Golden Wars   作:吟醸丸

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5日目/手記

  ――鈴ヶ峰黎花の手記より――

 

 

 

 

 

 鈴ヶ峰家当主としてこの文章を記す。

 私、鈴ヶ峰黎花は朝葉市で行われた二度目の亜種聖杯戦争に参戦している。本手記は、万が一私が落命した場合の原因究明と遺産処理手続きの参考にしていただくため、本聖杯戦争に至るまでの背景と現時点までの簡潔な経緯を書き残すものである。

 なお、この戦いでは白銀家の次子、白銀亜蓮と共闘関係を結んでいる。先代の対立から敵対状態にある両家ではあるが、私個人としての遺恨は一切なく、将来的な関係改善を強く望んでいることも書き記しておく。

 

 

 

 まずは戦場である朝葉市に関して記述しておくことにする。

 朝葉市は魔術協会管理下の霊地と非管理下の極めて小規模な霊地が存在する、魔術師の拠点として好条件の土地である。現在のセカンドオーナーは結界術師・碓氷清正。朝葉市内の小規模霊地は全て彼の所有地とされている。

 碓氷氏が管理を任される以前、現在の朝葉市周辺の土地は協会非所属の陰陽師、弓削一族の支配下にあった。弓削一族は江戸時代に隆盛を誇ったが、明治新政府側と対立して勢力を減じ、遂に先代当主が先祖伝来の土地を魔術協会に譲り渡して魔道を捨て、今に至るという。

 現当主は弓削郷蔵。麻葉三輪神社(市名と漢字が異なる。昔は麻葉が正式な地名だったそうだ)の神職で、セカンドオーナー黙認の下、極めて簡易な魔術を用いた護符を販売している。次期当主は神崎美那子。弓削姓でないのは配偶者の姓に変えたためと思われる。両者とも魔術の正式な伝授は受けていない。

 

 

 本題に移る。

 朝葉市では七年前と現代の二度に渡って亜種聖杯戦争が開催されている(準備期間が七年と短いのは周辺の小霊地群を利用した術式のためと思われるが、詳細なメカニズムの推測は本手記の主旨と関係ないため割愛する)

 

 この七年前の聖杯戦争こそが、今回の聖杯戦争開催の原因であり、私がそれに参戦した遠因でもある。

 主催者はセカンドオーナーの碓氷氏。それ以外の参加者は、鈴ヶ峰家当主・鈴ヶ峰(ぎょう)、白銀家当主・白銀銑理(せんり)、聖杯戦争荒らしと渾名される秋御宮(あきみぐう)(あがた)の三名。これに加え、各陣営一名ずつの予備マスターの存在が許されていた。

 戦いの結果は秋御宮縣の勝利。ただし聖杯は完成せず。原因不明。鈴ヶ峰暁は戦死、白銀銑理は重傷を負って後遺症を残し、両家は代替わりを余儀なくされる。この顛末については当家の本邸に詳細な資料が保管されている。参照されたし。

 

 

 七年後、白銀家の予備マスターを務め、後に新当主の座についた白銀継都が朝葉市を戦場とした亜種聖杯戦争の開催を宣言した。

 単独開催ではなく他の魔術師との共催で、両者が四騎召喚可能な亜種聖杯を用意し、それらを並列化することでオリジナルと同様の七騎による聖杯戦争を実現したという触れ込みである。(余剰の一騎分は運営補助を目的とした審判役のサーヴァントに充てられている)

 なお、継都女史が聖杯戦争の運営役に徹し、共催者は素性を隠してマスターとして参加しているという。(継都女史本人の口頭説明に拠る)

 

 ただし、この聖杯戦争には一つの問題があった。

 白銀家当主自らが主催していながら、白銀家の他の者は誰一人としてその事実を知らされず、開催宣言が成されて初めてその事実を知ったということである。当然ながら白銀家は当主の行動を疑問視し、女史の本当の目的を探るべく、当主の弟にあたる白銀亜蓮を派遣した。

