龍驤はナミに飛びついた。龍驤の帽子が鉤爪にさらわれて、即座に腐る。地面に落ちたときにはぐずぐずだ。
「毒や!! ビビとコーザを!!」
言いかけた頃には、二人を連れ去ったウソップとチョッパーが街角を曲がるところだった。驚いて振り返った三人が、呆気に取られて動きを止めていた。
突然現れたクロコダイルさえ、ちょっとびっくりしていた。不自然な静けさの中で、幼馴染コンビの抗議の声が消えていった。
「スモーカー!! マジで避難誘導!!」
「走れ!! ほら、立つんだよ!!」
ケムリが辺りに広がった。あちこちに手が生えて、住民の首根っこを掴んで立たせていく。警笛が響き、街の至るところにいた海兵たちが我に返る。クロコダイルはそれを見送って、怒鳴り声を上げた
「ダズ!! ベンサム!! 追え!!」
「させるかよ!!」
サンジが飛び出したが、クロコダイルに阻まれた。龍驤はナミを抱いて退避しようとしたが、それも邪魔された。
砂なのに、人間と変わらず器用で力強い。こちらから殴れない代わりに、向こうからも干渉出来ないなどという中途半端を許していない。
触れないのに、砂が密度を持って対象を振り回す。
「虎狩り!!」
ゾロがクロコダイルの脇を斬り抜けた。それだけで、なにも出来なかった。やっと鉄が斬れたのに、それでは全然、足らないのだ。クロコダイルはおもむろに振り上げた鉤爪を、地面に転がるナミと龍驤へ振り下ろす。
「させるかァッ!!」
三度目の正直。ルフィの拳が、クロコダイルの腕を吹き散らした。それを横目で確認する。ルフィは大量の砂を被った。覆いかぶさった砂は巨人の腕のようになり、ルフィを埋めると再び鉤爪を形成した。わずかに見える首筋へ、それが振り下ろされる。
エアブレーキの金切り声が聞こえる。有名な死神のサイレンほどではないが、確かな存在感を示して空から飛来する。
ルフィの首筋を狙ったクロコダイルは、自分の首筋に爆撃を直接、叩き込まれた。
砂が辺りに飛び散る。ナミがぐったりしている。肌がカサついている。砂漠の街中なのに、汗をかいていない。
奪われたのだ。目の前の悪魔に。
一味は湖から抜け出したばかりだ。すぐそこに湖面がある。だが、遠い。ルフィやゾロでさえ、肌がひび割れている。龍驤は海の生き物だからマシだが、ナミはマズい。
この場にいるだけで死んでしまう。
これほどまでなのか。
アラバスタ有数の観光地であったレインベースが、見る影もない。何百年と砂に埋まった遺跡のようだ。水を奪われただけで、一切が風化し始めている。
クロコダイルが国を滅ぼすと決めたら、ここまで圧倒的なのだ。この世界でなによりも当たり前にある水を強奪する能力。問答無用で、理不尽で、どこまでも抗いようがない。
「ナミさんに手を出すな!!」
サンジが戻って来た。ゾロも再び斬りかかろうとし、ルフィが立ち上がろうとしている。
三方向から囲まれて、なおもクロコダイルは泰然と立ち尽くした。
「ルーキー如きが。俺を誰だと思ってやがる!?」
砂が辺りを埋めた。風で飛ぶわけでもなく、ただ空間そのものに砂が溢れたのだ。これまで、一味は砂漠の上を旅してきた。
だが、これはもはや、文字通り砂漠の中に引きずり込まれたようなものだ。流砂や砂嵐もなしに現れた砂丘が、三人を覆い隠した。
龍驤は振り返って、絶望からどう目を逸らせばよいか考えた。あとたった三メートルなのだ。
足元には、船長とその相棒とコックが砂に埋もれて転がっている。干からびているが息はある。まだ、クロコダイルに抗っている。
手を伸ばせば助けられるのに、それよりも近くに佇む男がいる。背の低い龍驤に覆いかぶさり、睨みつけている。龍驤は接吻をせんばかりに迎え討った。
「負けたよ。ああ、俺の負けだ。満足か、小娘?」
「勝てんのなら、逃げたら?」
「俺は海賊だ。生きてる以上、止まる理由はねえんだよ」
「実に好みやな。噛み千切ったるから舌を出せ」
スッと、手が伸びた。龍驤ではない。クロコダイルでもない。ナミの手だった。見違えるようにカラカラで、折れそうなその腕の先には、短い棒が握られていた。
「レインテンポ」
その棒の先から水が出た。顔面を濡らす。クロコダイルがたまらず目を瞑って、後ずさる。龍驤は逃さなかった。
「起きよ!! 穀潰しども!!」
腰の艤装が火を吹く。さしもの、クロコダイルもその場で身を固めるしかなかった。もちろん、能力で砲撃そのものは無効化している。だが、それはそのように自分を操ったのだ。能力の行使に気を取られた。
