超昂大戦SS エスカチーム転生計画、ここに発動! 作:環 藍河
「ククク…コイツハ、モラッテイクゾ…!」
「サファイアっ!」「ま…待てえっ!!」
(…ああっ…!)
幻魔に敗れたエスカ・サファイアは…
連れ去られ、イデアの壁に囚われた。
じゅるっ…ちゅぷっ…ぞぞぞぞぞっ…
「くうっ…こ、この程度…!」
「ホウ…シブトイナ、エスカ・サファイア…
ダガ、モハヤ…スベテテオクレ…
キサマノチカラ、ワレラガスベテ、ウバッテヤロウ…!」
「ああっ…やめろっ、そんなっ、そこはっ…!!」
じゅうううううっ、じゅぶっ、ぞぷっ…!
どぷっ…こぷっ…ずおおおおおおっっ…!!
「あ…っ、あ…
ああああああああ~~っっっ!!!」
…
……
「ヒビキっ! しっかりなさいっ!
あんたっ、助かったのよっ!」
トパーズたちの必死の探索で、サファイアは…変身の解けたヒビキは救助されたが…。
「…奪われた…。」(!?)
ADDD適性も…断絶の力も…全て…!」
「なっ…! …あ…。」
うなだれるヒビキを無言で抱きしめるトパーズ。
体に残る敗北の証よりも。
心に刻まれた烙印がヒビキを絶望の鎖に繋ぐ。
「私は…もう、戦えない…っ!」
…
…だが。
「ヒビキ…これから君に、龍輪功を行う。」
「わ…若頭領っ!? しかしっ…私はっ…!!」
突然の宣告に狼狽するヒビキの腕を強く掴み、トキサダが淫力でヒビキを満たす。
「えっ…?! そんなっ、私っ…!!」
「今の君ならっ…できる…!
俺のっ、すべてを、受け止めるんだ…!」
「ああっ…わ…若、頭領っ…
ひぐっ…ああっ…くふうっ…!」
本来ヒビキは、類い希なる閃忍適性の持ち主。
だが、これまでヒビキは、閃忍適性ゼロとされ、憐憫の目で見られてきた。
そう…その力を遮り、ヒビキを閃忍から遠ざけた、もう一つの力。
それが、オルタナスタインとの戦いで目覚めた…断絶の力だった。
(もう、私は…二度と、空など飛べぬと、思っていた…。
アカリがくれた戦士の力も…アカリと共に戦った断絶の力も…全て失ったのだから…。
だがっ…!)
皮肉にも、戦士の絆たる力を奪われたことが、ヒビキ本来の力を封じるリミッターの解除キーだった。
そして、その溢れんばかりの閃忍適性に気づいたトキサダの、龍の者としての本能。
「くふっ…あっ、あっあっ、くううっ…!
あああああーーーっっっ!!」
…
……
「装身っ! 天衣霧縫っっ!!」
じゃきいいいいんっ!!
「悪鬼彷徨う現世の闇を…祓うは月影!
我…上弦なり!
閃忍ヒビキ、推参!」
遠回りだった。
だが、そのおかげで、アカリたちと逢えた。
その枷あってこそ、得たものがあった。
だから…ヒビキは歩み出す。
外した呪縛の鎖さえも、力に変えて。
「私が龍の力を手にする日が来るとは…。
これも宿命。この力で…ノロイを止める!」
【超昂大戦Ifストーリー】
第31話 ヒビキ覚醒! 叢雲を斬る蒼月
【続く】
…
……
「どうよっ! エスカチーム閃忍化!
これが対ノロイ戦・ダイビートの切り札よっ!」
うららのプレゼンが続いていた。
「か…カッコいいけど…。」
「うららって、仲間のセンシティブなトコを描くの、ためらわないのね…?」
「哀しみの超昂戦士が新たな翼を得るのよっ!
これは避けられない描写なのっ!」
「…お前、親しき仲にも礼儀あり、だからな…。」
当のヒビキも、呆れるやら苦笑いやら。
前回のルビーといい、仲間の際どいシーンを躊躇なく描写してしまう、うらら。
悪気はないにしても、それが許されるのは…。
(あはは…うららちゃんのヒーロー脳は、止められないもんね…。)
(もう…言って直させるのは諦めた…。)
(むしろ、ヒビキの寛容さはもっと褒められていいと思うなあ…)
うららの人徳というより、ヒビキたちの優しさであろう。
「いい?! ヒーローは!
