パーティメンバー♀とズッ友のつもりのTS転生者   作:雄跡

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感情移入しちゃってる感じです?

「あ、こんにちはー。依頼受けて参りました、シオリと申します」

 

「デッ、いや顔っ…………いえ。わざわざお越し頂きありがとうございます」

 

 今日の依頼は訪問治療。俺が唯一、主力としてパーティに貢献できる依頼だ。一応、神様の降臨祭事次第でメインになる可能性もなくはないのだが。

 

「………………」

 

「……あの、どうかなさいましたか?」

 

「あっ。すみません。治療術師さんってシワシワレベルまで行ったおばあちゃんのイメージがあったので。随分若くて、あの……その、綺麗な方が来たなって……」

 

 この世界では死への忌避感が薄い。というか「死ぬときゃ死ぬ」「死にたくないなら勝てばいい」の精神が一般的な、死が隣人どころか通い妻レベルで隣り合わせワールドである。

 人間に敵対的な存在に力や数で負けたら、死の淵にいる本人にいくら悔いがあろうと生きていたいと思っていようと「まあでも仕方ない」と割り切れてしまう精神性を持つ人物が大多数。くっ殺言う前に舌噛み切れる人ばっかり。いや、意識失ったりまともな思考できなくなるギリギリの限界までほんとに異常な足掻きをした上での話なんだけども。

 

 そんな考えの人ばかりなものだから、魔術という便利ツールは専ら"勝つため"に使われる。

 人間の身体能力では不可能な現象を引き起こせる魔術は、力や数の不利を覆し勝利をもぎ取る道具としてあまりにも魅力的だ。

 そしてこの世界の人間に「にげる→やどや orやくそうorかいふく の じゅもん→さいちょうせん」という考え(コマンド)がない以上、治療魔術は必然習得対象外となり他魔術と比べて需要はバカ低く使い手もアホ少なくなる。

 加えて魔術の素養をある程度持つ場合は大抵人不足が嘆かれる冒険者になり、医療従事者はまず魔術自体を使える者が少ない。

 これらによる習得者ないない問題から治療魔術は先鋭化が遅く、というか昔からほとんど進まずただでさえアレなコスパがほとんど改善されていない。したがって冒険者以外のギリ魔術使える勢も治療魔術は無理。「一応今のままでも使えはするし……てか魔術でやる意味ある?」状態であり存在意義すら危うい。

 

 それこそもう前衛どころか後衛としても着いていけなくなったもののそれまで生き残った実力ある老人が()()()()()習得するくらいだ。

 

 この街も大きな方だが若者の治療術師は俺のみである。

 

 おばあちゃま達は元々他の魔術で活躍してたわけだから下手したら治療魔術一本というのは世界見渡してもかなり少数なんじゃないかな……。

 

「あはは……こんな頼りなさげなひよっこではありますが、治療魔術は先輩方並みにちゃあんと扱えますのでご安心くださいね?」

 

「ヒンッ、やっ、はい!いえ!そういう、頼りなさそうっ、とか。そういう意味で言ったわけではなくですね……予想外ってのはそうなんですけど。その、ほんとにデ……き、綺麗な方が来たなと、そのままの意味ですはい……」

 

 まあ、うん。分かってるよ。目線がずっとお胸だもの。

 彼女の名誉のために言っておくと、俺の背が高いのに加えて彼女の背も低く、顔を見ようとしてもこのデカ乳を目線が経由せざるを得ないこの身長差が原因ではある。

 

 ……にしても目が合わないのでまあ、やっぱ物珍しいレベルのデカさなんだろうなこれ……。

 

「ふふっ、有り難う御座います。早速ですが患部を見せていただけますか?指とは聞いていますが」

 

「あっ、はい。ちょっと不注意で吹き飛ばしちゃいまして……ヒッ」

 

「ちょっと?不注意で?吹き飛ばしちゃいまして……?あ……失礼しました。ちょっと、言葉の軽さに対して損傷度合いが重すぎたので、つい」

 

