霊夢が死んでいた。
うつ伏せになって、横たわっていた。
あまりの出来事にしばらくの間棒立ちしていた。
10秒程経って、ようやく何が起こったのかを理解した。
「霊夢..?おい!霊夢!おい!」
俺はすぐさま霊夢に駆け寄り、抱き抱える。
傷は腑から胸にまで裂けていた。
出血も酷く、当たりが血で埋め尽くされている。
体はまだ暖かかった。恐らく、俺が戻ってくる少し前にやられたのだろう。
「なぁおい...霊夢..起きてくれよ....」
震えた声で霊夢の体を揺さぶるが、何も起こらない。
霊夢が死んだ事を頭では理解できても、俺の心がそれを拒絶する。
霊夢はまだ死んでいない。あんな捻くれた態度をとる奴が、こんなにあっさりと死ぬはずがない。
どうせ目を覚ましてから、また文句を言ってくれるはずだ。
そんなくだらない理想に縋り続けても、霊夢が死んだという事実を、現実を、少しづつ、ゆっくりと理解していく。
霊夢は死んだ。それ以上もそれ以外でもない
頭の中が真っ白になる。嫌だ。理解したく無い。こんなふざけた現実を、理解したく無い
ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな、頼む。起きろ、起きてくれ、起きてくれよ、またか。またなのか。
またダメなのか。また俺は失うのか。俺は2度も同じ過ちを犯すのか。
もう俺は、何も失いたく無いんだ........
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「あれ?」
目を開けるといつもの布団の中にいた。
どうゆう事だ?まさか、全部夢だったって事か?
だとしたら最悪の夢だな。
「あぁそうだ。飯作んないと」
俺は夢の中でやった事と同じ事を繰り返してやろうと思った。
飯を作り、霊夢を起こし、ニトリのラボに行く。
だけど、あんな事があったんだ。同じ行動を繰り返したら、夢と同じ出来事が起こるんじゃないか?
だから、今日は家にいよう。
もしかしたら、夢の中で霊夢を殺した奴が来るかもしれない。
正夢じゃなきゃいいけど。
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俺は霊夢の部屋の中に入り、いつまで経ってもぐっすり眠っている霊夢を起こす。
「霊夢くーん、起きましょうねぇー」
そうして霊夢の頭を引っ叩く。
「痛った!何すんのよアンタ!」
「起きないお寝坊さんを起こしただけ」
「何よ!まだ一時じゃない!」
夢と同じ会話だ。
霊夢の様子もいつも通りだし、しっかり生きてる。
だけど、不安だ。今日の行動は全て、夢の中でやったものと同じだから。
もしもの時のために、俺は家にいよう。
霊夢が飯を食い終わって、イライラしながら部屋に戻っていった。
あいつ、普段部屋の中で何してんだろ。
ちょっと気になるな...おっとダメだ、女子の部屋を覗くのは犯罪だ。
心優しき正義マンである俺が、犯罪なんて起こすわけがない。
とりあえず、暇だし掃き掃除でもしてるか。
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そして夕方になった。
「掃き掃除を何時間続けていたんだか。もう夕方かよ。」
たしか、霊夢が殺されたのはこの時間帯のはず、家の中に入っておこう
家の中に入ったが、特に変わった様子はない。掃き掃除をする前とおんなじだ。
霊夢は部屋で寛いでいるんだろう。
待てよ、もしかしたら部屋の中で殺されてる可能性もある。
だとしたらまずい。
早く確認しないと。
急いで霊夢の部屋に走り、襖を素早く開ける。
、
、
、
何と、そこには下着姿の霊夢がいた。
え?どゆこと
開けるタイミング間違えちゃった?
霊夢は俺の顔を見るや否や、顔面を真っ赤にして叫ぶ。
「アンタ何勝手に入ってきてんのよ!?」
「あー悪い悪い、タイミング間違えたわ」
「入るならノックくらいしなさいよ!?」
「へいへ、ごめんちゃー」
怒る霊夢を適当にあしらって部屋の襖を閉める。
何であいつ着替えてたんだ。
いや、そんな事より今の状況を整理しよう。
霊夢は殺されてなかった。
夢と同じ時間帯になっても。
俺が家にいたからか?
だとしたら、何で俺が家にいると襲撃して来ないんだ。
俺がいると都合が悪いってことか。
考えても全然分からない。
恐らく、今日霊夢を殺しそびれたという事は、また霊夢を殺しにくるはず。
その前に俺が襲撃犯をとっ捕まえてやる。
何としてでも。
次は失わないように、守ってみせる。