一度敗れて、そして復活してパワーアップするのよ! それが見る人々の胸を打つんだから!」
「んー…テンプレって言うか、ベタすぎない?」
「ベタって言うなーっ!! 【王道】よっ!!
そういう空気の読めない、悪い女にはっ!!」
「えっ…ええええっっ!?」
【超昂大戦Ifストーリー】
第32話 終わらない夢! 魔女の未来を照らす月
「…探したよ、エリー。」
「…イヤっ…
来ないで、長官くん…!」
雪城エリーが、誰にも何も言わずにダイビートを離れ、失踪してから2週間。
総力を挙げての捜索の果て、南国の無人島に身を潜めていたエリーの許へ、トキサダが赴く。
「…嫌なら、君の眼で俺に言うことをきかせればいいだろう。」
「…バカあああああっっ!!
知ってるくせに…!
私が身を引いた、理由だって…!」
その朝。エリーはすべての力を喪った。
敵を虜にする、その魔眼も。
情熱を力に変えて戦う、ADDDの…エスカアメイズとしての適性も。
最終決戦でルビーを救うため、ありったけの力をエキドナに捧げたアメイズ。
その代償の猶予が、ついに切れたのだった。
それはエリーの拠り所、箱船とダイビート双方との絆だったのに…。
(…もう、ここには居られない…。
そして、箱船にも、戻れない…!)
失意の底で、エリーは姿をくらました。
…それなのに。
「エリー…君は、力があるから俺たちの仲間だったのか? 力が無くなった今は、仲間じゃないのか?」
「…卑怯よ、そんな問いかけ…。
足手まといの…幻魔の格好のターゲットのまま…ダイビートに居座り続けるなんて…!」
がばっ。
「俺にとっては…力がなくても、エリーはエリーなんだっ。君は君のままで、いいんだっ!」
どきっ。
(長官…くん…!)
「だが…。
そんなに力を望むなら、いいだろう。
エリー…君のもう一つの力を…。
君も知らない君の力を…目覚めさせる。」
「えっ…?!」
ぽおおおお…っ…!
「ちょ…長官くんっ…これっ…!?」
「俺の中の、龍の者としての本能が…
君と共鳴しているんだ…!」
トキサダの抱擁から迸るマグマは…
D2エナジーとも、接現力とも違う、この力は。
「嘘っ、うそっ、こんな…!
し…知らないっ、私っ、こんなのっ…」
エリーの胸の奥に眠る、未知の扉を開く。
「はあっ、はひっ、あふうっ…!
あああああーーーっっっ!!」
…
……
「装身っ! 天衣霧縫っっ!!」
じゃきいいいいんっ!!
「幻魔彷徨う常世の闇を…照らすは月光!
我…上弦なり!
閃忍エリー、デビュー!」
しゃきいいいんっ…!
(長官くん…いや、頭領くん、かな…?
私…また、戦えるんだね…!)
【次回】第33話
誕生・魔女閃忍エリー! 妖しの紫光は魅惑の秘術!
【またみてね!】
…
……
「【『《龍の力、バラまきすぎーーーっ!!》』】」
「龍の者の本能…あるのか、俺に…?」
無論、うららの創作である。
「道行く人をみて、こいつは閃忍適性高いー、とか、わかるの? 長官くん?」
「…わかったとしても、そこで龍輪功はまずいだろう…!」
ただのエロテロ通り魔である。
「…前回も言ったが…。
閃忍は、おいそれとなれるものじゃ、ないんだぞ…。」
「あーはいはい。どっかでまとめて特訓回入れるから。つぎ、次っ!」
ヒビキの嘆息は…雑にスルーされた。
「あの…、魔女閃忍…なの?
エリーちゃんは、魔眼の力を失ったから、閃忍になったんじゃ…?」
「ドラ○エだって、レベルがカンストしたら、ダー○の神殿で転職して、魔法武闘家や賢者戦士になるでしょ!?
前の力は半分引き継がれるのっ!」
うららは特撮脳にして、ゲーム脳だった。
「さあ、これで3人が閃忍化済み!
