雷速少女のヒーローアカデミア   作:K鶏

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買い物イベントは雑に処理され、映画版へw


第34話 iエキスポ(1)

 夕方、授業の終わった解放感で皆の表情も明るい。林間合宿へ皆で行けるというのも大きいだろう。

「とにかく、みんなで行けてよかったよな」

「1週間の強化合宿か」

「俺、水着とか持ってねーや。いろいろ買わねぇとな」

「暗視ゴーグル」

 

 欲望が見え透いているが、今のうちに相澤先生に相談しておこうか。

 1週間かぁ、出発日に合わせて冷蔵庫内を空にしないと。あと、しばらくゆっくりネットも出来ないだろうし、投資関係は少し整理しておこう。

 んー?デトネラットが急に伸びてる。えっと、関連会社が出版社と業務提携?……本業でそれほど伸びてないのに何でこんなに。少々胡散臭いから、ここで売ってしまおう。

 代わりは……アナハイム・エレクトロニクスでいいか。長期保有向けだし。あ、なんか通知来た。

 

「あ、じゃあさ!明日、休みだし、テスト明けってことで、A組みんなで買い物に行こうよ!」

「おぉっ!それいい!何気にそういうの初じゃね?」

「さんせー!」

「じゃあ、決まり!マッハ、お前も行くだろ?」

「……」

「おーい、マッハ―?」

「あぁ、ごめん。ちょっと別のこと考えてた。買い物だっけ?うん、行こうかな」

 

 買い物自体は行かないと足らないものもあるから、ちょうどいいか。

 

 

「ってな感じでやってきました!県内最多店舗数を誇るナウでヤングな最先端!木椰区ショッピングモール!」

 

 なうでやんぐ……それは死語な気がするのだけど。

 それにしても緑谷君、その「Tシャツ」と書かれたTシャツは何なのだろう……ネタTシャツとして部屋着ならわかるけど……

 

「お、アレ雄英の学生じゃね?」

「一年!?」

「テレビで見てたぜ!!」

 

 まだ覚えている人たちがいるらしい。ヒーロー候補としては嬉しいけれど、照れるね。

 

 キャリーバッグを探したい響香と八百万さん、アウトドア用の靴が欲しい電気と三奈ちゃん。割と目的はばらけてるね。

 

「みんな目的ばらけってし、時間決めて自由行動すっか」

 

 切島君の仕切りで3時まで別行動に。

 さて、お邪魔しても悪いし、私も買い物に行こうかな。

 合宿用と言うか運動用だから派手なのはいらないけど、下着類は補充したい。そう思っていたのだけど、何と緑谷君がヴィラン連合の死柄木弔と遭遇したらしく、ショッピングモールは臨時休業となり、買い物はそこで強制終了となってしまった。

 

 

 週明け、期末試験も終わって教室内の雰囲気も軽い。

 一応は今日で授業が終わりで明日から夏休み。林間合宿が控えているとはいっても1週間程度はフリーの予定になる。もっとも、先日のショッピングセンターの事件もあり、長期の旅行や帰省は控えるよう通達があったけど。

 帰省はどうでもいいんだけどね。どうせ帰るつもりなかったし。

 

 

「実は父からiエキスポのチケットを頂きまして。お二人までプレオープン日に同伴できるので、よかったらご一緒にどうかと」

「「「いきたーい!」」」

「あ、私はいいや」

「あら、茉芭(まつは)さんは何かご都合でも?」

 

 折角のお誘いだが、とりあえずお断りさせていただいた。だって不要だし。

 

「同伴枠ついてないけど、プレ日のチケット持ってる」

 

 先日、アナハイム株を買い足したら、基準数を超えたとかでチケット抽選枠をもらえた。ダメ元で申し込んだら見事当選。雄英生への青田買いの可能性もあるから、一応、相澤先生にも相談はしたけど特に問題はないようなので、渡航許可を取って見学に行こうと思ってた。

 

「えー、いいなー」

「まぁまぁ、ライバルが減ったと思えばいいじゃない」

 

 そして厳正なるじゃんけんバトルの結果、響香とお茶子ちゃんが勝利。最も他の皆も一般公開日には見学ができる。というか、プレ日に2人を連れて行くからと、移動や宿も八百万さんのご招待。

