超昂大戦SS エスカチーム転生計画、ここに発動! 作:環 藍河
前書きご精読の上、まずいと思われましたら遠慮なく、本文へ進むのをおやめください。
今回は「こんなだったらワクワクしませんか?」的「Ifストーリー」です。
…でも、読者によっては「それは原作より前には見たくない!」という方もおります。
以下、そうした方への注意喚起です。
このストーリーは2023年2月、原作「超昂大戦エスカレーションヒロインズ」第2部9章まで公開の時点で執筆していますが、内容にその後日譚の描写を(作者の想像で)含みます。
よって、今後リリースされる10章以降の内容と矛盾や不整合が普通に起き得ます。
(その場合でも、整合のための修正はしません。当時の記録として残存させます。)
また、二次創作として、一次原作のネタ潰しを企図するものでは断じてありません。たとえ本作の展開が原作と当たったとしても、原作の楽しみが極力奪われないよう、敢えて雑なザル表現と道化演出で綴っています。
…いっぱい書きましたが、リスクを許容いただき気楽にお楽しみいただければ幸いです。
それでは本編、始まります。
「みんな、今日は集まってくれて、ありがとう。」
うららが…真剣そのもの。
これまでの真剣(=魔王的なまでのヒーロー愛)とは異なるベクトルで、さやかとトキサダ…そしてエスカチームに訴えるうらら。
「私の提案はただ1つ!
りるかを…瑠璃を、5人目のエスカチームメンバーに迎えたいのっ!」
「〘『【〔!!〕】』〙」
瑠璃は…トキサダの龍輪功でかろうじて心臓の拍動をつなぎ、今も基地のメディカルユニットで眠っている。
うららは懇願する。
彼女が目覚めたとき…ネオノロイ党も四道城も瓦解し、瑠璃の戻るべき場所は無い。
だから…どうか彼女を、仲間に…!
「…うららちゃんなら、そう言うと思ってた。」
「アカリ…?」
「だって、ネオノロイ党でハルヒーナしてた間、私たちに全部を言えないこと、ずっと苦しんでいたよね?
なのに、うららちゃんはずっと瑠璃ちゃんを支え続けた…。じゃあ、きっと今だって変わらない。瑠璃ちゃんを助けたいんだろうなあ…ってね。」
「…あんたたちを信じたからこそ、だけどね…。」
「でも、ダイビート嫌いの瑠璃ちゃんよ? 心のハードル、超絶高いけど、大丈夫?」
「そうだね…とりわけ、私を…。エスカルビーを偽善者だって…憎んでいた。」
「お前だって、自分がエスカトパーズだとは知らせていないんだろ?」
(ぐっ…!)
師匠と慕ってくれたりるかを、欺いていたのは事実。
既に家族と世間に裏切られ、外法天りるかとなってなお、仲間に死の淵へ突き落とされた瑠璃。
そんな彼女に突き付けねばならない、自らの正体。三度目の裏切りは、彼女をどれほどの絶望へ誘うのだろうか…!
「…それでも…いい。
あたしは…瑠璃と繋ぐ、私の持つ最高の絆を結びたいのっ! やっとあの子が見つけた正義を…瑠璃の生きる希望を絶やしたくないっ!
そのためならっ!
みんなにも瑠璃にも、あたしのエゴだって呆れ果てられたって構わないっ!
瑠璃に憎まれて、肉片になるまで殴られたって、絶対に怯まない!
あたしは…地獄の業火に灼かれたって、瑠璃と繋いだこの手を、絶対に離さないんだあっ!」
……
「ああ〜っ、もおーーっっ!!
いいわっ、トコトン付き合うわよっ。」
「…エリー…?」
「私だって、このままあの子に幻魔ごと、魔女まで憎まれたままじゃ終われないもの。箱船を導く一人として、瑠璃ちゃんひとり救えないようじゃ、エリザベス派リーダーの名折れよっ!」
「うらら…お前の覚悟、しかと聞いた。ならば、私もやぶさかでない。お前を信じる。」
「私も…うららちゃんと一緒に、瑠璃ちゃんの憎悪の源、ぜんぶ聞くよ。
それは…私が目指す、みんなを護れる自分に…きっと繋がるから…!」
「ヒビキに、アカリも…。」
…ぐすっ。
(こんなに、迷惑かけたのに…。
みんな…ありがとう…!!)
…
……
「…もちろん、本人の同意が前提だが。
うらら。その場合…瑠璃のコードネームはどうなるんだ?」
「…プランはある。」
【シミュレーションA】
「ADDD適合率89%。いい適性よ。」
「瑠璃くん…最終の意志確認だ。いいんだね。」
「…いろいろあったし…わだかまりが全部消えたわけじゃない。
でも…うららさんが繋いでくれた、この手。
こんな私の、未来を信じる人がいる…。
今はそれだけでも、戦いたいって思える。」
だから…!
「フラックスプロージョン・ビートチェンジ!」
しゃきいいい…ん!
「闇に秘めるは不屈の正義!
瑪瑙の超昂戦士、エスカ・オニキス!
