リコリコの世界にモブキャラとして転生したら、全てのモビルスーツシリーズが造れる件   作:フェルトファン

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 2023年4月22日に、SIDE-Fにて新発売のRG……MSN-04FF サザビー。買うかどうか正直迷う作者.........


 いつもブックマーク、感想、評価、誤字や脱字報告なども本当にありがとうございます!コメント欄になかなか返事を返せないのが多い自分ですが、これからもよろしくお願いします!


 なお、今回もまた、別の勢力に目を付けられてしまう一般人…


Episode 13 隠蔽、秘密、そしてアフロ

 

 

 

 

 

 ーーとある漁港

 

 

「なぁ中田さんや!今日のニュースを観たかい?」

 

「あぁ俺も観たぞ。なんでも…()()()()()()()()()()()()()()()が起きたらしいじゃないか?」

 

「自分もニュースで観てびっくりしたわ!なんでも、()()()()()()()()()()()()()()()()()したんだっけな……そしてそん時に出た炎が廃工場に移っちまい、大きな火事が起きたんだっけ?まぁ…その時人もいなかったし、結果的には大惨事にはならんかったけどな。」

 

「全くだ………それはそうと岩山さんよ、あの()()を聞いたことあるか?」

 

「…噂話……いや、知らんけど?」

 

「確か海難事故が起こった後の事かな……昨日、魚を捕りに向かった1隻の漁船が()()()()()を目撃したんだって話なんだ。」

 

「奇妙な生物……なんだいそれは?」

 

「なんでも、巨大生物らしきものが海の中に泳いでいたとか……」

 

「それ…鯨じゃないんか…?」

 

「いやそれが……目撃した船員が言うには、()()7()0()m()()()だってよ……」

 

「な、70!?そんなバケモンみたいな生き物が海の中にいたのか!?」

 

「いや海の中だったから、ボヤけてて見えにくかったし、ほんの2、3分でどっか行っちまったらしいぜ。」

 

「へぇ〜もしもそんなのがいたら、それはぜひこの目でみたいな……」

 

「そうだな……なんでも彼らはこう呼んでいたんだ……」

 

 

 

海の亡霊

 

 

 

 

 

 

 

★★★

 

 

 

 ーー場所が変わって、とある一軒家……

 

 

 

 

 

 

「...........なんだよ........マジでなんなんだよこいつら..........」

 

 

 PCモニター以外の光源が一切皆無の部屋で、ロボ太がそう呟いた。先日東京湾近くで起きた廃工場での光景をドローンからの映像を観ていた。

 

 実は彼…ロボ太はとある新たな依頼主によって仕事を頼まれていた。依頼内容は、取引相手である()()()()()()()()()だった。

 

 監視をしていたその時、突如何者かが廃工場に侵入したことを気づき、見つかる前に急いで地下から脱出し、事前に用意した武装船に乗れと指示を出したロボ太。そして、組織グループが船に乗った事を確認し、後は国外へ逃亡するだけのはずだったが……

 

 

『あのクソ共をぶっ殺してやらねーと気がすまぇんだよ!』

 

 

 ーーと、組織のボスがロボ太の警告を無視し武装船などを使い、勝手に攻撃体制に入ってしまった。指示に従えと急いでボスに伝えたその時、突如通信が途絶えしまい、ボスとの連絡ができなくなってしまった。

 

 一体何が起きたんだと、急いでドローンの位置を変えるロボ太。操縦する偵察用のドローンを通して、映像から信じられない光景を目の当たりした……

 

 

「……なんだよ……地上や空だけじゃなく、水中までも動くのかあの巨大ロボット共は!?しかもあの赤い奴!一体どうやってあんなデカいのを造れるんだよ!?」

 

 

 どうやって造った……もっと知りたい……と、興味と興奮の感情が混じっているロボ太。興奮しているせいなのか、体温が一気に上がり、被り物の下から徐々に汗が吹き出てくる.........

