―――Side:上鳴電気
行ったな。マッハのことだから俺たちが気にしてることなんて百も承知だろうけど。
折角だから楽しんで来いよ。
「上鳴―?何くつろいでんのよ、ほら、行くよ!」
「……え?なに、俺らも行くの?」
「そう!ほら早く!ハリーハリーハリー!!」
しゃーねぇな。まぁ、遊びに行くつもりだったから外出許可は取ってあるけど。
轟のデートプランメンバーがそろって外出しようとロビーに集まったとき、麗日に見つかった。
「あれ?三奈ちゃん、響香ちゃん……というか、みんなでお出かけ?」
「え?あ、うん、ちょっとみんなで、木椰のモールに遊び行こうぜー、って」
「あ、ええね?私も行ってよい?」
なんと麗日もついてくるという。女の子が増えるのはうれしいんだけどな。男子が瀬呂と障子、俺。女子はフルメンバーじゃん!
こうなるとだれかと監視を装ってのデート、って風にはできないな。残念。
人数バランス取りたいけど、急だったし、今からじゃ無理だな。
そう思ったらちょうど緑谷。あぁ、コイツなら麗日の相手させておけば芦戸もニッコリだ。って、リュックを背負ってるから外出か。
「あれ、緑谷、お前も外出?」
「う、うん。楽しみでちょっと寝過ごしちゃって」
「子供か」
「あはは……って、電車がヤバい!急ぐからごめん!行ってきます!!」
とんでもない速さで駆けて行った。個性使ってまで急ぐっていいのかよ。
敷地内はいいけど、外で個性不正使用で捕まるなよー?
誰か巻き込むとしても、峰田はダメだよな。一緒にバカやるにはいい奴だけど、誰かにセクハラかまして騒ぎになったら困る。
そうなると切島だけど、こういうのは「漢らしくねぇ!」って言いそうだ。アイツも朝から姿が見えないし。かっちゃんは論外だろ。コッチも姿見えねぇし。
B組は……うわ、円場や泡瀬も出かけてやがる!せっかくのチャンスなのに勿体ねぇな。
「お待たせ―」
しゃーない。清く正しいグループ交際だと思うか。あー、女子に囲まれてそれはそれでシアワセかも。周辺に不審がられぬ程度の速足で歩いたが、どうもかなりのゆったりペースらしい。
「意外にペースがゆっくりだ。追いつくぞ」
「通り1本外しましょう。気休めでしょうけど」
「どういうこと?」
「この先に、マッハがいるから、お邪魔かなーって」
あ、こら。麗日がいるのにそんなこと言ったら。
「え?そっか、今日は轟君とデート……もしかして」
「ちょ、まって、お茶子。顔が全然うららかじゃないから!」
まぁ、隠し事は上手く行かないか。そこで一通りの事情説明。
案の定、麗日の顔は少しきつくなった。
「2人のデートの監視、って、ただの覗きじゃない」
「えー、だって気にならない!?初デートだよ!は・つ・デ・エ・ト!」
「それに何といいますか、お二人ともヒーロー候補。何かあったらデートどころでなくなりそうですし」
芦戸と葉隠が腕を振り回して強く主張するのを、さらにヤオモモが援護する。
ところで、ヤオモモ。フラグって知ってるか?
ソレ、マジでありそうで怖えよ!
「百ちゃん、それは確かにありそうなの」
「……それは、確かに気になる、かな、うん」
おっと意外な反応。やっぱ緑谷か?
ようやっと、緑谷のことをちゃんと意識し始めたのかな?もーさー、マッハ以上にバレバレだし、なんで遠慮してるのかまるでわかんね。
結局、なんか「やり過ぎたら止める」とか飯田みたいなこと言って、ついてくることに。素直じゃねーな。
「さて、問題は同じ列車に乗るか、ですが」
「ホームに出たらバレるよね。そして次の列車は20分後。この遅れは許容できない」
「マナー違反ですが、駆け込みましょう」
「仕方ないわね。無理はしないようにね。問題になるわ」
梅雨ちゃんの言う通りだよな。雄英生が駅で事故を起こしたなんてなったら、外出禁止になりそうだし。
『電車が到着します。白線より下がってお待ちください』
来たか。物陰から耳郎が2人の乗り込みを確認して合図を出す。発車まで10秒!