悪の現場に、只今参上!」
(…師匠が教えてくれた正義…。
今度こそ、命の限り…!)
……
…
「瑠璃ちゃん…超昂戦士になってもダークヒーローなんだね…!」
「はいはーい、質問っ。
瑠璃ちゃんなら、コードネーム…。ラピスラズリになるんじゃないの?」
(※瑠璃はラピスラズリの和名です)
「却下よ。青はサファイアとカブるもの。」
「まあ…そもそも、無理にエスカチームじゃなくともよいのでは? 瑠璃だって、外法天りるかは自分の理想像なのだろうし。」
りるかのエナジーは、ノロイの欠片。もしトキサダの龍輪功がその代替にならなければ…外法天としては戦えず、他のフォームが必要。
逆に、そこさえクリアできれば、過去にもエスカリバースやアカネ、初音やタイガージョーなど、敵時代のフォームのまま仲間になったケースは多々あるので、それで良いと言えば良いのだが。
「まあ…本人しだいよ。
一応、エスカチームには入らないけど、りるかになれなかった場合のプランも用意済よ。」
「えっ…?」
そしてうららは、シミュレーションを3プラン、披露。
【シミュレーションB 魔女リルカ】
《瑠璃ちゃん…》
(…あっ…?!)
《僕のために…ごめんね…!》
語りかけるのは、父が情にほだされ、匿った野良幻魔。
(…あんた、喋れたんだ…。
どこ行ってたのよ…。とっくに誰かに見つかって、虐められてなぶられて、息絶えてたと思ってた…。)
《今更遅すぎるけど…それでも今は。
使って。僕の力を…!》
彼こそは…勇者オデュッセウスの忠犬・アルゴスの末裔だった。
「ディープアセンション! リルカ・ウィッチ!」
きゅぴいいいんっ…!
……
…
【シミュレーションC 閃忍リルカ】
どくん。
どくん。
どくっどくっどくっどくっ、どどどっどどどっ…!!
「こ…鼓動がっ、イヤっ、激しっ…、
うぐっ、かはっ、~~っ…、ぐううううーーーっ!!
イノリが取り返した瑠璃の心臓は、ノロイの瘴気と同調し…暴走していた。
なまじノロイの器として適合者であったがために、その波動はもはや災害級。
「瑠璃くん…君はもう外法天ではない! イノリにもらった新たな鼓動で、君は…!」
「…っ!!」
歪む世界を視野の端に、瑠璃の脳裏によぎったのは…イノリの奔放な姿と、縛られ続けた自分のコントラスト。
請い願うは、新しい姿。
そして叫ぶ、魂の咆吼。
「装身っ! 天衣霧縫ーーっ!!」
しゃきいいいんっ…!
かくして外法天は…上弦の月と輝く。
……
…
【シミュレーションD 神騎ルリエル】
とくん…とくんっ…
「そ…そんな…ああっ…!」
がくっ。
「脈拍、血圧、急激に低下っ!」
「輸血よっ! 心肺蘇生っ、急いでっ!!」
瑠璃の生まれながらの心臓は、飽くまで常人の心臓。
ノロイの瘴気に一時的に突き動かされ…一生分の拍動を果たしてしまった。
「長官っ! 龍輪功を!」
「ダメだっ! 瑠璃くんの体が、もう淫力に耐えられないんだっ…!」
「そんなあっ!」
「では…神力なら…よいのですね!」
「【《…!?》】」
ぱあああ…っっ…!!
「エ…エリス師匠おっ!?」
(瑠璃さん…聞こえるでしょう…?!
貴女は裏切られた、奪われた、と嘆くけど…。
こんなにも多くの人が、あなたの生を、願っているのですよ…!)
天界神騎の…戦乙女の慈愛と教誨が。
今際の少女を希望の大空へ導く…!
「貴女はうららさんのお弟子さん。
ならば…目覚めなさい、私の孫弟子さん…!
そして叫ぶのです、心の赴くまま、魂の旋律を!」
《ホーリーアムド! ヴァルキュリエ・ルリエルっっ!!!》
ばさっ…ふわあっ…!
……
…
「…目覚めた瑠璃はどれを選ぶかなあ…。」
(え…選べばポンッとなれるものなの…?)
くるっ。
「さやかさんっ! 瑠璃がどれを選んでも、しっかり戦えるよう…準備、よろしくお願いします!」
うららが最大級の誠意で、さやかに願いを託す。
…
……
「あ…あのね、その…ゴメン。」
(…?)
おずおずと、申し訳なさげに挙手するさやか。
「実は…外法天りるかの実装準備…もう、してるんだ。データ入力済…!」
「…さやかさん…?」
「…『データ』って…。」
「まさか…!」
【超昂大戦Ifストーリー】
昨日の敵は今日も敵! りるか・悪夢のBユニバース!
「あーーっはっはっはっ、はあーーっっ!!」
(ぐうっ…)(げほっ…かはあっ…!)
「やーーっぱり、ダイビートなんて偽善者どもの烏合の衆よねっ!
この外法天りるか様の正義の執行! その身で骨の髄まで味わえっ!
