後日談1:超常解放戦線討伐ヒーローインタビュー
高圧送電線の点検作業は危険が伴うが電気系個性の持ち主が居れば、その危険度は大きく下げる事が出来る。上鳴
「やぁ、上鳴さん。今日もお疲れ様」
今日も無事に作業を終えて、営業所に戻ったところで上司に肩を叩かれる。
別に深い意味はない。この年下の上司は「年上の部下にもフレンドリーな自分」を演出するためにこういう行為を好むと言うだけだ。
「はい、おつかれさまです。部長」
「うん、君のおかげで今日も事故も無く終わったよ。ありがとう」
世辞が半分、事実が半分と言うところ。多少表情に苦いものが混ざる。
雄矢磁が持つ個性「変電」は電圧や周波数を変化させる事が出来るが、第三者の感電を直接防ぐような能力を有していない。自分自身に対してある程度の蓄電をしながらの変化が可能と言う程度だ。
もちろん、その個性でも十分、事故防止には役に立つ。
だが最近は「ベテランの電気系個性持ちと一緒なら安全」と勘違いした若手のせいで小さい事故やミスが増えている気さえする。
「どうだい?今日はこれから」
指で杯を傾ける仕草をする。だが雄矢磁はバイク通勤なので、置いて帰ると明日が面倒になる。
「いえ、バイクなので。それと今日はちょっと、用事が」
「ん?あぁ、超常解放戦線討伐のヒーローインタビューか。君のお子さんも出るのかな?」
「さぁ?どうでしょう」
日本中のプロヒーロー、仮免取得者を動員して行われた一大捕り物。
その日は街中でよく見かけるヒーローの姿もほとんどなく、「ヒーローが消えた日」などとSNSで話題になっていた。
日本中のヒーロー、ヒーロー候補生までも動員して行われた大作戦。
その結果が警察およびヒーロー公安委員会により発表されると、世間は文字通り天地がひっくり返る様な大騒ぎになった。
まずこれまでとは規模が違う超巨大ヴィラン組織。
構成員11万を超える反体制勢力、超常解放戦線というものが信じられなかった。オールマイトの出現以降、各地のヴィラン勢力は粗方壊滅したからこそのヒーロー飽和社会。
にもかかわらず、それほどの巨大組織が生き残っていた。
USJ襲撃、保須、林間合宿襲撃からの神野、福岡と大規模テロを行ってはヒーローと警察への信頼を大きく傷つけたヴィラン連合。
そこに長年、闇に潜んで力を蓄えた異能解放軍。
この二大悪が融合して生まれたのが超常解放戦線。その討伐は文字通り、現行体制の威信をかけた物になった。
社会不安を一掃するため、この大勝利は当然のように宣伝されることとなる。
ヒーロー公安委員会の記者発表において、最低限度の編集による戦闘動画が公表されている。そこに、仮免ヒーロー・チャージズマの姿があったことを、雄矢磁は喜んで職場で大いに自慢していた。
マスコミもこの大事件に沸き立った。
公安と警察の無味乾燥な発表で満足できたら、それはもはやマスコミ失格だ。
参加したヒーローに取材申し込みが殺到するのが判り切っていたため、主要なヒーローを集めて大規模な合同記者会見が開くことは公安から発表があった。
これを見逃すなど、ヒーロー科に通う子を持つ雄矢磁にできる事ではない。
「そうか、なら無理にとは言えんな。あぁ、そういえば、チャージズマだったっけ?お子さん。活躍がTVに流れるなんて大したものだ。ぜひ、うちの子にサインをもらいたいんだが」
その気持ちは痛いほどわかる。何しろ自分が散々自慢したのだ。
長男は優秀な成績で雄英に受かった。娘もどうやら運よくもぐりこんだが、実力はないのでまぐれ。さっさと諦めて経営科かサポート科に移ってほしい、などと言った覚えが雄矢磁にはあった。
公安と警察による速報には娘の姿はなく、そのことは雄矢磁の留飲を大いに下げた。
「はは、分りました。連絡してみます」
「よろしく頼むよ。ま、急がないから。私も、未来のトップヒーローの親が部下にいると、いい所を見せたいしね」
「いやいや、まだデビューしたての学生ですから」
言葉だけなら謙虚に聞こえるが、内心は当然だとも思っている。
ポンポンと肩を叩かれ、去っていく上司の背中を見送って、息子が学生であるにもかかわらずサインを求められるような活躍をしたことに誇らしい気持ちだった。
愛用のバイクで意気揚々と自宅に戻り、風呂をつかう。
そして風呂上がりの楽しみと、ビールをグラスに注く。一杯目を気分良く飲み干したところで、楽しみにしていたインタビューの中継が始まった。
地上波では一部分しか放送されないため、ヒーローニュース専門チャンネルでの視聴になる。
もちろん最高画質で録画することもぬかりなく行っている。
『では、時間になりましたのではじめさせていただきます。
まず、出席ヒーローのご紹介です。エンデヴァー、エッジショット。ミルコにクラスト。残念ですがナンバーツー・ホークスは負傷療養中のため参加できません。