 あんまりにも軽く言うもんだからさっきのは聞き間違いで爪が派手に割れちゃったのかな?と思ってがっつり手を握って確認してしまった。

 話を聞いたところ件の発情ネコトカゲが想定以上の大きさの毛(鱗)玉を吐いてきたため回避が遅れ指を持っていかれたのだとか。あの拳大より大きいとなるともはや大砲じゃんね……どこに溜めてんだそんな大きさ、あいつら猫大だぞ。

 

「はあ……何にせよ、命があって良かったですけど。生きてた以上もう少し身体の欠落を惜しがらないと周りの人も心配とかしてませんでした……?」

 

「へ?い、いえ。皆さんからは特に何も……」

 

「は?私だったら心配どころか説教しますけど?」

 

「ヒッ……」

 

「あんただけよ。そこまで過保護なの」

 

 同行していたマノさんに呆れ顔でツッコミを入れられる。

 

「うん。マ……シオリさんが特別心配性」

 

「そういうこと。この娘が出しゃばりなだけだから、気にしないでちょうだいな」

 

「あ、ですよね」

 

 ドレミちゃんからもススキからもフォローされずに完全にアウェイ。分かってたけど。

 ……ほんとにみんな、気付いたら隣で顔吹っ飛んで逝ってたとかやめてくれよ……。即死はほんとどうしようもないから……。

 

「うぅ……まあ、そうですね。差し出がましいことを言いました。申し訳ございません」

 

「あ、いえ」

 

「で。このない指を元通りにするというのがご希望でしょうか?」

 

「そ、そうですね。治療魔術に詳しくはないのですがそういうこともできるんですよね?」

 

「はい、もちろん」

 

 ただし指数本分は予想外だった。

 魔力消費で帰り確実にふらつく。ので……

 

「ドレミちゃん。魔力貰えないかな?」

 

「む」

 

 露骨に嫌そうな顔されたな……。

 

「わたしがおぶればいいだけ」

 

「いや私どう考えても重いし。魔力の方が疲れないと思うんだけど」

 

 そう理由を説明するも首をぶんぶんと横に振られてしまう。

 魔力の相性的にドレミちゃんからの魔力譲渡が一番パーティ全体での負担が少ない、というか絶望的に他メンバーとの相性が悪いので彼女以外とはしたくないんだけども……。

 なんでおんぶのがいいのか分かんないけど変なこと教えちゃったな。

 

「じゃあいつもの交換ってことで」

 

「……それなら。ヨシ」

 

 ドレミちゃんはやけに等価交換にこだわるのでこういう時やわがままを言う時は大体これで解決する。

 等価かどうかの判定は完全に彼女任せなので後日またデカめのわがままを言われることにはなるが。プライベートな時間におねだりされる分にはかわいい彼女のわがままを見れるだけでむしろこちらにアドである。

 

「そういうことで。マノさん、合図したら私の半分くらいの量ドレミちゃんから私にお願いします」

 

「りょーかい」

 

「では、いくつか注意事項を」

 

 依頼主に向き直り治療魔術を使用するにあたっての注意事項を説明する。

 個人差もあるが痛みが発生すること。

 その痛みが治療中は続くこと。

 可能ならその痛みに耐えながら元の指の状態を思い浮かべ続けると早めに治療が終わること。

 

「で。多分大丈夫だと思うんですけど。人体魔術と相性悪かったりしますか?」

 

「?普段から使ってますから相性は悪くはないですけど……なんでですか?」

 

「今、あなたの指は()()なんです。今の指のない状態が普通で、戻るべき状態なんです。つまり自然治癒力をいくら加速させても指は元に戻りません」

 

 治療魔術の面倒な点である。ただでさえ複雑でコスパも悪いのに安定した体にはそもそもほぼノーエフェクト。

 

「ので、人体魔術も併用して今の身体の正常を書き換えます。……他に何か気になることはありますか?なければ始めますが」

 

 言いながら今回治療する指分の構成材を荷物から取り出す。

 特に質問はないようなので彼女に近づく。

 

「では始めます。痛みがキツい時は歯を食いしばったり私の手を思いっきり握ってください。多分、少しは紛れます」

 

「は、はい!お願いします!」

 

