龍驤がヤサグレるワンピース   作:HIRANOKORO

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理屈ではない、理屈だけではすまない

 怪我人が十人を越えた辺りで、シャンディアは撤退した。みな軽傷とまでは言えないが、まったく動けないほどの重傷者はいない。見た目の割りに、ワイパーの指揮は堅実で安全だ。龍驤にしてみれば、ルフィよりも好みではある。

 ただこれだと負けることがない代わりに、まず勝つことがない。単純に戦力で劣っているからだ。

 頭数もそうだが、空中戦や騎乗戦になると、マントラがかなり有効になる。敵の未来位置を予測出来るからだ。攻撃というのは常に面ではなく、点で行われる。

 弾幕というのは幻想なので、散弾やぶどう玉を使っても誤差を埋めるぐらいの役にしか立たない。空間ではなく、対象を捉えなければならない高速戦闘に置いて、先読みは大きなアドバンテージだ。

「試練とかいうのは繰り出して来たか?」

「いや、それはなかった」

 ワイパーの表情は苦々しい。置きバズーカ出来なかったからだろうか。

 真面目に言えば、龍驤の砲撃で神兵は削られた。ほとんど、戦況に影響は与えなかっただろう。

 なのに、神官が一人足りない状況で、いつものように撃退されてしまったのだ。多少は手応えを感じただけに、押し切れないもどかしさを感じていた。試練の場に向かってみたが、神官はおらず、なんか変なのがいた。ワイパーは背負えなかった。

 明日、また攻めたとして、試練で足を止められれば被害は確実だ。ワイパーは決断しなければならない。

 仲間を踏み越えて、それでも進むべきか。

「ま、ウチらを利用し。明日は探検やから、邪魔さえせんけりゃ、敵対することもないし」

「遺跡は、調べるだけなんだな?」

「そのへん、ウチの学者めっちゃ厳しいから」

 むしろ、遺跡の保護保存については、シャンディアに説教と手ほどきすらしてくれるだろう。下手に動かしたり持ち帰ったりしたら、たぶんルフィでも怒られる。龍驤なんかどうなるか。

 いやもう、ホント。冒険なんかしないで、神の切り札とやらも起動する前に潰したいんだけど。

 本当にあるのかどうか知らないが、なくてもだ。脅威は全部あらかじめ排除したい。龍驤はシャンディアより過激派だ。

「ダメやよなぁ。絶対、顰蹙買うよなぁ」

 龍驤もなにが飛び出てくるか、楽しみではある。

 離島であり、シャンディアの一時避難所であるこの場所。地面が雲で心地よく、森があってキャンプにも最適だ。身を隠すには丁度よいが、アッパーヤードとは木の大きさがあまりにも違う。

 この違いもわからない。生物の大きさ、体格は遺伝的要素が大きい。犬がよい例だ。まさに千差万別である。

 しかし基本、同種であるなら、違いは食べ物になる。日本人は欧米人に比べて小さいと言われてきたが、食生活が似かようにつれて、体格も似かよってきた。

 元は同じ島である以上、植生はジャヤと変わらないはずだが、アッパーヤードは今やまったく別の島だ。空特有のなにかかも知れないが、この離島はまさに空特有の雲に覆われている。アッパーヤードであれなら、こちらはもっとジャイアントジャック並な成長を遂げてもおかしくない。