他、リューキュウ、ロックロック、ファットガム、
説明としては、ホークスは群訝山荘に現れた荼毘から超常解放戦線に参加していた少年ヴィランを仲間割れから庇って負傷。入院治療中と言うことらしい。
当然ではあるのだが、会見場に雄英の仮免ヒーローの姿はない。
この時点で、雄矢磁としては見る気が半分ぐらい失せている。速報映像に流れるほどには活躍したのだ。息子もこの場にいることを期待していた。
拍子抜けだが、勿体つけてタメを作った司会のセリフでその気が変わった。
『本討伐作戦のため、一時的に復帰した!我らがナチュラルボーンヒーロー!オールマイト!!』
「おぉ、オールマイト!しかし、痩せたなぁ……」
昨年の夏、家庭訪問で家に来た時と同じ痩せ衰えた姿。そう言えばサインをもらい損ねたと、今更ながらに惜しいことをしたと思った。
『なお、質疑応答への対応のため、ヒーロー公安委員会会長にも同席を頂いております。では、まずは事件の概要について、ダイジェストで振り返ってまいります』
この辺りがヒーロー飽和社会の象徴と言うべきか、今回のような大規模掃討は滅多にある物ではないため、記録やプロモーションを兼ねて多数のカメラが回っていた。
もちろん一般の報道機関ではない。ヒーローや公安が証拠やアピール用に撮影したり、群訝山荘で撮影された監視カメラ映像を編集したものだ。
事件の発表直後の公開映像に息子である上鳴電気、チャージズマの姿があったので、雄矢磁とその妻、
「お、見たか、操、今、電気が映ってた」
「ええ、凄いですね……え?アレ、マッハ?」
「いやまさか……あの弱個性がこんな大事件に関われるはずないだろう」
エンデヴァー班が蛇腔総合病院に突入する際のヒーローの中に、操は娘である
映像は突入から戦闘に代わり、序盤の戦闘では大規模攻撃が可能なヒーローが多勢に無勢の状況をひっくり返すために奮戦を見せていた。
「おぉ、改めて見ると、凄いな……あれだけの容量は俺にはとても……」
「ええ、本当に……凄い」
チャージズマが敵幹部の大規模電撃攻撃を無効化する。そしてすかさずミッドナイトの眠り香で眠らせる。範囲外の構成員はマッドマンが地に沈め、シーメイジが肺にスエヒロタケを生やして呼吸困難にすることで無力化する。
さらに同じ学生ヒーローの一人、ツクヨミが地下通路を封鎖。一気にヒーロー側有利の状況を作り出した。
続く映像ではエンデヴァーを先頭に蛇腔総合病院へ踏み込み、施設の奥へ駆け出すヒーローたちの中に、娘の姿があった。
「ほら、やっぱりマッハよ!」
「……うそだろう!?」
雄矢磁の驚きに呼応するかのように、床を破って表れた脳無が現れ、戦闘が映し出される。
しかしその後の戦闘では姿が見えず、学生ヒーローとしては嬉々として脳無を吹き飛ばす爆発で戦うヒーローと、氷漬けにして砕くという凶悪なコンボを決める2人組以外は映らなかった。
流石に分電盤室に籠ってブレーカーを操作しながら殻木や荼毘に超長距離攻撃を行った、と言われても当事者以外にはさっぱり訳が分からない。故に映像になることがないというより、編集・演出担当が匙を投げた。
オールマイトとルミリオンの運命を変えたと恩人と、デクと同じく売り出しに意欲的なサー・ナイトアイも「ここまで映像映えしない個性の使い方をされるとどうにもできない」と呆れていた。
個性が地味と言う点では、サー・ナイトアイも大差ないのだが、それは高い棚の上に放り出された。
「ほら、映らないじゃないか。きっと救護とか避難誘導要員なんだろ。まぁ、それだってヒーロー活動だ」
「……えぇ、でも……そうなのかしら?」
避難誘導に当たっているワイルド・ワイルド・プッシーキャッツや念動力系個性の活躍、後方支援に当たる学生ヒーローももちろん映像化されている。しかしそこにブルーアンバーの姿はない。
『えー、これら一連の戦闘により、超常解放戦線の最高指導者、死柄木弔。側近兼主治医の殻木球大、ヴィラン名リ・デストロことデトネラット社社長四ツ橋力也、トランペットこと心求党党首
では、各ヒーローからコメントを頂いたのちに質疑応答とさせていただきます。ネットからも質問をいくつか受け付けますので、当チャンネルのメニューからどうぞ』
この瞬間、映像を中継しているWebサイトなどはパンク寸前になった。雄矢磁も反応の悪いサイトにイラつきながら「前線で戦った雄英生のコメントと評価を」と書きこんだ。
最前列に座っていないヒーローたちは質問がなければコメントは出さない予定らしく、ビルボードのランキング同様、ランクの低い側からコメントを出していた。
クラストは感動屋らしく、感極まった表情で答えていた。
『神野にいる事が出来なかった無念が晴らされた。私はあの場に立ち会えた栄誉に震えております』
