雷速少女のヒーローアカデミア   作:K鶏

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終話・新学期へ

「「それでは!遠征任務の無事終了と2年進級を祝って!」」

 

「「「「CHEERS!!(かんぱーーい)」」」」

 

 百ちゃんと一佳、両クラス委員長の音頭で、打ち上げ兼進級祝いのお花見が始まった。

 後始末に翌日まで拘束されたものの、幸いにして雄英の桜はまだ全部は散っていなかった。

 ちょと青葉が混ざり始めている木もあるけれど、これはこれで。

 

「いっやぁ、セメントス先生ヤバかったわ。そんでもって、その後の俺の大活躍!」

「あー、はいはい。敵幹部1名無力化!とか言ってドヤったら、ミッドナイトがフォローしてくれたんでしょ?何回目よ、その話」

「えー?でも格好よくね?惚れちゃわね?」

「ない。つか、そのチャラくてすぐ調子乗るところ直して出直してこい!」

 

 つまりそこを直せばワンチャン……いや、むりか。なんかこのまま腐れ縁になりそう。

 ノンアルコールなのにほとんど酔っ払い並みにウザがらみしている電気だけど、対超常解放戦線の現場で最前線に立ったというのは自信になったようだ。

 公開された戦闘シーンで見た電気は、中々に格好よかった。あまり褒めると焦凍が拗ねるから程々にしておくけど。

 現場で見たプロヒーローからのオファーも来てるようだし、がんばって欲しい。

 

「逃亡を図った解放戦線の一部に突破を許してしまったのが悔やまれますわ」

「いやいや、百?別チームの担当エリアで起きたことまで責任感じなくても」

「ねー?気にしすぎノコ」

 

 百ちゃんはスピナーが率いる集団が逃亡をしたことを悔やんでいるけど、一佳や小森さんが言うように担当区域外のことまで気にしないでも。

 隣接していたからフォローができたはず、とか考えてるんだろうけど。

 

 

「なんて言うか、みんな凄い経験したんだな。仮免試験までに追いつかないと」

 

「いやいや、真面目だね心操君。安心するといい!この僕が!手取り足取り、しっかり導いてあげるとも。そして2年目こそ、僕らB組と共に憎きA組を完膚なきまでにへブンッ!」

 

 そういえば心操君はB組編入なのか。相澤先生の弟子みたいなもんだし、A組に来ると思ってた。

 2年で担任も変わるから、パワーバランスをとるためかな?それならABで入れ替えを……寮の引っ越し 面倒だからなくてよかったけど。

 そんなことを考えていたら、物間君は一佳に潰されていた。うん、お約束が消化されると落ち着くね。

 

「だから憎くないっつーの。いい加減、ちょっとは成長しな」

「いや、拳藤。このコントがないと、もう何というか、B組じゃない感じが」

「……それ、すっげーイヤ。ねぇ、峰田のセクハラ発言がないとA組じゃないって言われるのと同じよ?」

「うわ、それは嫌すぎだ。ワリィ!俺が悪かった!」

「ちょっとまてぇぇぇぇ!」

 

 ネタにされて叫ぶ峰田を見て、皆が笑う。キョトンとしてる壊理ちゃんが可愛くて、またみんなが笑う。

 

「あー、笑いすぎて喉からから。焦凍、ジュースいる?」

「くれ。ほら、これ好きだろ?」

「ありがと」

「あーもー、見せつけてくれちゃって、この宝石乙女め」

「たまにはいいじゃない。頑張ったんだからご褒美だと思ってー」

 

 こういう時にはしっかり見せつけますとも。やりすぎない程度に。

 

「Hey Guys!私が綿菓子機と差し入れを持ってヌルッと来たよ」

「オールマイト先生。まだそのネタやるんですね」

「HAHAHA、折角買ったんでね、こういう時に使っておこうかと。みんな、綿菓子くうかい?」

 

「「食う―」」

 

 何人かがオールマイト謹製綿菓子と言うある意味レアなものを堪能していた。

 

「わたがし……ふわふわしてね、おいしいの」

「うん、ちょっと待ってね」

 

 緑谷君がかいがいしく壊理ちゃんの世話を焼いているので、今日はお任せ。

 教師寮で何度か食べてるから、綿菓子はエリちゃんの好物の一つだろう。口元ですっと溶ける不思議な触感と甘さに目が輝いてる。

 普段は虫歯にならないように制限するけど、今日は野暮は言わないでおこう。

 個性の制御も落ち着いてきて、定期的に発散させておけば、無理なく制御できるようになった。

 この春からは、小学校にも通うようになる。

 そうなればもっと壊理ちゃんの世界は広がるし、普通に暮らしていくこともできるだろう。

 

