しばらくの間は投稿できそうなので、大晦日までには何話か投稿しようと思います。
あれからどれだけ時間が経ったんだろう、もう陽が沈んでいた。
あっちとこっちでは時間の進みが違うから、当然の事ではある。
……けど、今の私達にはそんなの些細な問題でしか無かった。
「お疲れ様、親愛なる魔法少女達」
そう、目の前にいる男の所為で、何もかも……何もかもがどうでも良くなった。
いっそ夢なら良かった、けれど現実は無情にも私達に真実を告げようとしてくる。
「……? どうしたんだいそんな目をして、もうカケラは回収したし、朝になってしまったんだkら今日は帰り「待てよ」」
彼の行動に対し、最初に動いたのは遊ちゃんだった。
背後から近づき、キャロットが振り返ろうとするやいなや、拳を顔面に向かって繰り出した。
「お前……ホントにこのまま帰れると思ってんのかよ」
「何って?」
「惚けてんじゃねぇよ!! アタシらが何でキレてんのか分かってんだろ!? 知らない振りするってんならもう一度ぶん殴んぞ!!」
「……止められたくせに?」
遊ちゃんが繰り出した拳はキャロットの顔には当たらず、振り向き様に彼女の手を掴んだ。
「鈍いね、鈍すぎるよ。そんなだから紫に相手に勝てないんだよ?」
「んだとテメェ……!!」
「落ち着きなさい。……キャロット、私達はね、貴方を少なからず信じてこれまで『異端』を倒し続けてきたの」
「それはどうも」
「……けれど、今回ばかりは私もじっとしていられない。貴方の知っている事、洗いざらい話してもらうわよ」
しほ先輩は冷静を保ちながらも、苛立ちを隠せずにいた。
先輩も遊ちゃんも……他の皆や私だって、彼を信じて戦ってきたのだ。
それなのに、歩君を相談役にした件や今回の紫の『異端』の様に、多くの隠し事をしていた。
……結局、貴方は私達にどうしてほしいの?
そう考えながら彼を睨んでいると、
「……? ねっねぇちょっと待って」
突然、明日奈ちゃんが突然声を上げた
「……あのさ、キャロット。私ら前にどっかで会わなかったけ……?」
「? どうしてそう思ったの?」
「だっだって何か見覚えがあるし……それに声が「もしかしてその見覚えがある人ってさあ」」
キャロットは着ていたパーカーのフードで顔を隠し、
「こんな見た目?」
と、明日奈ちゃんに問い掛けた。
そして、フードを被ったキャロットを見て、明日奈ちゃんは徐々に冷や汗をかき始め、目を見開きながら地面にへたり込んだ。
「えっ……? ウソ……? そのフード、まさかあの時の……⁉」
「いやあ意外と早く気づいてくれたねえ、でもそのリアクションはオーバー過ぎないかなあ?」
「うっうるさい! それよりも、あの時はよくもあんなホラを!」
「ホラ? 僕ホラなんて吹いてないよ? それに絶望化の道を選んだのはキミ自身だろ? 僕はただ思ったことを口にしただけだよ」
「その思ったことの所為で理代ちゃん達を危険にさせたんだから!」
口を出す暇も無く、明日奈ちゃんは次から次へとキャロットに怒り、言葉を投げつける。
投げつけられた本人は面倒くさそうな顔をしているが、すかさず言葉を返す。
……それより、さっきから二人は何を話しているの?
「はぁ……まったく、絶望化したのはテメェの自己責任だろ……」
「……? 今、何て?「しっかしキミ達にはもう少し頑張ってほしいね」」
「願いの代償に戦いを強いられているのにこの実力じゃ、遅かれ早かれ
「アタシらが負けるって言いてぇのか?」
「現にそうだったしね。でも……それも杞憂に過ぎないさ」
そう言うとキャロットは突然、気絶している歩君を肩に抱きかかえた。
そして、私達の方を見て
「そういえば、
と、問いかけた。
「――――そっそれは歩君が「確か『異端』倒したら取り消すって言ってたっけ」……その通りだよ」
「んん? でも、あの時『異端』倒したのは彼じゃなくてキミと枯羅統だよね? なんなら彼は交渉相手に――」
「……ッいい加減にしなさい!! その話はもう終わったの! 彼はこれから先も相談役として私達と一緒に戦っていくと決めたのよ! だから――」
「またさっきみたいに首が潰れても動き続ける木偶人形でも良いって言いたいのかい?」
「――それは」
「仲間を思うばかり本当の自分を押し殺そうとする哀れな魔法少女よ」
「奇想天外な体験を求めるばかりか気に食わない者を憎み続ける無知な魔法少女よ」
「護るべきもの以外は全て切り捨て思いを仇で返す愚かな魔法少女よ」
「家族に恵まれず終いには自分にも友にも裏切られた無力な魔法少女よ」
「誰にも気持ちを伝えられずただ一人闇を彷徨う孤独な魔法少女よ」
「君達は、彼にどうしてほしいのかい?」
皆が一斉に黙り込む。
……キャロットは、歩君にどうしてそんなに執着するの?