流石に個性を使ってどうこうは無理なので、俺と瀬呂、障子と梅雨ちゃんは乗り込めたが他はアウト。
『お客様にお願いいたします。駆け込み乗車はご遠慮ください』
うわ、言われちまった。申し訳ねっす。
しかし混んでるな。こういう時って色々リスクあるから、両手はつり革。コレ大事。
乗り遅れた連中からのラインを確認して、合流場所を……いや、分散して定点観測の方がいいから提案してみよう。相手はマッハだ。最近、個性オフでもかなり周辺気配に鋭いし。
「ちょ、ゃ……」
ちょっとドキリとする声が聞こえた。俺、何もしてない。周りは瀬呂と知らないオッサン。えっと、俺の立ち位置じゃなにしてるか見えないな。
瀬呂も気づいたのか、混雑した中で体を動かすから、電車の揺れを使って隙間を作るついでに、推定被害者の女性とオッサンとの間に体を入れる。
「おっと、お兄さん。ちょぉっと次の駅で降りません?あ、ちなみにこういうものね」
「な、ヒーロー!?」
瀬呂の方では視認出来たらしい。痴漢の腕をテープで拘束。セコイけどヴィランだしこれぐらいは許されるよな。
「瀬呂、お手柄。お姉さんも、次の駅でいいすか?」
「は、はい……ありがとう、ございます」
えーっと、とりあえずみんなにメッセージ送っとこう。すまん!俺たちの屍を超えて先に行け。
『わり、俺と瀬呂、痴漢捕まえたんで後始末で離脱するわ』
『何やってんの……って言いたいけど、GJ。仕方ない』
『あと、無理に捜索しても気づかれるから、適当に網張って見張ろうぜ。終わったら合流するから分担ヨロ』
『かしこまりました。お二人ともお手柄ですわ』
まぁ、美人なお姉さんの感謝は概ね、直接助けた瀬呂に行くけどな。連絡先ぐらい交換して次につなげてーけど。
駅について、痴漢を引っ張り出して、俺が駅員を呼びに行く。
「でも若いのにヒーローなんてすごいですね」
「あ、実はまだ仮免です。一応、こういう時には個性使えるんで」
「仮免……と言うことは雄英生……あぁ!ドンマイの人!」
「……1年もたつんで勘弁してください」
印象に残ったから仕方ない。今年の体育祭でその辺上書きしたいけど……どーなるんだろ。ビックスリーと当たったら消し炭だぞ。
すぐに引き渡し完了したけど、一応は事情聴取とかで電車2本遅れることになった。
―――Side:障子目蔵
参ったな。比較的目立たずに行動できる瀬呂と上鳴が思わぬ足止めになった。
かと言って見て見ぬふりは出来ないから、仕方ない。
「ケロ、大丈夫よ。どうせモールのなかには居るのだし。見つからなくても構わないわ」
「邪魔は野暮だから同感だ。ならばなぜ、今日はこんなことに加担した?……梅雨ちゃん」
昨日のデートプランの話ぐらいまでは分かる。俺は何もいう事はなかったが。
見届けたいと思う友情なのか、他のみんながやりすぎないようにするためか?それは麗日もそう言っていたが。
「それぞれ合わせて半分かしら。ちょうど、お友達から連絡があって―――」
「そそそそ、そこのアナタ!なんで梅雨ちゃんと一緒にいるのよ離れなさいよ!」
「
なるほど。確か去年の合同訓練で一緒になった勇学園の。
「今年の仮免試験を受けると言うので、少しお話をききたいから、って」
「なるほど。去年の合同訓練でも会っているが、言葉を交わすのは初だな。障子目蔵だ。よろしく頼む」
「ええ!梅雨ちゃんったら去年はいろんな事件で活躍して凄いのよ!アナタの事は知らないけど!中々ワイルドでいい男じゃない!よろしくしてあげるから連絡先教えなさいよ!」
蛙吹……梅雨ちゃんに目を向けると、苦笑気味に頷いている。俺よりもよほど異形の特徴が出ているのに、なんとも気の強い。都会で育つとやはり異形は気にならないものか。
