雷速少女のヒーローアカデミア   作:K鶏

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第57話 インターンのお誘い(1)

 この日、ホームルームはいきなり荒れ気味だった。

 

「えー、ヒーローインターンについて昨日、職員会議で協議した結果、校長先生はじめ多くの先生方の意見が『やめとけ』と言うものでした」

「「「「えええぇぇぇぇっっ!!!」」」」

 

 でもまぁ、1年が明確に狙われているなら仕方ないと言えなくもない。

 

「あんな説明会までしておいて」

「でも全寮制になった経緯からすりゃ、当然か」

 

 こればかりは電気の意見をヘタレとは言えないなぁ、常識的にはその通りだろうし。

 

「ざっけんじゃねぇ!ヴィランごときにビビってどうすんだ!!」

「そんなに……行きたかったのね」

「ったりめぇだ!」

 

 一日でも早くプロデビュー、と考えていたらそうなるのは判る。けど、それでいつまでも籠の鳥って訳でもないだろうし。

 

「だが、今の保護下方針では強いヒーローは育たないということで、インターン受け入れの実績が多い事務所に限って、1年生のインターン実施を許可するという方針になりました」

 

「おっしゃぁっ!!」

 

 爆豪君のテンションが高いけど、また、ベストジーニストのところに行くんだろうか?あれ、神野事件で負傷して長期療養中だっけ?

 

「……8:2分け爆豪君がまた見られるのかなぁ?」

「うはっ、それまたみてぇ、爆豪、ベストジーニストさんによろしくな!」

「知るかぁっ!!」

 

 思わず口を突いて出た独り言だったのだけど、切島君が拾って爆豪君をからかっていた。

 

「静粛に。それと、インターン先がない者は、希望があれば教員や上級生と共同で近郊市街地のパトロール任務に就くこともできる。報酬は正規のインターンよりはるかに安いが」

 

「いくらぐらいなんですかー?」

「1回につき、ランチラッシュ食堂の食事券1枚」

「え~、びみょ~~」

 

 それにガッカリとした空気が広がるけど、割とおいしい気がするなぁ

 微妙に高めのメニューもあるし。そういうのにチャレンジできるなら悪くない気もする。

 

「私はそれでもいいなぁ、ちょっと高めのメニューもあるし」

「いやいや、安上がり過ぎない?でも、本人がそれでいいなら、いいのか、な?」

 

 いいと思うけどなぁ、コスチュームを着て街にも出られるし。それに雄英生が消えて不安、と言う声を解消もできる。完全にボランティアみたいなものだけど、ちゃんとヒーローの卵らしく人の役にも立つ。

 その上、訓練や勉強の支障にならないといいことばかり。

 ”ヒーロー事務所・雄英高校”だと思えば、その活動もインターンのようなもの。報酬はお手軽だけど。でも、プロ事務所として考えたら10名以上の教員(ヒーロー)に全学年で100名近い仮免取得者(サイドキック)を抱えているわけだから、ものすごい大手事務所の規模になる。

 

 そんなわけで授業も終わり、今日もいつものトレーニング、と思ったところで呼び出しを受けた。

 

『1年の上鳴茉芭(まつは)さん。オールマイトがお呼びです。至急、生徒指導室までお越しください』

 

 オールマイト先生に呼び出されるのって、久しぶりだけど前回がアレだからなぁ

 今回は何の用かと思ったら、不思議なメンバーがそろっていた。

 

「1-A、上鳴茉芭、入ります。あれ、通形先輩に緑谷君?」

「やぁ、茉芭少女。よく来たね。座ってくれ」

 

 オールマイト先生に言われて緑谷君の横に腰掛ける。なんか緊張してる感じがあるけど、気にしすぎでしょう。

 

「それで先生、ご用件は何でしょうか?」

「うん、それなんだけどね、俺がオールマイトにお願いしたんだ」

「……はい?理由をお伺いしても?」

 

 インターン説明会での模擬戦では危うく、重大な怪我を負わせるところだった。それについてはしっかり謝罪したが、そのことと今の状況は結び付かないだろう。

 

「俺はサー・ナイトアイのとこでインターンをしていてね、緑谷君をサーに紹介してほしいと頼まれたんだ」

「はぁ、そうですか」

 

