雷速少女のヒーローアカデミア   作:K鶏

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鍋パで交際暴露の後始末。
峰田の峰田が峰田しますが峰田なのでキニシナイw


第91話 色々後始末

 鍋パーティの片づけを終えた途端、半ば強制的に全員でお風呂となった。女子全員集まって内緒話するには一番の場所ではあるけどね。

 

「いや、驚いたよ。障子からは「成立した」の一言だけだったし」

「みんなが寮を空けたのって、やっぱり仕込み?」

「実は。その、ちょっと悪だくみって感じが、楽しかったので、つい」

 

 そこで何気なく見せる仕草が可愛いから、怒れないんだよなぁ

 

「百ちゃんが実家に怒られてないなら、別にいいけど……」

「それは大丈夫ですわ。心配頂きましてありがとうございます」

「あぁ、うん。どういたしまして?」

 

 実のところ、百ちゃんが焦凍をどう思っていたかはよくわからない。

 席が近いのはただの偶然としても、推薦入学同士でお互いの仲も悪くない。演習とかで見る限り、相互の信頼関係もある。

 本音を聞きだしてみたい気もするけど、引き出す答えが怖くもある。だってスタイルも家の背景も、私じゃ太刀打ちできないしね。

 

「……誤解されないように言っておきますと、わたくし自身は轟さんを良い友人と思っておりますがそれ以上の感情はありませんよ?」

 

「……つくづく思うけど、私そんなにわかりやすいかなぁ?まぁ、気遣いありがとう」

「どういたしまして。可愛らしい姿を楽しませてもらいますから、お互い様ですわ」

 

 うぐ。百ちゃんには勝てる気がしないなぁ

 そう言ってくれる気づかいには素直に甘えておこう。

 家同士で見たら、八百万家から見た轟家は決して優良物件ではないだろうし。そういう打算的な部分を抜いても、何だかんだ娘に甘いご両親のようだし。本人の意に反する関係を押し付けることもないだろう。

 

 って、やめやめ。こんなこと考えてると気が滅入ってくる。

 どうにも考えすぎるというか、なまじ自分の感情が勝つ分野だから、友達を信じられなくなるような考え方をする自分が嫌だ。

 

 

 あまり楽しくない方向に思考が飛びかけたのを修正していたら、三奈ちゃんが話題を振ってきた。

 

「ねぇねぇ、それで、どっちから告白したの!?」

「聞かれると思った」

 

 冷さんといい、みんなそういうの好きだよね。他人事だったら自分も聞くけど。

 三奈ちゃんと透ちゃんの目が輝いてる。キラキラと言うより、爛々と。というかギラギラと。透ちゃんの方は肉眼だと見えないけどね。”見る”と、うん。

 

「私から。と言うか、焦凍の方はあの会見絡みで止められたみたいで」

「ケロ?」

「多分、内容でドン引きされるとか、逃げられるとか思われてたんじゃないかと」

「なる……それは仕方ない……かな?」

 

 そんな様子を見て、お茶子ちゃんは何やらぽつりとつぶやいてた。

 

「ホントに蓋、しなかったんだ……なんかすごい綺麗になっとる……ちょっと羨ましい……」

「お、お茶子も逝っちゃう?」

「それ、字が違くない?」

 

 私としては余計なお世話はもうしたので、その上での決断なら、仕方ないかと思う。けど羨ましいと思うなら、まだ動く余地はあるかな?

 

「いろいろ、今まで思ってもなかった方にココロが動くし、正直不安もあるけど……思ったより悪い気分じゃなかったよ、お茶子ちゃん」

「そっか……」

 

 何やら考え込んでいる様子。うん、出来るだけ納得できる結果に進めるよう、頑張ってね。

 

「でもさ、でもさ、轟君、思ったより独占欲ヤバない?」

「あー、アレは確かに……平気?」

「しばらくすれば落ち着く……と、いいな、と思ってる」

「そっかな~?結構、重そう。やっぱりイケメンは愛でるものだね。うん」

 

 透ちゃんの恋愛観と言うか、焦凍への印象がなんともドライと言うか、割り切ってるなぁ

 でも実際、どうもこうと決めたら固執するところがあるみたいで、エンデヴァーが心配するくらいだったからなぁ……無理かも。

 正直、両想いだったのは嬉しいと思ったけど、あそこまで強い執着を見せるようなこと何かやったっけ?……自覚してないだけでやったんだろうなぁ

 心配だからヒーロー辞めろ、なんて言われない程度には強くならないと。

 