少しもたついたが、IDの交換はさせてもらった。AB組の仲間以外で初めての縁だ。この場をもたらしてくれた梅雨ちゃんと
「これからよろしく頼む、万偶数さん」
「えええぇ、そ、そうね。よろしくしてあげてもいいことよ!」
「羽生子ちゃん、キャラがブレてるの」
上鳴さんと轟はこちらに気付いた様子はなく、流れに乗って進んでいる。流石にプライベートで個性を使っての監視はないか。彼女が本気で警戒したら、それこそ人工衛星か監視カメラをハッキングしなければ監視などできないからな。
「そういう事なら、この場は2人で話をするといい。みんなには俺から……すまん。後を頼む」
人ごみで転んだ子供が見えた。何かの行列に遅れまいと急ぐ人の流れに母親も流されてしまったようだ。
転がってきたものを拾うと、これはオールマイトかな。
「ほら、君のだろう?」
「ふぇ……うん……あれ、うぁーーーんっ、ママー!どこー!!」
大丈夫、すぐ近くにいる筈だから。しかしこの状況、ともすれば俺が襲っているように見えてしまう。そうなったらこの子や母親にも迷惑が……そうだ。
「大丈夫、すぐに見つかる。ほら、見えるか?」
「うぉー、すげぇ、たけー!」
うん、体は大きいからな。こういう時には役に立つだろう?今まで泣いていた子が、初めて見る高さに興奮してるが、笑ってもらえてよかった。
「あ、ママー!ここー!!」
母親が駆け寄ってきたので子供を降ろそうとするが、こら、髪の毛を掴まないでくれ。少し痛い。それとマスクを引っ張るな。流石に知らぬ子に見せるには醜すぎ……遅かった。
「うわ、かっけー、えっと、こういうの、なんていうんだっけ?ママ?」
「もう、人によっては気にするから隠すのよ?すいません、うちの子が失礼を」
「あぁ、いえ。怖い思いさせずに済んでよかった」
本当に。この顔を見て、格好いいと言ってくれるなんてな。
「シツレーなんてしてないよ!俺のマイト人形拾ってくれたんだぜ、な?」
「あぁ、壊れてないか?」
「大丈夫!えっと、兄ちゃん、手、いっぱいなんだな。すげー……えっと、手、こーして」
手をパーのカタチに掲げている。なんだろう。やんちゃな子のようだし、パンチでもするかな?
「ぜんぶなー……よし!連続ハイタッチ―!!あんがとねー、にーちゃん、ほら、ママ!急がないと特典無くなっちゃう!」
「もう!それで転んだの忘れたの!?あ、すいません。うちの子が重ね重ね。では、失礼します」
「ええ、お気をつけて」
はは……子供は凄いな。俺を見て怖がるどころか、格好いい、に、連続ハイタッチか。
もちろん全員がそう思うわけじゃないだろうけど、1人でも多くの人に、格好いいと思ってもらえるようになりたいな。
「まぁ、今の俺はそう恰好がいいわけじゃないが」
何しろやっていることがデートの出歯亀だ。
理想から自ら遠ざかっている気がしてならない。
とりあえず、出来るだけ見晴らしのいい場所で轟と上鳴さんの様子を伺うか。多分、映画は見ないだろう。
『2人を発見した。会話を聞く限り、映画は見ずにモールを回るようだ。気付かれぬように家具エリアから様子を伺う』
『かしこまりました。適度にご自身も楽しんでくださいね』
『折角だから合流するわ。いい感じの家具、なんか買おうぜ』
『あ、いいな。せめてクッションぐらい』
そう言うのもいいか。確かに何もないからな。
『わかった。それと、緑谷、爆豪、切島を確認した。3人はそれぞれ別に映画館だ』
爆豪がマイト君映画の列に並んでいるのは意外……と言うこともないか。しかしこのメンツ……何事も起きないことを祈ろう。
―――Side:芦戸三奈
あーもー、電車1本違うだけで全然空いているのはいいけど、マッハと轟が手をつないで歩いてるところとか、激写したかった―!