 それが私と結びつくのがちょっとわからない。オールマイト先生に視線を向けても何のことがかわからないようだ。

 

「それでね、イレイザーヘッドから貰った俺についてのレポート。アレでサーが興味を持ってね。インターンに君もどうかな、と思って」

「すごいや、上鳴さん!」

 

 なんだかすさまじく厄介ごとの気配がするのは気のせいだろうか?とは言え、期待されたら応えたい、とも思っちゃうんだよねぇ

 

「アレの何がオールマイト先生のサイドキックだった方の興味を引いたのかわかりませんが、とりあえず話を聞くだけなら」

「おや、茉芭少女はインターンに乗り気ではないのかい?」

 

 私の反応を見て、意外なようにオールマイト先生が訪ねてくる。そこまで急いでるつもりはないんですけどね。

 

「進学も視野に入れ始めたところなので。実績にはなるので悪い話ではないのですけど」

「え?そうなのかい?」

「あぁ、そういえばそんなことも言ってたね」

 

 それよりも、あのレポートを本人に見せるのは当然なのだけど、相澤先生は何も口止めしなかったのだろうか?

 

「ところで通形先輩?」

「なにかな?」

「レポートの件、相澤先生、イレイザーヘッドから何か言われてませんでした?他言無用、とか」

「……あ、あはははは」

 

 もちろん、これについては相澤先生に報告し、通形先輩は反省文を書かされる羽目になったとか。ともあれ一応の受諾はしたので、週末、通形先輩の案内でサー・ナイトアイ事務所を訪れることになった。

 

「ここがサーの事務所だよね」

「あ゛、ば、ばい゛」

「おいおい、角ばるなよ。良くないぜ」

 

 オールマイト先生の元サイドキック、と言うことで硬くなるのは判るけど。

 

「君は緊張してないね」

「そうでもないですが、用件があるのは先方と言う分、気が楽ですね」

 

 インターン活動についてはどちらでも良いのだ。最低限の経験値は学校のボランティアパトロールでも事足りる。

 

「それもそうか。緑谷君、君が門前払いされたくなかったら、これからサーと会って話が終わるまでに、1度、サーを笑わせるんだ」

 

 パニック気味の緑谷君に、通形先輩がフォローを入れてくれた。正直、あのインテリヤクザみたいな風貌とお笑いが結びつかないのは私も同じだし。

 

「サーはああ見えて、ユーモアを重視しているんだ」

「あぁ、それで笑い、ですか」

「あの、サーに呼ばれた上鳴さんはともかく、どうして僕にまでそんなに良くしてくれるんですか?」

 

 そもそもがサー・ナイトアイへの紹介を依頼したのだから、そこを疑問に思うのもどうかとは思うが。

 

「良くしているつもりもないけどね。困っている人がいたら、お節介を焼くのがヒーローだろ。さあ、強くなりたいなら自分で扉を開くんだ」

 

 その言葉を受けて緑谷君が扉を開いたけど、その先は正気を疑う光景だった。

 何かのサポートアイテムなのか、車輪付きの拘束具に胴部分どころか下乳まで見えてるきわどいコスチュームを着た女性ヒーローが拘束されて、強制的に笑わされている。

 

「……一体、何が」

「サイドキックのバブルガール。ユーモアが足りなかったようだね」

 

 いや、それで済ませていい事態かなぁ、これ?とりあえず、携帯を取り出して、と。

 

「もしもしポリスメン?サー・ナイトアイ事務所で婦女暴行事件発生です。至急急行願います」

「待ちたまえ!君!これは指導だ!!」

「いやいや、少なくともパワハラどころか監禁・暴行傷害は成立するでしょう?物理的に拘束してるじゃないですか~。あぁ、もしかして合意の上でしたか?それは失礼。しかし申し訳ありませんが、白昼堂々、オフィス・ラブに耽るのは如何なものかと」

「違うと言っている!」

「セクハラ・パワハラの現場を外部の者に見せつけておいて、そのように仰られても。ナイトアイと言う名前だけに夜の(ナイト)愛情(アイ)があふれていらっしゃるのかもしれませんが」

 

 ユーモアを大事に、っていうなら、別にブラックでもいいでしょう?