『あ?そーだな。逃げた残党共、アタシが蹴っ飛ばすから震えて待ってろ!』
続くミルコの発言は何とも強気だったが、ウサギと言う微妙な個性では活躍が限られるのだろうと、雄矢磁は謎の上から目線で頷きながら続くコメントを待つ。
エッジショットは電気がインターンを行っているチーム・ラーカーズのリーダーでもある。何か言ってくれるだろうという期待があった。
『ヒーローにも被害が出たのは痛恨。だが社会の崩壊を招きかねない暴挙を止められた。その一翼を担えたのは我が生涯の誉れ』
ここにホークスが居たら、それこそ「かった苦しい」と称しただろう。
しかし電気については何も言及がない。もう見る気もほとんど失せたが、まだ質疑応答に期待をかけて、2本目のビールを抜いた。
『報道で我が子、燈矢の事は聞き及んでいるだろう。死んでいたと思っていた我が子が荼毘となり、凶行に及んだこと。探しだせず、止められなかったことを被害者並びに関係各位にお詫びする。そして荼毘、燈矢を止めてくれたブルーアンバーとルミリオンに心からの感謝を』
エンデヴァーが他人に対する感謝を口にするというのは本当に珍しい。会見場もややざわついていた。
公安委員長が少し困り顔を見せたのだが、気付く者はいなかった。
「アナタ……ブルーアンバー、ってたしか……」
「は、はは、き、きのせいだろ」
震える手でビールを注いでいたらグラスから泡が溢れた。慌てて泡を啜り、台拭きでこぼれた分をふき取る。泡だらけになったグラスを見て、しばらく待たないとダメだなと現実逃避をしていた。
そして最後、オールマイトがコメントを出した。
『まず、私が今回、一時的に復帰したのは、神野で戦ったヴィラン、オール・フォー・ワンが今回の戦いの背景にいて、長年、奴と戦い続けていた私の知見が必要となったためです。
そう、長年、です。私の活動は常に、かの巨悪を止めるためにあった。
参加したすべてのヒーロー、警察、彼らすべての奮戦、献身のおかげで、オール・フォー・ワンの後継者、死柄木弔を止める事が出来たのです。
私はかの戦いにおいて、脳無の1体を倒す事すらしておりません。ことさらに持ち上げられることは何一つ、成しておりません。
あらかじめ申し上げておくと、私が現場に出るのはこれが最後です。
悪の帝王はもういない。平和は一人の象徴でなく、多数のヒーローが支える時代となりつつある。その一端を支えるヒーローを、一人でも多く育てるのが私の最後の役目でしょう』
カメラのフラッシュが一斉にヒーローたちに注がれる。
フラッシュがひと段落すると、質疑応答が始まった。
『NHAです。まず、公安委員長にお伺いしたい。蛇腔総合病院での戦いが非公開と言う理由をお聞かせ願いたい。また一帯の強制避難が行われたが、市街には全く被害が出なかった。過剰対応ではないかとの意見も出ております』
それに対して公安委員長は悠然と記者席を見渡してから口を開いた。
『蛇腔総合病院にはオール・フォー・ワンの側近、殻木により多数の改人・脳無がおりました。脳無は知っての通り、動く死体と言うような物。これらとの戦闘が主であり、頭部を損壊させない限り動き続ける存在との戦闘についての完全公開は倫理的に問題が多いという点です』
もちろんそれだけが事実ではない。
委員長の本音としては、「戦闘の内容が非常識すぎて公表できない」である。
脳無の様な知性の低下なしに複数個性を移植された死柄木弔はまだいい。個性の人工移植技術の向上と本人の資質で納得できなくもない。
だが、個性にいわば意識体として直接乗り込み、肉体にダメージを与えずに個性だけを滅ぼしました、などと言われて誰が信じるだろうか。
『次の理由としては国防です。ヒーローの戦闘力は国力、国防力に直結して評価されます。もちろん、軍隊を否定するものではありませんが、個人としては隔絶する戦闘力をヒーローが持つことは事実。
故に、言えることは一つ。日本には、オール・フォー・ワンが自らの後継者として育てた強力なヴィランを、周辺被害を押さえながら無力化できるヒーローがいる、と言う事実です。
その一端として、警察が押収した資料から、死柄木弔の戦闘能力に関するデータの一部を公表させていただきます』
公安委員長の許可により公開された死柄木弔の情報。
泥花事件において街を1区画丸ごと塵に変えたのが死柄木であり、生体改造によりその能力が数倍以上に跳ね上がっていたと言うことにどよめきが広がる。
もちろんその方法は違法であること、オール・フォー・ワンあってのものであり、同じことは今後は行えないであろうことが補足された。
これらの戦闘記録は、死柄木弔率いるヴィラン連合と異能解放軍が戦った際に、宣伝用に衛星や解放戦士達を使って撮影された映像が元になっている。
本来ならリ・デストロの強大さ、偉大さを世間に誇示すために撮影された映像は、彼が破れ、その対象を死柄木弔と変えた。