 自分はチケットもあるし、流石に悪いので断ろうかと思ったんだけど、ショッピングモールの買い物では全員いなかったし、「お友達みんなでのお出かけ」に盛り上がってプリプリしてる八百万さんを失望させたら、こっちが悪者すぎて断り切れなかったよ。可愛いからいいけど。

 

 

 そんなわけで八百万家所有のプライベートジェットでiアイランドへ。

 

「私、海外なんて初めてや~」

「ウチはアメリカとイギリスなら何度かあるよ、親父の仕事のついでだけど」

 

 それは羨ましいような微妙に羨ましくないような。ヒーローになると海外渡航も手続きが増えるし、羨ましいがちょっと勝つかな。

 

「ワタシもはじめてよ、茉芭(まつは)ちゃんは?」

「私も海外ははじめて。修学旅行は定番の京都だったしねー」

 

 最初は初めての飛行機に興奮していた皆も、離陸してしまえば見えるのは空と海。すぐに飽きてトランプをやり始めた。

 

「それにしても旅行は控えろって言ってたのにiエキスポは許可が下りるんだね」

「セントレアからなら国内は長距離にならないし、iアイランドは安全性が高いから」

「そうですわ。タルタロスに匹敵するとも言われるセキュリティを誇ります」

 

 これが成田や羽田からだと、ダメ出しされていたと思う。

 

「みんなは空いてるエキスポ見られるの、いいなー」

「ケロ、でもこうしてiアイランドに招待してもらっただけでも幸運よ、透ちゃん、三奈ちゃん」

「そーね。その分、街の観光はしっかりできるもんねー」

 

 一般オープン日にみんなで回る約束をしたから、確かに私たちは観光の時間はないかな。

 

『お嬢様、ご学友の皆さま。左側をご覧ください。iアイランドがご覧になれます。なお、当機は約20分ほどで着陸となります』

 

 ブラインドを開けると海に浮かぶ小さな人工島が見える。

 他にも着陸待ちの航空機の姿や、海にも客船らしい船が見えた。

 

「あら、もうなの?では、そろそろ着替えましょうか」

「「はーい」」

 

 iアイランドは日本より個性の利用に関する規制が緩い。エキスポ会場内では個性を使った戦闘アトラクションもあるから、練度の証明になるのでヒーロー科の学生にもコスチューム着用が推奨されている。

 市街を見学する場合の着用はまぁ、自由ではあるけど。

 八百万さんの合図で皆がその場で着替えを始める。キャビンアテンダント代わりのメイドさんたちも全員女性だからいいんだけど。

 

「やっぱり暑いね」

「ねー」

 

 荷物はメイドさんたちに任せていいとのことなので、さっそく、観光組とiエキスポ組に分かれる。

 

「どこから回りましょうか」

「私は一応、アナハイムのブースに挨拶してくるね。抽選で招待じゃないけど、まぁ、一応」

「そうですか。なら後で合流しましょう」

「うん、じゃあ、また後で」

 

 八百万さん達がアナハイムに興味がないのは、海外企業だから、と言うだけではない。サポートアイテムの分野がヒーロー用と言うよりも、軍事寄りの色が濃いからだろう。

 企業規模は八百万グループも負けていない。もっとも、八百万さんのところは軍事分野は最小限だったはずだが。日本の場合、儲からない割に世間に理解されない、企業にとっては気の重い社会貢献活動となりがちだからやむを得ない点があるけど。

 そんな訳で、ヒーロー用サポートアイテムの分野ではアナハイムはどちらかと言えば後発だ。国内だったら私は売ったがデトネラットのほうが日本での知名度は高いだろう。

 あそこもヒーローサポート分野では素材や部品だけで本格参入は噂どまりなんだけど。参入したら美味しいから買ってたけど。今は売ったからいいか。

 他、iアイランド関連で有名どころはメディテック、ブッホ、ブラックロー、義手義足分野ならセラノ・ゲノミクスかな?