 だが、そんなこともない。むしろ、普通だ。

「植物だけなら重力異常もあり得たが」

 動物も大きくなっているようだ。でも、狼は普通で、でも名前から空の固有種のような。でも、鳥は。いや、虫は。

 わからない。他に考えられる原因は、ジャイアントジャックか。

 あれの豆なりがアッパーヤードを肥やしていたり。

 もしくは、元々そうだったのか。

 日本人と同じで、大きくなるポテンシャルはあるのに、青海の環境のせいで普通に見えていただけとか。

 世界の巨木は固有種でもなんでもなく、気づいていないだけでそこらに生えている木も、ジャイアントジャックのようになる可能性を秘めているのかも知れない。

 青海の木々は、ただ環境に適応しただけなのかも。

「だとしたら、この環境こそが普通なんか」

 生物の細胞分裂、タンパク質などの合成は遺伝子により制御されている。たくさん食べても、人は巨人にはならない。デブになる。

 食べ物で大きくなれるのは、それだけ設計に余裕がある場合のみである。では、その余裕はどうやって生まれたのか。

 慣性制御をする貝とか、通信が出来るカタツムリとか、地上の生き物そのままを模したような海獣とか、肺呼吸も出来る海王類とか。

 犬みたいに大きさも形も、関節の数さえ違っても繁殖可能な、多様な人類。

 そして、空で巨大になる植物や鳥類。

「海面は上昇したんやなくて、低下した? 一万メートルも?」

 なにもかもが人工的に思えてくる。誰かの意図や意思の介在を疑う。

 だが、遺伝子による適応は、人類も利用可能なありふれたアルゴリズムである。それが何百億年の積み重ねであれ、スーパーコンピュータによる計算であれ、まるで誰かにデザインされたように見えるのは、当たり前と言えば当たり前だ。確立された自己、その保存、複製、そして進化。

 ルールや方向性の示されたアルゴリズムに、パレイドリア効果が伴うのはむしろ必然だ。規則性があると勘違いするやつ。実際にあるが、ルールに意思はない。

 それは生命の営みであって、神の御業ではない。正解ではなく、最善や最良を求めるための、世代を越えた努力なのだから。

 龍驤が考えるように、世界が海に沈むから、誰かが生き物をそのように作り変えたのか。それとも、世界が海に沈んだから、生き物がそのように自分を変えたのか。

 よほど遺伝子を細かく解析しなければわからないだろう。

 そしてここに来て、沈んだのが海なのか陸なのかわからなくなると言う。

 アッパーヤードの植物は、本来あるべき場所に大地が存在することによって、本来の大きさを取り戻したのではないか、という疑い。空に原因があるのではなく、大地の方になんらかの原因があるのならば。

 人類は、生命は、実は空に住んでいた。

「チョッパー、治療はすんだぁ?」

 龍驤はその疑いを棚上げした。今、忙しいんだ。冒険中だから。

 監視と言う名目で龍驤の側にいるが、ワイパーにはこの不思議生物がわからない。さっきからなにをぶつぶつと。

「ジャヤってか、シャンドラやったか。もしかして、ウチらの敵も同じかも知れんのや」

「マントラでも使ってんのか?」

「自覚はないが、そうかもな」

 ぶつ切りのログ。沈んだ島々。それはなんらかの災害の結果かも知れないが、それにしてはノックアップストリームの形状がキレイだ。なんであんなめちゃくちゃが、空へ行く手段足り得るのか。

 鐘の音はシャンドラの灯らしい。死者供養のために、導きの意味を込めて音を鳴らすことは前世でもよくあることだが、灯というなら実際に灯りをともすのが普通だ。

 なのに、シャンディアの人々は火でも光でも、太陽や月や星でもなく、鐘を信仰の対象にしている。

 しかも、金製。響きを良くするために金を混ぜることはあるが、柔らかい金属である金を叩く目的で使うか。

 挙げ句、それを都市全体に施すとか。そしてその都市を指して、シャンドラの灯と。

 今は見えないだけで、古代の科学なら見えた灯りだとしたら。

 固有振動を利用した、重力波通信かな、とか。宇宙規模の灯台がシャンドラなんかな、と。

 そんな通信の重要拠点だったから、ジャヤ周辺は激戦地だったんではないか。だから地殻に穴を開けるような兵器が多用されて、あっちこっちから海水が吹き出してるんではないか。

