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ガブリエルを倒したディバルは、七陰ガンマの魔力を察知し転移魔法で移動する。
「ガンマ……状況は?」
「ディバル様……主人様が「強欲の瞳」を一時的に無効化するアーティファクトの最終調整段階です。直ぐに動けるようにしております」
「やはり、アーティファクトか…」
魔力を阻害する結界が貼られている。魔力が使えない事はないが、強引にこじ開けるか、魔力を細くし練るそうすれば、魔力を駆使できる。
普段通り動けるのは七陰かシャドウくらいだろう。ナンバーズでさえ半分程しか力を出せない。
ガンマの話によるとその強欲の瞳の効果を無効化するアーティファクトが存在するらしいが、このレベルを無効化するとなれば、国家最高峰の知識がなければ不可能だ。
あいつにそんな知識があるとは思えない。協力者がいるな。
「ディバル様……ここにくる前に戦闘をしてきましたか?ディバル様の大きな魔力を感じていました」
彼は、ここにくる前に上級魔法を使っていた。多くの魔力を消費する。七陰レベルの感知力なら察知する事も容易い。
「……俺を殺したい奴に襲われてな」
「愚かですね。ディバル様の命を狙う不届者がいるとは」
色々聞き出したかったが、時間がなかった。それに、今頃あいつらが復活していても俺にとってはどうでもいい事だ。できれば、戦いたくない物だ。
「今後、もし魔法を使う者がいたら俺に報告してくれ。俺が対処する」
ガンマの顔が曇る。
「ディバル様が対処するのですか?」
「そうだ……こればかりは譲れない」
俺の部下の一部は転生しているかもしれない。だが、それもほんの一握りだろう。仲間より敵の方が多い。ガブリエル以外の四大天使及び、奴らの親玉、女神も蘇っている可能性もある。
天使族の特徴は「再生」。故に自身の魂を再生する魔法も開発しているかもしれない。
七陰なら、四大天使に勝つ事も可能だろう。だが、それ以下のナンバーズは、勝てない。
彼が最も恐れている事は、仲間の死。前世で魔族の頂点に立っていた彼は、多くの部下がいた。しかし、「人魔大戦」で部下の全てを失った。ある種のトラウマになっている。
「……承知いたしました。」
彼女は、彼の判断に頷く。
「悪いな……無茶を言って」
「いえ……大丈夫ですお気になさらず」
何も詮索してこないのだな。俺の事を深く詮索しないでくれるのは助かる。俺は、多くの命の犠牲で、今があるのだから………。
「もう誰も失わせない」
誰にも聞こえない声で彼はそう呟くのだった。
――――――――――
「あれ?……師匠も来てたんだ」
数時間が経過して日が降りて来た頃。シャドウが転移魔法で現れる。
「あぁ……調査を進めていたら教団に先手を取られてしまってな」
「そうなんだね……学園の皆は無事なの?」
「無事だ……それでアーティファクトの解析は終わったか?」
「うん。そろそろこの状況も終わるね」
そろそろだ。強欲の瞳の効果が切れた時、俺達が動く合図だ。解析を進めた子に礼を言いたいくらいだ。俺なら面倒だからぶち壊すが……
シャドウとそんな事を話していると大講堂が眩い光で満ちる。
「行くぞ……」
「さぁ……陰の実力者の舞台開演だ」
sideローズ
魔力が解放され、彼女は直ぐに行動に出た。手刀で男の首を断ち切る。首から上がなくなった男の死体から剣を奪い、それを天に掲げ吠える。
「魔力は解放された!!立ち上がれ、反撃の時だ!」
大講堂に響く声。それは、生徒達を鼓舞する。一人の少女が瞬く間に拘束を断ち切り、他の生徒達の拘束を解き開放する。
皆が一丸となり生き残る為に敵へと向かっていく。
ローズは自身の魔力を解放し、黒ずくめの男達を吹き飛ばす。後先を考えずに剣を振るう。
「生徒会長に続け!!」
敵意、喝采、それらを受けながら数多の敵を葬り戦い続ける。
誰もがその姿に目を奪われる。
だが、それは魔力を放出続け後先を考えておらず無謀でもあった。膨大な魔力を有していても使い方がなっていないから、直ぐに魔力は底をつく。それは、彼女も例外ではなかった。
限界が近い。ローズもそれはわかっていた。
徐々に動きが悪くなり鈍くなる剣筋。鉛のように重くなる肉体。
それでもローズは、希望を捨てていなかった。あと少し、もう少し……その思いとは裏腹に、ローズは囲まれてしまった。
ローズは悟った。自身の死を。しかし、大講堂は熱気に包まれていた。たとえローズが死んでもこの進撃は、止まることはない。
死を目の前に彼女の頭の中に浮かんだのは一人の少年だった。
彼女は、最後の剣を振った。魔力がほとんど込められておらず、力も入っておらず、速くもない。
だが、彼女の人生の中で一番綺麗な一撃だった。死の間際に何かを掴んだ。
その一撃は美しく、敵の首を跳ね飛ばした。
四方から降り注ぐ刃を見据えながら、願う。
生きたいと…………。
そして。
その願いは、叶う。
上空から何かが降りてくる。漆黒のロングコートを見に身に纏った一人の男だった。
直後、鮮血が舞う。周囲の敵が地に伏せ絶命する。
「見事だ、美しき剣を振るう者よ………」
その賞賛は、ローズに向けられた物だった。先程の一撃の事なのだろう。しかし、ローズは、そんな言葉よりも衝撃の方が強かった。
「我が名はシャドウ」
シャドウと名乗った男の剣は……常識では測れない程、凄まじかった。
「来たれ……我が忠実なる配下よ……」
天に手をかかげ青紫の魔力を放つ。その光がこの空間を満たしながら、黒装束の一団が大講堂に飛び込んで来た。
新手が……?
ローズの不安は、杞憂に終わる。
黒装束の集団は即座に黒ずくめの男達と戦い出したのだ。
黒ずくめと違い黒装束の一団は、全員が女性だ。そして、何より。
「強い……」
ローズ達が苦戦していた相手を一気に殲滅していく。黒装束の集団が振るう剣は、どの流派にも当てはまらない。
全く新しい剣の流派。
「シャドウ……結界を張った。首謀者を捉えるぞ」
「!?」
シャドウの隣に仮面を付けた人物が現れる。
(いつからそこに?)
ローズもそれなりの実力者だ。そんな彼女でも仮面の男が近付いていた事に気づかなかった。
「この魔力……」
彼の魔力を見て彼女は、感じたその異質さを。
背筋が凍る様な冷たさ。ローズの意思に反して体が震える。
彼女もそれなりの実力者だ。そんな彼女でも、魔力だけでここまで恐怖を感じた事は、なかった。
シャドウとは違った強者。肌でそれを感じる。
「ローズ・オリアナ。お前含め生徒を逃す」
仮面の男は此方を見てそう言う。仮面は、白黒で分けられており笑っていてとても不気味だった。
「貴方達はいったい……」
「……………」
彼女の問いに対して、彼の答えは沈黙だった。答える気がないのだろう。
「テレポーテーション」
彼がそう呟いた瞬間地面に魔法陣が浮かび上がる。範囲を拡大し大講堂にいる生徒を学園の入り口まで転移させた。
「ここは……」
次の瞬間、ローズ達の視界に映し出されて光景は、燃え盛る学園だった。
「シャドウ……それとあの男は……」
ローズの呟きに帰ってくる言葉はなかった。
ここまで読んでくれてありがとうございます。駄文ですがこれからも読んでくれると嬉しいです。
シェリーをガーデン入りにするか
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