 

 まだ料理もたくさんあるので甘味系に手を出すのは後回しにしていたら、お茶子ちゃんが話を振ってきた。

 

「2年になったらインターンはまた任意なんよね。ねぇ、茉芭(まつは)ちゃん、轟君。エンデヴァーさんのところ、わたし、イケるかなぁ?」

 

 おや、意外なお言葉。リューキュウのところで、梅雨ちゃんとのコンビで売り出し中なのに勿体ない。

 

「んー?どう?焦凍」

「わかんねぇな。即戦力だと思うが、多分、来ないほうが良いぞ?」

「え?なんでっ!?」

 

 はて、どういう事だろう。緑谷君はエンデヴァーのところでのインターンを切り上げるのかな?

 

「爆豪、緑谷、お前ら、今年は別のところに行くとか言ってたが、決まったか?」

「うん、エンデヴァーの勧めで、常闇君とホークスの所に行ってみるつもり」

「我が師も歓迎すると言っていた。ともに精進しよう」

「そうか。頑張れよ」

「うん!」

 

 なるほど。それならエンデヴァー事務所に来ても意味がない。

 インターン生だし、人事の話は意図して関わらないようにしてたから知らなかった。私の好き好きで焦凍が動いて、エンデヴァーが忖度、とかなったら最悪だしね。

 

「けどいいの?並行処理とか、まだ課題はあるとか言ってなかった?」

「あ、うん、定期的に見てもらう約束になってる。それに、その、お邪魔、かな、って」

「いや、それは気にしすぎ」

「言ってろ、バカップル」

 

 いや、仕事中にいちゃ付いたことはないはずだけど?

 

「公私の区別はつけてるつもりだけどなぁ」

「うん。それは本当にそう思うよ。ね、かっちゃん?」

「けっ!わーってるよ。ジーパンの野郎との約束だ。今の俺を見せつけに行く!この大・爆・帝ダイナマイトをな!!」

 

 爆豪君渾身の命名らしい、大・爆・殺・神ダイナマイトって、海外での活動を考えたら、殺がMurder、要は殺人者に訳されて、神も一部を除く一神教の国で大変よろしくないと遠征で疲れているにもかかわらず、ミッドナイトに長時間の説教を食らって渋々変えていた。

 ダイナマイト(・・・)を変えなかったのは、何だかんだと、爆豪君もかなりのオールマイトオタってことらしい。

 

「殺す、とかなくなったのはいいけど、だっせ」

「いいではないか!爆豪君の個性は爆破!それを象徴する名だろう!」

 

 そう言う飯田君だけど、後ろで瀬呂君と切島君が一緒になって反省を促すダンスをして挑発してる。

 

「ほぉぉ……テメェら、喧嘩売ってんのか」

「む?いや俺は……って、瀬呂君と切島君!それはさすがに、こら、待ちたまえ!」

 

 プツッと切れた爆豪君が3人を相手に鬼ごっこを始めたけど、うん、放っておこう。巻き込まれた飯田君はお気の毒様だけど、どうせすぐ捕まる。セクシーダイナマイツな兎のお姉さんが近づいてるし。

 

「話を戻すと、別に邪魔とか思うことはないけどいいの?」

「うん、僕ももっといろいろ見て経験したいから」

 

 爆豪君の理由は何ともアレだけど、意外に律儀だから、義理を果たしに行くというのはわかる。

 緑谷君のもっと見分を広げたい、と言うのも納得。

 

「そっか。じゃあ、頑張って」

「ありがとう」

「そんな訳だ。リューキュウの所のほうが移動とかで一緒できるし、よくねーか?」

「あう、あ、い、いや、そうじゃあ、なくて、あのその、うん、えっと」

「そうか、移動は新幹線になるから、うん、一緒になることもあるよね。麗日さん、その時はよろしくね」

「う、うんっ!まま、まかせてよ!」

 

 何というか、久しぶりに見る気がして、初々しくて可愛いね。でも、いい加減、くっついちゃおうよ。

 

「ケロ……常闇ちゃん、ダークシャドウちゃん、お邪魔にならないようにしましょうね」

「うむ。同意する」

「ダヨナ」

 

