超昂大戦SS エスカチーム転生計画、ここに発動!   作:環 藍河

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第2章 エスカチーム・魔女化計画!

てっぺんの尖った目出し帽と白衣に身を包む科学者2人が、手術台の美少女を見下ろす。

 

「クックックッ…これより春雛うららへの魔力因子人工移植手術を開始する。」

「いや〜、またウチらの手で、魔力と医学が飛躍的に前進しますなあ、お師匠様!」

「ああ、ご同輩も喜ぶだろうねえ。」

 

うららは…ゲッツェンの凶刃に倒れたルビーにすべての魔力を託し、神騎アカリエルとして甦らせるも、自らは力尽き…消滅した。

 

だが…彼女は、生きていた。

その残留思念にいち早く気づいた魔女が、接現力でうららをかろうじて現世に繋いだのだ。

もっとも、その目的は善意にあらず…!

 

手術台のうららは、両手両足を魔力吸収金属で拘束され、もはや俎上の鯉。

「や…やめろおっ、やめなさいっ、ジョッカー!」

「…誰かね、それは?」

 

プカルルが麻酔吸入を始めると同時に、ルカが眼球ほどの大きさの生体を瓶から取り出す。

(ウソっ…、まさかアレを、私に…?

 イヤっ、やだっ…!)

拒絶は虚しく、薄れゆく意識にかき消された。

(…ダメ…だ…。)

 

……

びーっ、びーっ、びーっ…

「アカンっ、クランケが脱走やあ!」

「ふむ…記憶消去が不十分だったかねえ。

それにしても、あの拘束具を引きちぎるとは…さすが我輩の選んだ魔力因子だねえ。」

「お師匠様、呑気すぎますよお!」

 

(はあっ…はあっ…)

改造手術を終え、目覚めたうららは脱走を図るも、魔女の研究施設の屋上に追い込まれる。

だが、心の奥に響くそのフレーズを、うららは迷わず口にする。

「ディープアセンション・ウララ・ウィッチ!」

 しゃきいいん…!

移植された雷鳥ガルーダの魔力因子が覚醒し、孤独の戦士に勇気の翼を授ける。

 

 ばさっ…!

 

(私は戦う…!

 そして、悲しい戦士は…私で最後にする!)

 

魔女うららの行手には、箱船の改造魔女たちがこれから何人も立ちはだかるだろう。

だが、今は飛び続ける。闇の向こうの朝陽を目指して…。

 

【超昂大戦Ifストーリー 第40話 非業の翼! 超昂魔女ウララ・ここに接現!】

……

 「〘『【初代ロイダーそのままーーっ!?】』〙」

 

「うらら…自分がやってみたいだけの設定をゴリ押しするな…。」

「ダイビートが悪の秘密結社になって…俺はその総統で…うわあ。」

「前回の閃忍回と…繋がりがとれてないよ…?」

「箱船はこんな非人道的組織じゃないわよーーっ!!」

 

「いいのっ! 全てはノリと勢いっ!」

…言っちゃった。

 

「ルビー! 次はあんたよっ!」

「ま…まだやるのおっ!?」

「当然っ! 神騎アカリエルと閃忍アカリになっても、これでいいなんて慢心しちゃダメっ! 自分の限界、自分で決めてんじゃないわよっ!!

4属性フルコンプ、パーフェクト・ルビーへの険しい道のりは、まだまだ始まったばかりなのよおっ!」

(ま…慢心って…?)

 

【劇場版 超昂大戦Ifストーリー】

チャプター7 立ち上がれ何度でも! 魔女が託した希望の未来

 

「あああああーーーーっっ!!」

どさっ。

「エスカルビー…いや、超昂神騎アカリエル。

天界からの神力と閃忍の力は、我らのテクノロジーを結集した結界で既に封じた。ADDDも失った貴様が、私に勝てるはずが無かろう。」

 

 めりめりめりめり…っ!

 

「うぐうーーーっっ!!」

うららが命がけで授けた翼を、背中ごと無慈悲に踏みにじるゲッツェン。

転生し最強となったはずのアカリエルも、神騎の力の源を封じられては、為すすべがなかった。

(ごめん…うららちゃん…。あなたが命がけで私に託した翼なのに…!

私…活かせなかった…。悔しい…!!)

 

「待ちなさいっ!」

「っ!…貴様は…!」

「私の魔眼、アカリにあげる。

アカリ、叫ぶのよ! 心に浮かぶ、その言葉!」

 

(…聞こえる…。

エリーちゃんが託した…魔力因子の叫び…!)

 

 「ディープアセンション! アカリ・ウィッチ!!」

 

もがれたはずの天使の翼が、再び神々しく輝く。

失ったはずのADDDの駆動が、熱さを再び取り戻す。

天界と下界が…科学と伝承が融合し、いまアカリをみたび大空へ…!!

 

(…そうか。そうなんだね…!)

もがれた金色の翼は、燃える紅き翼と甦る。

その魔力因子は…フェニックス。

(感じるよ…うららちゃんの心を!