 

 あたりのブースを流し見ながら、目当てのアナハイムのブースを見つける。

 

「いらっしゃいませ。アナハイム・エレクトロニクスへようこそ。マツハ・カミナリ様」

「今回は御社のイベントでチケットを頂いたので、そのお礼にと」

「担当者をお呼びします。少々お待ちください」

 

 受付のコンパニオンさんがハキハキとした受け答えで、わざわざ担当を呼んでくれるという。

 入国情報とリンクして、色々認証してくれるから便利だよねぇ。完全監視社会ともいえるけど、便利さが勝っていれば問題は出ないよね。

 

「はじめまして。アナハイム・エレクトロニクスのマーサ・ビスト・カーバインよ」

「日本の雄英高校ヒーロー科所属、上鳴茉芭です。お時間を頂きありがとうございます」

「構いません。あのオールマイトの教え子ですもの。その価値はあるわ」

「それと御社のイベントでチケットを頂きました。ありがとうございます」

「ええ、どういたしまして。案内しますのでどうぞ」

 

 ブースの奥へと促すカーバインさんに従って中に入る。カーバインって確か創業一族の名前だけど、また大物が。ただの学生には過分すぎる対応は裏を感じてしまうなぁ

 

「体育祭は拝見しました。大変なご活躍でしたね」

「ありがとうございます。仲間と組み合わせに助けられました」

「謙遜は美徳と日本人は言うけど、行き過ぎは悪徳よ。まぁ、警戒するのも判ります。純粋に抽選と言うわけでもないし」

 

 とは言え、完全に自分を狙ってのことなどではなく、単に応募者のうちから現役ヒーローやヒーロー科の学生を優先しているだけらしい。

 

「我が社はヒーローサポートの分野ではまだ後発。なので少しでも我が社を知ってもらうのが第一歩。今は金の卵のあなたに将来のサポートは約束できないけれど」

「当然ですね」

「とは言っても、せっかく来ていただいたのだし、我が社の新製品、滞在中のモニターをお願いできないかしら?」

 

 渡されたのは、小型のバイザーと背中を保護する装甲に何かのデバイスを組み込んだサポートアイテム。セットでリストバンドがあるがこれは利用方法がわからない。

 

「AR技術と我が社が開発した新型AI「ALICE」を組み込んだ情報端末。電子使いらしい貴女なら使いこなせると思うのだけど」

「試してみても?」

「ええ、存分にどうぞ」

 

 ジャケットを脱いでデバイスを背負う。思ったより薄いから、ジャケットもその上から着られた。

 

「リストバンドはAR投影キーボードの認識用。軽量化のため、標準センサーは光学識別だけね。それでも目標選択や周辺警戒の役に立つ、と、技術屋は言ってるわね。iアイランド内ならどこでもネットワーク接続してウェアラブルデバイスとしても使えるわ」

 

「この軽さでこの機能は凄いですね」

 

 とりあえず戦闘系アトラクションに参加して壊しても責任は取らない、帰国時に出国ゲートで返却と言うことでデバイスをお借りしたというか、押し付けられた。

 

「さて、どんな思惑なんだか。とりあえず、合流して相談してみようかな?」

 

Hello master, Matsuha.(こんにちは。マスター・茉芭) Nice to meet you(はじめまして). My name is ALICE.(私はALICE)

 

 コスチュームのバイザーはジャケットの内ポケットにしまい、モニターグラスに交換して会場を出たところで搭載AI「ALICE」からの挨拶があった。

 

「短い付き合いになるけどよろしく、ALICE。とりあえず、友達と合流するからガイドよろしく」

 

 ついでに表示言語を日本語に変えるよう指示を出す。次の瞬間には合流予定場所へのナビゲーションが表示され、中々面白い機能だと、ナビに従って合流場所に向かうことにした。

 




死柄木とのエンカウントイベントは、オリ主は自ら緑谷と絡みに行かないと接点取れませんね。会話させてみようと思ったのですが、書いてみると全く面白くなかったので没にして映画版に行ってもらいました。

デトネラット以外の企業は他作品から名前だけ持ってきてます。基本的に以降のストーリーには絡みませんが、アナハイムは色々やらかす会社だから便利使いできるんですよねぇw
ALICEはもちろんネタ元はセンチネルのアレですが、別に勝手にオリ主の体を使ったりしません。
え?この世界はガンダムシリーズが放映されている?第1話ではでそんなこと書きましたね。スポンサーやって、自分の企業名を作中で使わせたんですよ、きっとw

なお、アニメ版をプライムビデオで見てるので、映画の2作目以降はスルーの予定です。
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