「あ、こんにちはー。依頼受けて参りました、シオリと申します」
「デッ、いや顔っ…………いえ。わざわざお越し頂きありがとうございます」
おー見とる見とる。分かる。
シオリ初見で胸と顔に目がいかないの嘘よね。
「………………」
まるで昔の私を見ているようだ。などと共感を覚えながら室内にお邪魔する。
「……あの、どうかなさいましたか?」
「あっ。すみません。治療術師さんってシワシワレベルまで行ったおばあちゃんのイメージがあったので。随分若くて、あの……その、綺麗な方が来たなって……」
ね、私も最初治療術師って聞いた時ガワ被った老人かと疑った。
「あはは……こんな頼りなさげなひよっこではありますが、治療魔術は先輩方並みにちゃあんと扱えますのでご安心くださいね?」
「ヒンッ、やっ、はい!いえ!そういう、頼りなさそうっ、とか。そういう意味で言ったわけではなくですね……予想外ってのはそうなんですけど。その、ほんとにデ……き、綺麗な方が来たなと、そのままの意味ですはい……」
あーあー。顔がいいよ顔が。微笑みかけちゃってもう。
完全に依頼主がキョドって目を合わせられなくなってしまっている。かといって顔が話し相手の方を向いてないのは失礼だしって状態だわアレは。経験がある。
そうなのよねー。胸尻のインパクト強すぎるけどよく見ると体は細くて白くて綺麗だし、顔はとにかくいい上に一瞬綺麗系の男の子に見えなくもなくてドキッとする。ぱっと見クールというか落ち着いてて寡黙な感じなのに、話してみると口調の柔らかさと人懐っこさでこう、一気に身近な存在に思える感じ。
素敵な人に出会った、なんて思うわよねー。そうなのよねー……。
──でもこの美人、エッッッッッッグい性癖語りするんだあ……。
──でもってめっちゃくちゃのぐっちゃぐちゃに馬が合うんだあ……私と。
シオリが私のことをどう思っているかは知らない。
しかし、私は出会って数ヶ月のこのオタクに優しい美人を生涯の心の友としか思えなくなっている。
私はオタクではないしシオリも優しいどころの話ではなかったが、大っぴらにできない好きを持つ人間が一見そういうのと縁遠そうな美人に理解示されたら嬉しくなっちゃうだろ!という意味で。
私はエロが大好きだ。特に二次元のエロ創作が良い。
性欲込みで好きなのは勿論のこと、潜り込めば潜り込むほど様々なシチュを知ることのできる多様性や、作り手の熱意がダイレクトに作品に反映されるその有り様が本当に大大大好きだ。
いわばエロは全人類向けの娯楽である。当然苦手な人も嫌いな人もいるだろうが、他の娯楽に比べてここまで多くの人に受け入れられるものもそうないだろう。それ故の多様性、表現方法が読み手あるいは書き手/描き手を性的に興奮させる形に絞られるからこそ浮き出る
そして賑わっているのがいい。人間の欲求に直に結びついているエロ作品は食品と同じくして供給の途絶える時がない。
性欲の吐口どころかその性欲を増幅させたり無から生やしてしまう、あの欲望と感情を直接揺さぶられる感覚も素晴らしい。シチュエーション、構図、表情、地の文、セリフ、喘ぎ声エトセトラエトセトラ……全ての技術が一つの欲求の刺激のために使われる。これがオールフォーワン……。全てが自分の癖に合致してしまった作品に出会ってしまった時は本当に嬉しさと性的興奮によって頭がバカになる。
そんな幅広さを持ち、受け口の大きなエロが好きな私である。
めっちゃくちゃに雑食である。
これが大っぴらにできない点であり、満足に人とエロい話ができないことに繋がる。
どういうことか。
どんなエロも好むため猥談デッキも豊富、いや正確にはデッキは一つしかないがそのデッキが他と比べて異様なカード量を持っている。
本来であれば会話相手ごとにデッキを変えるべきだが、私の場合性癖Aの話をしたら流れで「そう言えば」と性癖Bを持ち出してしまうわけである。しかし私にとって文脈があっても話し相手にとっては知らん癖を急にお出しされる可能性もある。私は引き出しが多い分尚更その確率が高くなる。いくらみんな猥談が好きと言えど、興味のないものをいきなりねじ込まれても困るのは別にエロに限った話ではない。
なので、私はエロい話においては話したいことを全部話してスッキリ出来たことがなかった。