そして皮肉にも、ヒーローたちの強さの裏付けとして活用されている。
全盛期のオールマイトでも難しいだろう、強力な破壊を行える超個性。
保須、神野のグラウンド・ゼロ、福岡、そして直接手が下された泥花の惨状を思い出せば、蛇腔総合病院内の床や壁の一部が損壊程度で済んだのは被害ゼロに等しい。
しかも壊したのはほとんどが脳無によるものだ。
一方でこれまでよりも圧倒的に多い脳無の捕獲・破壊と、死柄木弔とその側近の逮捕という成果。今回の事件、被害の少なさが異常すぎると、記者たちはやっと気付いた。
それを成した戦闘は国防のため伏せる、と言うのは理屈としては理解できる。
人は何よりも未知を恐れるのだから。故に、隠されたら知りたくなるのも人である。
『
『申し訳ありませんが、機密指定となっております』
この答えには流石にブーイングが出る。機密にした本人が目の前にいるのだから、当然だろう。
『では、参加ヒーローのどなたの個性によるものなのでしょうか?』
『エンデヴァーの下でインターン活動中の仮免ヒーロー・ブルーアンバーです』
盛大に苦虫を噛み潰したようを表情を浮かべている。公安委員長としては、これも出来れば隠したい情報であった。
だが、ある程度情報を出さねば犯罪の抑止になりえない。
「嘘だろ……アイツの個性は、静電気を、電子……操作、なんてちっぽけな、個性、で?」
茫然と空になったままのグラスを傾ける。
信じられないのはマスコミも同様だ。
「は?か、仮免、と仰いましたか?ヒーロー科の、学生が?そんな重要な役割……を?」
「信じられないと思いますが事実です」
さらなる情報開示を望んだ質問が続く。
結局、根負けと言うわけではないが、蛇腔における実績は開示された。起動すれば脅威となりうる
ただし、個性「電子操作」で何をどうすればそんな事が出来るのか、と言う点や、長大な知覚範囲など詳細は可能な限り機密で覆い隠した。
もはやこの辺りで雄矢磁の理解を超えていた。
ブルーアンバーと言うヒーローが本当に自分の娘なのか、前にもまして同じ個性の別人としか思えてならなかった。
質問を重ねても機密のヴェールに阻まれる。
仕方ないと、他のヒーローたちにも質問が飛ぶが、ブルーアンバーに関しては直接活躍を見たヒーローは少ない。大体が「知らぬ」「見てない」「公安に聞け。無駄だけど」となって、当人たちもうんざりし始めていた。
マスコミが思考停止に陥ったのを見て、ネットから集まった質問が取り上げられる。
『ええ、ではここからネットからの質問に移りたいと思います。まず1つ目、と言いますか、ほとんどの質問がこれに集約されてます。前線に出ていた仮免ヒーローのプロフィールとその評価を聞きたい、とのことです。
彼ら自身のコメントを求める意見も多いですが、これについては後日、雄英高校およびインターン担当のヒーローと協議の上でとなります。
なお、参加ヒーローの一覧は公安員会の公報に掲載されますが、仮免ヒーローへの取材はインターン先、所属教育機関の許可を取って行うようお願いします』
同じことを考える人は多いようで、自身の質問がそこに含まれていると、雄矢磁は満足げだ。
まず、見た目として派手な活躍をしたのがチャージズマ。
スクリーンには本人の写真と、個性、デモンストレーションとして撮影された必殺技などの映像が映っている。
解説はエッジショットが行った。
『チャージズマは敵の放電攻撃を防ぎ、突入を助けてくれました。彼の活躍により、多くのプロヒーローが序盤の戦いで優位を取れた。その後は、他の仮免所持者と合流し、後方で警戒に当たってくれております』
「なんだと!電気の放電があればヴィランなど一網打尽だろう!エッジショットめ!日和りやがった!!」
アルコールの影響もあって、激昂してグラスをテーブルに叩きつける。
続くマッドマン、シーメイジも同様の評価のため、少しだけ気を落ちつけた。
しかし続くツクヨミの評価で再び不機嫌になる。
『ツクヨミは期待役割としては山荘地下通路の封鎖でした。戦闘の様子から、ホークスが窮地であると察して、荼毘およびスピナーとの戦闘を支援。保護観察から逃走していた少年ヴィラン、マスタードの確保を行いました』
「学生でヴィラン逮捕……トップヒーローは学生時代から逸話を残すと言うが、このツクヨミに比べると……いや、運だろう。しかも聞く限りは命令無視のようだし、そんなものは功績とは言わん」
ナンバーツーの窮地を救うと言うのがどれほどの事かわからないはずもない。だが、息子以上の活躍を同期があっさりするというのはやはり気に入らないらしい。
『蛇腔の方は私から……えー?エンデヴァー、君やるの?ショート君の事だけ語らないでね?』
