はんたーの読切集   作:はんたー

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シャングリラ・フロンティア〜配信者、神ゲーに挑まんとす〜(シャンフロ×ポケモン(ナンジャモ))

 ??? side

 

 

 

 

 配信用のアイテム“別天律(ことあまつ)隕鉄鏡(いんてつきょう)”を装備し、起動する。それを確認して僕は軽く深呼吸をする。さあ、やろうか! 

 

 

 

 

 

 

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「皆の者ー! 準備はいーいー?」

 

『来た!』『待ってました!』『ハジマタ!』

 

 ふむふむ、どうやらスタンバってくれていた者達もいるようだ。嬉しいね〜。じゃあ、今日も元気にやりますか! 

 

「おはこんハロチャオー! あなたの目玉をエレキネット! 何者なんじゃ? ナンジャモです! ナンジャモの~? ドンナモンジャTVの 時っ間っだぞー!」

 

『待ってました────!!』『おはこんハロチャオー!』『ワクワク!』『今日はなにするんだ!』

 

「本日は、いつも通り「シャングリラフロンティア」をプレイするのですが……、ここでなんと耳寄りな情報をゲットしちゃいました────!」

 

『情報?』『なになに?』

 

「配信を見ている皆の者はかつてボクが実況したゲーム「ユナイト・ラウンズ」を覚えているかな~?」

 

『でたww』『懐っつwwww』『あー、鉛筆事件のゲームか……』

 

「実は、あのゲーム以降ちょくちょくコラボしていた自称クソゲーハンター、サンラク氏が……この度、シャングリラフロンティアを初めて見たという情報をゲットしたのだ~!」

 

『え? あの人?』『ああ、ナンジャモちゃんと一緒に革命起こした……』『便秘でもコラボしてたよねww』『挙動がおかしいんだよなあの人……』

 

「と、いうことで今回は「サンラク氏と合流してみた!」という企画をやりたいと思いまーす!」

 

『待ち合わせしてるん?』『合流は企画なのか?』

 

「フヒ……、皆の者はただ合流するだけで企画になるのか不安なようだけど、実はサンラク氏のスクショがシャンフロ内で出回っているという噂を聞いちゃってね、サンラク氏はシャイボーイだからおそらく隠れてこそこそ行動してると思うんだよね~」

 

『確かにww』『出回ってるん?』『ああ、あのしゃべるヴォーパルバニーのスクショ、やっぱりあのサンラク氏で合ってたのか』『同名の奴とか結構多そうだしな(笑)』

 

「つまり、今回は逃げ回っているサンラク氏と合流し、フレ登録することが達成条件! さあ、早速行ってみようじゃないか!」

 

 

 

 

 

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 私の名前は“菜蛇桃華”。俗に言う転生者という奴だ。まあ、よくある異世界転生! ではなく、僕のいた時代から見て少し未来! 程度の世界だけどね。

 そんな僕はこの世界に転生し、数多のゲームをやっていく中で一つ足りないものに気づく。

 この世界にはポケットモンスターが存在しない。

 マリオにドラクエ、モンハンといったゲームはあるのに何故かポケモンだけが存在しないんだ。

 僕はそれはそれはショックを受けた。10万ボルトの電流が流れるくらいショックだった。

 僕はポケモンが大好きだ。そのポケモンがこの世界にはいないのだから、その絶望たるや計り知れないよね。

 そのショックを打ち消すかのごとく、僕はゲームにのめり込んだ。この世界にはたくさんのVRゲームがあり、自分自身がキャラクターとなって世界を駆ける。その楽しさは前世のゲームと比べても凄まじいものだった。ちなみに最初にプレイしたVRゲームは“サバイバルガンマン”。あれはヤバイけど、同時に楽しくもあったな〜。

 そして思いついたのだ。僕自身がポケモンキャラになればいいと。

 そこで選んだのは“ナンジャモ”。でんきタイプのジムリーダーにして、『ドンナモンジャTV』を配信しているパルデアでは絶大な人気を誇る動画配信者。僕もそれに習って動画実況者としてこの世界のVRを配信しようと決意した。

 まずは練習として、“鯖癌”の動画を撮って他のプレイヤーに攻略情報配布とかして動画編集の腕を磨き、“鯖癌”終了から暫くした後、満を持して“エレキトリカル★ストリーマー”ナンジャモとして活動を開始したのだ! 鯖癌で得た度胸とプレイングスキルで色々なゲームを攻略していくうちに視聴者の数もシビルドン昇り! 飛ぶカイデン落とす勢いでたちまち登録者数50万を超える人気ストリーマーとなったのだ! ちなみに今の目標は「超えろ、ぱやガルチャンネル!」だね。

 まあ、それは置いといて、今は我が同士たるサンラク氏を探さないと……。確か、目撃情報が「セカンディル」だから、今すぐ「サードレマ」辺りで待ち伏せすれば捕まるかな〜? 