「ねね!それで~、どこまで行ったのー?」

「どこって……エンデヴァー事務所と、焦凍のご実家?お姉さんの冬美さんが友達を紹介してっていう話で」

「わかってて惚けてるよね?」

 

 あぁ、はい。判ってますよ。響香までこうなるともう手が付けられないね。

 

「ハグしてキスしただけ。それ以上は流石にねぇ、時間も場所もないし」

「……あったらヤるんだ」

「その辺は、避けられないんじゃないかなぁ……まぁ、そのうち?」

 

 わざわざ急いですることじゃない。そのうちそんな機会があったらでいいよ。焦凍だって健康な男子高校生。峰田ほどでないにしてもそういう欲求はあるだろうけど。

 

「あ、寮でそういう事はしないから安心して。行動も記録が残るし、目と耳のいい人もいるし」

「いやいや、ウチは別にそんなことしないからね?」

「目と耳のどっちかが良いのは、響香と障子君だけじゃないから、お互い様」

 

 私の言葉に、そういえばそうだったという顔になる。私が寮内を全力で見れば、どこで何をしていても丸見えなのだから。だから夜は意図して範囲を絞るけど。

 

「それに峰田がいるもん。危なっかしくて」

「「「あー……たしかに」」」

 

 各部屋防音だけど、周囲の目がないのはフロアに他の人が住んでいない私の部屋。ただ、2階だから、というか峰田の個性を考えるとどのフロアでも覗く手段はいくらでもある。

 私はアレのストライクゾーン外みたい、だからそこまではしないと思うけど。それでも用心は必要だし、そもそも行動が監視されてる寮でやるのはちょっと。

 

「ケロ。そういえば、いまは、どれくらい見えるのかしら?」

「最長距離は1kmで安定した感じ。今は範囲での情報精度を上げたり、操作可能距離を伸ばす訓練かな」

 

 都市部の半径1km、人が多すぎて全周囲視界を使用すること自体が個性伸ばし訓練そのものになるんだよねぇ

 梅雨ちゃんとの会話から、個性伸ばしや訓練の話になった。

 概ね、女子陣には受け入れられたようだ。

 多分、男湯でも似たようなやり取りがされているんだろうなぁ

 

 

―――Side:轟焦凍

 緑谷と爆豪にバレたから、隠す意味がなくなったと言う茉芭(まつは)の話はわかる。まして障子が複製腕で耳を増やして聞き耳を立ててた何て考えもしなかった。

 最初は隠したがってた。悪いことしてるわけじゃねぇが、からかいのネタになるし、回りは同年代。無理に刺激するもんじゃないから、そういう心理になるって言うのは、夏兄にも言われてたし、押し付けてきた恋愛漫画で勉強した。

 なのにオープンにしたのは心境がよくわからなかったが、バレてるなら確かに隠す意味はねぇよな。それに……堂々と仲良くしたいと言ってくれたのは嬉しかった。

 微かに寄ってきて感じた体温は手放したくないくらいだった。

 

「それで!どうなんだよ轟!登っちまったのかよ!捨てちまったのかよ!」

「……何がだ?」

 

 ギラついた目。これが茉芭に向くと思うと苛々する。あぁ、茉芭が嫌うのが何となくわかってきた。

 

「大人の階段だよ!チェリーだよ!上鳴妹、ちょっと小さいけど、バr……ひっ」

「……その下衆な口を閉じろよ、峰田。テメェが茉芭を語るな」

「待て待て待て待て!轟君、落ち着くんだ!」

 

 飯田が止めるためか、お湯をぶっかけてきた。峰田の頭を掴んだ右手の力を緩める。左は……湯気が立ってる。無意識に炎が出てたか。ヤバかったな。

 

「ワリィ、助かった……峰田も、やりすぎた。すまん」

「い、いや、イイ……オイラも、調子に乗った、うん、ワリィ」

 

 個性の使いこなしだけは、茉芭も褒める。それ以外は全く褒めないのもわかる。数少ない友達が一人減ったかもしれないが、それでもいい。

 

「ホント、ごめん。いや、確かにオイラの趣味からはちょっとハズレてっけどさ、イイ女だってのはわかるよ。……オイラ、モテたことなんかねぇし、羨ましかったんだ。ごめん」

 

「そうか。俺もやりすぎた、ごめん」

 

 お互いに頭を下げ合う。すぐに元通りって訳にはいかないだろうけど、危害を加えそうになったこと、反省しねーと。本当に昔の親父みたいになっちまう。それは、嫌だ。

 

「飯田もありがとう。もし、また間違えそうになったら、ぶん殴ってでも止めてくれ」

 