障子からの連絡だと、予定通り夏服コーデの着せ替えデートになる……と思ったら、マッハも轟をコーデ?なんか対決っぽいけど、面白そう!
「どーどー、三奈。あまり騒ぐとバレるし」
「おっと、やべ」
どんなコーデになるのかなー、これで轟のスケベ度が判ったらおもしろいんだけど。
そういう分野の話はぼかされるからなー
彼氏ができて、やることやってから話そうねって言われたらそうだけどさ。正直、好きになるって感情がまだよくわからない。
こればっかりは、誰でもいいって訳にはいかないし。
「さて、どうやって様子を伺おうか」
「こっちが見えるってことは向こうの視線も通る」
「マッハちゃんだと、絶対先に気付かれるよね」
「そう考えると、監視に来たウチらの存在意義って……」
そう思っちゃうよねー。
「よし!轟にラインしよう!」
「何する気?」
「いーから、いーから。上手く行ったらゲーセン行こう。久しぶりにダンスゲーしたい」
えっと、轟のIDは……と、あった。
『轟―、茉芭のよさそうなコーデ、撮ったら見せてー!』
『……何でだ?』
『ただ見たい!ついでによさそうなコーデ見つけたら参考に送る!』
『わかった。けど、コーデは遠慮する。自分で選びたい』
うぅ、この独占欲よ。いいなー、透は重いって言うけどさ、轟ぐらいイケてれば、全然いいって!
「ふっふっふ。どーよ」
「まぁ、確かに監視バレのリスクは減るね」
「でしょー?ってことで、少しぐらい、遊ぼうぜい!」
「さんせー!」
「仕方ないですわね。梅雨さんもお友達と会っているみたいですし」
なんかお茶子が呆れてるけど、いーじゃない。別に邪魔したいわけじゃないんだもん。
折角だから、キュンキュンするのをこの目で全部見たいけどね。
「あら……すいません。その、ゲーセン?にも興味がありますが、少し席を外します」
うん?ヤオモモ、お手洗いかな?
「今日、モールにいることは連絡していたんですけど、新作のスーツをチェックして欲しいと……すぐに済ませますので」
あー、ヤオマママかー、お家のお使いじゃ仕方ないよね。
マッハと轟が入ったお店、ゴシック系だから着替えに時間かかるだろうし、その間にゲーセンにゴー!
―――Side:麗日お茶子
普通に遊びに行くのかと思って、ついてきてみたら、なんかストーキング。
そんでもって、興味があるのを否定しきれんかった。
だって、お正月からの茉芭ちゃん、本当にいい笑顔してるんだもん。だから、無駄遣いになるとわかっていてもついつい、途中で帰ることもせずについてきてしまった。
お互いが相手を大事にしているのが普段からよくわかる。
その上で、轟君がしっかり支えてると言うか、逃がさないって感じ。最近はますます綺麗になって、内側から光っているみたいに目が行く。
「ふぉぉぉぉっ、すっごーい!」
「うわぁ……メイクとかしたら怖いレベルだ」
「……綺麗」
轟君から送られてきた1枚の写真。スマホは持ってないので見せてもらったけど……凄い。全然知らない人みたい。ヒーローにならなかったら、こういうモデルにでもなっていたかも。
あれ、でもモデルって胸とかないほうがいいっていうよね。なんやかんや、割とあるしむしろ向いてるのは……
「なんか、お茶子が失礼なこと考えてる気が」
「うぇっ!?ななな、何も考えてないよ!」
勘が良すぎ!なんでわかるのよ!!