彼は絶対、歩君の正体を知っていた。知っていて歩君を相談役に任命したんだ。理由は分からない、けれど歩君が相談役になってくれたから今の私達がいるんだ。
だから……だから皆、顔を上げてよ。
どうして、そんな悲しい顔をするの? キャロットの言ってる事を信じちゃいけないのに……!
「答えはきまったかな? 親愛なる魔法少女達」
しばらくの間、沈黙は続いた。誰か一人が否定さえすればすぐに終わる話。しかし誰も、口を開こうとしなかった。
無論、私だって同じ。
私が、私が決断しなきゃいけないんだ。私が彼を支えなきゃ、皆ここで止まってしまう。
そうだ、そうなんだよ。あの時だって言えたんだ。だから面と向かって言わないと!
だから
だから開いてよ。
声を出して。
「……理代」
突然、遊ちゃんが口を開いた。
「……アタシさ、あの時歩が三玖を救ってくれたの、とても感謝してるんだよ。それに、アイツの前なら自分を隠さなくても良いって思えるんだ。だから歩とはこれからも一緒に戦いたい……」
「――遊ちゃ「けど、ゴメン」」
――――え。
「……それでも、思っちまったんだよ。あの時の歩はあの『異端』を狙ってたけど、もしそれがアタシらに向いたらって……」
「……それは」
「……アタシ、かなり馬鹿だからさ。一度怖いと思ったら一生そう感じちまうんだよ。ホントは、歩とずっと一緒にいたいのにな……」
「………」
……だったら何で、一緒にいたいのなら……どうして否定するの?
「……私も、ゆーゆんと同じ」
次に声を上げたのは、明日奈ちゃんだった。
「まだ出会ってから1ヶ月も経ってないけど……あゆむんが良い人だって事は分かったし、大切な友達だって思ってるよ。……でも、また
「わ、私も同じです……。歩さんの事は大好きです。でも……あの歩さんは普段の彼とは違うんです。いつもあった筈の安心感を感じなかったんです。だっだから歩さんにまた同じことが起こったら……私、耐えられないです」
「……やだ、やだよ。やっと心を開けたのに、お兄ちゃんが、お兄ちゃんが『異端』だなんて、そんなの、そんな……」
「―――みんな」
あぁ、あの時と同じだ。あの時もこんな感じだった。
でも皆は、前とは違って本心で辞めてほしいだなんて思ってない。
……これしか、方法が無かったんだ。大切な仲間を守る方法を、私達はこれしか見つけられなかった。
「……理代」
「―――しほ先輩」
しほ先輩が、私を見つめる。
その顔は、怒っているようにも、悲しんでいるようにも見えた。
しばらくの間沈黙が続く、だれも止めずにただ私達を見つめる。
……そして、遂にしほ先輩の口が開き。
「……ごめんなさい」
と、一言呟いた。
分かり切っていた結末、最初から決まっていた結果。
それが今になってようやく私達の間で出ただけだ。
前と同じように、私一人だけが願っていただけ。
分からずやなのは、私。
「決まったみたいだね」
「ええ、約束通りね」
「まぁ仕方ないよ。結局は彼が招いた結果だ、君達が悔いる必要は無い。彼がそこまでの人間ってだけさ」
「……一つ、良いかしら?」
「ん? なに――――ッ!?」
突然、キャロットの身体が後方へと飛んで行った。
余りに突然の出来事で理解に時間が掛かったが、ようやく分かった。
しほ先輩がキャロットを殴ったんだ。
「……貴方には恩が沢山ある。けどね、これだけは言っておきたかったの」
「私達の事を分かって気でいないで」
「……ふっ、そうかい。善処するよ」
殴られ、痣が出来たのにも関わらず、キャロットは平気な顔で立ち去ろうとする。
「あ、彼は家に連れて帰らせてもらうよ」
「はっ!? ちょちょっと待って!」
「帰すだけだよ、それ以外何もしない」
「信じていいの?」
「寧ろ信じてほしいかな」
結局、キャロットは歩君を抱え、私達の元を去っていった。
荷が下りたのか、私は彼が帰った途端、膝から崩れ落ちた。
「……ホントに、これで良いんだよな」
「分からないよ。 ……分かりたくもない」
「歩さん……」
「……」
……ふと、空を見た。
空はもう赤く、一日の終わりを伝えているようだった。
……今日は、人生最悪の日だ。私は彼に伝えた約束を、何も守れなかった。
ねぇ三代、お姉ちゃんどうすれば良かったのかな。
貴女も歩君も助けられなかった私は、魔法少女として存在して良いのかな。
―――私って何の為に生まれてきたんだろう。
「……へェ、interestingな結果になったじゃン」
「でも何か足りないよねェ、うーン……」
「ア! 良いこと思いついちゃったア……♡ くフフフ……♪」
一章最終話間近ですがここまでで歩君にどんな印象を感じました?
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おー……ええやん
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影薄過ぎない?
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ロリコン
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今からでも理代ちゃんに主役の座よこせ
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ヤンデレに×××されろ