【目指せ】ORTの倒し方とついでに聖杯を探すスレ【極限の単独種】 作:暴走樹海奇行ワイモ・オルトヤー
今回は掲示板が無い⋯⋯だと?
多分今までで最も残酷な描写があります。注意して読んでください。
作者からの一言「あなた達のために⋯⋯折るね」(CV:東〇奈央)
ゴルゴン三姉妹を知っているだろうか。
ギリシア神話に登場する女神達であり、アテナの怒りを買って怪物に変えられ、ペルセウスによって討伐された存在でもある。
上から長女のステンノ、次女のエウリュアレ、三女にして末妹のメドゥーサ。こと型月世界においてはクローンのような関係であり、完全であるステンノとエウリュアレは瓜二つの外見をしており不死身。しかし、末妹のメドゥーサは不完全であり成長する上、不死ではない。
そう、ペルセウスによって討伐されたのはメドゥーサだけであり、姉達は討伐されることがなかった。⋯⋯というより、討伐出来なかったと表現した方が適切だろうか。アテナが怪物に変えても神としての不死性は健在であり、サーヴァント化した時の外見も怪物としての側面ではなく偶像⋯⋯即ち女神としての側面が強く反映されている。
能力⋯⋯宝具である『
つまるところ何が言いたいのかと言うと、サーヴァントとは一つの存在をそのまま持ってくるのではなく、一側面だけだったり多角的な視点から見た存在の影法師であるということ。
⋯⋯もっと分からなくなったって? じゃあ目の前のステンノを例に説明しよう。
ステンノがサーヴァントとして現界する時はアサシンのクラスが当てはめられている。恐らく、外見からしてあまりに無害な女神なのに、目を合わせたら死ぬゴルゴーンの姉としての側面を反映した結果だろう。
ただ、ステンノにはもう一つクラス適性があると考えられる。
「貴方たちには、女神の祝福をあげましょう。海岸沿いを歩いていくと、洞窟への入口が見つかるわ。その一番奥に、ね。宝物を用意したの。この時代には本来存在しない、とっておき。楽しい貴方たちにさしあげますわ」
「ほう、女神の祝福か⋯⋯」
『興味深いねえ。もしかして、聖杯だったりして』
「ああ、お邪魔の方はダメよ? 貴方はご褒美をあげられるようなことはしてないもの」
「元よりンなつもりはねェよ。これは俺じゃなく、藤丸達が受け取るべきもんだろ」
「あら、物分かりがいいのね」
「つーわけだ。俺は行けねえから、後で何があったか教えてくれ」
藤丸達がステンノの示す洞窟へと向かっていく。
ずっと砂浜が続く訳ではなく、所々に岩があり、藤丸たちの姿が完全に見えなくなった。──その時。
直感的にその場を飛び退く。
今まで立っていた場所には⋯⋯薄紫色の蛇が群がっていた。
「何が戦うことを求められてないか弱き女神だよ⋯⋯。そりゃあアサシンとしてのお前だろ?
ステンノにあると考えられるもう一つのクラス適性、それこそが⋯⋯
ステンノとエウリュアレ、原典の神話では討伐されなかった元女神の怪物。女神としての側面が強いアサシンではなく、極めて限定的⋯⋯例えばペルセウスのようなメドゥーサを手にかけた相手と相対した時のみ可能性が現れる、言ってしまえばカルデア鯖の水着霊基のような別側面。
コピーミスとはいえ
マンドリカルドの
「あら、あらあら⋯⋯あんまり乙女の秘密を覗き込むものでは無いわ? 無粋な方はいつの時代も嫌われるものよ?」
「寝言は寝て言えよ、お前は俺がどんな性格でも嫌いだろ?」
「ええ、もちろん。
「シスコンが⋯⋯」
ステンノの姿が変化していく。
古代ギリシアのロリコン共から崇拝された
両手は鱗で出来た篭手のような物で覆われ、指先には鋭い爪を備え、髪は蛇のように牙と目を持ちうねり、腰から蛇の胴体が生えたような、ラミアと近しいが似て非なる姿。
完全なる存在としての側面は健在らしく、ゴルゴーンと比べれば幼い外見ではある。しかし、対面して感じ取れる魔力の量は膨大で、こう言ってはなんだが⋯⋯ファヴニールよりも感じる圧が強い。