「うむ!もちろんだとも!!道を踏み外す前に正しい道へ導こう。それができてこそインゲニウムなのだから!」

 

 話はそれで終わりと、湯船に入ってみんなで温まることになった。人の少ない時間を狙うことが多かったけど、こういうのも悪くない。これが裸の付き合いって奴なのか。

 話を仕切り直すためか、兄妹としての忠告か、珍しく上鳴から話しかけてきた。

 

「ったく、おっかね―なぁ、轟ぃ、あんま束縛すっと、逃げられっぞ」

「……気を付ける。そうなのか?上鳴」

 

「多分な!ま、ウチのマッハは美人だしな。惚れるのもわかる、うん!でもヤオモモとか梅雨ちゃんを筆頭に胸は負けるけど。あ、耳郎には勝ってるな」

 

「別にどうでもいいだろ、そんなの」

 

 本人的にはどうなんだろうな?わざわざいう事でもない気がする。茉芭に……は、拙いか。わざわざ話題にすることもないだろう。他の女に興味があると思われても嫌だ。嫉妬するって言ってたし。ちょっと見て見たくはあるが、わざわざ試すような真似をしたら、それこそ逃げられそうだ。

 

「もしそのままゴールインしちまったら、轟は俺の義弟になるのか!なー、轟ぃ、いまから俺のことを義兄(にい)さん、って呼んでもいいんだぜぇ?」

 

「そういうもんなのか?」

「親戚って意味ではそうだろうけど……そもそも双子で、上鳴さんも別にお兄さん扱いしてる感じじゃないけど……むしろ逆だよね」

 

 尾白は何故か気まずそうに言う。意外によく見てるな。

 いや、俺が今まで見てなかっただけか。普通はそれぐらい気が付くものかもしれない。

 

「そうなんだよなぁ……頭じゃ勝てねーし。気が付きゃ、何だかんだかなり強ぇしなぁ……カタパルトとか、ほとんど飛行個性並に浮いてたし。成長しすぎじゃね?背も胸も育ってねぇのに」

 

「意外に気にするんだな。あと何で知ってる」

 

「そりゃそうさ。生まれたときから一緒にいるんだぜ。親がアレだけど仲は悪くなかったし。それに俺がアイツのヒーローだったんだぜ。今じゃ真逆だ。もっと俺も鍛えて、追いつかねぇと。あと兄妹だぜ?見りゃわかる!」

 

 なるほど。兄弟で同じ道を進むってそういう感じなんだな。

 俺は……夏兄や燈矢兄と遊ぶことさえできなかったから、そういう感情はよくわからねぇ。

 

「そこで下を向くんじゃなくて、前を、上を向くのはよく似てると思うぞ。やっぱ双子だな」

「お、そうか?今の俺、イケてる?俺の時代来ちゃう感じ?」

「それは知らない」

「シヴィー!義弟が塩対応でお兄ちゃんは悲しいぜ!」

 

 でもそうか。最終的にはそういう事になるのか。なれたらいいな。

 

「あはは、でも今日の発表会は凄かったね。浮遊と組み合わせたゼロからの加速は参考になった。上鳴さん、エンデヴァーも褒めるくらいに活躍してたんだよ」

 

「マヂかー、シンリンカムイさんとエッジショットさんにもっと稽古つけてもらわねぇと」

 

「ケッ、俺には負ける。色ボケたアイツは二度と勝てねぇ、そこのキザヤローもな。精々、頭ン中ピンクに染めて堕ちてけ」

 

「それは嫌だな。俺は親父を、ナンバーワンを超える。そして茉芭も手放さない」

「欲張りだな、このキザヤロォ!!やって見せろや!」

「あぁ」

 

 爆豪なりの激励なのだろう。ありがたいな。その期待は裏切らない。

 俺はあいつを悲しませない、最強のヒーローになるんだ。

 

 

―――Side:上鳴茉芭

 翌日から週末までは普通に授業。ただ、全員インターン活動があるということで、授業方針が少し変わることに。

 授業開始時刻の前倒しで、午前中の座学が増える。さらにインターン先でも勉強ができるように、どうしても足らない分は配信で対応するとのこと。

 学校では学習内容の確認テストが増えることに。

 全寮化のメリットをここぞとばかりにつかってきた感じだね。

 授業のコマ数が減った分を可能な限り補填し、週末に加えて2日はインターン活動が可能になる。

 

 その方針が伝えられ、早速の活動日。冬休み中と同じくエンデヴァーを追いかける1日が終わった後に、直接の呼び出しを受けた。

 

