FGO第一部RTA:DLC実績《禍福は糾える縄の如し》取得   作:禍禍冴月

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酷暑が収まるようで全然収まらないので初投稿です。


セプテム編 その2

 

 

 

 

 ゲロ吐きながらゲロ掃除するRTA、はぁじまぁるよ〜! 

 

 前回はマーリンとレ/フのクソ長会話を聴き流した所まででしたね。

 

 ちなみにあのマーリンとの会話、幻術に掛けられる度にランダムで発生な上、その幻術の頻度がこれまた完全ランダムなのでこればっかりは発生しないように祈るしかできません。

 もう許せるぞオイ! (RTA走者の慟哭)

 

 一時期は禍たんが特異点やカルデアに被害をより多く与えるほど幻術の発生頻度が上がるとか言われてましたが、有志兄貴姉貴の調査の結果、あの野郎そういうの関係無く幻術掛けてくるだけでしたわ。

 やっぱりランダム要素はクソだよクソ! 

 

 

 愚痴は一旦ここまでにしまして。とりあえず『空間掌握』で禍たんの現在地を把握しましょ 。

 はい、特異点の南西付近、それも端っこも端っこの所に居ますね。これもマーリンのせいで、特異点に侵入した時に魔術で座標をズラされております。というのも、長い間禍たんを幻術で閉じ込めるにあたってなるべく人気の少ない場所を選んだって理由があります。まま、今回は許したる(寛容)。

 

 しかしマーリンの幻術イベントを引く度に特異点の端っこまで飛ばされるのでその分ロスです(無慈悲)。なんで今後はホントにあのイベント引きたくないです。フリじゃねぇゾ。

 

 

 とりあえずこのまま『空間掌握』でカルデア一行の位置を把握しておきましょう。カルデア一行の人数は3から4人に収まってる方が良いです。事故率低下の為にも最初っからマシュ以外のサーヴァントを連れてくれてれば最高や。

 

 前回のオルレアン特異点みたいに所長が紛れ込んでるとかマジやめて下さいお願いします。セプテムにまで来るといよいよもって立香ちゃん含め流れ弾で氏ぬルートが多くなってくるんだからフォローすんのクッソキツイからさ! 

 

 

 所長来んな所長来んな所長来んな所長来んな!!! (魂の懇願)

 

 

 ……。

 

 

 …………。(マップ操作中)

 

 

 おっ、見つけました。立香ちゃんにマシュ、フォウ君。それに未確認の反応が1つ。計4つの反応が固まってます。

 未確認の反応は禍たんがまだ対面で見ていない、顔を把握していない相手という事です。特異点F時点で立香ちゃんマシュ所長と対面してるので、この特異点に所長は入ってきてない事が確認できました。

 やったぜェ!!! (狂喜乱舞)

 

 

 んで割かし近くの方に大量の反応がしっちゃかめっちゃかぶつかり合って盛りあってます。これはネロ軍とロムルス側の連合皇帝軍がドンパチかましてる所っすね。この後にカルデアがネロ軍に味方してそのままネロ軍の客将として迎えられる事でしょう。

 普通(のルート)だな! 

 普通が1番! (安定主義走者)

 

 

 んじゃ一安心した所で移動しときます。超スピード!? 

 

 

 因みにレフ君は禍たんと別れたその後すぐに、カルデアをぶっ壊ーす! する為にアルテラを召喚してレ/フされます。かわいそ……いやそうでもねぇわ。

 

 アルテラは召喚後即禍たんを狙う訳ではなく、こっちから接近したら徹底的に狙ってくるので、タイミングが合うまで迂闊に近付かないようにします。

 

 

 で、何故このタイミングでマーリンの幻術から脱したのかというと、カルデアとネロを生存させる為ってのがあります。

 巨神ルートに突入すると通常ルートより敵が強化される上、このDLCだと更に強化されます。難易度調整ヘタクソか? 