猥談相手は生きていく上で必要なものではなかったし、何よりエロを摂取することが好きだったため、特に話し相手を見つけようとせず日々を楽しく過ごせていた。
まさかこんな美人が最高に相性の良い猥談相手として現れるとは思ってもいなかった。
──その後、結局ドレミちゃんからシオリへの魔力移動以外に私に出番はなかった。ススキに至っては本当にただ着いて来ただけ。普段からダメージ源や奴らとやり合う先輩として本当に世話になっているので休日にしたらと提案したが、即却下された。
まあみんな出番がなくて当たり前ではある。治療魔術なんて私達に限らずずほとんどの人が専門外だ。だからこそ、魔術に頼らない医療ではどうにもできないこういう依頼が回ってくる。今回に限っては義指という選択肢もあったが。
そんな依頼を出した依頼主は今、シオリの手の平をフェザータッチで弄んでいる。セックスじゃん
●●●
「てかー。なんで身体あれこれいじれるのに痛覚を切るみたいな魔術ないんでしょうねー」
その日の夜。もう何回目か分からないシオリとのサシ飲み。
エロは摂取するだけで満足だったはずの私は、誰かと好きを共有する楽しさに完全にハマっていた。
とはいえ、数時間フルスロットルで駆け抜けたりはせず適当な、何にもならないような雑談が挟まる。
「んー?ないの?え、そうなの?」
「ないんですよこれがー。麻酔とかはなんか買わせてくれないから魔術でどうにかしたいんですけどー。んー、ないんですねーこれがー」
「まー神様がさせてくんないんならしゃーないわね。人体魔術、後で負担かかるのばっかだし、神様サド説?」
「結局またその話題に戻るんですねー」
ハンドレズセをリアルで見ることができた私は謎の感動からテンションが上がっていたため今日はエロい話のペースも速めだった。
しかし、テンションが高い時私は大体何かやらかす。
アルコールを入れるとさらにウッキウキになって思考を行動に移す際のフィルターがザルになるため、お酒のペースは控えだった。それでも大分ふわふわしていたがいつもに比べれば、控えめだった。
「私、結局マノさんがS寄りなのかM寄りなのかまーだ分かんないんですけど。どっちなんですかあ!」
「ちょ、怖いなもう。だからー、私はどっちも好きで、その日の気分でオカズは決めてるって」
「マノさんがあ!SかMかどっちかって聞いてんですよお!私はーもー!」
対してシオリはいつもよりペースも速めで、好きを共有というより何というか私個人への話が多かった。
普段から距離感近い人ではあるんだけどなんか今日グイグイ来るな……。その中性的な顔の良さでその攻めはやめてほしい。何というか、よく分かんない感情で頭が変になる。
「なんでそんなの知りたがんのよ……」
「え?マノさんが今日はそういう話しよって誘ったんじゃないですか。私だけ暴露して恥ずかしいんでさっさとそっちもどっちか言ってくださいよ」
「え、そうだったっけ。んー……思い出せなーい、あっはっは」
「もー。マノさんがそう言ったから今日来たまであるんですからとことん語り合いましょうよおー」
「酷いっ……!私の体の話目当てだったのねっ……!」
語り合うためなのは私も同じ気持ちだ。おし、ギア上げていくかとそれっぽいノリで返してみる。
「いえ、別にスケベトークなくてもマノさんの誘いなら
「情緒どうなってんのよ。普段こんなになるまで飲まないのにサシの時はなんでこうなのあんた……」
待て待て待って。
あんたの破顔はこっちの情緒も破壊しかねないのよ!
そんなに顔を赤らめて好きなんて言われたら好きになっちゃうだろいい加減にしろ!!
しかも酔っているとはいえ私と二人の時だけこうだっていうのがなんか……嬉しい気持ちを刺激しまくるのよ!
なんで……どうして……私の情緒はもうぐっちゃぐちゃよ……。
「だからあ……マノさんがあ!そういう話を出来る相手が中々いないから私とこうやって話せるのが楽しいって言ってたんじゃないですかあ……」
「よくもまあそんなこと覚えてたわね……」
だから私にとってそこそこ大事だけど相手にとってはなんてことないだろうなみたいなこといちいち覚えてるのやめてって!
あっちにとっても大事なことって思ってもらえたのかと思って嬉しくなっちゃうじゃん!