「ウアアァァァッ!!」
早かったのはルフィだ。ほとんど骨と皮だけになって、それでも飛び上がった。動くだけで皮膚ごと肉が裂けた。その噴き出した血で、回復しているのかなんなのか、腕を振り上げる。クロコダイルの横面に、干からびた拳を叩きつけた。骨も割れた。しかし、さらに力を込めて握りしめた。完全に、肉体を捉えていた。
クロコダイルは驚きに目を見開いたまま、頬を歪ませて飛んでいった。ゾロが立ち上がり、サンジがネクタイを緩める。飛び散ったルフィの血で、幾分かはマシな見た目をしている。乾いた血が、パリパリと落ちていった。
その周囲で、ナミが水芸を披露している。ドタバタと周辺を巡っている。
「スプリンクラー!!」
「やけくそか?」
「あんたらのためでしょうが!!」
地団駄を踏む。実際、それで三人の水気はだいぶ戻っている。生気も戻った。ダラダラと血も流れた。
「どうする? 全員でやるか?」
「ビビとコーザも心配だ。あの二人だけじゃねえだろうし、逃げ切れるとも思えねえ」
「ゾロ、サンジ。クロコダイルの手下、全部やっつけろ」
ルフィはそう言うと、折れた拳を反対の手の平に叩きつけた。龍驤がそれを横から奪って、破いた袖を巻き付ける。なんとも言えない時間が過ぎる。
「いいのか?」
「決着は、俺が付ける」
戦術で、戦略で、政治で勝った。アラバスタの人々が積み上げたものを利用して、なんなら外のものを巻き込むだけ巻き込んで追い詰めた。
それでも諦めないなら、戦いをやめないのなら、引導を渡すのは船長の役割だ。
「認めさせてやる。あいつに、この国は奪えない」
どこか、憐憫の情でもあるのかも知れない。夢を見て、信じて進むなかで、限界を知ることが、麦わらの一味にもあるのかも知れない。
今ではないだけで、ルフィもクロコダイルのようになるのかも知れない。
ルーキーだからとか、七武海だとか、もはや関係がない。
海賊としてきちんと勝負してやらなければ、もはやクロコダイルは止まれない。
国が敗北しても、国民は死滅しない。世界中に散った海軍が敗北しても、次がある。
海賊だけなのだ。負けて、終わってしまうような儚い生き物は。だからこそ、中途半端ではいられない。
「相談は終わったか?」
「ああ。お前は俺が、叩きのめす」
「出来るか、お前に?」
「俺は、海賊王になる男だ」
クロコダイルは眉をしかめ、笑った。嬉しそうだった。彼もそうなろうとしていたのだ。
「いくらでも見てきたぜ。口だけで死んでいったバカどもを」
「俺は死なねえよ」
「お前じゃ俺に勝てない」
「口ではなんとでも言えるよな」
ビキリと、クロコダイルに青筋が走った。七武海が、クロコダイルが口だけだと言われたのだ。
「バカにしやがる」
「出来る出来ないじゃねえ。海賊なんだ。やりたいことをやるんだ」
「やりたいことだと? これが? この国を救うことがか?」
「じゃあ、お前はなにがしたいんだ?」
きょとんと、クロコダイルはルフィを見つめた。
白ひげと海軍に介入され、計画は台無しになり、参加しようとした戦争にすら辿り着けない。アラバスタはクロコダイルの干渉がなくなった途端に安定してしまい、これからまた騒乱を起こそうとしても手間だけが積み上がる。
当たり前だが、もうクロコダイルはやりたいことが出来ないのだ。工作をするエージェントは壊滅し、目当てのポーネグリフは王宮の奥深く。軍事力は遠く、破滅の足音は近い。
ああ、それでも。それでもやりたいことがある。こんなどうしようもない状況で、負けも確定しているのに、どうしても実現したいことがある。
「テメェらをブチ殺してえ」
こみ上げる感情は怒りというより、歓喜だ。そんなことをしている場合じゃないのはわかる。エースの存在は見世物にされて、ジンベエまで巻き込んだのだ。どこまで海軍や政府が関わってくるか、考えたくもない。
でも、後のことなんか知らない。
目の前には敵。海賊王を狙う若造。夢を同じくするバカ野郎がいる。競い合うに足る仲間がいる。
「この国も、海軍も、政府も、白ひげも、なにもかもだ!! 気に入らねえんだよ!! 特に、その小娘!!」
全員の視線が、龍驤に集まった。さもありなん。そう思った。
「白ひげより上って、スゴない?」
「スゴくはねえよ」
「ダメだ。あまりにも同感過ぎる」
「近寄らないでね? わたし、あっちに逃げるから」
ルフィはおかしそうに笑った。クロコダイルへ向き直る。
「させねえよ。お前にはもう、なにもさせねえ」
「やってみろ!!」