あとは…アカリよっ!」
「わ…私もおっ!?」
「あたしは既に忍者剣士ハルヒーナだもの。
閃忍戦隊エスカフォー結成の、最後の鍵はあんたよっ!」
(注)ハルヒーナは閃忍ではございません。むしろ閃忍の敵です。
【次回予告】
エスカルビーが!
龍輪功で!
超昂閃忍に!?
第33.5話
紅蓮の火遁! 参戦・超昂閃忍アカリ!
【CMのあと!】
「【『《短っ!!》』】」
「う…うららちゃ〜ん…!
私の閃忍転生は…閃忍エリーちゃんお披露目回のBパートなの?」
「だって、神騎アカリエルになったときとフォーマットは一緒だもの! 2回目までじっくり描写してたら、テンポ悪いでしょっ!」
…すべてが構成と尺と、うららのご都合で決まっていく…。
「あ、必殺技の名前も、閃忍フォーマットに沿って変わるから、よろしくー。」
「おおおおおーーーっ! さやかさん、わかってるうっ!」
【超昂大戦Ifストーリー】
第34話 百華繚乱! 新閃忍・四光乱舞!
「虜にしてあげるっ。紫妖・淫蛇篭絡っ!」
閃忍エリーの操る糸は、滅忍たちの体の自由を奪い、錯乱を巻き起こす。
「昏き闇夜の凍てつく疾風! 青嵐・氷雪刃舞っ!」
「が…くはっ…!」
閃忍ヒビキの苦無が結ぶ、絶対零度の結界に封じられ、魂まで凍りつく怪忍たち。
「雲の陰から悪を斬る!」
閃忍アカリの右脚に輝く脛当て、その残像が描くは、闇夜を切り裂く弓張月の弧。
「紅舞・円月蹴っ!」
「ぐ…ぐほっ…」
「真打・見参っ!」
「『【っ!?】』」
息も絶え絶えの忍びたちが、凛と響く口上にきびすを返すと。
金色の髪にミステリアスなバイザー、スクール水着に煌めくネームタグ。
忍者剣士ハルヒーナの忍者刀が、月光に踊る。
「黄輝・望月斬っ!」
「がはあーーーっっ!!」
正義の一閃が、悪をことごとく裁ち切る。
「我ら閃忍! 闇夜に輝く一筋の光なり!」
…
……
「ふふ〜ん、決まったわね!」
ドヤ顔のうららの横で…頭を抱えるヒビキ。
(あああ…代々、想破が血の滲む思いで伝承してきた閃忍が…)
うららにかかれば大安売りであった。
「…ホントにやるときは…
上弦衆への根回しが大変だな…。」
イノリが想破の里で閃忍を突然名乗ったときも大騒動だったが…放っておくと最悪、うららは閃忍を侮辱した咎で、打首獄門になりかねない。
「長官が頭領として号令するだけじゃ…ダメですよね…?」
「一定の効き目はあっても、上弦衆には腑に落ちないものがあるだろうな…。」
「んー、簡単じゃない?」
「エリー?!」
「うららだけでも、想破の修行に放り込んじゃうの。実力で納得させれば、お互いスッキリするんじゃない?」
…それだ…!
「くふっ、くふふっ…イケるっ!!
あたし、マジで閃忍に鞍替えしちゃおっかな〜!?」
(…そこまで言うなら、いつでも歓迎しよう。
朝から晩まで実技に座学、終われば日替わりで先輩閃忍の特訓、長期休業は合宿と任務…。
お前の実力、修行に耐えて、存分に上弦衆に示してみせろ、うらら…!)
増長するうららに、ほくそ笑むヒビキ。
トキサダから頭領命令としてドッキリのように閃忍修行を申し渡す日は…近い?!
【続く】
筆者です。
超昂フェス直前、全国のトキサダの皆さんが今か今かと待つ中、ブレずにバカなSSをアップしております。
新章展開に熱視線が走るところでもあります…本編はイノリにライカ、ハルカたちが大活躍でノロイをスパーンとしばくのか!?
…僕のSSは、本編に割り込んで引っかき回す展開ですが…パロディです! 茶化すつもりはないんです〜!
…サーセン。
では続きは追っての投稿を。乞うご期待!