 複数のまったく別の吹き出し口があって、0:100が成り立つのなら、少なくとも穴の形状が同じでないと無理な気がする。

 もはや科学考察ではない。SFの妄想だ。しかし、龍驤の知識や発想ではもはや手に負えない領域まで来ている。先を予測するための推測ではなく、安心や納得のためにしているような気もする。

 だとしても、ネタバレを禁じられても、龍驤の役割は船長たちをなんの躊躇いもなく、助走をつけて敵を殴り飛ばせる位置まで届けることである。捨て奸なら、ど真ん中で、だ。

 重力とか慣性とか、魔法みたいな超技術を繰り出してくるかも知れない相手に、大戦時の技術で。

 遠い目で黄昏始めた不思議生物に、ワイパーがドン引きする。マントラでもないと、龍驤の行動は脈絡がなさ過ぎる。

「龍驤、終わったぞ。帰ろう」

「そうするか」

「今日のうちだけは絶対に安静にするんだぞ!? ちゃんと食べて、寝て!! 明日、判断するんだ!! 無理なら休めよ!?」

 ピョンと龍驤の肩に乗って、チョッパーは厳しく注意した。

「ああ、ちゃんと見とくよ。ありがとう」

「タヌキちゃんすごいな!? みんなの声が戻ってきた!! あたし、怖くなかったよ!!」

「タヌキじゃねえ!!」

 ラキやアイサだけでなく、シャンディアのみんながチョッパーを褒め称えた。それが当たり前になってしまった麦わらではわかりにくいが、チョッパーはとんでもなく腕のよい医者だ。

 縫合の仕方一つとっても、傷の治りや予後の感覚には違いが生まれる。丁寧で誠実な仕事は、やはり結果も素晴らしいのだ。

 一味も感謝や評価はしているはずだが、自己評価は同じ環境の中で、なかなか上手く育たない。子供にはたくさんの、色んな友達が必要だ。

 無意味に肥大して神になるのも怖いが、無意味に卑屈になられても困る。

 コビーとヘルメッポ。もう、たしぎちゃん追い抜いたかな。

「どうした?」

「いや。帰ろ、帰ろう」

 チョッパーの腕がどれだけ良かろうと、斧に例えられるような傷とか受けて、翌日に戦線復帰出来るのだろうか。

 出来るんだろうな。

 活発な細胞分裂。この世界、やはり遺伝子の変異は早そうである。人類の箱庭か、神の創造物か。

 答えが出ないまま、シャンディアに手を振って帰り路についた。

 

 

 落ち合いの離島から一足早く、麦わらへ合流したガン・フォールさんは、そこで行われていた出来事に呆然とした。

「あ、お疲れ様!! 龍驤とチョッパーは?」

「あ、ああ。後から来る。なに、彼女の腕ならすぐだろう」

 空の戦士より巧みに雲を走る姿は、物珍しさもあって美しかった。武骨さとは無縁の、しかし、刃のような鋭さと危うさがあった。

 美少女なのだなあと、ガン・フォールさんは初めて気づいたぐらいだ。

「メシももうすぐ出来る。座って待ってな」

 コックが飯炊き用のかまどに、大きな鍋をかけている。その後ろには、巨大な木組み。キャンプファイヤー。

 島雲を切り出したソファが人数分。パガヤさんもなんか作っているし、ウソップは向こうで穴を掘っているし。

 なんだろう、この一大拠点。シャンディアだってここまではしていなかった。情熱が、熱意が違う。

 心地よく過ごそうと言うより、楽しく生きようという心意気が、これでもかと伝わってくる。

 特にキャンプファイヤー。いやもう、なんかあれかな。宗教的な儀式でもするのかな。これを囲むの、ちょっと怖いんだが。

 ガン・フォールさんは、気の合いそうな考古学者の隣に腰を降ろした。少し離れた、木の根などでなんとかキャンプファイヤーと目線を同じに出来る位置だ。手元の手帳になにか書いている。