 

「ふふふふふ……面白いな、君は。名を聞こうか?」

「雄英高校ヒーロー科1年上鳴茉芭です。サー・ナイトアイが私に興味があるとのことで、通形先輩からインターンにお誘いいただきました」

「あぁ、君が。ミリオ?私は別にインターン生として招く、とは言っていないが?」

「あっれ~、そうでしたか?これは大・失・敗だね!」

 

 なるほど。なら、それはそれで構わないのだけど。

 

「なるほど。それであれば私はこれで失礼します」

「待ちたまえ」

 

 用がないのかあるのか、どっちなんですかね?

 

「つまり上鳴さん、君はインターンを必ずしも望んでいないと?」

 

「進学の検討もしておりますので、半端な覚悟で臨むのはプロにも市民にも迷惑かと。もっともまだ殻の付いたヒヨコではありますが、仮免でもヒーロー。互いの要件が折り合えば応じるつもりはありますが」

 

「ふむ。心構えはしっかりとしている。ともあれ、雇用主としてミリオの独断に付き合わせてしまった詫びもせねばならないし、話を聞きたいと思ったことは事実だ。あとでその辺りを含め、話をさせてもらいたい。それぐらいは受けてくれるだろう?」

 

「はい。そういうことであれば喜んで」

 

 実際問題、今はインターンは無理にやらなくてよいと思っている。

 ただ雄英の保護方針だと、こんな用事でもないと外出もままならないのが実情だから、通形先輩のお誘いを受けたのは、単純にちょっとした気晴らしの外出目的と言う面も大きい。

 私の話は一区切りついたので、サー・ナイトアイの関心はもう一人、緑谷君に移る。

 

「それで、そっちの君は?」

「は、はい。雄英高校1年、緑谷出久です!!」

 

 顔を上げたとき、緑谷君の顔の画風が変わっていた。

 これ、オールマイト先生、かな?

 これに対してミリ単位でのダメ出しって、どれだけオールマイトが好きなんですかね。しかもその濃すぎる話に完全についていける緑谷君とか。うん、オタってすごいなぁ

 この部屋も良く見なくてもオールマイト関連本とか、ポスター、タペストリーだらけ。はっきり言ってオタ部屋でしかない。その濃すぎるオールマイトオタ同士のオタ談義が一区切りついたところで、本題のインターンについての話になった。

 

「……なるほど。強くなるために私の下でインターンがしたい、と?」

「はい!お願いします!!」

「学校からの契約書は「もちろん持ってきています!」……話を遮る話し方はしないことだ」

「はい!」

 

「その書類に私の印鑑を押せば契約成立となる。ヒーローインターンは一般企業における1週間程度の気楽なインターンとは違う。1か月以上の就労。もちろん給与も発生する。まだ授業の多い1年生ならば公欠も増え、クラスの皆とも一律には歩めなくなる」

 

「わかっています!でも、みんなと歩みを合わせていては、トップにはなれない」

 

 紛れもなく本音、なんだろうな。まぁ、そういう事ならそれで構わないだろう。ただ、ちょっとばかり、お茶子ちゃんが可哀想でもある。今度ゆっくり話す機会があれば……いや、馬に蹴られるだけかな。

 成長が加速している緑谷君達トップ勢にどこまでついていけるか、そう思っていたけど、少なくとも緑谷君にとってはすでに、私たちは共に学び競うに値する存在ですらないらしい。

 緑谷君の決意を聞き、サーが振り上げた判子。それは書類を外れた場所に振り下ろされた。

 

「えぇっ!?あの……外れました、よ?」

「押す気がないからな」

 

 苛立たし気に、それでいてリズミカルに机をたたく判子の音。

 

「ここで働きたいという、貴様のメリットは理解した。だが私が貴様を雇うメリットは?サイドキック2名、インターン生1名で滞りなく回っているこの事務所に、貴様を入れてどんな旨味があるんだ?