 

ーーーーするとその時……

 

 

 

 

 

《〜♩〜♪〜》

 

 

 

「!?」

 

 

 机の近くに置いていたスマホが鳴り、少し驚いてしまったロボ太。スマホを取り、着信ボタンを押す。そしてそれを耳に当てる。

 

「な、なんだよ…びっくりさせやがって…はい、もしm…『おいハッカー』…っ!?」

 

『コイツはどう言うことだ?しかもなんかアイツら捕まっちまったそうだな……てか、お前のせいで取引できなくなったんじゃね?』

 

 声の主は男である。だがその声を聞き覚えているこそ、ロボ太は眉をひそめた。今、ロボ太が電話相手している男こそ、今回の依頼主でもある。

 

「ま……“真島(まじま)”!?」

 

『おいおい電話にかけただけでそう怖がるなよ。それともあれか、お前の家に直接行ってあげようか〜?』

 

「(こ、コイツ〜〜〜)」

 

 最初に会ってからロボ太は、この真島という男はあんまり気に入らなかった。今すぐにでも通話を切りたいと思っていたのだが、今は真島に話す事が山ほどあると、一旦冷静を取り戻すロボ太。

 

『つーかよ、見つけたのか?何もかも隠蔽にできる裏の存在…r「今は、それどころじゃないんだ!」……あ?』

 

「アンタの取引相手の組織が隠れていた場所で、とんでもない奴らが現れたんだぞッ!!もちろん、この目で見たんだ!!」

 

『………おいおい、早速言い訳か?それにとんでもない奴らってリコリスの事か?ならそこまで驚く程……』

 

「違う、そっちじゃない!いいから僕の話を聞け真島!リコリスじゃなくて、巨大人型ロボが出たんだ!!しかも今度は、今まで見た事も無い……全く別の奴だ!!」

 

『······なに?』

 

「お前もテレビのニュースとかでも観たことあるだろ!?東京の街に空港に出てきて、今じゃ世界中でも話題になっている謎の巨大人型ロボットだ!しかも今度は、水中までも動いていたんだぞ!それだけじゃない、中には70m以上のバカデカい奴もいたんだぞ!!架空(フィクション)じゃなく……現実(リアル)だ!」

 

 ロボ太は焦りながらもスラスラと真島に説明する。途中から全く聞き取れなかった言葉が通話に入ってきたが、それでも真島は黙ってロボ太の話を聞く。

 

『………おいハッカー、写真とか映像…撮れたのか?』

 

「…え?」

 

『だ・か・ら、その巨大ロボが出てるて証拠だ。写真か映像を撮ってんなら、こっちに送れよ。』

 

「あ、あぁ……映像なら撮れたぞ!ちょ、ちょっと待ってろ!今そっちに送る…」

 

 通話相手…真島にその映像を送るロボ太。あれだけ話したが、やはり自分の口からだけでは信じて貰えないだろうか。そしてその映像を送った後、どういうわけか送った映像を観ているだろう真島の声がピタリと止まっていた。

 

『……』

 

「………お、おい……」

 

 突然…沈黙となった真島。流石に不審に思ったロボ太は、思わず真島に尋ねると……

 

 

『……くっくっくっ……』

 

「………へぇ?」

 

 

ハハハハハハハハハハハハ!!!!

 

 

「…っ!?」

 

『すっっげーなんだよこれ!?テレビとかでも観てたけどよ…こっちの方が全然観やすいじゃねーかじゃねーかハッカー!』

 

「……」

 

『おい見ろよこの黄色い奴!レールガンを持ってるんだぞレールガン!SF映画とかでよく観ていたけどよ……現実にもあるってことじゃねーか!しかも、この赤い奴も…確かに結構デケーな!こんな奴らがいたら、奪った銃よりも価値があるぞ!』

 

「……」

 

『おいハッカー!よく撮れたな!褒めてやるぜ!』

 

「お……おう……」

 