激突が始まった。砂が再び、辺りに溢れていく。それをゴムが吹き飛ばしていく。
一味は顔を見合わせた。そしてそそくさと、その場を立ち去った。
龍驤は湖面を進み、ルフィへの援護射撃を行う。単純に周辺で水しぶきを立てるだけになるが、それをしないと勝負にならないぐらいクロコダイルの能力が強い。
そして、その場を離れた途端に、ゾロが消えた。ちょっと目を離した隙だった。
当然、一味であるなら誤解はしない。
「今の今じゃない!?」
「どんな方向感覚だ!!」
吐き出した後は、善後策である。ビビとコーザが狙われている。ウソップもチョッパーも頼りにはなるが、どう考えても多勢に無勢である。
「どうする?」
「放っとこう。探す時間が惜しい。マジで戦争、一歩手前なんだ」
「まったく、面倒なことしてくれたわ」
サンジは頭をかく。戦いたくないという龍驤の気持ちはわかるが、結果はもっと大きな戦いを呼んでいる。しかし、ルフィが止めていないのだ。
なんとかはしたかったようだが。
「なにが見えてんだろな、あいつら」
「知らないわよ」
王国軍が来て、海軍も来る。クロコダイルも暗躍ではなく、戦争を決意した。クロコダイルの側からは離れたが、乾いていく感覚は未だに残る。見れば、街が崩れて、風に飛ばされていく。この瞬間も、レインベースが消えていこうとしている。
「どんだけだよ、七武海」
「ホントにねぃ。大変だったのよ? ゼロちゃんと一緒にいると、お肌が乾いちゃって」
「ああ、そうなのか」
「あんたたちがイラつかせるから、ゼロちゃんたら能力を制御出来なくてねぇい。もうずっとパワハラ!! パワハラ空間だったわ!!」
「誰だ、テメェ!?」
サンジが気づいて、足を振り上げた。ベンサムは避けた。
「パワハラ!?」
「ナミさんはどこだ!?」
「逃げられちった」
指差す先に、ナミの背中がある。見事な逃げ足で、感心するしかない。守る対象と狙う対象が消えてしまった両者は、居所のない気分を共有した。それを遮るように、建物が砕けてゾロが飛び出して来た。
「どこ行ってたんだ?」
「気をつけろ。こいつら、覇気を使うぞ」
建物の残骸から、ダズが顔を出す。そして、舌打ちした。
「なにをやってやがる? 女は?」
「どうせ、奇襲は無理じゃない? こいつらを始末してからで充分よ〜ぅ」
「ったく、厄介だぜ」
サンジは察した。迷子になったゾロが、ナミを狙う二人と出くわしたのだ。奇跡である。
「一応、聞いておこうか。なんでナミさんを狙う?」
「弱いからだ」
「あの子、天候を操るんでしょう? 雨でも呼ばれたら大変じゃな〜い?」
クロコダイルは乾燥が力の根源である。それを失えば、七武海と言えど一人の男に過ぎない。
そうした情報は聞いていたが、それはクロコダイルの命令とは違う。二人はそれぞれの判断で、ビビでもコーザでもなく、ナミを狙うと決めた。
ダズが呆れてオカマを見てる。ゾロもサンジも、お礼を口にしそうなぐらいには戸惑っている。
「おしゃべりめ」
「いいのよ。役割は逆だけどねぇい?」
街中で、爆発音がする。爆煙が見える。ウソップか、ボムボムの実か、それとも龍驤か。戦いは始まっている。
「今、合流したいのはどっちかしら? あやふや!!」
ダズは鼻を鳴らした。実際のところ、バロックワークスが戦う理由はもうない。ただ、逃げるのも難しいのだ。
ここは砂漠の国。そしてレインベースは内陸の街である。
クロコダイル自身が、自分の意地と責任において暴れている今がチャンスだ。戦略級の彼が国を滅ぼそうとしている。ならばそれを防ぐために、麦わらも海軍も総出で対処するはずだ。バロックワークスに関わる余裕などない。
その邪魔などしなければいい。
クロコダイルが囮になる間、仲間を見捨てて逃げればいいのだ。クロコダイルはなにも言わないが、それを促しているようなところがあった。
「あんたが付き合うのは意外ねい」
「俺も、この世界は気に食わない」
あれだけ、綿密で用心深いクロコダイルが、この戦いでは行き当たりばったりである。
クロコダイルは郊外と街中を行ったり来たり。エージェントは一味を探して右往左往。離脱者も出た。寄る年波でパワハラに耐えられず、郊外で隠れ家兼逃走経路を準備していたMr.4ペアは完全に遊軍だ。二人とも、ちょっと痩せたらしい。
引き込もっている間、パワハラをしているだけでなく、やることはあった。ギャルディーノがいくらでも提案はしていた。