 狂いそう……! (静かなる殺意)

 

 ここまでカルデアに経験値を融通効かせてはいきましたが、それでも巨神ルートの敵はカルデアにとって「一応倒せはするけど被害も出るし厄介極まりない」戦力であり、数で押されると敗北したりします(2敗)。経験値はその分たっぷり貰えるんすけどね。

 

 ネロはこの特異点だとサーヴァントではなくまだ人間である為、軍を率いてるとはいえカルデアと比べ敗北率もグンと上がります。

 なのでカルデアとネロ軍を合流させてから巨神ルートの敵を湧かせた方が安定性が段違いになります。敵が大量に湧き出てる所に突っ込まない限りはあんまり負けません。

 

 まぁ合流したとはいえ、ちょっと離れた所を各個撃破されてそのまま総崩れとかありますから油断できませんけどね(2敗)。単独行動とかしちゃダメ! ダメ! 

 

 

 そんでゲーム画面では禍たんが倍速で移動中です。行き先についてですが……おっ、大体ここら辺ですかね。お目当ての相手がいらっしゃいますわゾ。ここで状態を「魔人」に変更しときます。

 

 

 

 

 

「ネ、ロ……!」

 

「ネロ、ネロ、ネロォォォ……!!」

 

「我が、愛しき、妹の、子よ……!」

 

「その、命、その、体……全て、全て、捧げよ、捧げよ……!」

 

 

 >……異様な雰囲気の男が、虚ろに言葉を吐き散らしながら荒野を彷徨っている。

 

 うあああっ

 カ……カリギュラが特異点を練り歩いているっ

 

 >正気を失っている様子だ。男から感じ取れる感情は、その多くが何かに対する狂気的な殺意ばかりだ。

 >……苦痛と、誰かに対する愛情のようなものも、僅かに感じ取れる。

 >……異様なのは雰囲気だけではなく、男の魔力と体に刻まれた紋様のようなもの。

 >……体の輪郭に沿うように紫と金色の紋様が枝走り、尋常ならざる魔力を立ち登らせている。

 

 と、いう訳で発見しました叔父上です。

 そしてテキストから見て分かるように、霊子収集体(ヴォイドセル)に侵食されてますね。この時点で巨神ルート突入が確定しましたね。クソがッ! 

 

 >……何かに、汚染、されている……? 

 >それに、魔力の流れがおかしい。

 >大気の魔力が渦巻き、男に向けて吸収されていっている……。

 >……いずれにしろ、放置していたら少し不味い気がする。

 

 

 おし、じゃあチャチャッとやる事やっちゃいましょう。

 

 これから更なる経験値の為、ヴォイドセルに禍たんの魔力を吸収させます。

 

 つーわけで背後から魔力弾喰らえオラッ! 

 

 

「ヌゥゥッ!?」

 

 全弾直撃しましたが、思ったよりHPが削れていません。DLC強化+ヴォイドセルの汚染による霊子強化の合わせ技で耐久力がバリ高になってますわゾ。

 とりあえずここは超必殺技を使わず、引き続き魔力弾で攻めていきます。

 

 

「……黒、の、巫女……」

 

「おぉ、おぉ、巫女、巫女、よ……!」

 

「捧げよ、捧げよ、その体、その命、その、力……!!」

 

「────捧げよオォッッ!!!」

 

 >地を裂くような男の咆哮が響き渡ると同時に、魔力が噴き上がる。

 >男の殺意が渦を巻き、吹き荒れ、猛進と共に襲い来る……! 

 

 という訳でカリギュラ(汚染)との戦闘開始です。

 つっても倒す事が目的ではなく、あくまで禍たんの魔力をひたすらに当ててく事となります。

 カリギュラ自身、特殊な飛び道具も変な挙動する武器も持っていない拳で抵抗する系のシンプルバーサーカーなので、冷静に動きを見切って対処しましょう。

 

 

 で、カリギュラは初手突進をかましてきます。

 この突進は掴んで投げに派生させられるのでサイドステップで避けて、振り向かれる前に魔力弾を連打連打。

 

 

「ガ、グゥッ!!?」

 

 >……? 