 何だかんだと、私と焦凍の時にも梅雨ちゃん動いてたし、意外とそういう話好きだよね。本人に浮いた話はないけど。

 去年の上期試験では常闇君とコンビだったけど、万偶数(まんぐうす)さんと同じく、捕食者と被捕食者的な組み合わせに見えるのが何とも。

 

「それにしても焦凍がそういう事に気を遣うってなんか意外」

「妬いたか?」

「……ちょっとね。判ってても聞くな、バカ」

 

 そりゃ、他の女の恋路に気が回るくらいに余裕があるのはいいことだけどね。

 

「むぅ、仲いいなぁ」

「いやいや、アレには負けるよ?」

 

 視線の先には、こちらとの会話に気を取られた隙に、ムチムチ兎のお姉さまに抱っこされた爆豪君の姿が。

 峰田が血涙流して凝視してるけど、諦めなさい。Mt.(マウント)レディに踏まれてたら?

 

「あはは、うん……アレは、うん……」

 

 ミルコは置いとくとして、緑谷君を捕まえるつもりになってきたなら、いいことじゃないかな。

 ワン・フォー・オールの一件が片付いて、ナンバーワンになるっていう呪縛めいた目標もほぼなくなった。

 良い意味で肩の力が抜けたみたいだし、これから本格的に伸びていくだろう。

 既に身体能力は全盛期オールマイトに匹敵する。サー曰く、「見劣りするのは実戦経験。何よりもユーモアが足らない」とのこと。

 

 詳細は流石に公開されてないけど、蛇腔総合病院の制圧で活躍したヒーローってことでメディアにも出てるし。この辺は、サーが大分強く推したらしい。

 多分、今後は緑谷君の人気が高くなるだろう。競争率が上がる前に頑張って。

 

 私は事件後のプロの共同会見でかなり褒めてもらったけど、戦闘が全部非公開かつ機密指定になってしまって世間からの評価は微妙。多分、ひと月もしたら忘れられる。

 ベストジーニストの活動再開の方がよほど大きなニュースだろう。

 

 しかし、爆豪君も大変だなぁ

 

「ほらほら、ダイナマ。二言はないんだろ?捕まったんだから、大人しくしとけ」

「グギギギギギギ……てんめぇ、こんなところで油売ってねぇで仕事しろよ……」

 

「したさ。朝に3件、傷害、ひったくり、立てこもり。ここに来るまでに強盗2件の盗難車1件。十分だろ。田等院あたりは活きのいいヴィランが多くて蹴り甲斐があっていいな!」

 

 別に爆豪君と意気投合した訳ではないけど、一方的に気に入って、宴会があると聞いてちょっかい出しに来た。誰が教えたかと言ったら、私だけどさ。

 あの辺りはラーカーズやデステゴロが管轄だけど、戦々恐々としてるんじゃないだろうか。

 

「くぉらっ!デ……じゃねぇ、出久!見てねぇで助けやがれ!」

「い、いやぁ、無理無理、そんな、お邪魔は、うん」

「そーだぞ、ダイナマ。余計な手出しは兎に蹴られるんだ。なぁ、デク」

「はっ、はいっ!」

 

 なにやら、決戦後に2人で話をして、中学以前からのいじめを詫びたとか何とかで、蔑称としてのデク呼びを直しているのだとか。ヒーロー名がデクだし、今はもういい気もするけどね。

 

 そしてどうやったか、ミルコは緑谷君を懐柔済みと。もしかして喰った?

 本気かどうかはなんともなぁ、年齢差もそこそこあるし。ピクシーボブよりは若いのだけど。一通り爆豪君を撫でまわして満足したのか、抵抗がなくなって飽きたのか、こっちに来た。

 

「おう、ブルー。ちょっと揉んでくれ」

「はい。いいですけど、疲れも溜まってないし、流石ですねぇ」

「あー、そうかぁ?うん、まぁ、いいオモチャがあってリフレッシュできてるからな」

「人をおもちゃにすんじゃねぇっ!」

 

 そうは言っても、捕まったから仕方ないと大人しくしてる時点で説得力がないよね。

 

「そーいや、ジーニストんところだって?いいぞ。好きに逃げろ。捕まえちゃる」

 

 うわぁ、何とも獰猛な笑顔。凄くミルコらしいって思うけど。

 

「何という、肉食系」

 

「お前もそーだろうが。最近、周りを見るとジョークの寝言を笑えなくなってよ。無理して(つがい)を確保しなくてもいいんだが、同期のダチも現役は減ったしな。最近は公安まで男を世話しようとしやがるから、カモフラージュにちょうどいい」