 

 私が朝葉市を訪れたのは、彼の活動に協力をするためである。協力を決意した理由については詳細を伏せるが、将来的な両家の関係改善を目指したものであるとご理解いただきたい。

 

 我々がマスターに選ばれたのは偶然だった。

 調査のためには戦力が必要との観点からサーヴァントを召喚し、両者ともにサーヴァントの了承を得た上で、聖杯を求めずに継都女子の本当の目的を探っている。それが本文章を書き記した時点の状況である。

 聖杯は求めていないこと。

 聖杯戦争が開催された理由の調査に徹していること。

 この二点については重ねて強調させていただく。

 

 

 

 現時点における聖杯戦争の戦況についても簡潔に書き記しておくことにする。

 

 

○共闘陣営

 サーヴァント:ランサー マスター:鈴ヶ峰黎花

 サーヴァント:バーサーカー マスター:白銀亜蓮

 

○中立陣営

 サーヴァント:ジャスティス マスター:白銀継都  ――進行役。エクストラクラス

 サーヴァント:アーチャー マスター:神崎美那子  ――互いに敵対しないことを確認

 

○敵対陣営

 サーヴァント:グラディエーター マスター:不明  ――交戦済み。エクストラクラス

 サーヴァント:キャスター マスター:不明  ――交戦済み。バーサーカーを敵視

 

○立場不明

 サーヴァント:ライダー マスター:秋御宮縣 ――遭遇済み

 サーヴァント:セイバー マスター:不明  ――サーヴァント、マスターともに未確認

 

 

 脱落した陣営は確認できず。未遭遇のセイバー陣営も健在であると思わ

 

 

    ◇ ◇ ◇

 

 

「ふぅ……やっぱり文才ないわ、私」

 

 黎花はペンを置いてぐっと伸びをした。

 朝葉市における鈴ヶ峰家の拠点は、城下町として栄えた時代の雰囲気を色濃く残す旧市街地に存在する。

 七年前の聖杯戦争でも用いられた拠点であり、傀儡師、すなわち人形遣いの活動を支える工夫が随所に施されている。敷地内に設けられた蔵もそのひとつで、人形遣いの宿命とも言える大量の資材と道具を収納できるだけのスペースに加え、蔵の内外に工房並みの防御体制が整えられている代物だ。

 そうした充実ぶりに反し、生活の場となる母屋は至って簡素。伝統的な和風邸宅ではあるものの、全体的に小じんまりとした造りで過度な装飾もない。もちろん魔術的な防衛措置が幾重にも施されているのだが、門外漢が見れば無防備な建物だと誤解してしまうだろう。

 寂れた屋敷という表現がしっくりくる建物だが、黎花はそこが気に入っている。人形の外見には拘るが、住居の外観には拘らない質なのだ。

 

「少し、気分転換しないと」

 

 そうして立ち上がろうとした矢先、屋敷周辺の感知結界が静かな音を立てた。

 黎花は慌てることなく、玄関先を監視する鳥人形と視覚をリンクさせた。結界が発する警戒音は条件によって幾つかの種類に分けられている。この音は正面からの接近を感知した場合の音だ。当然ながら一般人の来客も対象となるため、音だけで敵襲かどうかを判別できる類のものではない。

 鳥人形の視覚が捉えた来客の姿を見て、黎花は口元を盛大に綻ばせた。すぐさま私室を飛び出すと、玄関の手前で立ち止まって前髪と呼吸を何度も整えてから、ゆっくり扉を開ける。

 扉の隙間から覗かせた顔に、軽い手刀が振り下ろされた。

 

「いらっしゃい、亜蓮く――いたっ!」

「すぐに鍵を開けるなって言っただろ。俺に成り済ました偽物って可能性もあるんだから。何のために符丁を決めたんだよ」

「あっ。えーっと……プラウディテ(Plaudite)