 >……魔力の動きが変だ。

 >放った魔力が、大気ではなく男の中に吸収されている。

 

 >……私の魔力は、生命体を蝕む毒のような物だ。浴びる程度でも効き過ぎるというのに、内部に蓄積ともなればその影響は……。

 >……魔力を撃ち込む攻撃は、控えた方がいいかもしれない……。

 

 

 ここでこのゲームのヴォイドセルの仕様についてなんですけど、周囲の魔力を吸収して自分の物にするって性質があります。

 なのでヴォイドセルに汚染されたサーヴァントと接触したりすると魔力が吸収されてどんどん相手が強化されてったりします。

 ほんへの方でもこっちのサーヴァントの魔力が吸収されてどんどんジリ貧にされてく光景ってのは珍しくありません。

 

 

 で、このヴォイドセルくんはですね。

 禍たんの魔力を一定量吸収すると崩壊します。

 ヴォイドセル側が禍たんの魔力に耐え切れなくなるからですね。えぇ……? (ドン引き)

 

(魔力が)太すぎるっピ! (自壊)となって消滅し、ヴォイドセルに汚染されてたサーヴァントは改めて禍たんの魔力に汚染されて暴走します。

 

 その暴走サーヴァントは倒すと経験値をたんまり落としてくれるので……今回はこれを利用してカルデアに経験値を獲得させます。

 

 禍たんがテキストで魔力を使った攻撃を控えるよう警告してくれてますがそんなん無視だよ無視! 

 大切なのはタイムだからね、仕方ないね。

 カリギュラには今から犠牲になってもらいますが、コラテラル・ダメージという事で。許せサスケ。

(魔力を)あげるわ貴方に(ケツデカ贈呈)。

 

 

「オ、オオオォォォォ!!!!」

 

 

 カリギュラがこの叫び声を上げたら勢い良く飛び込んで殴りかかってくるので、当たる寸前にタイミングを合わせて回避。

 

 一部の攻撃をジャストタイミングで回避出来た際、その恩恵として周りの時間が一定時間遅くなり、その隙に反撃を叩き込めます。有り体に言うとゼルダでいうラッシュです。

 何か禍たんが周囲の空間に流れる時間を少し遅らせているとか何とか……。

 

 とりあえずがら空きの背中が見えますのでそこへ『ディメンションスフィアα』と魔力弾を交互に撃ち込みます。

 

 

「ヌゥゥゥウウゥ!!!?」

 

 

 魔力弾か『ディメンションスフィアα』を撃ち分けてるのはダメージ調整の為です。

 あと魔力の侵食率的にこうした方が一番手っ取り早いです。

『ディメンションスフィアα』だけだとカルデアと戦わせる前に倒しちゃいますし、最後の仕上げの際に一気にダメージを与える影響で撃ち過ぎもよくありません。なので交互に撃ち分ける程度にしておきます。

 

 大体5発ずつ当ててったらカリギュラのHPが良い感じに削れてくる上、動きが変化していきます。

 

 

「──ヌ、グ、ゥゥゥ■ウゥ……!?」

 

 

 >……男の様子がおかしい。

 >もがき苦しむように呻き、動きが鈍くなっていく。

 >魔力が男の内側で蠢く度、呻き、苦しむ声が漏れている。

 >……吸収した私の魔力に侵食されている為だろう。魔力を使った攻撃は、これ以上はやめておいた方が……。

 

 はい、ある程度禍たんの魔力を吸収してしまい侵食も始まってきました。禍たんもメッセージで警告を重ねてきますが無視! 