 社会に対してどう貢献するんだ?他者に対して自分がどう有益であるか認めてもらうためには、それを示さねばならない」

 

 ヒーロー活動は慈善活動ではないからねぇ

 オールマイトがその存在価値をパワーとユーモアで示した、と言うのも間違いではないだろう。

 

「貴様が我が社にどう利益となるか、3分、くれてやるから行動で示すといい。私の下でヒーロー活動をしたいのなら、貴様が自分で判を押せ」

 

 何とも脳筋な解決策。流石、オールマイト先生の元サイドキック。発想が力技過ぎる。

 

「ユーモアではセンスのかけらもない貴様にチャンスをくれてやる。私は優しいだろう?ミリオとバブルガール、それと上鳴茉芭は退室。バブルガール、彼女を応接室に」

 

「「「はい」」」

「元気がないな?」

「「イエッサー!」」

 

 その注意はさすがにお客様扱いなので、無視。サーも特に注意はしてこなかった。

 通形先輩と一緒に退出して、応接室へと案内される。

 

「ミリオ君、あんな実技面接やった?」

「俺はサーからの指名だったのでやってないですよね」

「君は気に入られてるんだよね。私はウラヤマですよ、ウラヤマ!」

 

 ユーモアのセンスは説明会のアレを思い返すと極めて疑問だけど、明るい人であることは疑う余地がない。

 多分、サー・ナイトアイにとって理想的な、オールマイト先生の後継的な期待もあるのではないだろうか。あぁ、そうか。だからオールマイト先生の弟子である緑谷君を試そう、と。

 コーヒーを出してもらい、雑談しながら待つこと数分。

 

「待たせた。ミリオ、上鳴さん」

「緑谷君、どうだった?」

「うん、採用、してもらえたよ」

 

 ただ今一つ元気がない。どうにも不本意な採用のようだけど、それでも上だけ(・・)を見て、進むつもりなのだろう。

 サー・ナイトアイにもコーヒーが出され、改めてお話、となった。

 

「まずはミリオが余計な気をまわして、手間を取らせたことを改めて詫びよう」

「はい。ですがお気にならさず。私こそ、サー・ナイトアイにお会いできて光栄です」

 

 これは間違いなく本音。オールマイト先生の元サイドキック。会いたいと思っても簡単に会える相手ではない。

 

「それで聞きたいが、ミリオのレポート、あれは?」

「お答えする前に、こちらにサインを」

 

 差し出したのは秘密保持の誓約書。インターンの物とはまた違う書式になっている。

 

「一応は部外秘の物でした。流出させた通形先輩の処分は雄英内部で行っていますが、これ以上の流出は避けたいと、担任である相澤教諭、イレイザーヘッドよりの伝言です」

 

 少々不満そうだが、サイン自体はしてくれた。さすがに雄英と揉める気はないらしい。もちろん、二枚重ねとかないように確認しているけど、そんな真似しませんって。

 この交渉が成立せず、私が手ぶらで帰った場合は、相澤先生が談判に来る予定だったそうで。

 

「さて、では答えてもらえるね?」

「とは言っても、レポートの通りなんですよね」

 

 通形先輩から語られた個性の詳細。実際に模擬戦で体験し、視認した動きと格闘戦を行った際に透過状態の通形先輩に行おうとした電子操作の感触。その直後の双方の動き。

 実行寸前に止められたとはいえ、いや、止められたからこその確信があって、そこから考察を重ねた結論を書き連ねたに過ぎない。

 

「なるほど。まぁ、多少の含みは感じるが今は構わん。さて、上鳴茉芭さん。君の価値は理解した。ミリオの推薦でもあるし、希望するならインターン生として受け付けるが、どうするかね?」

「いえ、申し訳ありませんが、希望いたしません」

「ほう。理由は?」

 

 どうもこの答えはサーの好みではなかったらしい。ただ、今は嫌なんですよ。

 

「そうですね。仮免ヒーロー・ブルーアンバーは、授業などでの義務、緊急事態を含む強制による必要がない限り、サー・ナイトアイ指揮下にいる仮免ヒーロー・デクと共同するつもりが今はない、とだけ」

「か、上鳴さん!?」

「……なるほど。理解した。正式に免許を取ってからなら、そんな甘えは許されないが」

「チームアップに応じるかは、状況次第でしょう?」

「それは否定できないな」

 

 話は終わり、とサー・ナイトアイが席を立ったので、私もこの場を辞する。

 

 緑谷君が狼狽えたように私を見るが、これに関しては私から何かを言うべきではない。

 言ったところで、私の言葉では緑谷君に対して説得力がないと思う。おそらくオールマイト先生ですらこれについては力不足。いや、むしろ煽りかねない。

 たぶん、それができるのはお茶子ちゃん、あるいは爆豪君ぐらいだろう。

 共に歩む仲間じゃない、と言い切られたのは正直、寂しさを感じる。ただ、その程度(・・)の感情をぶつけたところで、止まらないと思う。

 