「疲れているところすまんな。座ってくれ」

「はい」

 

 ショートやデク、爆豪君を除いて私だけ、と言うのはインターン活動に関するものではなく、焦凍との関係に関係する話だろう。

 

「3つ、話がある。インターン関係と焦凍とのことだ。公私混同ですまんが、まとめて話をしたい」

「はい。よろしくお願いします」

 

「うむ。まずインターン活動についてだ。基本的に現場に出る俺と行動を共にしてもらう方針だが、余所との兼ね合いもあって、多少なりとも事務仕事も覚えてもらう。君に関しては、進学希望とも聞いているし、その比率を増やすことも考えている」

 

 エンデヴァーにとっては保護対象に見えるという事なんだろうなぁ

 ただそれはちょっと、いやかなり困る。

 

「その配慮は不要に願います」

「何故だ?焦凍は君との未来を望んでいる。家庭を持つ女性ヒーローの活動は……」

 

 それは確かに結婚を意識したら、当然、子供も、となる。その意味では女性ヒーローというのは活動年数が短くなりがちだ。

 けど、付き合って1ヶ月もたってない段階でそこまで意識しないでください。

 それにワン・フォー・オール関係の問題もあるから、今は実戦から遠ざかるのは避けたい。

 

「昨今の状況、おそらく近いうちに大きな捕り物があり、仮免の学生も動員されると思いますが、間違っておりますでしょうか?」

 

「……根拠は?」

 

「士傑に傑物、勇学園、そのほかの学校でも仮免取得者が軒並みインターンに出ているそうです。雄英だけなら保護方針の転換と思いましたが、どうも違うようなので」

 

 夜嵐君や、仮免補講者からさらにつながる先ぐらいまでの、緩めのコミュニティが形成されている。

 そこからの情報は、日本中のヒーロー科で仮免生が、進学予定の一部を除いて強制的にインターン活動に従事していることを教えてくれている。

 ヒーロー飽和社会と言われる状況で更に人手を欲する状況が、ヒーローを管理する公安には見えている。

 そして学生の立場では本来知りえぬ、オール・フォー・ワンと死柄木弔の情報。そこから導き出せる結論は、学徒動員、となる。

 

「学生の割に大した人脈だな……つくづく、焦凍は良い子を選んだ」

「ありがとうございます。それと、他にも事情はありまして」

「……なんだ?」

 

「応用技としての個性への干渉ですね。能力として危険性は高いので、自衛手段はどうしても必要です。他にもありますが、こちらはオールマイトにご確認を頂ければ」

 

 死柄木弔が動いたとき、本当にオール・フォー・ワンの力を得ているなら、そこで私はデクと共に戦うことになる。焦凍との未来を望むだけなら、大人しく後方にいることもできるだろう。

 ただそれは助けを求められている、ヒーロー・ブルーアンバーの死に等しい。それは許容できない。その時に備えて力をつけるのがデクと私の仕事。舞台を整えるのは、オールマイトに任せよう。

 

「なるほど。判った、奴と話すのは気が進まんが……いいだろう。2つ目だ。焦凍は俺の悪いところもよく似てしまった。むしろ人生経験を積む機会を奪ってしまったこともあって、俺より酷いかもしれん……君を確実につなぎ止めたいと、婚約関係を結びたいと言ってきた。……私としても応援はするが、少々急ぎすぎだと思うのだが」

 

「同感です。ぜひ止めてください。あぁ、もちろん、嫌と言うわけではないですが、その、実家がちょっと……」

「あぁ、人のことをずいぶんと言ってくれたが、中々なご両親だな?」

 

 それは調べるよねぇ、というかやっぱり恨んでた……当然か。調べるのも当然。どこの馬の骨とも知れないんだし。

 両親がアレなことはクラスメイトに話しているし、焦凍から聞いたかもしれない。

 

「そうですね。家同士の関係を作るのは好ましくないかと。とは言え、困ったことに、親としての愛情が全くないわけではないんですよ。ただ、両親にとって私は弱個性で頭でっかちの出来損ないで、ヒーローに相応しいのは双子の兄である電気だけ、って考えに固執していて、それを否定されない範囲では、となりますが」

 

「そのようだな。調査に当たったバーニンが呆れていた。和解というか、矯正は困難か?」

 

「無理です。既に何度かメディアに出てるわけですが、電気(あに)がいくら説明しても信じないそうで。あの人たちにとって上鳴茉芭(わたし)ブルーアンバー(わたし)は別人のようですから」

 