 不気味な笑いで興奮する真島の反応を耳に入り、思わず引いてしまったロボ太。そんな時、真島は思わず声を漏らした。

 

『最初、てっきりお前はあのウォールナットよりマジで使えねぇ奴だと思ったんだがよ、意外と役に立ってんじゃねーかお前。』

 

「……な、何ぃ!? 今なんつったぁ!!それにもうとっくに死んだアイツの名前を出すんじゃねーよ!いいかよく聞け!僕は日本…いや、今じゃ世界一のハッカーだぞ!!」

 

 ロボ太は声を荒げて機嫌が悪そうな声で言ったいるが、電話の相手である真島は、そんな彼の言葉に全く興味を持たず、とりあえず適当に受け流す事にした。

 

『はいはい〜わかったわかった……それで、そのロボット共の居場所は追跡できたのか?』

 

「……いや……それが、追跡ができなかった……と言うより……途中から電波の調子が悪かったみたいだったから……」

 

『……ッチ……んだよここぞって時に使えねぇな……』

 

「わ、悪かったな……(今コイツ、舌打ちしたぞ!)」

 

『……まぁいい……じゃ、仕事追加だ世界一のハッカー様。』

 

「………ちょ、ちょっと待て……追加だと?」

 

『あ?なんだ、不満か?』

 

「い、いや……そうじゃなくて……」

 

『そうか、なら要件言うぞ。あの巨大ロボット共の特定か解析して、そしてそいつらを造った開発者とかなんでもいいから調べろ。もちろん大至急だ。』

 

「ーーーーーはぁ!?ま、待て待て待て!なんでそうなるんだよ!?それに、依頼の期限日はもうとっくに終わったんだぞ!!」

 

『追加だ、追加。それにお前のせいで取引相手の組織が捕まっちまったんだぞ。』

 

「うぐ…っ!」

 

『もちろん報酬は出す。言っておくが、もしも情報を見つけなかった場合、お前の家に行って直接潰しに行くからな。あ、もちろんリコリスの存在も忘れんじゃねーぞ。』

 

「な、なんでだよ!?…というか、それ完全に脅迫だr...『じゃーな、世界一の天才ハッカー様〜』お、おい!待てーーーー!!」

 

 

《ツー、ツー》

 

 

 直後、真島からの通話が切れ、再び一人となったロボ太は、肩を大きく揺れつつ、全身を猛烈のように震わせる。

 

 

あ、あんにゃろ〜〜〜好き勝手にいいやがて!!!

 

 

 思わず椅子を跳ね倒し、絶叫するロボ太。

 

 

「上等だコノヤロォ!!!だったらこっちもこっちでリコリスだろうが巨大ロボットだろうが!全部暴き出してやるわぁ!そしてこのロボ太様こそが日本一……いや!世界一のハッカーだと今度こそ証明してみせる!!!!!!」

 

 

 椅子に座り直し、猛烈な勢いでパソコンのキーボードをタイピングしつつ、持っていたエナジードリンクを一気に飲み干すロボ太。リコリスの存在や謎の巨大人型兵器の集団について、調べ始めるのであった……

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ〜〜マジでメンドクセーなアイツ……まぁ、まだ使えるから別にいいけど…」

 

 ロボ太への通話を切った緑のアフロ頭の男……真島(まじま)がそう口に出す。現在彼は、大型ワゴン車に乗っており、運転は部下達に任されている。本来なら今日、麻薬組織と取引するはずだったが、組織のほとんどがリコリスに捕まってしまったのであれば向かう必要は無いと、アジトへ引き返す事になった。

 

「しっかし……コイツらマジでなんなんだ?本当にSF映画とかに出てくるメカじゃねーか。ボト◯ズか、ゲッ◯ーロボのパクリか?」

 

 送られた映像を未だに観続けている真島。実は彼、東京の街で現れた謎の巨大人型兵器の存在に興味を持ち始めた。それから、航空機に変形するロボットや今回の水中移動もできるロボットが現れてからも、まるで童心を取り戻したかのように大いに注目している真島。