そして、這いつくばって眺めているがいいわあああーーーっ!
はーっはっはっ…ゲホッゲホッがふっ…!」
(く…っ!)
(実物以上の…一撃の破壊力だ…!)
データで再現されても、相変わらず肝心なトコで噛むりるか。
だが、その破壊力は既に、エスカチームを撤退寸前に追い込んでいた…。
しゅっ。
「ふぐうううーーーーっっ!!?」
「〘『【!?】』〙」
次の瞬間。
りるかの鼻が…フックで吊り上げられていた。
そのワイヤーを目線で追う先には…サポートメンバー、謎の目出し紙袋女(ツインテール)。
「ククク…やっぱりあんたは、昭和の日曜バラエティがお似合いよ…!」
熱々おでんに熱湯コマーシャル(放送済)。
「ひ…ひでゅおいいいっっ!!
コンプライアンフをっ、しらにゃいのかーーっっ!!」
軍配をブン回すも、足が地に着かない今は、虚しく空を切るばかり。
紙袋は…Bユニバースでも、変わらずりるかの天敵だった。
「『ムカつく奴は殴ってよし。』
りるかは確かにそう言った。」
「ふぉっ…ふぉれは、あんたがっ…!
わらひは…い…いっふぇ、ぬあいいいっ!」
イノリが勝手にりるかを代弁。
(もっともトキサダには「拾った力で殴り返して何が悪いのっ!」とか言ってるので、あながちりるかの本心と言えなくもない。)
「ならば、自分がやられる覚悟もできてるな?
よーしっ、行ってみよう、殴ってみよう!」
しゅううう……っ!!
「ひょ…ひょっとお! ヒノリっ、あんふぁっ!」
べきっ。
「がふぽっ!?」
ノロイの力を全部乗せで、イノリの拳がみぞおちに。
「か…かは…あぶっ…!」
さらに。
「決めるっ! ストライク・エスカレーション!」
「蕩けちゃえっ! バジリスク・エスカレーション!」
「頭を冷やせっ! ブリザード・エスカレーション!」
「ぐぎゃーーーっっ!?」
追い詰められた3人の…乾坤一擲のトリプルアタック。
ざっ…。
「みんな…弟子の不徳は、師の落ち度。
だから引導は…あたしが渡すっ!」
「し…ししょおーーっ!?」
吹き飛ばされた拍子に鼻フックから解放されたりるかに、オーバーキルが迫る。
「りるか…安らかに眠るのよ。
ブライトネス・エスカレーションっ!!」
びしゅびしゅびしゅびしゅっ
ザクザクザクザクっ
ぶしゅぶしゅぶしゅぶしゅっ…
「あぐっ…ぐはっ…げぶっ…!
ぼげえええええっっっっ!!!」
そして…遂に。
「ぎゃあーーーーー〜〜〜すっ!?」
どごおおお………っっ…。
哀れ、外法天りるか(ホログラム)爆散。
「ヒーローはっ! 負けないっ!!」
(…でも。また、私たちは…
悲しい戦士を一人生み出し、
そして…失った…。)
うららの業深き戦いは、果てなく続く。
ありがとう、外法天りるか。
君の名を、永遠に…!
…
……
「〘『【いろいろっ、台無しだああーーっ!!】』〙」
…中盤まで、ガチでイイ話だったのに。
ともあれ、原作本編に…続く?!
作者の環藍河です。めんどい前提条件の中、最後までお読みいただきありがとうございました。
第2部9章…超昂大戦史上初・Hしないと心停止する新感覚ヒロイン、灰崎瑠璃ちゃんが爆誕してしまいました。
第8章ラストで心臓ブチ抜かれた時点で、環はてっきり、りるかはキリエル同様に神騎転生するモンだとばっかり思ってまして。
そこから今回のSS「エスカチーム転生計画」を着想したのですが…9章でイノリが瑠璃に心臓戻した時点で、それはほぼ消滅。環もまだまだ読みが浅い。
そんなわけで、最終第3章では、ほぼあり得ないりるかのIf転生、一挙出ししてみました。
難点は、今まではどんな無茶おバカ展開を書いても「うららの暴走!」と押し付ければ済んでたのが、今回は免罪符にならないトコですね。
…ええ、この作者がおバカなのです。
【ホントにチラシの裏バナシ】
同時に危惧していた事案が一つ。
「瑠璃がホントに原作で、名前通りエスカ・ラズリになってしまったら…どうしようっ!?」
…環は自分のSS「絶望世界の超昂戦士」で、サファイアの同位存在として、同名の超昂戦士を登場させていますもので。
…まあ、99%、ナイですよね!
…そんな誰得な杞憂を並べたところで、「○○化計画」シリーズ第5弾、お開きの時間と相成りました。
読者諸兄に改めて感謝申し上げます。
※ご感想や評価等、最近少しずついただけるようになりました。重ねて感謝!
(ご批判も込み込みで、引き続きフィードバックを賜れば幸いです)
次回は「マジメかー!」系の単発SSを温め中。
そろそろ骨太のバトル長編も書きたいのですが…そちらは今しばらくお待ちを。