 

 

 ここで手早く魔力をカリギュラに注ぎ込む為に、このメッセージが出たタイミングで相手がよろめくのでその隙にワープでカリギュラの背後に回り込みましてと。バクスタの時間です。

 

 お祓い棒を突きの姿勢で構えながら溜めまして。

 その無防備な背中に、ヨシ、じゃあぶち込んでやるぜ(下賜)。

 

 

「グォオォ■■オオ■オォッッ!?!?!?」

 

 

 ブスリ♂

 お祓い棒の突き攻撃でバクスタをキメる事で、確定でぶっ挿し攻撃が発生します。

 そんでこのバクスタですが……

 

 

「ガッ、アアア■■■ァ■ァアアッ!?!?!?」

 

 

 相手の体に捩じ込んだお祓い棒から魔力をドバーッ!! (迫真)っと放出して体の内部に魔力を浸透させるとかいう血も涙もない追加ダメージを発生させた後、相手を蹴り飛ばしてお祓い棒を無理やり引っこ抜きます。通称『即ハメ』です。おまけで相手に呪いやら毒やらのデバフが付けるせいで『性病感染』とか言われてます。

 ちなみに私は『即ハメ』派です(隙自語)。

 

 

 某太陽の子のリボルクラッシュよろしく、相手の体内に直接魔力をぶち込むお陰でカリギュラへの魔力侵食がめっちゃ進みます。その分与えるダメージも相応に高いので近接戦闘で大ダメージを狙いたい時は重宝します。

 カリギュラにバクスタできるチャンスは1回きりなのでハメる時はしっかりタイミング良くハメましょう。

 

 

 バクスタをぶち込んだら復帰後のカウンターを喰らわない様に離れつつ、魔力弾を浴びせて、パパパッとやって、終わりっ! 

 

 

「────ッ、グ、ゥ■■!?」

 

 

 >…………! 

 >男の様子が更に変化する。

 >魔力の渦巻く異音が鳴り響く。それと共に、苦悶に喘ぐ男の体中に魔力が浸透し、肌に走る紋様が黒く塗り潰されていく。

 

 >紫と金が、何も映さない黒へと、押し流されて、剥がれ落ちていく。

 >汚染されていた男の全てが、私の魔力に侵されていく……。

 

 

「───ォ」

 

 

「────オ、■■■オ■■オ■■■オォッッ!!!」

 

 

 >おぞましい瘴気を孕んだ絶叫を吐き出しながら、男は猛り、荒ぶり、吠え立てる。

 

 >……私の魔力と混じり合い、その瞳に宿る殺意は、怨嗟と慟哭に飲み込まれた。

 

 

(汚染)工事完了です……。

 はい、ヴォイドセルは消滅して代わりに禍たんの魔力に塗り替えられました。

 この状態になると攻撃力防御力共に増加、破壊力抜群な脅威のパワー系サーヴァントに大変身! 

 つよそう(小並感)。

 

 ちなみに一応大体のサーヴァントにこの禍たん魔力汚染を施す事は可能で、わざわざその形態専用立ち絵やスキルも用意されてたりします。

 泥化ともオルタ化とも違う新たな形態変化差分に(膨大な工数)感じるんですよね? 

 

 

「ガ■■アァァ■■■ッ!!!!」

 

 

 メッセージ消えた直後に速攻飛び掛かってくるのでここで『葬攻襲鬼斬』を合わせてスタンを取ります。

 大体叫び声が聞こえてから打てば間に合うのでそんな焦らずでいいです。

 

「ギッ、イィ■■ィ!!!」

 

 んじゃここで一瞬『空間掌握』して……カルデア一行とネロの軍があっちの方向にいますね。

 

 そっちの方にちょっと角度調整して。

 ここでお祓い棒を両手で持ち替えまして。

 そんでもって思いっきり振り被ってーの。

 

 

 メルヘーン、ゲットォ!! 

 

 

「グ、ゥオ■■■■オオオ■■■■■オオッ!!?!?!!」

 

 

 

ホームラン

 

 

 >お祓い棒を振り被り、男の体へ思い切り振り抜く。

 >衝撃波の轟音を伴い、男は叫び声を上げながら遙か地平線の彼方まで吹き飛んでいく……。

 

 >……みるみるうちに男の姿は小さく、やがて見えなくなっていった……。

 

 

 乙女は強くなくっちゃね! 