 

 映像を観ている最中、車内に取り付けたスピーカーから部下の一人の声が聞こえた…

 

『真島さん……取引先の組織なんですが……残念ながらやはり組織のボスも含め、全員捕まっちまったそうです…』

 

「だろうな……しかもどれもこれも、メディアには海難事故になったらしいじゃねーか……ハッ!全く、バランス悪すぎだろ…」

 

『はい。それと真島さん……この巨大人型兵器なんですが……取引相手だった組織のボスにも伝えてなかったんですかい?』

 

「くっくっ……そりゃ、あんな奴らが来るなんて思ってなかったからなぁ……マジでごめんだわ〜」

 

 部下の疑問の言葉を受けて、真島は思わず不適な笑みを出してしまう。捕まってしまった組織に対して謝る真島だが、その様子を見れば()()()()()()()()()()()

 

「ともかく……報告は以上だ。それに今頃、例のハッカーが調べてくれるし……今はアイツの結果報告を待つぞ。」

 

『……了解』

 

 部下からの報告を聞き終えた真島は、通話を切り、再び視線を映像の方に向ける。その口元は歪に上がって、同時に楽しげな声も漏れ出す。

 

「いいねぇ、やっと面白くなって来た……そうでないと、バランスが取れないもんなぁ〜……くっくっくっ……」

 

 

 真島は誰に聞かせる訳でなく、ただただ思うままに紡がれる言葉。

 

 

「おいお前ら、アジトに戻ったらやる事があるぞ。取引は結局ダメになっちまったが。まぁ、面白いもんを見つけたし.....色々と調べたい事が増えたからなぁ……」

 

 

 

 

★★★

 

 

 

〜翌日〜

 

 

「(………やっぱり無いな……)」

 

 あの出来事が起きてから翌日、今日も喫茶店リコリコへ向かっている最中である蒼夜。

 

「(昨日、東京湾近くの廃工場にて海難事故が発生……怪我人、及び被害者はゼロ…)」

 

 仕事場であるリコリコへ向かいながら、スマホでニュースサイトを見る蒼夜。

 

「(……だめだ……やっぱりどのニュースにも載ってない……)」

 

 不思議に思う蒼夜が語る。それもそのはず、昨日起きた出来事とテレビや新聞などにも載っている内容とは全く違かった。あれだけの爆発や煙が上がったりなどがあれば、流石に少し遠く離れている人々にも気づき、目撃されるだろう。しかし、記事の内容を見れば海難事故として載っていた。

 

「(どうなってんだ……まさか隠蔽なのか?それにどうして彼女達があんな所に…)」

 

 そして、以前から気になっていた千束とたきなの正体。自分と変わらない年齢の女の子なのに普通に拳銃を持っていた。しかも彼女達だけではなく、彼女達と同じ制服を着ていた二人の少女。そしておそらく、残りのリコリコの店員であるミカ、ミズキ、そしてクルミもそうに違いない。

 

「(リコリス……この言葉と何か関係あるのかな……やっぱり一度、ハロ達に調べてもらった方がいいのか……ん?)」

 

 リコリスについてハロ達に調べさせて貰おうと考えた時、蒼夜のすぐ横を二人の女子学生が通り過ぎていた。

 

「(━━━っ!あの制服……)」

 

 二人とも自分と同年代であり、べーシュの学生服を着ているのだが、その「学生服」にすこし引っ掛かり、身に覚えがあった。なぜならば、千束とたきなが着ているのと全く同じデザインであるからだ。

 

「(………そういえば……最近たまに見かけるな……)」

 

 その制服はブレザーともセーラー服ともボレロとも分類できない不思議なデザインをしており、おそらく、毎日この目で目撃したいたかもしれない。さらに、学校指定と思われる校章をつけており、女子学生だと思うだろう。

 

「(………いや待てよ……そもそも、彼女達は学校に行っているのか?)」

 