何がきっかけだったか。初めて二人で飲んだ際、お酒の勢いで飛び出したマイナー性癖に彼女は「あ!そういうのもいけますか!!」と飛びついた。その後まあ何言っても共感されるしあっちからもドカドカ性癖をお出しされて初めてエロい話を十分に楽しむことができた。
そんな時私がこぼしたのが、彼女が覚えていてくれた言葉だった。
「そんなことってなんですか!あの時のマノさんめっちゃ楽しそうでえ!友達のそんな顔何度も見たくなっちゃうに決まってるじゃないですかぁ……」
「よ、よくもまあそんな恥ずかしい言葉がスラスラと……」
ほんとやめてよそんなの口説き文句じゃないの好きになっちゃうじゃん!
……いや、勢いでそう思いはするものの恋愛感情の乗った好きは、正直私には分からない。
勿論彼女のことは親友として大好きだ。しかし、さらに他の好きも感じているかという質問にノーと答えればそれは嘘である。彼女とのやりとりや仕草に何かを感じているのは確かだ。それでも、分からない。恋愛感情では、ない気がする。じゃあなんなんだろうか、
私は恋愛的な意味で人を好きになったことがない。男とはそもそも会った数が少ないけど、恋愛対象は男性のはずだ、多分。シオリの顔の男の子っぽいところにドキッとするからそのはずだ。
ただし、私の感情をぐちゃぐちゃにしている原因によってそこが怪しくなる。彼女の……その……ドエロい身体である。
まず、恋愛対象が女性でない女性でもエロいと感じられる身体であるのは間違いない。これは私の主観を交えない極めて冷静な判断である、冗談ではなく。
ただエロと性欲は直結してはいるもののイコールではない。エロいと思っても興奮するとは限らない。にも関わらず、私は正直言ってあの距離感であの身体を近づけられるとムラっとくる。
「…………ん〜なーんか今日のマノさん、ノリいつもと違いません?お酒が足りないんですか?オラッ!飲めッ!私の酒を!」
ほら!こういうの!!
彼女の胸がこれでもかと頭部に押し付けられてもうヤバい。
私は男性が好きなはずなのに彼女への情欲が湧いてしまって、疑問と性欲と好意で頭の中がぐちゃぐちゃになってまとまらない。
「あ……ごめんなさい……」
混乱でフリーズしていた私を見てシオリが離れる。
惜しい気持ちはある。いやめっちゃ惜しい。けど親友を性的な目で見るのも……うーん。
また頭は混乱し出す。
「だから情緒ぉ……私からすればあんたのが今日ちょっとおかしく見えるわけだけど。まあセーブしてた私も不義理だったかもね」
結局、いつも通りアルコールで頭を空にすることにした。
そもそもエロい話楽しむために来てんのよ!股間直結の会話しに来てんのに頭を整理する必要なんてないわよねぇ!?
「え!?同じペースで煽ってたじゃないですか!この裏切リーダー!」
「はぁい!裏切リーダー!飲みまーす!!」
「ようやったゴマノハァ!」
摂取したアルコールが変なとこに入って咽せる。
「その呼び方は!やめてってぇ!言ったわよ!!かわいくないの!!」
かわいくないというのは適当につけた理由である。
マノを名乗っていることにも特に理由はない。適当にそう名乗っているだけ。本名で呼ばれたって別に良い。
しかし、彼女に本名で呼ばれると顔を近づけられる以上にドキドキする。なんでだ、ここに性欲は関係ないのに。
おかしい。分からない。
私は男性が好きなのに女性のシオリにムラムラして、だけど性欲関係なく彼女にドキドキさせられて……。酒で流し込むはずだった混乱がさらに複雑になって戻ってくる。
「えー?マノさんが可愛いんだから名前だって可愛く聞こえますよお。擬人化ーというか美少女化モノでよくあるあの現象」
「わっ、かわっ……!……いーや!私が嫌って言ってるのよ、私が楽しくお話しするためにやめてほしいな〜?」
軽率にぃ!私を褒めるなァ!好きになっちゃうだろ!!