「お邪魔する」

「ええ、どうぞ」

 要は、あれが崩れてこない。

「エネルの住む地で、いやいや、実に豪胆な」

 青海って怖い。

 ただ、怖いだけでなく楽しい。空島の娘がハープを弾き、それに合わせてガチャガチャと働く男たち。

 アンバランスなようで、不思議にマッチした空間がそこにあった。自然と笑みが溢れる。

「あの外れ者が身を寄せるだけはある」

「龍驤のこと?」

「長く生きてきたが、なんとも。異世界転生者であったか?」

「フフ、あまり変わらないわ。この船の海賊は。私も、まだ勉強中だもの」

 年の功が通じなかった、年若いトナカイ。どこからどう、日常と突き合わせればよいのか。そもそも、若者の悩みを聞いたのは、いつぶりのことか。

「エネルに神の地位を追い落とされて、六年。年甲斐もなく、鎧を身にまとい、逃げ出す元部下たちを逃がさんと奔走する日々。それが、フフ、このような形で、日常を取り戻すことになるとは」

 諍いはあった。だか、なんとかわかり合おうとしていた。平和はすぐそこだったのに。なんのてらいもない日常が来るはずだったのに。

 黄金なる鐘を求めて、自分とシャンディアと、青海人がアッパーヤードへ攻め込んでいる。神の陣営も、神兵を含めて総力を挙げている。部下たちの安否は未だ不明。神の企みも。

 なぜこんな戦いの中で、自分は日常を感じているのだろう。安らぎや楽しさを。明日への希望を。

「ありがとう!! 礼を言う」

「なんだ急に、改まって?」

 だが、麦わらの一味にはわからない。これが彼らの日常だから。冒険と戦いの隣で、夢とロマンを追いかけるのが仕事だから。

 溢れた一筋の涙は、すぐに乾いて消えた。

「なに、言いたくなったのだ。どれ、今夜は吾輩も飲もうかな」

「おう、飲め飲め!! こっち来いよ!!」

「それは遠慮する」

 マジで気合いを入れ過ぎだ、あのキャンプファイヤー。まさかとは思うが、火事になったりしないだろうか。

 サンジのシチューが出来上がる頃、帰ってきた龍驤に半分にされるまで、その組み木はでんと中心にそびえていた。

 

 

 狼やなにやら、森中の動物たちが集まって来たような宴だった。連れてきたサウスバードが、ご機嫌で呼び寄せた。サイズ違いが枝に並んで、ジョージョー言っている。

 そしたら、なんかとんでもない大きさの蛇まで来て、船長とケンカを始めた。食い物の取り合いになった。なんと、ガン・フォールさんも手伝ったのに、ついに勝負がつかなかった。