「人体魔術から行きます。まだ痛くなりませんのでリラックスしてくださいね。──苦なきこの躯を駄と断じ 失う法、過ぎる自由、違う憶えもて 過つ回帰へ導かん 身体は記憶のまま(指、記憶通りになるよう身体を騙して下さい)

 

 特に外見に変化はないが魔力が減った感覚があるので問題なく行使できたようだ。

 

「ここから痛みがあるかと思います。──加速 加速(そこお願いします)。マノさんお願いします」

 

 魔力が断続的に持っていかれている。魔力をもらうなら今このタイミングがいい。我慢して詠唱中にふらっといっても依頼主が困る。ないとは思うが、念のため、だ。

 

「最後。──そことそこ交換こ 交換こ こっちはそっち そっちはこっち おあいこでない交換こ 転移(足りない分を適切なとこにお願いします)

 

「ッ……!」

 

 痛みが強くなったのか、依頼主が俯きながら手をかなり強めに握ってきた。汗もかいている。

 死への忌避感が薄くとも、それはそういうものと割り切れるだけ。痛みや苦しみまでよしとするわけではないのだ。

 

 ──しばらくして、指が治ったタイミングで彼女がこちらに倒れかかる。

 

「はい、お疲れ様です。あ、そのままで大丈夫です。体も心も落ち着くまで楽な状態でいいですからね。本当に、よく頑張りました」

 

「……あ。す、みません。今なんか心臓がバクバクいってて……すみません。しばらくこのままで……」

 

「はい。心臓についてはそれで問題ありませんので安心していいですよ。大丈夫大丈夫……」

 

 ──数分後、大分落ち着いたらしい彼女が顔を上げる。

 

「すみませんでした……術もかけ終わって指も治ったというのに……」

 

「いえいえ。完全に前の状態に戻すのが今回の依頼ですから。無理せず、まだ何かあるようでしたら言ってくださいね。あ、指の方ですけど問題なく動かせますか?」

 

「あ、はい。多分……大丈夫です。…………あのー、その、なんか指の感覚が久しぶり?でそのー……落ち着かない?みたいな感じでなんというか……さっきみたいに手、握らせていただけないかな、なんて……」

 

「ええ。お好きにしてください」

 

 両手を差し出すと手のひらを彼女の指の腹で撫で回された。

 なんというか、押しつけられず、指が当たるか当たらないかといった触れ方でこそばゆい。てかこれ、手握ってはなくない?

 

 

●●●

 

 

「てかー。なんで身体あれこれいじれるのに痛覚を切るみたいな魔術ないんでしょうねー」

 

 その日の夜。マノさん宅でサシで飲みながら愚痴をこぼす。

 

「んー?ないの?え、そうなの?」

 

「ないんですよこれがー。麻酔とかはなんか買わせてくれないから魔術でどうにかしたいんですけどー。んー、ないんですねーこれがー」

 

「まー神様がさせてくんないんならしゃーないわね。人体魔術、後で負担かかるのばっかだし、神様サド説?」

 

「結局またその話題に戻るんですねー」

 

 SMモノの話を既に3回はしていた。

 飲み始めて2時間程度、二人ともそこそこ酔いが回っていた。

 パーティメンバー全員が集まった場合よりもお互い飲むペースが早い。

 というのも──

 

「私、結局マノさんがS寄りなのかM寄りなのかまーだ分かんないんですけど。どっちなんですかあ!」

 

「ちょ、怖いなもう。だからー、私はどっちも好きで、その日の気分でオカズは決めてるって」

 

「マノさんがあ!SかMかどっちかって聞いてんですよお!私はーもー!」

 

「なんでそんなの知りたがんのよ……」

 

「え?マノさんが今日はそういう話しよって誘ったんじゃないですか。私だけ暴露して恥ずかしいんでさっさとそっちもどっちか言ってくださいよ」

 

「え、そうだったっけ。んー……思い出せなーい、あっはっは」

 

 こういう話を楽しくできるからである。

 

 ぶっちゃけ、俺はこういう話を人とするのが好きだ。

 これは今世で新たに生まれた「好き」だ。

 