「けど、マッハって轟に甘いよねー。いやと言いつつ、ポーズまで」
「そりゃ、惚れた弱みって奴でしょ」
「どーよ?お茶子としては羨ましくない?」
正直言って、私の感情が恋と呼べるものなのかよくわからない。
個性把握テスト、戦闘訓練、林間合宿でも全身に重傷を負いながらも皆を助けてくれた、らしい。私はあの時、何もできずにガスで倒れていた。
その後の必殺技開発、仮免試験。
常に前を向いて、がむしゃらに必死な姿を見て、この想いは仕舞っておこう。そう思った時に蓋をしてもいいことはない、茉芭ちゃんはそう言った。
そして茉芭ちゃんはその通りに行動して、遠目に見てもわかるくらいに轟君を笑顔にしていて、自分も幸せそうに笑っている。
人の笑顔が好きだった。
想いを仕舞って笑えてない私。想いを仕舞わず、笑っている茉芭ちゃん。
誰かのためのヒーローではなく、たった一人のためのヒーローなのかもしれない。でも、笑いあってる2人は凄い、と思ってしまう。
「イエーーッ!」
「あの子スゲぇ!最難関だぜ!これ!!」
物思いにふけっていたのを三奈ちゃんの歓声でかき消された。
ダンスが得意なだけあって、ゲームの最難関モードを凄い勢いでクリアしてる。三奈ちゃんはとてもイイ笑顔で笑う。その姿を見て、また人が笑顔になる。
すごいな。
今の私は、顔も知らない誰かの笑顔の助けになっても、知ってる人の笑顔の助けになれていない。
「あれ?店移ったのに、新しい写真来ない」
「きっとエロイんだ。店移ったら見に行こう!」
『障子だ。二人は少し早めに食事にするらしい。俺もどこかで適当に食べる』
『そんな寂しいこと言うなよー、皆でいろんなポテトシェアして味比べしよーぜ!』
『お、いいね。2人はモールの外でメシみてーたし』
上鳴君が障子君を気遣って、一緒に食べようと誘っている。
ポテトのシェアかー、中学でやってた子を見たことあるけど……割と高くつく……けど、面白そう。
「んーじゃ、お昼休憩にするかー、声援、サンキュー!」
「YEAAAAAAAH!!」
アッと言う間に仲良くなったギャラリーに手を振って外に出る。
ゲームエリアからフードコートは一度、中央の広場を通ったほうが早い。
茉芭ちゃん達とすれ違う可能性は高いけどいいのかな?
人数も多いし、大丈夫と踏んだのだろう。けど、雑踏の中に、見慣れた大きいリュックを見て、心臓が跳ねた。
「あ、あれ緑谷?」
「あちゃー、マイト君か。いや、いいけど、2人をそっとしておいてくれたら」
確かに2人の邪魔したくない。けど、皆の思いと裏腹に、デク君は轟君に気付いたらしい。轟君の影になって、茉芭ちゃんに気付いてないみたい。
「あれ、とどろ―むぐっ!」
「ちょーっと、黙ろうか、デク君」
思わず足が動いてた。声が大きかったから気付かれたと思うけど。幸い、と言っていいか、一瞬こちらに視線が向いたけど、そのままモールの外に出て行った。
外のお店って言ってたから、しばらくすれば戻るだろう。茉芭ちゃん、お金は持っているけど意外に普段は倹約家だから、安いお店でも見かけたかな?
牛丼屋チェーンも割と高いと思うけど。最強は、食べない!これ一択!!ってそれはいいや。
「
「あ、ごめん。デク君」
「ど、どうしたの!?あれ、みんなも。もしかして、みんなもマイト君のリバイバル?」
いやー、流石にそれはデク君だけだと思うよ。
「轟君がいたから、タイミング的にそうなのかなって思って。ほら、轟君もオールマイトに憧れて……あれ、ちがう、の?」
集まってきた障子君や上鳴君があきれ顔なのを見て、間違いに気づいたらしい。
「あれ、みんなどうしたんだ?