 今はなんか、一緒に酒を飲んで、太鼓に合わせて踊っている。

 なんだろう、あれ。

「海王類かな?」

「一応、陸上生物でしょ?」

「せやかて、ナミ。ウチの化け物どもで仕留められんとか」

 帰り道に漁をしておいてよかった。足りなかったら、ケンカが終わらなかった。遺跡とか潰されて、船長がロビンにキュってされてたかも知れない。

 サンジ様々である。ゾロとか寝てた。起こしたのに、起きなかった。自信満々で撃った大砲とか全部鱗で弾かれたし、蛇にサブミッションはさすがに無茶だし、ナミは隠れてた。

 ウソップとチョッパーはなんというか、頑張っていた。

 寝てたゾロが楽しく飲み直してるの、なんか納得がいかない。

「こんな光景初めてです」

「なんともはや。規格外な。すいません」

 その感想は、こちらもである。なんなら、龍驤とルフィは、一度食べられている。全力で暴れてやったが。

 蛇の体内とか、初めて見た。蛇はげんなりして、一味と和解した。

「なんで?」

「さあ?」

 コミュニケーションのオバケだとは思っていたが、そこまでかルフィ。動物の言葉がわかるチョッパーの助けすら借りず、そうなっちゃうのか。

「とりあえずな。消化管の構造が普通の蛇とちゃうねん。みんなが寝たら、忍び込も。遺跡あったで」

「どうしてよ」

「あら、悪いコね」

 ロビンがニッコリと蛇を見上げる。許してあげて欲しい。きっと言い聞かせればわかってくれる。

「ま、ウチら黄金が目当てなわけやけど。メリーあんなんやし、ルフィおるし。冷静に考えるとな。積めんやろ? 金とか」

「えっと」

 ナミの目が泳ぐ。気づいていたな。

「その黄金とは、どんなものなのですか?」

「価値のあるもんや。それだけ覚えとりゃええ。青海の人間と取引するには、現金よりよほど便利やぞ」

 いくら地上の品でも、金だと生活の役に立つことはそうそうない。

「重いんよ。だからまあ逆に、ちょっとだけでも大きな取引に使えんねん」

「なるほど?」

 船による交易では、軽いものほど安く、品質の変わらないものほど安定し、珍しいものほど需要がある。

 金は重く、安定し、珍しいので高いのだ。逆に胡椒や茶は、軽いがすぐ腐るので、無事だった小さじ一杯が金と同価値になったりもする。儲かるとは言われるが、荷のほとんどが無駄になる覚悟も必要な商品だ。なんなら、全部ダメな場合だってある。

 胡椒貿易は破産必至の、実は博打なのだ。だから、金持ちしか手に入れられなかった。

「それがどうして蛇の胃袋へ行く理由に?」

「だから、遺跡あんなら、装飾品とか探しゃええやろ? 普通、金塊よりこっち探すで?」

 金塊は金としての価値しかないが、装飾品なら付加価値が付く。ただ金を積むよりも軽く、より安定して高く売れる。

 遺跡を目当てに冒険するなら、当然、狙うべき獲物だ。

「だからって蛇の胃袋に」

「言うて、ここの遺跡ってあの神が管理しとんねん。そんなとこうろつくより、酔っ払った蛇の方が安全やん」

 三貴神が一人、素戔嗚尊ご推薦である。安全は保証されたようなものだ。

 それに胃袋と言っても、遺跡がそのままな砂肝とか砂嚢とかそんな類である。身体が大き過ぎて、口で咀嚼が出来ないのだろう。

 蛇ならば問題ないのかも知れないが、蛇でなければ問題だ。

 つまり、この海王類もどきは、一度食べたら消化が終わるまで大人しくしているなどという、のんびりした生態をしていない。

 成長や活発な活動のために、早く消化して次々に獲物を襲うという、アグレッシブな生き方の生物だ。

「危ないんじゃないの!?」

「大丈夫、大丈夫。遺跡のある手前だけなら、身体は溶けへんて。……シャツは知らんけど」

 この世界、石油製品など存在しないので、服などの布は植物性か動物性である。

 下着ならともかく、シャツなどは涼しさを求めて植物性の繊維を使ったものを、女性陣も男性陣も着ている。

 食物繊維などは溶けないと思うかも知れないが、それは人間に扱える消化酵素だけの話である。

 溶かすことの出来る生物がいてもおかしくないし、なんならそうした細菌と共生することもある。実際、ルフィのチョッキはボロボロになってしまった。噛まれた大木があっという間に腐食した。

 そうなのだ。あの蛇の体内は、服だけ溶かすナニカ、という、人類のロマンが詰まった場所なのだ。残念ながら、下着は対象外だが。

「死ね」

 龍驤の顔面に、ナミの拳が突き刺さる。まさに植物性のワンピースを身にまとうコニスが、恥ずかしげに身体を抱いている。

「ナイスや」

 その赤面した姿に、梅干しになった龍驤が親指を立てる。

「なんなの? アンタ」

 ロビンはクスクスと笑った。

 夜は更けていく。

 

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