 電気ですら、そろそろ見限ろうとしているからね。コスチュームの時は目の色は確かに変わるけど、バイザーで分からないはずなんだけどねぇ

 仮にわかっても、カラコンと勘違いするだけだと思うのだけど、どうも違うらしい。

 

「ところで、私事でバーニンを使って、文句言われませんか?」

「焦凍は俺の後継者として期待もされているし、連中に可愛がられてもいる。この程度は問題ない」

 

 ドヤ顔のエンデヴァーだけど、はいはい、凄いですね。何というか、ただの親バカに思えてきた。

 

「君のマッサージも好評でな。ぜひ囲い込めとも要望が上がっている。その意味でも、焦凍との関係は歓迎されている。それに疲労の軽減で、怪我なども減っている。インターン生としては十分すぎる貢献度だ」

 

「それは光栄です。と言うか、知らせたんですか」

「バーニンが知っていたのもあるが、ウチは男所帯だからな」

 

 初日にバレてるから何も言えない。そしてトップがエンデヴァーと言うこともあって、女性サイドキックはバーニンのみ。

 単純な事務系職員としてはそれなりに居るけど、当然数は少ない。

 

「話がそれたな。そんな訳で、せめて2人でゆっくり過ごせる空間が必要だろうと思ってな。以前に思うところがあって用意した家が浮いているので、2人の宿舎にしようと思ったのだが……」

 

 何を考えてるんでしょうねぇ、このヒト。親が子供に不純異性交遊をけしかけないで欲しい。

 

「それも出来れば遠慮しておきたいですね。勉強の方もそれなりに時間が欲しいですし、家の維持管理は少々荷が勝ちすぎます。と言いますか、不純異性交遊を煽らないでください」

 

「……練度の維持もあるし移動時間も惜しいか。1年は学科も多いから仕方ないな。わかった」

 

 それに多分その家、冬美さんに必要になると思うんですよね。先日、夏雄さんがぽろっと「外に目を向け始めた」って言ってたし。

 そこでエンデヴァーとの話は終わって、執務室を出たところで、今度は焦凍に捕まった。

 

 

「親父と何の話をしていたんだ?」

 

 うん、目がちょっと怖いよ?父親にまで嫉妬しないように。いやホント、割とヤバい選択したかもしれないが……逃げたいと思えないのがちょっと我ながらねぇ。

 私の遺伝子保存機関、どっかバグってるんじゃないだろうか?

 落ち着いて話をしようと、いつものバーに。

 大体の内容を話すと納得はしたようだ。

 

「家の件は……惜しいけど、確かに時間ねぇな」

「万が一にも単位落とせないからね。焦凍と私、爆豪君、緑谷君、幸いみんな得意科目違うから、勉強会したいくらい」

「あぁ、それはいいな。提案してみる」

「お願い。爆豪君は嫌がりそうだけど」

「冬姉の激辛レシピで釣ってみる。この間の麻婆も気に入ったみたいだし」

 

 冬美さんが特に激辛好きと言うわけではないらしいが、亡くなった燈矢さんが炎の個性なのに高温に耐性がなく低温に強い体質だったらしい。その体質改善に辛いものを好んで食べて体温を上げて体質を変えようと試みていた時期があり、激辛メニューはその頃に働いていたお手伝いさんの残したレシピだとか。

 

 勉強会は無事に開催にこぎつけ、エンデヴァー組は成績が落ちるどころかむしろ上がったので結果としては上出来だろう。

 残念ながら、中間から結局、順位に変動はなく終わった。これ以上となると全教科満点取らないとダメだし、その場合、緑谷君ぐらいまでのトップ勢は全員満点で並びそう。

 

 

 そして……宿舎については多少、変化はあった……一言でいえば、エンデヴァーは究極の親バカです!というか、バカ親です。

 焦凍の誕生日だからってアレはない。

 アレがなにかって?ノーコメント!

 

 いや、ぶっちゃけ誕生日って電気のお祝いでご馳走がある日、程度の認識だったから何も準備してなくて謝り倒した。来年はしっかり祝おうって約束したからいいのだけど。




原作でも大分、バカ親してますから、多少タガが外れても仕方ない(全力で目そらし
何をやったかは3話先でわかると思いますが。大体想像つくでしょうw

爆豪お気に入りの四川麻婆豆腐。どれくらいの辛さだったんでしょうね?そして暑いのに弱い人が多い轟家であのレシピは何で?と思ってこじつけました。
民間療法とかおまじないの類ですね。すまっしゅ時空で緑谷がポチった怪しいサプリと同じですよ、きっとw
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