 

 

 はい、これでカルデア側に汚染カリギュラが吹っ飛んでいくんでそれを倒してもらって、終わり! 

 禍たんの魔力に汚染されたサーヴァントはひたすら暴走して周りの敵に手当り次第に襲い掛かるので、タゲはカルデア側に押し付けられます。特異点Fでシャドウバーサーカー相手にやった事と同じっすね。

 

 カルデアの今の戦力で倒せんの? とはなると思いますが、禍たんの魔力に汚染されたサーヴァントは何もしないと自動的にHPが削れてく上、今の吹っ飛ばしでカリギュラのHPが残り2割切ってましたので、パワーレベリングをしてくれた今のカルデア一行なら経験上では倒してくれます。

 

 かなりギリギリを攻めてるようですが大丈夫です、私が発見したチャートの中ではこれが一番安定しています。

 実績を取る都合上、誰かにこれをして貰うあれをして貰うと委ねる場面が多いので、拓也の筋肉バランスのようなガバガバガタガタ不安定チャートを組むと一気に瓦解します。

 瓦解しました。(8敗)

 お前のケツガバガバじゃねぇかよ(自罰)。

 

 失敗は成功の母だし良いんだよ! 大事なのは失敗から学ぶ事ってそれ一番言われてるから。なのでガバってもOK! (開き直り)

 

 

 

 はい。

 といった所で今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 

 

 

 

 第一の特異点オルレアンの攻略を終えたカルデアは、早々に次の特異点の観測を行う事ができた。

 

 特異点の座標は、西暦60年の古代ローマ帝国。

 セプテムと呼称されたその特異点は、数日の休息と諸々の準備を万全にした後にレイシフトが敢行された。

 

 前回のオルレアンの時の様に何故かレイシフトメンバーに加わっていなかったオルガマリーがセプテムにレイシフトしている、といったトラブルはなく、無事にマスターと同行サーヴァント数名のレイシフトに成功。

 

 その後、つつがなく探索を進めていた最中、現地の協力者を得ることができた。

 

 

「よぅし、では改めて加勢した事、余自ら感謝を述べよう。見事な戦いっぷりであったな!」

 

 

 紅き華の様に可憐、しかして暴君の如く熾烈な炎を宿す剣を携える、尊大な口調の男装麗人。

 名をネロ・クラウディウス。

 ローマ帝国第五代皇帝、豪華絢爛の宮殿を築き、市民を愛し愛された、薔薇の皇帝。

 

 皇帝ネロがローマの地を収め、未だ止まらぬ繁栄を謳歌しているとされるこの時代に、『連合帝国』と呼ばれる本来の歴史とは異なる軍勢が突如出現。

 

 ネロと連合帝国の軍勢が争っている所へカルデアがネロ側へ介入、助太刀を行い連合帝国側を撃退。この時代を訪れた自身らの目的を明かし、ネロの信頼を得る事ができたのだった。

 

 

「……にしてもマシュ、ネロって女の人だったんだね」

 

「はい、そこには私も驚きです。……先程お聞きした所、男装をしていると仰っていたので、恐らくそこの部分だけが歴史の記録として残ったのでしょう」

 

「む? 余を讃える話か? ほれ、そのようにこそこそ話さずもっと堂々と、具体的には余に聴こえる様に話すが良い!」

 

 

 ネロが収める都市へと進む道すがら、皇帝という身でありながら、朗らかであり、尊大でありつつも親しみを感じさせるネロの雰囲気に絆され、穏やかに談笑を続けるカルデア一行。

 

 そこへ水を差すかのように、通信機越しから警告音が鳴り響く。

 

 