『ふん。流石にそんな恥知らずな真似はせん。彼らは俺のサイドキックだ。俺が話をするのが筋だろう』
『私、先生なんだけど……』
『知らん』
この新旧ナンバーワンの掛け合いは、「意外と仲良し?」などと言う特にエンデヴァーにとっては苦虫をグロス単位で口に詰め込まれるような評価としてネットを駆けまわった。
『まず、大・爆・殺・神ダイナマイト……あぁ、コイツについては、海外名に問題がありすぎるので、本日時点で大・爆・帝ダイナマイトとして登録された。通称白脳無、下位クラス3体、黒の中位クラス1体を単独撃破。死柄木弔との戦闘では支援に徹したが、継戦能力、火力共にすでに第一線を張れるだろう』
命名が何とも格好悪い、と言うのが雄矢磁の感想だ。プロフィール情報には雄英体育祭優勝の文字があるので、爆豪勝己と言う少年だろうとあたりを付ける。
『続いてショート、皆が知るとおり私の息子だ。下位2体を単独撃破。続くデクと共同で中位1体の撃破を確認している。また、死柄木戦では全体の火力支援、私の補助など幅広い活躍を見せた。
次にデク……こいつについては脳無は先の共同分のみ。だがこれは本人の力不足ではなく、死柄木戦で主力となるため温存した結果だ。死柄木戦ではオールマイトの指示のもと火力、機動力、全てにおいて秀でた結果を出し、無力化に多大な功績を見せた』
息子以上に褒めたことで、その評価に信憑性が増す。エンデヴァー自身の評価、信用度が実に微妙だが、それでもナンバーワン、的確な評価なのだと思えた。
しかし、気楽に見られたのは、そこまでだった。
『最後にブルーアンバー。正直、機密指定が多いためすべてを語れぬ。現代ヒーローには人気商売の面もあるため、彼女には割を食わせてしまうことになる。だがその能力無くして、蛇腔総合病院の戦闘において、死者ゼロ、周辺区域の崩壊なしと言う戦果はあり得なかったことだけは確かだ』
雄英所属と言うこともあり、隠すだけ無駄な部分、コスチューム姿と個性は表示されているが、戦闘シーンなどの差し込みはない。確かに割を食っていると思わせられた。
個性「電子操作」がそこまで厳重な扱いを受けるスペックを持つと言うことに、記者たちも困惑顔だ。
『も、申し訳ありません。その、機密と言うのは理解しますが、その弱電、いえ、電子系の個性でいったいどのような……』
たまらず口を挟んだ記者の問いかけには、公安委員長ではなく、満面の笑みでオールマイトが応えた。
本人としては往年の豪快ジョークのつもりだろう。
『HAHAHA!細かいことはどうでもいいでしょう。
ブルーアンバーの活動が禁止されたわけではない。今後の彼女に注目してください。きっと素晴らしいヒーローになる!
そして彼女だけではない!
デク、ダイナマイト、ショート、ツクヨミ、マッドマン、シーメイジ、チャージズマ!
新時代を担う希望、強いヒーローたちは全国で着実に育っている。彼らの本格デビューを楽しみに待っていてください!』
『オールマイトの意見に乗るのは癪だが、同意する』
『ケツの穴、ちっせえぞ、ナンバーワン。ブルーは強い、アタシが認める!』
『うむ、私も同意する。彼女は素晴らしいヒーローだ。ぜひチームアップしたい』
『それほどか……私も是非一度、見てみたいな』
何とトップヒーローたち全員が手放しで称賛している。流石にその場にいなかったエッジショットからは誉め言葉は出なかったが、それで雄矢磁の救いになるわけではない。
飲んでいたビールから途端に味が消えたような、現実ではないものを見ている気分だった。
「うそだろ……あの弱個性が……ありえない……」
「アナタ……」
慰めようと、肩に手を置く操だが、雄矢磁よりは余裕があるようだ。自分に似た個性の娘が世に認められたのが嬉しいらしい。
これまでの夫婦の力関係が逆転したようで、内心面白く感じない。
「い、いや!エンデヴァーの息子がいたから、不自然にならないよう、アイツらは持ち上げられるんだ。うちの電気は最強なんだ、そうに決まってる」
「そうなのかしら……」
もはや個性「変電」ではなく「自己認識阻害」と言うレベルで現実を見ようとしてない。
現実と認めたくないからもう少し飲みたかったが、電気の学費と趣味でもあるバイクの両立を考えるとこれ以上呑むのは難しい。諦めて眠った。
翌日、不快な目覚めではあったが酒は残っておらず、通常通り勤務をした。
休憩時に部下からもチャージズマの事を聞かれたのは少し、機嫌をよくしてくれたが、それ以上にブルーアンバーの話を振られるのが不愉快だった。
「そういえば、エンデヴァーやオールマイトが褒めてたブルーアンバーってヒーロー、上鳴さんの双子の娘さんに似てません?」
「あ?あぁ、いや、気のせいだろ。うちの娘はあんな風に活躍できる個性じゃないよ」