 この世界の世界民性なのかなんなのか。この世界ではスケベコンテンツ市場が遠慮なく堂々と繁栄・発展している。もはや現代日本並み。

 魔術を利用した通信技術は元々、敵対存在とやり合う際のチームワークを取るために生まれたものだが、即スケベ市場の遠方リサーチのために使われ出し今や作り手・販売側も情報発信にそれを利用することが必須級。神様まで話に乗り出したことで魔術の素養がない者まで利用できるようになり、スケベ市場のついでに通信技術も発展した。先端技術は軍事と医療、そしてエロの順に応用されるみたいな話聞いたことあるけど……神様みたいな絶対存在が食いつくとその順序って崩れるもんなんだなあ……。

 

 そんな世界なものだから割とスケベトークがオープンに行われる。

 俺の場合、そも雑談をする相手が家族くらいしかいなかったため「大好きな家族が好きなことを楽しげに話していていいなあ」なんて思っていたらいつの間にか自分も話すのが好きになっていた。

 前世でもスケベコンテンツ自体は好きだったため結構話せることはあったのだが、この世界でそういった物を摂取する前から話せてしまったため、素でスケベ作品のような発想ができるド淫乱と姉妹には評された。こんなとこで無自覚現代知識無双してどうすんのよ。他に使えそうな現代知識も持ち合わせてないけど。

 

「もー。マノさんがそう言ったから今日来たまであるんですからとことん語り合いましょうよおー」

 

「酷いっ……!私の体の話目当てだったのねっ……!」

 

「いえ、別にスケベトークなくてもマノさんの誘いなら()()断りませんけど私。マノさんのことすっ……えへへへははあ〜……好きですからあ〜!あっははは、ははっ!」

 

「情緒どうなってんのよ。普段こんなになるまで飲まないのにサシの時はなんでこうなのあんた……」

 

 普段、つまりパーティメンバー全員がいる場で飲む場合ははっちゃけずとも、こういう話がなくとも楽しめる。

 しかしマノさんとのサシとなればこの話とテンションが必要になってくる。

 俺が楽しいというのも勿論あるが、何よりこれは彼女が望んだことなのだ。

 

「だからあ……マノさんがあ!そういう話を出来る相手が中々いないから私とこうやって話せるのが楽しいって言ってたんじゃないですかあ……」

 

「よくもまあそんなこと覚えてたわね……」

 

「そんなことってなんですか!あの時のマノさんめっちゃ楽しそうでえ!友達のそんな顔何度も見たくなっちゃうに決まってるじゃないですかぁ……」

 

「よ、よくもまあそんな恥ずかしい言葉がスラスラと……」

 

「…………ん〜なーんか今日のマノさん、ノリいつもと違いません?お酒が足りないんですか?オラッ!飲めッ!私の酒を!」

 

 マノさんの頭をホールドし俺が持っていた杯を無理やり口に近づけようとする。いや、あかん。これアルハラや。

 

「あ……ごめんなさい……」

 

「だから情緒ぉ……私からすればあんたのが今日ちょっとおかしく見えるわけだけど。まあセーブしてた私も不義理だったかもね」

 

「え!?同じペースで煽ってたじゃないですか!この裏切リーダー!」

 

「はぁい!裏切リーダー!飲みまーす!!」

 

「ようやったゴマノハァ!」

 

 賞賛の言葉をぶん投げると、アルコールを一気に流し込んでいたマノさんが急に咽せ出した。

 

「その呼び方は!やめてってぇ!言ったわよ!!かわいくないの!!」

 

「えー?マノさんが可愛いんだから名前だって可愛く聞こえますよお。擬人化ーというか美少女化モノでよくあるあの現象」

 

「わっ、かわっ……!……いーや!私が嫌って言ってるのよ、私が楽しくお話しするためにやめてほしいな〜?」

 

「あ、でしたらはい。やめます。他に何か要望等はございますか?」

 

「要望ってあんた……イメクラじゃないんだから……ふふっ」

 

 そう言いながらまた酒を煽るマノさん。段々いつもの調子に戻ってきたかな?