これ以上混乱させられないためとりあえず本名呼びだけでも阻止する。
「あ、でしたらはい。やめます。他に何か要望等はございますか?」
「要望ってあんた……イメクラじゃないんだから……ふふっ」
急に妙に演技がかった口調で話すものだから笑いがこぼれる。
そうそう。この流れでいつものエロい話に戻──
「いーえ。元々今日はそのつもりでしたが言うならこのタイミングだから言いますよっていうかさっきも言いましたけど。出会って日は浅いですけど私、マノさんのこと好きです」
ドンッ、と。脳内で台パンした。
その言い方は……ほんとに冗談抜きで勘違いしちゃうやつじゃないのよ……。
「と、友達として。ライクの方よね?」
「友達としてですがラブの方です」
全ての混乱を洗い去るため口にした大量の酒を盛大に噴き出す。
「家族愛って言葉があるのに友達愛ってないのおかしいと思いません?あ、友愛があるか。とにかく!私友達少ないですしマノさんにパーティに誘っていただけたのめっちゃ嬉しかったんですよ。話も合いますしこうして飲んでて楽しいですし、ライクじゃ足りないんですよ。だからラブなんです!」
もう待ってくれ。助けてほしい。
彼女の真意はともかくとして、ここまでド直球に好意だったり感謝を伝えられて口角が上がりまくってヤバい。目には涙すら浮かんできる気がするがこれは感動とかではなく嬉しすぎてだ。
嬉しい。彼女に好きと言われることが嬉しい。でもまた分からなくなる。自分の気持ちもシオリの気持ちも。
「友達なのに……ラブって……どういうことなのよ……。いや、飲んだ勢い?ほんと処理しきれんて…………あー考えんのめんど」
今度こそ。アルコールで全部流し込む。エロい話だ。そのためにここにいる。
「だからあ!ほら?楽しく飲みましょ!話しましょ!マノさんが楽しく話すために色々要望とかぶちまけちゃいましょーよー!」
「あー……言ったわね?もう私も頭ごっちゃごちゃなの全部お酒でスッキリさせちゃったからね!いつも通りめちゃくちゃ言うわよ!吐いた唾は戻せないわよ!」
「ええ!私も楽しくなってきましたよ!床の唾ぁ啜るような変態行為はしませんとも!」
「じゃあそのデカ乳揉ませえ!!」
あーまた勢いでとんでもない冗談言っちゃったよ。ま、でも流石に断るでしょ。酒の席なんだしノリよく断られて楽しく会話を続けよう。
「ほい来た!!デカ胸一丁!」
「なーんて………………へ?」
「へ?じゃないですよ。ご注文の品ですよほら」
「い……いやいやいやいや!普通に断りなさいよ!何考えてんのあんた!!」
は、は、はあぁぁぁぉぁぁ!?!?!?
「尻やら太ももも注文したことあるくせに今更何言ってんですか。吐いた
そう、過去にも同じことはやらかしてる。
酒入って楽しくなるといつもこうだ。行動に移す前に一考しなくなる。
でも尻も太ももも本気じゃなくてその場のノリの冗談だった。断られることを前提に言ってた。
「あっあの時だって何となく勢いで言っちゃっただけで……!あ、あんたほんといい加減にしなさいよ!?いっつも二つ返事で簡単に体触らせて!!もっと大事にしなさいよ!」
「なんだかんだ毎回そのまま堪能してるマノさんにも非あると思うんですけど……」
それはそうなんだけど。でも本気じゃなく言ったこと本気に取られて動揺して断るのってその……なんか意識してるみたいで、ヤじゃない。
あと普通に興味あるし。
「それに自分の体は大事にしてますよー。大事だからこそ価値があると思ってマノさんに献上してるんですから」
「薄々感じてたけど……あんた要望がどうとか誰にでも言ってるの……?」
「んなわけないじゃないですか。マノさんだからオッケーなんですよ」
痴女ってあってくれたら逆に良かった。
これまでのセクハラにからそれなりに罪悪感が拭えた。
でもそうじゃなかった。
頼むからこれ以上私をぐちゃぐちゃにしないでくれ……。ヤバい。服に隠れてその姿を完全に確認できないあの胸を手で触感だけで確認してるのめちゃくちゃ興奮して下もぐちゃぐちゃになって来た。
「それにこのくらいのスキンシップ普通じゃないですか!うちの姉妹とか普通にやってきますよ」
「いや、あんたそれ普通じゃないわよ……」
シオリファミリーでは世間知らず箱入り娘を無知シチュ姉妹レズしてるってマジ??????
二次元が特に好きとはいえ普通に三次元にも興奮するしこの顔面偏差値姉妹のくんずほぐれつは見たすぎる。
「またまたー!マノさんだってこういうの慣れてるんでしょー?」
「こんなん慣れててたまるかぁ!!」
「話しながらもう随分強めに揉み出しといて、あっ❤︎説得力ないですよー?」
やばばばばばば!!!!流石に人前で自分のいじれないと我慢してたらその分指が勝手にもっとやばいことしてた!