「えー?でも個性も同じですよね。電子操作。うちのガキがカワイイってうるさくて。なんかバイザーを解析で外した映像が体育祭の映像と一致したとかなんとか。部長もチャージズマのサイン頼んでたでしょ?俺の分も頼めません?」
ネットの会見まとめの記事を見せてくる。公報から作戦に参加した仮免ヒーローのリストが作られており、それぞれの個性まで網羅されている。
そのうち、雄英生は雄英体育祭もあってより詳細な情報が掲載されている。
その解析画像を見て、雄矢磁は一筋の希望を見つけた。
「これ、うん、やっぱり違うよ。うちの娘は瞳は俺と同じで茶色だし」
「そうなんです?コスチュームの時用のカラコンですかね?」
個性の全力使用時に瞳の色が変わるのだが、さすがにそこまでの情報はネットに出ていない。
「さあ?だから、きっと、うん、別人だと思う……うちの娘はホント、アレで……わるい、ね」
「そっすか……残念です。噂は本当かな。このオッサン、使えねー」
ぼそりと呟やかれた内容は、幸か不幸か雄矢磁の耳に入ることはなかった。しつこい部長のおねだりをかわすのも疲れる。
自宅に戻ってから仕方ないと、愛息の番号に電話をかけた。
『親父か、なに?』
「おぉ、電気。久しぶりだな。いや、今日はちょっと頼みがあってな。上司のお子さんがお前のファンらしくてな、サインが欲しいとか……」
『ワリィ、しばらく無理』
「……なんでだ?」
『色々あるんだよ。悪いけど直接以外は無理って断っといて。で、用件はそれだけ?』
どことなく、電気の対応が悪い。機嫌が悪いと言うよりも、気まずさを感じさせる。長年見てきた期待の息子だ。それぐらいはわかる。
「あ、あぁ……その、なにかあったのか?」
『……いや。そんなら今は言える事ねぇや。んじゃ』
実に素っ気なく電話が切られた。もう少し話を聞きたいと思ったが、留守番電話サービスにつながった。今はこれ以上話す気はないと言うことらしい。
未だ反抗期が治まらないのかと、少々ズレた怒りを覚える。
その怒りに火を注ぎかねない知らせが、操から告げられる。
「その、アナタ、今日、こんなモノが来たのだけど」
「……なんだ、これは……」
内容は簡単に言えばヒーロー公安委員会からの召喚状。次の週末に、都内某所に来るように求められている。
「問い合わせたのだけど、来たら話すの一点張りで」
「……コレだからお役所は。まぁ、仕方ない」
明日の休みが丸々潰れることは面白くない。こちらの都合を無視した呼び出しもだ。用事があればお前が来い、と言いたいが、どうもそうはいかない事情があるらしい。
だが、お役所仕事と言うものはそういうものだと諦めた。
指定された場所はヒーロー公安委員会のオフィスだった。電気が何か表彰でもされるのか、あるいは娘が処罰でもされるのか。実に身勝手でありえない期待と不安が溢れていた。
「お呼び立てしてもうしわけありません。ヒーロー公安委員会の目良です」
「はい。初めまして。上鳴雄矢磁です。こちらが妻の操」
目の下に盛大に隈を作った不健康そうな男と、心配すらせずに後ろで見守る部下という一種異様な光景だった。
「では、早速本題に。先日行われた超常解放戦線の強制捜査。ご存じですか?」
「ええ、ニュースで報道された程度ですが」
雄矢磁にとっては既に思い出したくない黒歴史に近い。多少声に険があるのは、仕方がない。目良は一切気にした様子はなく、ある意味公務員らしい冷淡さをにじませて口を開く。
「それはよかった。ご存じとは思いますが、お子さんが大変、面ど、あ、いや、すばらしい活躍を―――」
「あぁ、電気ですか!ニュースでも見ました!あれ以外にも息子がどんな活躍を!?」
話を途中で遮り、興奮して叫ぶ上鳴雄矢磁に目良の顔が引きつる。その横にいる妻の操にも笑みが浮かんでいる様子を見て、聞きしに勝ると呆れがため息に変わった。
「はぁ……いえね。ご子息の方もそれなりですが、アレぐらいなら我々が直に動くことはありません。むしろ活躍されたのはご息女の方ですね」
「……御冗談でしょう?」
冗談だったら週末にこんな手間をかけず、自宅で惰眠を貪っていると言いたい。だが、事実は事実として認識してもらう必要があるため、辛抱強く目良は言葉を続ける。
「冗談だったらどんなによかったですかねぇ、本人の志望やこっちの上とかアッチとかそっちとだけじゃなくて、横から手出しだけじゃ足らずに、向こうまで手を出してきて、私はもうてんやわんやですよ。寝たい!」
雄矢磁に知らされることはないが、
そのため、目良は調整に振り回され、睡眠時間が普段よりも大幅に削られていた。
「あ、いやその、娘が、何か、ご迷惑をかけたようで、その……で、ですが、既にアレは私から経済的に独立してるのだから、私は法律上は保護者であってもアレの行動に責任を取るつもりはありませんよ」
その発言だけでも、この国の法律は保護者責任遺棄で犯罪者に仕立て上げることが可能だが、それは好都合とばかりに頷いて見せた。