 

「ん? あれは……」

 

 サードレマに到着して早々、何やら門前で揉めている様子……って、あれはサンラク氏!? えー、もう見つかっちゃったの!? 折角かくれんぼ的企画のつもりでやってたのに、これじゃあ企画としては失敗だな〜。

 

『もう見つけたしwww』『速えよ!?』『企画にする意味あったかこれ?』

 

 流石に皆の者達もこの結果には落胆する声もちらほら。まあ、仕方がない。こういう時こそ前向きに。早速サンラク氏とコンタクトを……

 

「ほよ?」

 

『ん?』『誰?』『Animalia?』

 

 そこに現れたのは動物撮影クラン「SF-ZOO」の園長“Animalia”氏。以前、シャンフロ世界のモンスター撮影企画でコラボして依頼だな。

 あ! そういえば、サンラク氏喋るヴォーパルバニーと一緒に居るとか掲示板にあったっけ? だから、Animalia氏も動いたってわけね……って!?

 

『ギャー!? でた!?』『ラスボスだー!』『鉛筆!』『ペンシルゴンやんけ!』

 

 次に出てきたのはなんとビックリ! ユナイトラインズのラスボス、“鉛筆戦士”氏こと“アーサー・ペンシルゴン”氏だ。巡り巡るこの状況には目がコイルになっちゃうね。

 

「フヒ……、サンラク氏にとっては泣きっ面にスピアーだけど、僕にとっては棚からパピモッチな状況だね」

 

『どういうことwww』『意味がわからん』『でた、ナンジャモ語』『泣きっ面に蜂と棚から牡丹餅?』

 

 フヒ、いいねいいね。この状況! 最高の画が撮れそうだよ。

 

「ほいじゃ、そろそろバトりいってみよう! 皆の者も お待ちかね! ナンジャモが!めったに見れない本気出してみた!」

 

『それよくやってるだろwww』『いつも本気じゃんwww』

 

 皆の者の反応も確認しながら、僕は愛用の電気の流れる杖“電蓄杖ハラバリー”を構えながら、サンラク氏の助太刀に向かうのだった! 

 

 

 

 

 

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サンラクside

 

 

 

 

 

 まさかこんなところで我がクソゲーフレンドである鉛筆戦士と遭遇するとはな……。

 ニマニマと笑いながら明らかに強力な力を備えているのだろう片手剣を構える鉛筆戦士……いや、この世界ではアーサー・ペンシルゴンか。確かに嫌がらせ目的でエムルが人参食ってるスクショを送りつけてやったが、態々俺をPKしに来るほどのことか?

 あとエムル、耳を隠すのはグッドだが尻尾丸出しだ、気付かれないよう隅っこに立ってろ。

 

 ダッ!

 

 ペンシルゴンは一気に加速し、俺に剣を放ってきた。ユナイトラウンズでは最終的に痛み分けの相打ちだったが、ここではレベル差も乗っかるからな……不利な戦いになるだろう。

 

「わざわざペナルティ承知でキルしにきたんだ。感謝感激に咽び泣いてもいいぞぉ?」

 

 俺はペンシルゴンの剣撃をパリィし、距離を取る。すると、ペンシルゴンはなんか毒々しい投げナイフ放ってくる……って、危ねえな!?

 

「……サンラク君今レベルいくつ? 泥掘りたおしてすぐなら30前後ってところでしょ? よく避けられるね」

 

「神ゲーだからスムーズに動くんですよコレが」

 

「一応言っておくと別に個人的な理由だけで来たんじゃないんだなこれが」

 

「はっ」

 

「カッツォ君もそうだけどさ、ごく自然に人を馬鹿にする鼻笑いほんと腹立つね君達」

 

 自分勝手を人の形にして才能と高いAPPをインストールしたような奴が自分以外の誰かの理由で動く? 冗談なら72点と言ったところか? 