頭ではその感覚を覚えていないものの体はその感触をしっかり感じ取っていたようでもう下着が下着の意味がない状態だ。
「こっこれは!こんな大きいの触るの初めてでっ!なんか新鮮な感触でついっ……!あ、あとその嘘すぎる喘ぎ声やめて。ほんとに萎えた。ヘタクソ」
「はいはいそういうことにしておきますから。……んー。結局マノさんはヘタレ攻めのMってのが今んとこしっくりきますかねー。そういうの好きって話してましたけど感情移入しちゃってる感じです?」
「いや、確かにヘタレ攻めは大好きだけど一番股間にクるのはふたなりのヘタレ攻めだから特に感情移入はしてないしできない。……いや、ちんちんの快感を経験してみたいとかは思うけど。それこそ人体魔術あたりで生やせるみたいな話見かけたことはあるのよね……」
ようやくいつものエロい話に戻ってきた。流石に一旦トイレ行くふりして下着変えようかしら。
「あ、それですけど当然ちんちん分の体の構成材が必要になるんで空間魔術も使えないと身体に悪いですよ。無理くり今の体から材料引っ張ってくることになるんで」
「へー。じゃあ私は無理かー。魔力量大したことないから空間魔術使ってへばるわ多分」
残念。イチモツ生やして身動きとれなくなるのは流石にアホすぎる。
「私使えますけど。やります?」
「なんで使えんのよ」
治療魔術に関わる物以外は一切習得してないって聞いてたんだけど……。
「あー……。郷愁の念?的な?」
「どこに故郷を感じてんのよ。あ、父親の玉の中から来たから的な?玉ありのふたなりか……。正直玉の有無割とどうでもいい派なのよね」
「あ、良かったです。玉ない方が色々節約できるんで玉なしでいきますね ──苦なきこの躯を駄と断じ 番う身体、問わず生まれ、源なき子種もて 過つ法へ導かん
「いっだだだだだだだだだだ!!!!!!」
この痛みでもそんなに酔い覚めないんだから結構ヤバい量飲んだかもな私。
「上手くいきましたかね。ちょっと失礼しますね」
「えっ」
むんずと股間を掴まれる。
「あれ、もしかして初めての器官だからなんか誤作動起こしましたかね。びっちょびちょ……」
「あー……」
いやー完全に事前に準備した物ですねこちら。
明らかにやべー状況だけどなんかどうでもいいやって感じ。色んなこと起きすぎて疲れてきた。
「なんかあんまり動揺してないですけど……。もしかして想像して濡れちゃってました?……そこまで期待してくださっていたとは……。これは経験者豊富なお姉さんが最高の体験にしてあげないといけませんね!」
「忘れそうになるけど実際年齢的にはお姉さんだもんねーあんた……。いや。いや……いやいやいや!やっぱおかしいでしょ何この状況!!」
「まーまーまー。こんなんうちでは普通でしたから何の心配もいりませんよ……。お姉さんに全部任せちゃって……あれ?いやそんな経験ないな?あれ?ソロプレイの記憶しかないなそりゃそうか。流石にこれおかしいもんな……いや?姉にも妹にもしたことあるような……あれ?あれ??………………」
なんだか混乱したまま倒れ込んで寝てしまった。まあお互い大分回っていたし、ペースを考えれば割といつも通りのタイミングだ。
私も眠くなってきた。
話す相手はこんなんだし、このまま寝ちゃお。
●●●
目が覚めたがまだ外は暗い。
妙な感覚から「あーパンツそのままじゃん」と下半身を見てみると──
朝勃ちだこれ!!!!!!
朝じゃないけど。
すご。作り物の中でしか見たことなかったけど、感動。
しかし生やした経緯を思い出しすぐにその感動も消え失せた。
……いや……駄目でしょ……。回るとこまで回るとお互いかなり馬鹿になるのでとんでもない発言してたりはよくあったけど……。あそこまでの行為までやるのはお互い馬鹿ってレベルを越してる。
ノリノリになってあんなことするシオリもシオリだし、どうでもいいやで受け入れてた私も私だ。
そんなことを考えてふと横を見ると寝息を立てるシオリ。
うつ伏せになって乳がえらい潰れている。よくそんな姿勢で寝られるな。
その歪んだ胸を見て、自分の手で歪ませたことを思い出してしまう。
生えたソレに熱が集まる感覚がする。
「こ、こすればいいんだっけ……。いや、流石にここでするのは完全にアウトな気がする。もう十分アウトだけど……」
トイレでありえん量出た。