 

「いーえ。元々今日はそのつもりでしたが言うならこのタイミングだから言いますよっていうかさっきも言いましたけど。出会って日は浅いですけど私、マノさんのこと好きです」

 

「と、友達として。ライクの方よね?」

 

「友達としてですがラブの方です」

 

 今度は咽せるどころかマノさんが吹き出した。

 先日のススキとの一件でさらに吹っ切れたため今日はとことんまで伝えてしまおう。

 

「家族愛って言葉があるのに友達愛ってないのおかしいと思いません?あ、友愛があるか。とにかく!私友達少ないですしマノさんにパーティに誘っていただけたのめっちゃ嬉しかったんですよ。話も合いますしこうして飲んでて楽しいですし、ライクじゃ足りないんですよ。だからラブなんです!」

 

「友達なのに……ラブって……どういうことなのよ……。いや、飲んだ勢い?ほんと処理しきれんて…………あー考えんのめんど」

 

 マノさん今度は一杯全部飲み干した。明日覚えてなかったら残念だけど、その時はまた言えばいいか。

 

「だからあ!ほら?楽しく飲みましょ!話しましょ!マノさんが楽しく話すために色々要望とかぶちまけちゃいましょーよー!」

 

「あー……言ったわね?もう私も頭ごっちゃごちゃなの全部お酒でスッキリさせちゃったからね!いつも通りめちゃくちゃ言うわよ!吐いた唾は戻せないわよ!」

 

「ええ!私も楽しくなってきましたよ!床の唾ぁ啜るような変態行為はしませんとも!」

 

「じゃあそのデカ乳揉ませえ!!」

 

「ほい来た!!デカ胸一丁!」

 

 速攻でマノさんの両手を掴み、張り手でもさせるような勢いで自分の胸まで持ってくる。

 

「なーんて………………へ?」

 

「へ?じゃないですよ。ご注文の品ですよほら」

 

「い……いやいやいやいや!普通に断りなさいよ!何考えてんのあんた!!」

 

「尻やら太ももも注文したことあるくせに今更何言ってんですか。吐いた(注文)は戻せないんですよ?」

 

「あっあの時だって何となく勢いで言っちゃっただけで……!あ、あんたほんといい加減にしなさいよ!?いっつも二つ返事で簡単に体触らせて!!もっと大事にしなさいよ!」

 

「なんだかんだ毎回そのまま堪能してるマノさんにも非あると思うんですけど……」

 

 彼女の力なら振り切れるはずだが現在も手は胸に、なんだったらちょっと握力を感じる。

 

「それに自分の体は大事にしてますよー。大事だからこそ価値があると思ってマノさんに献上してるんですから」

 

「薄々感じてたけど……あんた要望がどうとか誰にでも言ってるの……?」

 

「んなわけないじゃないですか。マノさんだからオッケーなんですよ」

 

 流石にその勘違いは放置できない。友達だから応えたいというだけである。

 

「それにこのくらいのスキンシップ普通じゃないですか!うちの姉妹だって普通にやってきますよ」

 

「いや、あんたそれ普通じゃないわよ……」

 

「またまたー!マノさんだってこういうの慣れてるんでしょー?」

 

「こんなん慣れててたまるかぁ!!」

 

「話しながらもう随分強めに揉み出しといて、あっ❤︎説得力ないですよー?」

 

 ハッと自分の手の様子を確認したマノさんが私の手を振り払う。

 

「こっこれは!こんな大きいの触るの初めてでっ!なんか新鮮な感触でついっ……!あ、あとその嘘すぎる喘ぎ声やめて。ほんとに萎えた。ヘタクソ」

 

「はいはいそういうことにしておきますから。……んー。結局マノさんはヘタレ攻めのMってのが今んとこしっくりきますかねー。そういうの好きって話してましたけど感情移入しちゃってる感じです?」

 

「いや、確かにヘタレ攻めは大好きだけど一番股間にクるのはふたなりのヘタレ攻めだから特に感情移入はしてないしできない。……いや、ちんちんの快感を経験してみたいとかは思うけど。それこそ人体魔術あたりで生やせるみたいな話見かけたことはあるのよね……」

 

 マノさんにようやくいつものスイッチが入ったらしい。

 正直さっきまでの勢いから急にスンッとなって語り出したのはスイッチがスイッチしすぎててびっくりしたけど。

 

 マノさんとの飲みはこうでなくちゃね。彼女が楽しそうなのが一番だ。

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