《───ッ!? 皆! サーヴァント反応だ! 猛スピードでそっちに接近してきて、うわヤバい!? もう接触する!? 健脚にも程が有るだろ!?》

 

 

《っ、落ち着きなさいロマ二! 聴こえる藤丸、接触は避けられないから、落ち着いて対応と対話、ないし撃退を……》

 

 

 ロマニと異なり、所長という立場からか努めて冷静に対処しようとした声色が、コンソールに映る物を見て固まり、乱れる。

 

 

《……嘘っ、まって、この魔力波形、いや、どうして……!》

 

「所長!?」

 

 

 突如として観測範囲外から入り込んできた反応。それから発せれる魔力反応とその波長が映し出されていた機器の画面を見て、ロマ二の脳裏であるものと結び付き、反射的に叫んだ。

 

 

《これって『黒の巫女』の魔力!? まずい、皆逃げ───》

 

 

 ロマニが悲鳴に似た言葉を言い終わる間もなく、空より飛来した物体が立香達の目の前に着弾、爆撃のような衝撃が響き渡る。

 

 

「ヌ、■ゥゥウゥ■ゥ……!!」

 

 

 巻き上げられた多量の土煙の中、衝撃の爆心地から怨嗟に満ち満ちた呻き声が、そこに居る者の悪寒を噴き上げるような悍ましい存在感が放たれる。

 

 

「っ、あれは……」

 

「……報告します! 黒の巫女ではありません、未知のサーヴァントです! ですが、この魔力は……!」

 

 

 

「ォォ■、オォ、■オォ……!!」

 

 

 

「……伯父、上?」

 

 

《何だって!? 彼女、今確かに伯父って言ったのかい!?》

 

 

 ネロ・クラウディウスの伯父と呼ばれた、本来この時代には存在していない目の前の男こそ、古代ローマ帝国三代皇帝カリギュラ。

 月に愛され、狂気に呑まれ、暴虐の限りを尽くしたその男の姿は、実に痛々しいものだった。

 

 筋骨隆々とした体中に無数に刻まれた生傷、赤黒い血液はぼとぼとと垂れ落ち、血反吐を吐き散らしながらも喉を震わせ叫ぶ。

 

 

「■、ロ……ネ■、ネロ、■ロ、ネロ■ォォ……!!」

 

 

「捧■よ、その命、■げよ、その■……!!」

 

 

「我が、振る舞■は、運命、で■る……!!」

 

 

 

「────■、げよォオォ■ォォ!!!!」

 

 

 悲鳴、怨嗟、怒号、哀叫、狂乱、殺意。

 誰とも知れぬ、積もり重なった声がカリギュラの言葉にノイズのように混じり、聞く者の怖気を満たす。

 男の絶叫と共に、その負の感情が瘴気となって周囲へとばら撒かれ、大地が穢れに侵されていく。

 

 その瘴気はカリギュラを中心に吹き広がり、カルデアとネロの軍勢を包み込んでいく。

 途端に、兵士達は体に痺れが回ったように動きを鈍らせ、ある者は苦痛に呻き、ある者は恐慌に叫び、ある者は悲鳴を上げて失神した。

 

 

《ッ、まずい! 『黒の巫女』の瘴気だ! 全員そこから離脱しないと!?》

 

 

『黒の巫女』の瘴気。

 濃縮された負の感情を宿した体から漏れ出るその穢れは、触れた者の精神を侵し、様々な悪影響を及ぼす猛毒。

 

 それに触れてしまったネロも例外ではなく、激しい頭痛を引き起こされたように頭を抱えて蹲り、美しい顔を歪めて苦痛に喘ぐだけとなってしまう。

 

 

「ォ■オォ■ッ!!!!」

 

 

 蒼白く燻る穢れを身に纏い、カリギュラが地を踏み砕く。

 衝撃波と破砕音を伴いながら突進する先は、瘴気を受け剣を支えに膝を付くネロと、それに肩を貸そうとする立香の元。

 立香はカルデアの魔術礼装により瘴気の影響を抑え込まれ、ある程度自由に動けはすれど、人一人を背負ったまま、まして圧倒的膂力を持ったサーヴァントから逃れられる程の力を有していない。