きっと、この特異点における最大の敵だろう。魔神柱よりも、アルテラよりも強大かもしれない。
「この姿はあまり好きでは無いのだけど⋯⋯ね?」
「まさか、神話の英雄にも出来なかった不死殺しをさせられる事になるなんてなァ⋯⋯」
「勝ったつもりかしら。傲慢なのね」
「おいおい、そンなに褒めるなよ。それに⋯⋯
四方八方から蛇と化した髪が睨みつけてくる。
双眸のそれぞれが魔眼であり、威力は低くとも停止系の最上位である石化、そして偶像たる女神の権能にも近しい最上位の魅了の魔眼。
それらは全て本体の持つ魔眼の複製であり、抉り出そうと切り離せば、たちまち元の髪へと戻ってしまう。なんという嫌がらせだろうか。
「埒があかねェな!」
「この量の眼に睨まれて何も変わらないの? 規格外ね、お邪魔の方」
「不死身の怪物にそう言われると、少し照れるな」
「褒めてないわ。呆れてるの」
髪程度はいくら切ったところでダメージにならない。しかし、普通に接近するには髪が邪魔で近付けない。
ガンドを撃ってみたが、現代魔術での遠距離攻撃など、神代の怪物を相手に通じるわけもない。
こりゃあ八方塞がり、あるいは千日手⋯⋯か。
「最悪だな。(この距離じゃ)決定打が無く、死なず、確執がある。終わらねえぞこの戦い」
「決定打が無いの? それは残念ね。じゃあ、死になさい」
足元が崩壊する。
周囲の地形が変化していく。
砂が、岩が、樹木が。無数の怪物となって、こちらに牙を剥いて襲いかかってくる。
ゴルゴーンの血から、ペガサスとクリュサオルが生まれた伝承の応用だろう。逸話を考えれば、ゴルゴーンには魔獣を生み出す能力があると解釈出来ないこともない。
⋯⋯ああ、バビロニアでゴルゴーンがティアマトと同調した理由の一端がこれか。元々そういった能力があるなら、共通点として同調もしやすくなるだろうし。
「足場を奪えば勝てるとでも思ったのか? 浅はかだな」
「強がりかしら? 口数も減っているし、余裕が無いのでしょう?」
「ハッ、楽しくおしゃべりするつもりがねェだけだ! 不死身の怪物なんて、普通は身一つで殺せるもんじゃねェからなァ!」
不死殺し。
アンデッドでは無く、生きているのに殺せない相手を殺す偉業や武器のこと。
例えばインド神話のヴリトラ討伐。屁理屈に屁理屈で対抗したとんちのような逸話だが、不死身であるかのように思われたヴリトラを見事打倒している。
例えばギリシア神話のヒュドラの毒、あるいは射手座伝説。色々あってヒュドラの毒を受けたケイローンは、あまりの苦痛に死を願うも不死身であるため死ねず、プロメテウスに自らの不死の力を譲ることで死に、ゼウスによって射手座となった。
今回の場合役に立つのは後者だろう。何故なら、ヴリトラの不死は条件付きのものであり、そこを突けば倒せるものだった。
しかし、ギリシア神話の神が持つ不死性は、神は完全な存在であるため不死であるという絶対性から成り立つもの。即ち、理由があって死なないのではなく、正真正銘文字通りの不死身である訳だ。
そして、ケイローンが不死を手放した理由はヒュドラの毒が
逆に言えば、自ら死を願うほどの苦痛に苛まれれば不死は殺せる。特別な道具なんか必要ない。
簡単に言えば──心を、折る。
「先ずは、一発!」
もはや底は見えた。出し惜しみをする必要も無い。
ステンノの懐に置換魔術で転移し、全力で膝蹴りを叩き込む。
吐き出された唾液や胃液がかかるが、薄く障壁を張っているから気にする必要も無い。
続いて後ろに回り、右手で後ろ髪を掴み、ステンノの顔前に繋げた岩の魔獣へと叩きつけ、そのまま後頭部に
鼻が折れたか、それとも衝撃で血管が弾けたかは分からないが、鼻血を流しながらも振り向きざまに爪を振るってくる。
魔獣達も母を守ろうと襲ってくるが、悲しいかな、ステンノほどの神秘は無いため魔術で迎撃できてしまう。力尽きた魔獣は元の形へと戻り、砂浜が戻ってきた。
