれば、上手くいくのでは無いかと、私は二人に告げた。

 

―――が、

 

「……それ、私は反対です」

 

真っ先に奏がそれを否定した。

 

「ホント、理代先輩から聞いた通りですね。別に私達、七星先輩がいたらだとかなんとか……なんて、一度も感じてないですからね。寧ろ感謝してます」

 

「……感謝?」

 

「そうです。それに、もし私達がこの作戦を了承して、お兄ちゃんを助けに行ったとしたら、多分ブチギられますよ?」

 

「それなら、私が命令したからって言えば……」

 

「あっ〜〜!! もう! ホント分からず屋です!! 良いですか! 私達は仲間なんでず、チームなんです。互いに信頼し合う者同士なんです!」

 

――信頼し合う、仲間……?

 

「しほ先輩」

 

「……理代、貴方は」

 

「私、あの時しほ先輩に助けられてから、ずっと憧れてたんです。貴方の力になりたいと思って、着いてきたんです」

 

 

「そしたら周りに皆がいて、私、毎日楽しかったんです。皆と一緒にいたあの時間が、大好きだったんです」

 

「なら尚更……!」

 

「それに、大丈夫ですよ」

 

 

 

 

 

 

「―――彼なら、すぐに来ます」

 

 


 

どうもみなさん、篠目歩君です。

いやぁ待ってろよとか抜かしといてはおりましたけれども、これじゃあどっちかというと待っててくださいだよ。

これやっぱ一般人にはキツいって。無理だよこんな不安定な所をスラスラ進むのは。

 

「あとどれくらいかなぁ……?」

 

進んでも進んでも同じ景色だし、これ相当時間掛かるだろ。

……にしても、前二つの『異端』と比べると、歪な景色だなぁ。

何だか現実味があり過ぎて余計に不安定な気分だ。

だが『異端』の姿が見当たらない。

何処かで八合わせると思ったけれど、そんな事もなかった。

 

「もう疲れた……」

 

とりあえず、足場に座って一休みする事にした。

 

「……ん?」

 

あれ、何か周りの足場……浮いてね?

 


 

 

「わっちょっ!? 待って待って! そんなに反射しきれないです!!」

 

「攻撃を止めちゃだめよ奏! 理代の準備ができるまで耐えなさい!!」

 

「そんな事言われましても、飛び回ってる所為で明日奈先輩には当たりませんし、遊先輩と三玖先輩に至っては守られてるからか一撃も当たらないです!」

 

明日奈は飛び回り奇襲を、遊と三玖は未だ攻撃はしてこないが、三玖の盾によって一撃も当てられないようにしている。

遊が鎌に魔力を込めているのを邪魔されない様にする為だろう。

 

「あの鎌、そんな能力持ってましたっけ……?」

 

「大方、彼女等が改造でもしたのでしょ。明日奈の大剣も三玖の盾も、あんな悪趣味な見た目はして無かったわ」

 

魔具の改造なんて、早々できるわけないのに……。まさか、彼女達のバックに彼女が関わってるって事は無いわよね?

 

「……今度問い詰めてやるわ」

 

でも今はそんなのどうだって良い。今は三人を止めることが最優先だわ。

 

「止めるって……このままじゃそれどころか押し切られてしまいますよ!?」

 

「そうね、けど何処かに抜け穴が………?」

 

ある。一つだけ抜け穴が。遊が魔力を込め終わり、攻撃を仕掛ける瞬間、三玖のバリアが解ける筈。

となると今狙うのは明日奈ね。どうにか誘導できれば……!

 

「……簡単じゃない」

 

「え?」

 

「奏、一旦攻撃終了よ! 私の指示した位置まで行って!」

 

「えっあっはい!!」 

 

奏の『反射』。遊の一撃。明日奈の動き。

上手くいくかは運だけれど、あいにく今日の私はとてつもなく運が良いの。

都合が良かったの一言では終わらせないわ。

 

……理代の準備はまだ完了していない。けれど遊が攻撃を仕掛けてきたら、作戦を始めるわ。

 

「……明日奈、遊、三玖」

 

悪く思わないでちょうだい。

 

「―――私に勝とうだなんて、十年早いわ」

 

バリアが解かれ、遊が鎌を構える。足を踏み込み、瞬きをした次の瞬間には前に出ていた。

ホント、都合良く動いてくれるわね―――!

 

「奏!!」

 

「はい!」

 

遊が奏に向かい突進し一撃を決めようとした。……が、その高下は奏の『反射』によって、不発に終わった。

 

「ぐぅぅぅぅ!! おりゃぁぁぁぁ!!」

 

押し切られそうになったものの、奏は見事遊を弾き返した。

弾かれた遊は空中へ勢いよく飛んでいった。

―――そして、その軌道の先には、明日奈がいる。

 

!?

 

きゃあ!!

 

「当たった!!」

 

「まだよ!!」

 

まだ二人の『絶望化』が解除されてない。だからこの一撃に掛ける!!

 

 

 

 

 

「―――理代!!」

 

 

「……おまたせしました。準備完了です!!」

 

 

篠目奏。

突然発生したゲートに巻き込まれた所を救出し、そのまま戦う道を選んだ魔法少女。

仲間の中で最年少ではあるけれど、短い期間で私達と並ぶ実力を手に入れられる程の才能を持っていた。

兄の為に、家族の為に戦う彼女の中に、諦めるなんて選択は、存在しないのだろう。

 

 

 

紡理代。

一ヶ月前、発生した『異端』を倒した時に助けた魔法少女。

稚拙としか言えないような戦闘と、甘い考えに、当時は呆れてしまった。

……けど、貴女と仲良くなれて、私嬉しかったわ。

皆の絆を深めてくれて、どうもありがとう。

 

 

 

 

 

―――七星しほ。

何者にもなれず、ただ過去にすがる愚か者。

中の良かった親友は裏切り、私を信頼してくれた仲間は、操られた。

一人じゃ何もできず、立ち止まってばかりの、大きな子供。

けれど、今は違う。目の前に貴女がいる。目の前に貴女達がいる。

―――目の前にキミがいる。

 

 

「しほ先輩!」

 

「行くわよ!!」

 

魔具にはとある特徴がある。それは、互いに信頼し合った者同士ならば、それぞれの魔具を融合させる事ができる。

―――その威力は、本来の二倍、いや……十倍にもなる。

 

理代の銃と私の槍。組み合わせた形状はまるでハルバードのようだった。

 

私と理代は違いにそれを手に取り、明日奈と遊に振り下ろした。

 

 

 

「「フレチャ・ロタンテ!!」」

 

 

放たれたその一撃は、二人を光に包んだ。




おまけ
魔具同士の融合について
正式名称は『魔具連結《ユニオン》』
ある程度の信頼度に達している魔法少女同士が、互いの魔具を合わせることで発動する。
融合後は互いの魔具の特徴を捉えた見た目に変化し、以前の10倍の威力を発動できる。
強い『異端』と戦う際に必須となる為、一人で戦うよりも二人以上でこの技を発動し、有利を取るべき。
なお、これは全ての魔法少女に伝えられてるという訳ではない。

一章最終話間近ですがここまでで歩君にどんな印象を感じました?

  • おー……ええやん
  • 影薄過ぎない?
  • ロリコン
  • 今からでも理代ちゃんに主役の座よこせ
  • ヤンデレに×××されろ
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