 

 なるほど。ミルコもMs.(ミス)ジョークのヒーロー男性観聞かされた口でしたか。

 その当人も、攻略の目途がつきそうとか言ってたし、収まるところに収まりそう……イレイザーヘッド、凄い嫌そうにしてるらしいけど。

 壊理ちゃんの保護者(お父さん)に名乗りを上げるなら、独身はちょっとねぇ

 

 

「お、みんな楽しんでるね。サーと俺からの差し入れだよ」

「「通形先輩!ゴチになります!!」」

 

 流石に遠方の波動先輩たちの姿はないけど。卒業後もこうして顔を見せてくれるのは嬉しい。半分以上は壊理ちゃんの様子を見に来ているのだろうけど。

 

「ルミリオンさん!」

「やあ、壊理ちゃん、今日も可愛いね」

 

 ……ただの様子見であることを祈るけど。

 

「通形先輩。いいんですか?だいぶ忙しいって聞いてますけど」

「あれだけの事件の後だからね。交代で休みを取ってるよ。それに期待のニューメンバーもいるし」

「いぇーい!頑張るよー!」

「おーっ!!」

「僕も☆」

 

 群訝山荘で逮捕された超常解放戦線の幹部などが1万3千人強。スピナーに従って脱出したメンバーの他、全国に10万近い構成員にヒーロー内のシンパ。

 彼らを含めると2万人強が逮捕・拘束されている。

 各拠点へも捜索、制圧が行われて、大量の武器やサポートアイテムが押収されている。

 

 前代未聞の武力革命計画と言うことで、世間は大分騒がしい。

 事前に察知して制圧に成功した、と言うことで、警察とヒーローはだいぶその信頼を高めた。

 けど、それでも揺らぐ要素がなかったわけじゃない。

 特に群訝山荘では10人を超えるヒーローが殉職した。

 そして、荼毘の件。

 

 荼毘の件は、あの後、エンデヴァーからも話を聞いた。警察からの発表は「轟燈矢をベースに何らかの違法な処置をした脳無かそれにきわめて類似した存在」と言う玉虫色なもの。

 実際、死者蘇生かそれに近いレベルで行方不明後の肉体を弄ったのは事実らしい。オール・フォー・ワンと殻木による拉致と隠匿もあって、荼毘の死についてはエンデヴァーに同情的だ。

 

 けど私、2人が会話する機会を奪ったばかりか、多分、死の切っ掛けぐらいにはなった……殺したも同然、なんだよね。エンデヴァーは言葉を濁したけど。名乗らなかった以上、仕方ないとは言ってくれたけど。

 

 焦凍が私の手を強く握る。気にするな、とその目が言っている。判っているけど、やるせない。

 今度、焦凍とお墓参りに行く約束をしている。

 

 2万人を超えた逮捕者を出してなお、逮捕を免れた関係者も多く、継続して警戒は必要。そんなわけで警察やヒーローはだいぶ忙しい。

 治安の悪化も懸念されていて、短期的には海外並みの犯罪発生件数に近づきそう。

 

 その辺の情勢の悪化と単純な年齢問題もあって、ヨロイムシャが超常解放戦線討伐で有終の美を飾る形で引退した。

 年齢が年齢だから理解と非難が半々ほど。

 インターン先がなくなった三奈ちゃん、透ちゃん、青山君はサー・ナイトアイがとりあえず仮で受け入れてくれている。

 

「ま、楽しむときにする話じゃないよね。壊理ちゃん、リンゴもいいけど、桃はどう?早生の美味しいのが手に入ったんだ」

「食べたいです!」

「よーっし、ちょっと待ってね」

 

 餌付けと言うか、張り切って切り分けてる通形先輩に、切島君が話しかけてきた。

 

「そー言えば、先輩。聞きたいんっスけど」

「なにかな?」

「先輩方が卒業して、今の雄英ビックスリーって、3年のだれになったんです?」

 

 その切島君の疑問はもっともだけど、なんか嫌な予感しかしない。

 

「アレは別に明確に襲名したり、とかじゃないからね。単に実技上位の3人ってだけで。そういう呼ばれ方をしない年も多いし」

「へー、そうなんスか」

 

 確かに現3年の先輩方は総じてバランスはいいけど、飛びぬけて強い人はいない感じはある。

 そう言えば、そろそろ先輩方とのトレーニングも手じまいにしないと。新入生の入り込む余地は残しておいてあげないといけないし、今度は、私達が世話を焼く番だ。

 もちろん、彼らがそれを求めるなら、だけど。

 