「はぁ……道義的な問題はさておいて、それはそれで話が早くて結構ですね。ではこちらを」
そう言って、価値を理解させる必要もないしさっさと話を進めようと、夫婦の前に差し出したのは数枚の書類。
「……これは?」
「
「……は?」
やっと普通の反応が出てきた。そう思うぐらい、眼前の夫婦には正直呆れていた目良だった。
「あぁ、大丈夫。お住まいと仕事については最大限の配慮をいたします。生活が安定した後については干渉もしませんし。ご不満なら断っていただいていいですよ。我々も面倒が減りますし。公安の意向として、お二人を操ったり人質にしてヒーロー・ブルーアンバー、上鳴茉芭さんを他国や犯罪者に操られたり、奪われる事態を出来るだけ避けたいだけですので。
すでに事実上の絶縁状態ならその心配もないでしょうし、どうせあと数年の事だから放っておけって言いたいですが、万が一の可能性は潰しておきたいとの上の意向でして」
その後も愚痴交じりに続く説明として、雄英高校所属で体育祭で全国に本名が知れ渡っている以上、証人保護プログラムの様なもので本人を隔離するのは無意味。そもそもヒーロー活動の支障になるものを取り除くことが目的なので、弱点になりうる血縁を隔離しておきたいという考えだった。
「あの、そのことは、子供たちは……電気も……同意を?」
「お二人とも積極的には賛成しませんでしたが、理解は頂いております」
雄矢磁の中で、昨日の息子の様子と目良の話が繋がった。
途端に頭に血が上る。
「アイツめ!親を棄てたのか!マッハだけじゃなく電気まで!誰が育ててやったと思ってる!」
「アナタ!落ち着いて!!」
「人の話聞いてます?積極的には賛成していないんですよ。やむを得ないと言うだけで」
荒れ狂う雄矢磁を眺めながら、目良は少し意外そうに母親の操に視線を向ける。
息子の方ともあまり話しをできていないのか、妹のプライベートなことは秘しているのか、ブルーアンバーの今後については母親も興味がないようだ。
おそらくは上鳴姓を使わなくなるとみている。エンデヴァーとその息子の反応がそれ以外の未来をことごとく潰しそうだった。
まぁ、日本にとどまってくれるという意味でファインプレーだから、公安は後押しはしても邪魔をする必要もない。
怒り疲れて少し大人しくなったのを見計らい、眠たそうな目で目良は話を続ける。
「まー、そんなわけでして。もう一度申し上げますが、我々としては提案はしますが現状維持を選んでも構いません。我が国の法律上、強制も出来ませんから。
ただ、華々しい活躍と言うのはその分、ヴィランの恨みも買う。と言うことはご理解、いえ、ご認識ください。超常解放戦線のシンパは未だ全国に9万を超える、と言うことも合わせて」
ヒーローに憧れた。自らがなれないならトップヒーローの親になりたかった。
息子の活躍を液晶越しに楽しみながら、悠々自適の老後を夢見た。
しかし現実は、ヴィランのお礼参りに巻き込まれる心配をすることになると言うことだ。しかも雄矢磁の身勝手極まりない未来予想図では、介護役として程度なら役に立つだろう娘の所業が主な原因だと言う。
理解が及ぶ話ではなかった。
「そのための……ヒーロー、でしょう?」
「えぇ、まぁ、そうですね。ですがお二人にプロヒーローの護衛はつけられないから、次善を提案しています」
本当に万が一の用心なので、断られても問題がない提案だった。
そもそも、ヴィランもよほどことがないとヒーローの家族を直接狙うことはない。
単に見つけづらいと言うこともあるし、ヒーローそのものを目的とするヴィランは滅多にいないと言うこともある。
ヴィランにとってのヒーローは、目的達成の障害物であり、その排除を目的としたヴィラン連合が異端であろう。
それでも万が一を心配するのが公安である。
「あぁ、もう一つ、いい手段があります」
「……なんです?」
「利用する価値がない、と、喧伝することですね。今まで通りで十分でしょうけど」
「どういう意味です?」
「深い意味はありません。お二人にとって、娘さんは弱個性の身の程知らず、でしたっけ?そのままでいいってことです」
眠気をこらえながら笑みを浮かべる目良だが、その表情は見るものに不快感や不信感を抱かせる。
ただでさえ、自分に見る目がない、と露骨に言われているのだ。腹が立つのも仕方がない。
「そうですか!ならお話はもうありませんね!不愉快だ!失礼する!!」
「あなた!あ、その、失礼いたします」
「わかりました。あぁ、最後にひとつ。お子さんや他の雄英生の紹介やサインの求めには慎重に対応をお願いしますね」
聞き捨てのならない台詞に雄矢磁の足が止まった。
「……どういうことです?」