場合によっては、ニコ・ロビンをスケープゴートに、バロックワークスを差し出してアラバスタへ友好を示し、この場をやり過ごそうという案まで出た。
実際に、クロコダイル個人の利益を考えれば、バロックワークスとの繋がりを調べられる前に、すべて隠滅してしまえばよかった。誰一人、生かしておく理由などない。
それが出来る男なのも、会った瞬間に理解出来た。
卑怯で姑息だが、有効であると認めざる得ないギャルディーノの献策に対して、クロコダイルは興味すら示さなかった。
彼らは現実を知った。
クロコダイルは今も生きる伝説と競った過去のある、一流の海賊である。四皇に対する抑止力として、特に白ひげに対して実際に有効な戦力として実績のある、ただ一人の男である。
その価値というものを示せば、まだ未遂である罪など誤魔化しようはいくらでもある。政府はどうか知らないが、海軍はそれをわかっているはずだ。
四方の海で多少、名が売れた程度。会社の後ろ盾で、楽園を闊歩した程度。バロックワークスはたかが賞金稼ぎである。
クロコダイルほどの男からしたら、バロックワークスはなんの価値もない実力の持ち主なのだ。彼は世界の広さを体現する男なのだから。
しかし、クロコダイルはなにもしなかった。バロックワークスを捨てなかった。
敵である麦わらや海軍の情報を共有しながら、イライラと酒を飲んで悪態をつくだけだ。それどころか、うるさいギャルディーノにつまらない事務仕事を押しつけて黙らせ、女連中にはホテルスパなんかを自由に使わせ、手合わせを頼んだら付き合ってくれて、まあまあコミュニケーションをとってくれた。
バロックワークスは理解した。こいつ、不器用なんだなと。
実力に見合うだけの誇り高さが邪魔して、頭を下げることも出来ないし、その頭が上等だから、負けを察していても諦めきれない野心があるし、バロックワークスは木っ端だと思っているから、逆にそれを利用して生き残ることを、誇りが許さない。
そしてなにがあろうと、最終的には暴力ですべてを蹴散らせばいいという自負と覚悟がある。
誰にも頼らない、頼ろうとしない、孤高の人間性がある。
バロックワークスは悪党だ。端的にクロコダイルはカッコいい。憧れる。そんな自分になりたいという理想である。
その不器用さも含めて。
加えて、理想の上司である。
顔も見せない時から、実力をきちんと評価してくれた。今、自分たちの実力が、クロコダイルの求めるステージにまったく届かない現実を前にしてなお、仕事への評価はしてくれている。
実力のステージが違えば、生き物としての格が違う。なにせ、怪獣と蟻なのだ。それなのに、上司と部下以上の隔たりを作らず、人間としては対等に接してくれる。
こんな上司、この海の隅々まで探しても見つかるものだろうか。
なんなら、ワンピースより貴重で価値があるものなんじゃなかろうか。
情が少しでもあるなら、認められたいと思わないだろうか。手を貸してやりたいと思わないだろうか。その下について、従いたいと思わない悪党がいるのだろうか。
バロックワークスに関して言えば、いなかった。ポーラなど、クロコダイルが報われない現実を前に、立ち止まってしまった。
どいつもこいつも、悪党とは名ばかりのお人好しばかりである。悪党とは憧れるものではない。成ってしまうものなのだ。
「アラバスタも、海軍も、全部干からびてしまえばゼロちゃんの勝ちよ」
「お前らはついでだ」
なんか、納得のいかないゾロとサンジである。彼らの事情をわかっているわけではないが、なんとなくこの場だと悪役な雰囲気を押しつけられている気がする。
二人は同時に察した。なんにもわからないが、この理不尽な感じには覚えがある。
「龍驤のせいだな」
「は?」
彼らは敵同士だ。分かりあうことはない。疑問を捨てて、構えをとる。
「舐めんな、三下。ついでで倒してやるよ」
「通過点ごときが、偉そうに立ち塞がるな。端っこ歩け。俺たちはな、ワンピースを目指してんだよ」
「ルフィは海賊王になる」
「お前ら邪魔だ」
ベンサムは笑い、ダズは眉を寄せる。
「奇遇だな。ワンピースに関しては知らないが、海賊王なら目指してる」
「そうよねぇ〜。こんなもの過程に過ぎないわ。邪魔なのはあんたらよ!!」
「付き合うと決めたんだ」
「ダチ!! だからよ〜ぅ!!」
四人はレインベースの真ん中で対峙した。どちらも引けない理由がある。
パワハラに鍛えられ、同僚の無茶振りに応えてきた彼らの実力が、今、試される。
「なぜかしら? ちょっとシンパシー?」
「やめろ」
ベンサムは全員に止められた。