「遅い」

 

 亜蓮がもう一度手刀を見舞う。

 玄関先での問答は適当なところで切り上げて、二人は畳敷きの客間に場所を移した。

 前回の聖杯戦争から七年間は使われていなかった屋敷だが、それを感じさせない程度には手入れが行き届いている。七年の間にも定期的に人をやってメンテナンスさせていたのもあるが、最も大きな原因は黎花の性格だ。すぐに使う部屋だけを片付ける亜蓮と違い、黎花は全体を片付けてから事に移る質なので、ほとんど全ての部屋がいつでも使える程度に清掃されていた。

 とりわけ、この客間は私室に次いで掃除が行き届いている。それというのも、いずれ亜蓮(らいきゃく)を迎えるときが来ると考えてのことだ。思惑通りに亜蓮が部屋の綺麗さに感心しているのを眺めて、黎花はこっそり微笑んだ。

 

「そ、それで、こんな夜遅くにどうしたの」

「用件は二つあるんだけど、そうだな……ランサーの具合はどうだ?」

 

 二つあるという用件のうち、亜蓮は一つ目の話題を切り出した。

 先日のグラディエーターとの戦闘は黎花にとって手痛い打撃であった。ランサーが重傷を負ったことで偵察手段が遠隔操作の人形だけになってしまい、情報収集能力の低下を余儀なくされてしまった。

 黎花が用いる偵察用の鳥人形は二種類。視覚のリンクが可能で遠見の中継点としても機能する紅水晶眼型と、映像および音声の記録に特化した黄水晶眼型だ。前者はリアルタイムの偵察が可能だが一度に扱える数が限られ、後者は大量に同時運用できるもののリアルタイムのリンクはできず、後で映像を一つ一つチェックする必要がある。

 これに変装スキルで一般人に成り済ますことができるランサーを加えることで、黎花は万全の偵察網を築いていた。しかし今日ばかりはその体制が崩されたせいで、ろくな成果を上げることができなかった。

 

「言われたとおり、抜糸はしておいたから。偵察くらいなら明日から……戦えるようになるにはもう二、三日、かな。専門分野じゃないから断言は出来ないけど」

「そうか……完治にはそれよりもう少しかかりそうだな」

 

 黎花は束ねた金属糸を座卓に置いた。心霊手術や錬金術の心得はないが、糸を抜く程度なら傀儡師としての技術で事足りる。

 ランサーの負った傷は、常人なら二度とまともに歩けなくなるほどのものだった。胸の方も片肺摘出は免れ得なかっただろう。それほどのダメージが四、五日程度で戦えるまでに回復するのだから、サーヴァントの再生力と錬金術を応用した治癒魔術の凄まじさが伺える。

 傀儡師は非生物を相手にすることが本業で、()()ならともかく治療は専門外。それだけにランサーの傷の治癒速度は新鮮ですらあった。

 

「あと、傷口にこいつを塗っておいてくれ。霊体(サーヴァント)に効くかどうかは分からないけど、まぁ多分、効果はあるだろ」

 

 そう言って渡されたのは、透明で粘り気のある液体が入った小瓶だった。水飴の粘度をもう少し下げたらこうなるだろうと思わせる見た目をしている。

 

「これは?」

「出来損ないのエリクシール軟膏。完成品ほどの効果はないけど傷薬としては十分だ」

「……ひょっとして、今日はずっとこれを作ってたの?」

「後で俺達が使う分のついでだよ」

 

 小瓶を受け取った黎花は笑みが浮かぶのを止められなかった。ついでとして作ったにしては量が多い。小瓶そのものも頑丈で簡単には割れそうにない高級品だ。つまりはそういうことなのだろう。

 

「え、えっと。それで、もうひとつの用件っていうのは?」

「ああ、それなんだけど……ランサーが完治してからで構わないから、偵察して欲しい相手がいるんだ」

「偵察なら私の人形だけでも」

「それは駄目だ。万全を期さないと危うい相手だから」

 