 言ってしまえば、サー・ナイトアイのお誘いを断ったのは、子供じみたただの我儘、癇癪のようなものだ。短期的な利益だけを見れば、ここでインターンをやったほうが経験も箔もつくだろう。

 でもそれだけだ。

 ブルーアンバー(わたし)は、仲間を振り払ってまで進みたくはない。私は、みんなと強くなりたい。ただの甘えだとはわかっている。だから言わない。

 

 それに、私にしても、ヒーローになるために不要な物、と言うより、それを否定した両親を実質的に捨てている。お前が言うな、と言われたぐうの音も出ない。

 すでに捨てて進んだ人間が、これから捨ててでも進もうって人間に文句を言うなどお門違いだ。

 自分がやったことがまわりまわって形を変えて帰ってきた。因果応報。今度は自分が捨てられる側に回った。ただそれだけ。

 

 でも、それでも進んで掴んだモノは、確かにあった。

 双子の片割れでありながら強い個性を発現した電気を、羨み妬んでは拭えぬ劣等感をそのまま名乗ろうとした劣化電気(レディオノイズ)は、ミッドナイト先生に救われ、ブルーアンバー(わたし)になれた。

 リカバリーガールとホワイトマウス先生のおかげで、個性のあり方に自信が持てた。

 訓練を兼ねたマッサージに付き合ってくれた保須の皆さんやヒーロー科の皆、先輩方が居なければ、ここまでの急成長はあり得なかった。

 相澤先生、エクトプラズム先生、ホワイトマウス先生やリカバリーガールには返しきれないほどの恩がある。

 私は一人ではここまで来る事が出来なかった。

 だからこそ、たとえ甘くても、クラスのみんなと強くなりたい。

 

 同じように、緑谷君が一人で進んでも欲しいものがあるなら、私は止めきれない。

 捨てた人間だから。けど、競争相手も置き去りにした先のトップの座は、きっと寂しい風景だと思う。

 先を見据えているのはいいけど、今を、周りを見ていない。爆豪君の反発はそう言うところだろうか?眼中にないのって一番腹立たしいことだろうし。ただひたすら理想しか見ないって意味で、ヒーロー殺しと同類かもしれないなぁ、緑谷(デク)君。

 

 まぁ、いいか。歩き方が違うってだけだ。それが最善と思うのなら、そうしたらいいだろう。

 

「お会い出来て光栄だったよ、ブルーアンバー。今日は残念な結果だが、君とは良い関係を築きたいと思っていることは承知しておいてくれ」

 

「はい、承りました。無礼をお詫びします」

 

 差し出された手を取って握手をする。大きい手、大人の手でしっかり鍛えられた歴戦のヒーローが持つ掌だった。

 

「気にしないでいい。正規の日当は支払っておく。バブルガール、緑谷に業務説明を。ミリオ、今日はブルーアンバーを護衛(・・)して雄英に戻れ」

 

「「イエッサー!」」

 

 そこまでは要らない、と言ってもそうはいかないんだろうなぁ。一応、仮免とは言え、ヒーロー1名を1日拘束したわけで。その日当、と言う事だろうし。せっかくのご厚意だから、ありがたく受け取っておこう。いわば、初任給だし。

 通形先輩が護衛、と言うのは大げさに過ぎる気もするけど……なんとなく、厄介ごとのフラグは消えていないという、嫌な確信と後味の悪さだけが残る外出となった。




ここ数話でフラグががっつり立ったのにしばらく放置するスタイル。

死穢八斎會にかかわる以上、テンプレであってもサー・ナイトアイの下でインターンをさせるつもりでしたが、中止。オリ主の強化フラグを立てたいので、別ルートから関与させます。
壊理ちゃん早期救出ルートも考えていたのですが、二次ではすでにあるし、割り切ってもう少し我慢してもらいます。

なお、緑谷vsサーの戦いは、部屋を必要以上に荒らさないためフルカウルのみでの立ち回りで、概ね、原作通りの内容です。オリ主にわざわざ通形を付けたのは、レポートと本人の概要説明でその価値にある程度気付いたからですね。
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