 

「私さぁ、阿修羅会のナンバー2やってるんだよねぇ」

 

「阿修羅会のナンバー2……まさか廃人狩り(ジャイアントキリング)ペンシルゴン!?」

 

 アニマリアの驚愕と畏怖が混じった声に、数秒の沈黙。

 

「ジャイアントキリング?」

 

「いやぁ、格上プレイヤーばっか闇討ちして狙ってたらいつの間にかそう呼ばれるようになってさぁ。最近はPKナーフのせいでそれもやりづらくなったんだけど……」

 

「むしろキリングされるジャイアントの方だろ? 罪と巨体の重さを誤魔化すなよ」

 

「「あっはっはっはっ!」」

 

 ゲラゲラと笑う俺とペンシルゴンを信じられないと言わんばかりに見つめるアニマリアとエムルだが、それなりに親しい友人だからこれくらいは当然だろう。

 

「鳥頭のくせに難しい言葉知ってるねぇ! ソレは禁句でしょうが!」

 

「誰が脳みそまで鳥頭だ! バーカ!」

 

 俺とペンシルゴンは大抵敵対関係でゲームプレイするのでこれくらいなら慣れたものだ。とはいえ、不味い状況には変わりない。

 さぁ、この状況をどう切り抜けたものか。

 

「それはそれとして今回はメッセンジャーだからね、サンラク君にウチの頭からのメッセージをだね……」

 

「メッセージ?」

 

 メッセージを真面目に聞いて欲しいなら攻撃をやめるとかさぁ……危ねっ。

 矢継ぎ早に繰り出される攻撃を回避しながら俺は、そして矢継ぎ早に攻撃を繰り出しながらペンシルゴンは単純な言葉を伝える。

 

「諸々を開示するか、開示したくなるまで狙われるか選べ……だってさ」

 

 成る程、シンプルなメッセージだ。ユニークシナリオの詳細を吐くか、徹底的にPKされるか選べ、と…………

 

「……脅し? この俺に? 馬鹿だぜソイツ」

 

「知ってる」

 

 20点、脅し文句より先にその脅しでどうなるのか考えるべきだったな。そのくらい、俺からすればどうとでもなるもんだしな。

 まあ、今はまだ見ぬ馬鹿よりも眼の前の鉛筆に集中すべいか。

 明らかにレベルも装備もスキルも魔法も……何もかもが劣っている俺が持ちこたえられていたのがおかしいんだ、ペンシルゴンは一度たりともスキルや魔法を使用していない……少なくとも伝言を伝えるまでは。そもそもこいつの得意武器剣じゃないし。

 どうしたものか……ん?

 

「エレキフィールド!」

 

 バチィ! バチィ!

 

 うわ、なんだ!? 地面が帯電してるかのように紫電を撒き散らしてるぞ!? ペンシルゴン? いや、あいつも困惑してるな……これは……。

 

「さあ、行くよ! 十万ボルト!」

 

「!?」

 

 バリバリバリバリィィィ!!!

 

 えー? なんか凄え電流がペンシルゴンに向かってったんですけど? ペンシルゴンはそれを回避してるけど、どうも近くにいるだけで余波を喰らってるらしく、HPがみるみる減っていってる。これは一体……?

 

「やあやあサンラク氏、久しぶりだね」

 

「っ!? この声!」

 

 俺は声の主を知っている! この声の主とはあの孤島で出会い、様々なクソゲーで半ば半強制的に配信に付き合わされたもう一人のクソゲーフレンド! 

 

「あなたの目玉をエレキネット! 何者なんじゃ? ナンジャモです! 会えて嬉しいよ、サンラク氏!」

 

「ナンジャモ!?」

 

「げっ! ナンジャモちゃんじゃん……」

 

 紫電を纏う緑の杖を構えたナンジャモに俺は面倒臭い状況に巻き込まれたと頭を抱える。絶対生配信してるもん、コイツ……クソ、どうしよう。暫くラビッツに雲隠れしようかな……。

 




ナンジャモ(菜蛇桃華)
動画投稿チャンネル“ドンナモンジャTV”の配信者。登録者数50万人。
クソゲー神ゲー問わず、数多のゲームを実況しており、ゲーム実況チャンネルの中でもかなりの有名人。どんなゲームも最後までやり遂げる鋼の意志を持っており、フェアクソ攻略実況も数カ月かけてやりきった猛者。
転生者にして元鯖癌プレイヤーでもある。
サンラクとは鯖癌で知り合い、便秘で再開。以来、何度か生配信で共演している(サンラクはもはや諦めの境地にいる)




τ鯖のエレキストリーマー
スタンガンを主として用いるτ鯖での異名。戦闘模様を動画に撮り、それを他の鯖のプレイヤーにばらまいていたことからこの異名がついた。ただし、この動画は世間には公開していない(したら鯖癌終了するとわかっていたため)
しかし、その配慮もセプテントリオンのせいで無駄骨に……

原作との相違点
別天律(ことあまつ)隕鉄鏡(いんてつきょう)”が早めに配布されてる。それだけ

連載してほしいのは?

  • 機凱種と龍のグルメロード
  • 俺はキャロル。獅子座のキャロルだっ!
  • シャンフロ〜配信者、神ゲーに挑まんとす〜
  • 翳り裂く戦姫と黒薔薇と
  • 魔法霊媒シャーマン☆マギカ
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