 

 握られた硬い拳がネロの頭蓋を砕かんと振り上げられ……マシュの持つ盾がその行先を阻み、重い鋼鉄がぶつかり合うような鈍い音と衝撃が響く。

 

 

「く、ぅ……ッ!!」

 

「マシュ!」

 

「マスター、皇帝陛下! 下がってくださ、あぁ……ッ!!」

 

 

 

 拳と盾の拮抗は一瞬を経た後に、カリギュラが強引に拳を振り抜く事で破られ、マシュは耐え切れずそのまま前方へと吹き飛ばされる。

 

 

「ガ■ァァ■■■■!!!!」

 

 

 邪魔な壁を打ち払い、自身が殺すべき、手折るべきモノを視界に収めたカリギュラは、蒼白い瘴気を立ち上らせた拳を再び硬く握り、狂乱の雄叫びと共に振り下ろし───

 

 

 

「───風王鉄槌(ストライク・エア)!!」

 

「ヌ■ゥゥウ■ゥッ!?!?」

 

 

 拳が届く寸前、カリギュラの横合いから暴風の壁がブチ当たり、たたらを踏んだカリギュラの体ごと捲き揚げ吹き荒ぶ。

 

 

 窮地を救った嵐のごとき風の出処は、星により鍛造された、光り輝く聖剣。

 それを構えるのは、青のバトルドレス、白銀の甲冑を身に纏う凛々しき騎士。

 

 

「ッ、アルトリアさん!」

 

「マスター、兵士達と共に後方へ避難を! この瘴気は人間には危険過ぎる!」

 

 

 今回の特異点において、カルデアに召喚された中で最も適性アリとトリスメギストスによって判断され、マシュと共にレイシフトに同行したサーヴァントの一騎。

 偉大なる騎士王、アルトリア・ペンドラゴン。

 

 暴風によりこの場からカリギュラを大きく引き離すと共に、この場に蔓延していた魔力の瘴気を残らず吹き飛ばした。

 続けてサーヴァントと戦えぬ一般兵士と共に避難を行うように告げ、カリギュラが戦線へ復帰する前に追撃を始めんと駆け出していく。

 

 

 

「ぬ、ぐ……済まぬ、リツカよ……」

 

 

「しっかり、陛下……っ!」

 

 

「ぐ、ぅ……っ……いつもの比では、ないな……っ」

 

 

 

『───誰か、居らぬのか────』

 

 激しい雑音と苦痛に苛まれるネロの脳裏に、ノイズのように映像が差し込まれる。

 

(……っ? ……なんだ、これは……)

 

 

 走馬灯かと頭に過ぎるが、その可能性はない。

 走馬灯とは死の間際に瀕し、これまで見聞きした光景の中から死から逃れるための経験を思い返すが故に起こるもの。

 

 

『───余は、今から───』

 

 

(いや、余は、知らぬ……はずだ。このようなものは……)

 

 

 陽の沈む荒野の果て。

 孤独に怯えるように発せられる自らの声。

 自分一人だけ取り残されたような、寂しい光景。

 ネロにとって、今流れ込んできている光景は知らぬもの。

 

 

『余は、死ぬのだぞ───!?』

 

 

 心を磨り潰すような孤独も、誰も伴わず、荒野の只中で震える手でナイフを握り締めていたような経験など、ありはしない。

 その筈であるのに。

 

 

(……余は、知っている、のか……?)

 

 

『───、……そう、か。余を看取るのは、其方、なのか』

 

 

 恐怖に怯えつつも、確かに孤独が柔んだような自らの声を聞き、ネロの意識は苦痛によって途切れた。

 

 

 

 




(感想と評価)もっとちょうだぁい……!(欲張りクソガバケツ野郎)なので失踪します。
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