 蒼夜にとって疑問に思ったのは、一体彼女達は、どこの学校に通っているのか…または、なぜ拳銃を所持しているのか……

 

 

 

 そう考えているうちに、いつの間にかリコリコに着いてしまった蒼夜。

 

 

 

 〜カラン♪

 

 

 

「おぉ〜おはよう蒼夜君!」

 

「おはようございます蒼夜さん。」

 

「お、おは……ご……います……」

 

 相変わらず人と喋る蒼夜の口言葉は少ないが、それでもなんとか彼女達にそして、カウンター席にいるミズキと厨房室にいるミカにも挨拶する蒼夜。

 

「めっずらしぃね〜蒼夜。まだ店開く時間じゃないのにさ〜」

 

「(え………あ、ほんとだ。)」

 

 ミズキに言われ、時計を見る蒼夜。確かに、開店前時間よりも少し来るのが早かったらしい。千束とたきなの二人を見れば、彼女達はまだ着替えておらず、制服のままである。

 

「………」

 

「……あの、蒼夜さん……どうかしましたか?」

 

「…っ!?…い、いえ……な、なん、なんでも……あり……せん……」

 

「え〜〜嘘!そんな事ないじゃん!私達の事を見てたよねぇ〜たきな!」

 

「はい……まるで、私達に何か言いたいような……」

 

「(や、やべぇ………なんか変に思われる……てか……近い!)」

 

 蒼夜は思わず彼女達の制服を長く見つめてしまった。不審に思われたのか、彼女も反撃と言わんばかりに顔を覗き込んでくる。真正面から見る顔は、間違いなく美少女そのものだった。

 

 もう誤魔化す事ができないと思ったのか、蒼夜は勇気を踏み出すことにした。

 

「(クソ!こうなったらやるしかない!)……あ、あの……し、ししし…しつ…もん……いいい…です……か……」

 

「えぇ!なになに〜!てかいいよ敬語なんか使わなくてさ!」

 

「千束……もう……すみません蒼夜さん。それで質問とは?」

 

「……が....学校.......」

 

「「………え?」」」

 

 蒼夜の言葉に、千束とたきなは少し嫌な予感を感じ始めた。

 

「そ……その……せ、制服……別の…h、人が…同じの...着ていた....ので……ど...どこの...学校...なのか…と........」

 

「…蒼夜君……その人って……女の子?」

 

「は…はい……」

 

「……一応聞きますけど.....着ていた制服の色…覚えていますか?」

 

「……べ、……べージュ……色……です……」

 

 言葉は所々途切れてはいるが、それでも蒼夜にとって長く喋れた事でもあり、彼にとっても純粋な疑問。一週間以上蒼夜と一緒に働くリコリコのメンバーもなんとなく彼の言いたい事が分かってきたのか、徐々に慣れてきた。

 

「え、えっと〜〜」

 

「その……ですね……」

 

 だがその疑問を聞いた千束とたきなの表情が少し強張る。一瞬で曇り、焦って何かを誤魔化すように声を漏らしたり、目線があっちこっちに飛び交う様にも見えた。彼女達だけでなく、ミカとミズキも少々真剣な表情になる。そしてよく見ると、彼女達と同様、額から小さな汗が流れているのを見える。

 

「「「「………」」」」

 

「(………あれ…もしかして……なんかまずかったか………)」

 

 突然沈黙になってしまった彼女達の様子を見て、蒼夜は内心困惑する。自分は何かまずいことでも言ってしまったのだろうかと自信が発言した記憶を思い出す。しかし、特に口に出して問題ある発言は一切見当たらなかった。

 

 そしていつの間にか、よくわからない微妙な空気が広がる。これは流石にまずかったのと思った蒼夜は、何か別の話題を切り替えようと脳内の細胞をフル回転させる。しかし自身も焦っているのか答えが全く出てこない。

 

 そんな時、千束が“みんな、一旦集合!”…と、蒼夜以外のメンバーを呼び寄せ、蒼夜に聞こえないよう、コソコソと呟き始める。

 

