魔法少女の相談役始めました   作:チョコーン

61 / 64
冷めているようで、ホントは寂しがり屋の少女のお話


ウィッチ ザ ラブ
Before あの日見た光景を私は忘れない


 私から見た世界はあまりにも狭く、代わり映えのないものがただただ広がり続けるだけだった。

幼い頃から他人に合わせるのが苦手で、気付けば私の友達は、本とパソコンだけになった。

本の中に広がる世界は興味深い。こんな窮屈な世界に説を唱える者もいれば、自らが創造した世界を、文字だけで広げる者もいる。

 インターネットの中に広がる海は、絶えず情報を流し続ける。外の世界を知らない私にとって、ネットは唯一の情報源だった。人とは何なのか、世界とは何なのか、私とは何なのか。

知れば知るほど、私、『薙 姫(なぎ ひめ)』は創造されていく。

……空虚だと思うかもしれないが、仕方のないことだ。これしか私を構成できるものは無い。

 

―――と、あの日までは考えていた。

「パソコンばっかり眺めて、何が楽しいの?」

 

「……これしか私の生きる世界は無いんだから、仕方ないだろう」

 

「ふーん? ……つまんないの

 

「……なんだって?」

 

偶然の出来事だ、病院での些細な会話。

仙華と会ったあの日、忘れる事なんてできないしょうもない喧嘩。

 

ちょっと二人共! 病院で騒いじゃダメだよ! 他の人に迷惑だってばぁ!

 

……? とにかく、この日から片方がちょっかいを出しては喧嘩し、ちょっかいをだされては喧嘩をしていた。

次第に、私の世界はネットだけじゃなく、現実にもあるという事が次第に分かってきた。寧ろ、ここの方が心地が良い。

どうせ治るかも分からない病気さ、死ぬまでは楽しい日々が続くだろう。

 

……死ぬまで、か。

 

死ってなんだろう。死ってどんな気分なんだろう。

 

死んだら、皆悲しむのかな。

 

……何馬鹿な事を考えているんだか、変えられない運命について考えても時間の無駄なのに。

 

―――なんて、あの日までは考えていた。

あの日あの部屋に入った日、陽が差し込むポツンとした部屋で。

私は……いや、私達はようやく会えたんだ。

 

死が怖いものだと教えてくれたあの人に。

 

 


 

「……む」

 

「おっはよーぐっすり寝てたけど良く眠れた?」

 

「……どうだろ、寝覚めが悪いや」

 

「そお? はいマインドハート。あとアクターがロビーに集合だって言ってたよー」

 

「珍しいね……彼女から呼びかけるなんて、変な物でも持ってきたのかな」

 

 

「嬉しそうだったしそうじゃない?」

 

 

「そう……じゃ、すぐ向かおうか」

 

 

「オッケー♪」

 

 

 

「……ねぇ仙華」

 

 

「何?」

 

 

「……やっぱいいや」

 

 

「えー!? 何々気になるよー!」

 

言ったところで、期待してる言葉は帰ってこないだろう。

今はただ、胸の奥に留めておくことにしておこうじゃないか。

一章最終話間近ですがここまでで歩君にどんな印象を感じました?

  • おー……ええやん
  • 影薄過ぎない?
  • ロリコン
  • 今からでも理代ちゃんに主役の座よこせ
  • ヤンデレに×××されろ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。