「ミーハーなファンに見せて、お二人との親疎を計ってるんです。ええ、例えばお勤め先の上司さん。確かにお子さんはいらっしゃいますが、群訝山荘で逮捕されてますね」
「それ……って」
「あぁ、部下の方は一応セーフです。ちょっとアングラネットに潜りすぎですが」
つまり雄矢磁の年下の上司は超常解放戦線のシンパだと言うことだ。そこまで掴まれていても、犯罪者ではないから逮捕できないし、監視するほどの大物ではないと言うことらしい。
しかし言われるままにサインをするのも嫌だった。目の前の胡散臭い男を信じられなかったし、何より、愛息とのつながりを絶たれたくはない。
「忠告、感謝しますよ……では」
「アナタ……いえ、では失礼します」
夫を諫めながらもやはり不愉快そうな表情を見せながら、夫婦は部屋を後にした。
「あー、疲れた。帰って寝たい!」
「でも、よかったんですか?あの様子なら確かに頭の回るヴィランは狙いませんけど」
「いいんじゃないですか?思想的には解放軍系に近いですし、むしろ彼らとはうまくやれるかもしれない」
個性の強弱で子供の価値を決めつけ、その後の待遇に極端な差をつける。ヒーローを輩出する親としては実はそう珍しい傾向ではない。
そういう親は、ヒーローになった子供がよりどころなので、希少個性の保護のために絶縁を提案しても拒絶することがほとんどだ。
週明け、雄矢磁は不機嫌そうな空気を纏いながら職場に現れた。
「おぉ、上鳴君。どうしたね?具合が悪そうだが」
「あぁ、いえ。ちょっと呑み過ぎたみたいです。作業には支障ないので」
事実、作業前のアルコール検査でも問題は出なかった。現場に向かうため、チェックリストを手に機材の点検をはじめようとすると、部長に呼び止められた。
「そうそう!チャージズマのサインの件だけど、どうかね?連絡はとれたかい?」
「えぇ、ですが、どうにも手渡しでないとサインは出せないという方針らしくて……その、すいません」
「そうかぁ、仕方ないね。帰省することがあれば、是非に頼むよ」
話はそれで終わり、目良の言っていたことは所詮は脅し、ブラフだと思った。
何度か同じようなやり取りが続き、雄矢磁は息子である電気に連絡をするがサインは渋られる。
『なぁ、親父ぃ?コッチも話は聞いてるぜ。無理言うなよ』
「五月蠅い!誰のおかげで雄英に通っていられると思ってるんだ!!」
思い通りの反応が返ってこないことで、息子に対して苛立ちをぶつけてしまう。
『まぁ、そうだけどさ。無理しないでもいいぜ?インターンで生活費は稼げるし、学費についてはマ―――』
「だから、アイツのことは言うな!アイツのせいで俺はいい恥さらしだ!」
『そりゃ、弱いって決めつけるからだろ。とにかく、サインは出せない。体育祭か文化祭でこっちにお子さんが来るなら考える、って言っといて』
それで話が終わりだった。なるほどそれならそもそも実現が難しいだろう。
案の定、部長にその旨を伝えると、苦々しい顔ではあったがそれ以上の要求は止まった。
「なるほど、これは使えん。潮時か」
小さく吐き捨てられた言葉はどうしようもなく、雄矢磁を怒らせると同時に安堵させるものであったが。
次の期で、この年下の上司は他部署に異動。後釜に収まったのは、定年間近のご祝儀昇進と言った風情のうだつの上がらない老人だった。
そのころにはすっかり、雄英に通ってる子供のサインを求めても応じないケチ、だの、実は苗字が同じなだけのほら吹き呼ばわりされており、職場でもヒーロー関連の話題は避けるようになっていた。
「はぁ……俺は、間違っていたのだろうなぁ……」
そうは思っても、幼児期からどうしようもなく弱く哀れな
おそらく経験してなお、信じないだろうと自嘲する。
ヒーローチャンネルに時折名が現れるチャージズマのニュースだけを楽しみに、上鳴雄矢磁は今日も職場に向かい単車を駆る。
リクエスト分の進捗は活動報告で。かけるものから書いていきますw
まずは元々書いていた在庫放出。
何というか、どう書こうと「家族を不幸にして他人を助ける」構図になるしかないのが何とも。
ホークスの母親同様、別人になってもらおうと思いましたが、この親なら利用しようとするヴィランの方がバカを見ますので、適度にメンツをつぶしたうえで放置することに。
彼らは今後どのように外伝が発展したとしても、出す予定はありません。
それはともかく、ヒーローの家族って、ヴィランからどうやって身を守ってるんでしょうね。エンデヴァーですら、夏雄がエンディングに襲われてるあたり、ほぼ何もしてないんですよねぇw
そうした事態を防ぐためのヒーロー名と顔を隠したり目元のマスクとかだとは思いますが。
その割に全国放送される体育祭に本名で出す雄英高校……オフや家族を狙わないのはヴィランの美学、ということにしておきますかw
実際、よっぽど恨みがなければメリットがないですし。