「今度は切島君まで」
混沌としてきたけど、いったんみんなでフードコートで食べながら話をすることに。
さっきまでは混んでいたのに、一瞬の隙間をうまくつけたのか、人数が多くても席を確保できた。そこで食べながら、デク君に状況説明。
「そっか、邪魔しちゃわなくてよかった。止めてくれてありがとう、麗日さん」
「あぁ、うん、ええの」
そんでもって、ここでもカツ丼なのね。ランチラッシュのカツ丼を毎日のように食べてるのに、好きだなぁ。
ポテトのシェアの方はわざわざ単品で買って参加してた。
マイペースに食べたいもの選んでるのに、そう言うところはちゃんと付き合うのがデク君らしい。
ジュースを啜ってる三奈ちゃんの目が輝いとる。いつもなら茉芭ちゃんが受け持ってくれるのだけど、今日は分が悪い。
「……待て。少し気になる。イヤホン=ジャック、右15m、グリーンの袖なしジャケット、男」
「ちょ……あぁ、うん。このモールってさ、ガチで呪われてない?」
周囲に不安を与えないよう、スマホでメッセをやり取り。やっぱり買わないとダメかなぁ、安いプランとか調べてみよう。
「大丈夫、麗日さん。僕がいる」
「おー、すっごい自信。なら任せた」
「手加減しろよ。拘束は俺な」
話しながら、響香ちゃんがやり取りを見せてくれた。周辺のお客さんの動きを少しずつ遠ざけながら、今まさに武器を取り出そうとするヴィランの腕をデク君が一瞬で抑える。
「そこまでにしましょう。それ以上は本気で制圧しないといけなくなります」
「……うっそだろ……おま、デク……最高指導者を、倒した……」
この場に着ていないはずのヒーローコスチューム姿。フルフォルムと言う変身技だけど、そこから繰り出すパワーは本当に、オールマイトレベル。
「うん?ちょっと違うけど……解放戦線シンパなら、とりあえず警察だね。大事にしたくないから、警備の人から呼んでもらおう」
「さっせるわけねぇだろ!ココから解放を再―――」
そう思ったんだけど、障子君と響香ちゃんの警戒をすり抜けた共犯がもう一人いたらしい。
軽い爆発音に振り向くと、頭アフロになったヴィランと爆豪君。
「させっか。ヴァーカ!耳!腕!もっと気ぃつけろや!
「かっちゃん!」
思わぬ捕り物があったけど、死柄木の時と違いモールは閉鎖にならずに済んだ。
「今日は君達がいてくれて助かったよ。連中が持っていた違法アイテム、かなり強力なものだった」
残党の逮捕に追われて1年前と顔の画風が変わってきた塚内警視さん。昇進したらしいけどお疲れ様です。
書類処理とかは後日でいいと言うことになったので、もう少し遊ぶか、帰ろうと言う話になった。
「緑谷―、アタシら少し別行動してそのまま帰るんで、お茶子の
「うん、何か買い物?僕も少し欲しいものあったし、少し駆け足になるけど、一緒に回ろう?」
「……三奈ちゃ~ん……」
「いーじゃない。緑谷、お手柄だったしさ。んじゃねー」
そう言って点でバラバラに散っていった。切島君は三奈ちゃんが引っ張っていったけどそういうこと?
「なんだアイツラ……あの散り方……ケッ、帰る。おい、丸顔!」
「な、なに!?」
「前よりはマシだが、本質が根無し草だ。気ぃつけろ」
言うだけ言ってかえってもうた……根無し草って、確かにそれっぽいけど!
「どうしたんだろ、変なかっちゃん……」
「そう言うところは相変わらず……はぁ」
「うん?」
何のことかわからない、って感じね。いいけど。それに、茉芭ちゃんと轟君のデートが最後まで中断されなかったのはデク君やみんなのおかげやし。
「なんでもないの。先にデク君の買い物しよ。私は、回りながら、すこしお話したいかな」
「う、うん、ぼぼ、僕、なんかでよければ、よよよろこんで」
緊張してくれるなら、私も少しぐらい意識されているってうぬぼれていいかな?
私も、デク君を笑顔に、できますか?
A:貴女以外には無理です。
裏側でデートを壊さぬよう、みんなが頑張りましたw
全員分のトラブルは用意できませんが。
エンデヴァーは出しづらかったので、これは断念しました。