 亜蓮の眼差しは真剣そのもので、本当ならこんな頼み事などしたくないと思っているのが容易く見て取れる。それでも頼まざるを得ないということは、やはり聖杯戦争絡みのことに違いない。それも相当重要な案件だ。

 黎花が話の続きを促すと、亜蓮は言い難そうにしながらターゲットの名を告げた。

 

「碓氷清正。朝葉市のセカンドオーナーだ」

「え……どうして? 碓氷が聖杯戦争に関わっている様子はないんでしょう?」

 

 想定外の名前だった。碓氷清正は前回の聖杯戦争の主催者ではあったが、今回は関与している気配がない。今回の主催者である白銀継都と対面したときも、セカンドオーナーの直接的な協力を感じさせる発言は聞かなかった。

 確かに主催者の片割れは素性不明だが、それが碓氷清正であることは考えにくい。前回は堂々と主催者と参加者を兼任していたし、そもそも本家聖杯戦争の御三家も同じような立場だったのだから、関与を隠す意味が全くないのだ。

 こうした黎花の考えを、亜蓮は静かに否定した。

 

「だからこそ気味が悪いんだよ。いくら姉さんの行動が唐突だからって、魔術協会から霊地を預かるセカンドオーナーに話を通していないはずはない。協会に喧嘩を売るようなものだからな。それなのに、碓氷は表立った行動を何も見せていない……そこが不気味なんだ」

「……つまり、碓氷がマスターの一人だと思ってるのね」

「結論から言えばそうなる。主催側でもマスターでもないのなら、碓氷が姉さん達に霊地を貸す理由はない。聖杯戦争だなんて霊地の魔力をバカ食いする儀式をやらせておいて、地主に何の旨味もないなんておかしいだろ? それとも魔術師のくせにボランティア精神か?」

 

 黎花は口元に手をやって思索した。確かに筋の通った推論だ。本家本元でも遠坂家は霊地の提供をもって御三家に名を連ねたと聞いている。今回の聖杯戦争における土地の提供者が何の利益も得ていないとは考えにくい。

 その利益が主催サイドとしての権限獲得でないのなら、他に考えられる可能性は限られてくる。

 

「分かった、やってみる」

「助かる。うちのサーヴァントはそういうの全く出来そうにないからさ」

 

 亜蓮につられて黎花も苦笑する。あのバーサーカーのことだ、気配が消せないだけでなく、性格的にも明らかに向いていなさそうだ。普通の偵察を命じたつもりが、なし崩しで威力偵察に縺れ込んでしまうかもしれない。

 その点、地味で気長な裏方の作戦でも文句を言わず、変装スキルによって限定的ながらも気配遮断の代替ができる黎花のランサーは、戦闘以外の面でも何かと扱いやすい。そんなサーヴァントが動かせないというのは、やはり大きなマイナスなのだと実感する。

 

「それじゃあ、俺はそろそろ」

「あ、待って!」

 

 亜蓮が立ち上がろうとしたのを見て、思わず呼び止めてしまう。

 何も考えていない、反射的な行動だった。二の句が継げない。とにかく適当な事を言おうとしても、酸欠の金魚のように口を動かすばかり。亜蓮に怪訝そうな目で見られてしまい、頬が赤らんでいくのが分かる。伸ばし過ぎの前髪が表情を隠してくれることを期待しても、顔の赤さばかりはどうしようもない。

 好意を寄せる異性に帰って欲しくないという可愛げのある理由ではあったが、些か切り口が唐突過ぎた。これではただの変人だ。

 

「そ、そう! ちょっと待って!」

 

 脳裏を過った思いつきのままに客間を飛び出し、私室に置きっぱなしになっていた書きかけの手記を引っ掴んで戻ってくる。そしてすかさず、嵐のような往復に圧倒されていた亜蓮に手記を押し付けた。

 