この翼で…この魔力で。

ゲッツェン! 今度こそあなたを止める!)

 

【チャプター8 ルビー第2の転生! 超昂魔女アカリ・接現!】(続く)

 

 

 「〘『【変身の大安売りだああーーーっ!!】』〙」

 

 

「あの…チャプターって…?」

「ブルーレイ収録されたときの話っ!」

「コレ…劇場版なの?」

「地上波シリーズで3回も新フォーム出したら、超合金やフィギュアとかのグッズ展開がとっ散らかるでしょ! 

第4の最終フォームは劇場版の隠し玉っ!」

 

(どちらかと言うと…ラスボスが倒しても2回進化する、みたいな…?)

…トキサダにも、うららのゲーム脳菌が侵食してきたらしい。

 

「もしくはVシネマ『エスカチームVSルーキー閃忍』クライマックスの隠し玉よっ!」

「あ…私たち、魔女フォームでイノリちゃんたちと戦うんだ…。」

「違うっ! アカリ、わかってないわねっ!

序盤で刃を交えたエスカチームとイノリたちが、クライマックスでタッグを組んで真の敵に対峙するの! その瞬間…」

 

【Vシネマ『エスカチームVSルーキー閃忍』

チャプター9 競演! 超昂魔女&超昂閃忍!】

 

「〘『【ディープアセンション!!】』〙」

「〘『装身っ! 天衣霧縫っ!!』〙」

 

「アカリ・ウィッチ!」【ヒビキ・ウィッチ!】

『ウララ・ウィッチ!』《エリー・ウィッチ!》

「閃忍イノリ。」〘閃忍ライカ!〙

『閃忍ムツカ!』

「そして!」

【超昂閃忍ハルカ!】

『同じくスバル!』《そしてナリカよっ!》

 

……

「こうして、特別編限定・総勢10人のドリームチームが誕生するのよっ!」

(は…ハルカさんたちまで巻き込んでるーーっ!?)

もらい事故である。

 

(や…やっぱり私も、魔女化するのか…)

(ヒビキだと…魔力因子はさしずめ、フェンリルかな?)

 

(エリーは…次に接現したら、生命の危機に瀕するはずだったが…?)

※第1部終章ストーリーをご参照ください

たぶん、そこも解消する覚醒エピソードか何かを挿入するのだろう。

 

……

「以上、エスカチーム・マルチ属性化計画の概要、および運用イメージをご覧いただきました! 採用いただけますよう、ご検討のほどよろしくお願いします!」

【映像制作著作 ハルヒーナ】

 

 ぺこり。

 

「…楽しかった。こんなエスカチームも悪くないね。」

さやかがニッコリ。

「…じゃあ!」

うららがぱあっと色めき立つ。

 

「はーい、それじゃ各自、自分の仕事に戻る!」

『トキサダー、サボりが長いわよ。司令室に至急戻りなさい。』

「あ…うん、楽しい創作だったな。」

 

 終了。解散。

 

 「渾身のプレゼンをおっ!

  暇つぶし扱いすんなーーーっっ!!」

 うららが憤慨するも。

 

「現実問題、4通りも戦い方をマスターするの…難しいよ?」

アステライズフォームで苦戦したアカリの言葉だけに、重みがある。

 

「既存の閃忍さま方や神騎、箱船の領分への介入だからな…。義理を通すだけでなく、こちらも一度始めたら『飽きましたー、辞めます』では済まされないぞ。

まさか、若頭領にいちいち尻拭いをさせ、お手を煩わせてはならないだろう?」

実は、道理が引っ込むほどの、無理がある。

 

「私たちが始めたら、今度はイノリやライカも超昂戦士化、神騎化、魔女化しないと釣り合いが取れないわよ?

それどころか、単純に約160名いる今の戦士、ぜーんぶ4属性完備したら…」

正月ルビーとか、バレンタインアメイズとかも漏れなく4属性化させると、総勢640タイプ…。

うん、カオス。

 

「う…裏切り者おおーーーっっ!!」

うららの遠吠えが、プレゼン会場に寂しく響く。

以上、エスカチーム・マルチ属性化計画、凍結。

 

 【続く】

 

 …え?

 

 

 【後日】

 

「さやかさん!」

「うららちゃん? おかえり。どした?」

 

「先日ボツったマルチ属性…

私たちエスカチームのは、ボツで仕方ないわ。」

 

「…私たち…『のは』…?」

うららの気迫を感じ取るさやか。

 

「でも…一人だけ、絶対に立案したいの。

プレゼン、明日持ってくるから、聞いてね。」

 

 戦士、閃忍、神騎、魔女。

 うららが属性チェンジを切望する相手は…!

 

 【ホントに第3章に続くっ!】

 




筆者の環です。
うららの空想パワー(=環の妄想)であと先考えず爆走ノーブレーキでお届けの、この「○○化計画」シリーズ。
第5弾にして、本編のうららの頑張りに触発され、次回「マジメかー!!」方面に反転します。
…とりあえず、読者諸兄は、原作本編を最新章(第2部9章)までお読みいただけますように。
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