「でも、2、3年全体見渡すと、今は緑谷君、轟君、爆豪君だと思うよ?裏ビッグスリーと言うか、分りづらさでは上鳴さん一強だけど。君たちの代は雄英四天王って呼ばれるかもね。あはははー」

 

「いや、あの、何ですかその痛いの。裏って、常闇君じゃあるまいし」

「心外だ」

 

 今も厨二全開のくせに何をいうかな。

 

「一番強さがわかりづらいからね。敵に回すと厄介極まりないのに、技とか地味だから評価が難しい」

「「「あー、確かに」」」

 

 そんなに地味かなぁ?リニアカタパルトとか結構派手な技なのに。

 

「知ってる?一部のプロの間で、ブルーアンバーに別の通り名がついてるの」

「……う゛っ、そ、それは……」

 

 なんでソレが、ルミリオンの所にまで。というか、そっちがヒーロー名になりそうで心底嫌なんですけどぉ!

 

「あぁ、ソレ。ウチも社長に聞かされたときに思わず納得しました」

「どこまで伝わってるの、ソレ、もう」

 

 確かに戦闘スタイルとか、結果的に似てるんだけどぉ、不本意だ。

 

「でも、レディ・イレイザーってちょっと格好良くない?」

「実際、イレイザーヘッドの元サイドキックだしね」

「やーめーてー」

 

 そんな二つ名要らないよー

 一般の知名度は低いのに、ヒーロー業界内ではイレイザーヘッドの知名度は高い。賞金稼ぎ的なヒーローとして逮捕件数がかなり多く、組めばヴィラン制圧が容易になると、評判も高い。

 契約期間じゃすでにエンデヴァーの方が長いのに、イレイザーが唯一サイドキックとして認めたとか言うのが箔付けになってしまって、変な仇名が付き始めてる。

 相澤先生、心操君をサイドキックに雇ってくれないかなぁ

 

 ただでさえ、死柄木の件で公安から「大学行かないでこっちに来ない?」とか言われてエンデヴァーと焦凍が大荒れに荒れたのに。

 

 おまけに海外渡航もものすごく面倒な手続きが必要になるらしい。これは緑谷君もそうだけど。

 ヒーローの強さがある意味で国防力にも直結するので、希少個性や単純に強力なヒーローは海外渡航がかなり制限される。不可能ではないけれど。

 トップ10圏内のヒーローはそういう点ではかなり不自由だろう。仮免の身なのに同レベルの扱いと言うのは何ともモヤるが、相互接続(コネクト)がワン・フォー・オール以外にも使えて、事実上の封印や発現の調整が可能、となったらやむを得ない。

 

 その割にオールマイトとかは割と自由にしてたけど、オールマイトだから仕方ない。

 

 ちなみに、個性ワン・フォー・オールについては、超常解放戦線掃討に参加した主だったヒーローたちは知っているが、こちらも厳重な緘口令が敷かれている。

 一般には緑谷君の個性は超パワーのままだ。

 緑谷君からの継承が可能かについては実験するわけにもいかないけど。譲渡する意思がなければ、血や体組織を取られても大丈夫と言うことなので後継どうこうの話は今後、緑谷君次第となる。

 

 ちょっと不本意な評価をもらったけど、超常解放戦線の任務終了と進級祝いのお花見会は大いに盛り上がった。

 

 

 

「さて、今年から2-A担任を任された私が来た。諸君らはすでに仮免も持っているから、基本的には活動内容は変わらない。状況想定や内容はどんどんシビアになる。

 インターン活動も任意にはなったが、本免許取得にインターン活動が必須になる制度改正が予定されている。特に支障がなければ続けるように。

 では、今日のヒーロー応用学は、昨年の基礎学に続いて戦闘訓練だ。各自、コスチュームに着替えてグラウンドγに集合!」

 

「「「「はい!!」」」」

 

 残りわずか2年。最高のヒーロー、目指す場所へたどり着くためにも、勉強も訓練も、そして恋も、Plus Ultraで進んでいこう。

 

―終―




お読みいただきありがとうございました。

拙い作品に最後までお付き合いいただいた皆様に心から感謝します。
感想や誤字修正、励みになりました。
後日談等については希望受付を活動報告で行っております(ただしすべて書くかは不明)

なお、捏造設定集を本日18時に3分割で投稿予定です。
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