「これ、もしものために書いてるんだけど、うまく書けなくて。よければ目を通してみてくれない?」

「あ、ああ……」

 

 気圧されるまま手記に目を通す亜蓮。

 最初こそ戸惑いが抜け切っていないようだったが、次第に表情が険しくなり、遂には露骨に眉間にしわを寄せ始めた。

 

「余計な情報が多過ぎるな。土地柄とか、協会経由で調べられることは省いてもいいだろ」

「やっぱり、そう思う?」

「それとだな……」

 

 亜蓮は手記で黎花の胸を叩くように押し付け返した。その目に浮かぶ感情は明らかな憤り。ただその憤懣の矛先は黎花には見当もつかなかった。

 

「こいつは遺言状のつもりか?」

 

 たった一言、その言葉だけで黎花は心臓が止まるような思いがした。

 次に感じたのは鼓動が高まっていく感覚。亜蓮は手記を読んだだけで理解し、そして怒っていたのだ。黎花がこの戦いで命を捨てることも厭わないでいることに。

 歓喜の鼓動が胸を打つ。亜蓮が自分のために怒っている。亜蓮が自分のために心を乱している。意識を傾けてくれている。歪みきった感情だという自覚はあるのだが、それでもなお甘美な喜びが湧き続け、黎花の思考を熔かしていく。

 

「手を貸してくれるのは嬉しい。けど、俺なんかのせいで死なれるのは死んでもごめんだ。頼むから自分が生き残ることを一番に考えてくれ」

 

 黎花は無言で首肯した。

 性感にも似た悦楽が肚の底まで沁み渡る。表情まで蕩けていないか不安がる恥じらいだけが唯一の冷静な思考だった。

 白銀亜蓮という少年に恋慕するようになってから、ずっと()()だ。亜蓮に想いを向けられること自体に喜びを覚えてしまう。今のように真摯な想いをぶつけられたらもう駄目だ。

 こればかりは遺書にも遺言状にも書き残せない。黎花が秘める心の秘密(シークレット・ガーデン)であった。

 

「ご、ごめんなさい。でも、その、当主だから、一応、ね」

「……そうか。それもそうだ。俺とは立場が違うんだから、こういうのもしょうがないか」

 

 亜蓮本人としてはごく普通に合点しただけだったのかもしれない。事実、単なる納得以外の何物でもなかったのだろう。

 しかし、黎花の目には亜蓮の反応がネガティブなリアクションとしか映らなかった。亜蓮を傷つけてしまったという罪悪感に血の気が引く。赤らんだ頬が瞬く間に青褪め、昂った感情が躁鬱の断崖を真っ逆さまに落ちていく。

 結果、髪を振り乱して亜蓮に縋りつくという醜態を演じることになってしまった。

 

「違うの! そういう意味じゃなくて!」

「うわっ! お、おい、落ち着けって!」

「私、亜蓮君のこと、悪く言うつもりなんて……!」

「分かってる! ていうか、どこが悪かったんだよ、今の!?」

 

 主に黎花のせいで客間が混乱の坩堝と化してしまう。

 そんな様子を見つめる瞳がふたつ。隣室との区切りの襖の隙間から、実体化した霊体の鳶色の瞳と黄水晶製の猛禽の瞳がひっそりと様子を窺っていた。

 

「うわぁ、これが世に云う修羅場というものですか。あー、音、撮れてるかな。とにかく拙者、入るに入れません。逢引かと思って観賞していたらこの有り様です。とりあえず記録は続行中」

 

 映像記録用の鳥人形を抱えたランサーが、気配を消してマスター達の騒動を眺めている。ここに居合わせたのも手頃な鳥人形を捕まえたのも全くの偶然で、人形に録画させ始めたのもただの気まぐれだったのだが、結果として物凄い光景を記録することになってしまった。

 後にこの映像に気が付いた黎花が一騒動起こすことになるのだが、それは聖杯戦争とは関係のない話――

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