「ぐぅっ、この、程度⋯⋯でぇっ!」
「笑わせんなよ⋯⋯。この程度で終わりなワケねェに決まってンだろうが!」
振るってきた爪は手首を掴んで止め、そのまま指を関節毎に折る。当然骨の折れる音が鳴り、苦悶の声が響いた。
ケイローンの話に戻るが、苦痛を感じるということは痛覚が存在するという証左である。即ち──拷問はそのまま効果を発揮すると、言外に証明している。
「右手はもう折れる指が無くなっちまったなァ⋯⋯。次は左⋯⋯いや、先に手首にするか」
空いている左手で手を離させようと抵抗してくるが、爪は刺さらず、握力もこちらの動きを妨げるほどでは無い。
骨の折れる音が断続的に響き渡る。
手首の次は前腕*1、肘、上腕*2。下から順番に、丁寧に折る。
ステンノの右腕は無事なところが無いほどに変色し、ピクリとも動かせないようだった。
それでもなお、目に宿る復讐の光は消えず、苦痛に顔を歪め、痛みに涙を流しながらもこちらを睨みつけていた。
「許、さな⋯い⋯⋯絶、対に、殺して⋯⋯やる⋯⋯!」
「無理だろ。お前の魔眼は大層なモンだが、一瞬で俺をどうにかできる類じゃねェ」
そう。ステンノの魔眼は強力なものだが、メドゥーサのそれと比べればワンランク落ちる。
何故なら、メドゥーサは自前のものだが、ステンノの場合はゴルゴーン⋯⋯即ちメドゥーサの姉妹であることに端を発する付随品でしかないからだ。
その分魅了があったりと一概に上下を付けられるものでは無いが、石化という意味では確実に劣っている。どれだけ数が増えようと⋯⋯だ。
「次は左だ。どんどん無事な場所が少なくなっていくな?」
返事は無い。しかし、依然としてこちらを睨み続けている。
左手の小指から第一関節、第二関節と順に折って行く。その度に骨の、関節の折れる音が響き、思わずといった風に苦悶の声が漏れる。
左腕もほぼ全てが変色し、手を離した瞬間に崩れ落ちた。自力で立つ気力も無いらしく、こちらを睨みつける目線も、呼吸さえも弱々しい。力を入れることも出来ないのか、足元には水たまりが広がった。
神代の怪物にしては、随分と回復力が弱い。未だに骨折も治せていないし、せいぜい鼻血が止まった程度。当然その痕も痛々しく残っている。
「弱すぎねぇか? ゴルゴーンたるメドゥーサの力を借りてるにしては、随分と怪物らしさが足りてねェ。かと言って、偶像たる女神にしては、禍々しい上に人を殺すには十分過ぎる力だ。中途半端過ぎじゃねぇか?」
「黙、りな⋯⋯さい」
「いいや、黙らねェ。お前何がしてェんだ? その程度じゃ俺にもペルセウスにも勝てねェ。精々が少し弱いサーヴァントに勝てる程度。中途半端にも程がある。内包してる魔力の割には、あらゆる能力が弱すぎる。正直失望した」
仰向けに倒れ込んでいるステンノの左下腿*3を踏み折りながら、問いかけた。
「選べ。不死を放棄して死ぬか、礼装として生きるか」
オルトくんの格闘戦はライダーイシュタルをイメージしてください。大体あんな感じです。
オルトくんは少し弱いサーヴァントに勝てる程度と言っていますが、地形を味方に変える能力は普通に強いです。比較対象がおかしいだけで、対魔力がC以下のサーヴァントなら魔眼で動きを止められて一方的にやられます。
もう一度言います。オルトくんがおかしいだけで、そんじょそこらのサーヴァントでは勝てません。
ステンノはね⋯⋯ゴルゴン三姉妹の長女なんだ。エウリュアレは勿論、散々いじめ倒していたとしてもメドゥーサのことが大好きで、メドゥーサの姿を怪物に変えられた時はアテナに抗議するくらいメドゥーサの事が大好きなんだ。表現の仕方がおかしいだけで、ステンノはメドゥーサの事を心の底から愛してるんだよ!
章ごとにキャラクターマテリアル要る?
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大きな変化があった時だけで良い