「(ちょ、ちょい皆!ど、どどどどうする!?)」

 

「(し、知りませんよ!どう答えるつもりだったのですか!?)」

 

「(えぇぇ〜〜とぉ……ゆ、雄◯高校?)」

 

「(あ〜〜なるほどなるほど…将来プロヒーローになる為の……てアホか!そんな漫画に出てくる高校が現実にあるわけないだろ〜!そんなんで誤魔化せると思ってのか!?)」

 

「(むぅ……困ったな…)」

 

 どう誤魔化そうと悩むたきな。どこぞのヒーロー漫画に出てくる学園の名で誤魔化そうとする千束。そんな彼女の提案にツッコミを入れるミズキ。そして、蒼夜の問いになんて答えればいいのか迷うミカ。

 

 

彼岸花(リコリス)女子専門高等学校、だろ?」

 

「「「「(く、クルミ!?)」」」」

 

 そんな微妙な空気となってしまった窮地を救ったのは、手にタブレットを持つ小柄な少女…クルミだった。そんな彼女が突然高校名を口に出してはいたが、そのような高校を全く聞き覚えがない。 

 

「スマホで調べてみろ蒼夜。検索したらすぐに出てくるぞ。」

 

「いやいやちょっと待てい。そんな高校あるわけn…「あ、あった…」……え?」

 

「その……あ……ありまし……た……」

 

「…ちょ、ちょっと蒼夜君……それ……見せてくれる?」

 

「は…はい……」

 

 千束に言われ、彼女達にもスマホで検索した高校のサイトを見せる蒼夜。そこに載っているのは、『彼岸花女子専門高等学校』とサイトがあり、サイトの中には、二人と同じ制服を来ている少女達が勉学やスポーツなどを楽しんでいるかのような描写も載っていた。

 

「(………確かに……本物だな……)」

 

 開いたサイトを見れば、二人が通っている学校であると信じるだろう。だが、そのサイトを見た千束とたきなの反応は、まるで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だった。

 

「ちょ……クルミ…あんた…これどうやって…」

 

「おいおい何言ってんだミズキ…()()()()()()()()()()()()()()()()?な、店長?」

 

「―あ、あぁ……そうだな……」

 

 意図的かそうでないか、目の前に現れた助け船にミカは飛び乗った。そしてクルミの出現は、ミカだけでなく千束達にとっても助け船であった。

 

「…そ、そうだよ彼岸花高校!私達そこの高校なんだよねぇ〜たきな!」

 

「……そ、そうですね千束。」

 

 稼がれた時間で、千束はごまかす理屈を思いつき、クルミに言われ高校が自分達が今通っている高校だと答え、たきなもそれに乗っかかる。そしてミズキも「あ、あ〜〜そうだったわね〜!」と焦っているようにも見えた気がするのだが……。

 

「それよりミカ、食材切れたんじゃないのか?千束とたきなは高校の課題があって忙しそうだし……なんなら代わりに蒼夜に任せればいいんじゃないか?」

 

「……そうだな。すまない蒼夜君…食材の買い出しへ行ってきてもらえないのだろうか?無論、お金はこちらで渡すよ。」

 

「え………は、はい……」

 

 ついさっきまでの彼女達の様子が怪しかったが、()()()()()()()()()()()蒼夜。そして、ミカから買い物リストの紙と必要なお金を渡され、店で使う食材の買い出しへ向う事になった。

 

「じゃ……い…行って……きます……」

 

「おう!行ってらしゃ〜い蒼夜君!」

 

 千束はもう一度振り向いて元気よく笑顔を送ると、ドアに手を掛ける蒼夜。そして、入って来た時と同様に店内に鐘の音が響き渡った……

 

 

 

カラン♩

 

 

 

 

★★★

 

 

 

 

 

「「「「………フゥゥ〜〜〜〜」」」」

 

 

 蒼夜が店から買い出しへ向かって行くのを確認し、学校の疑問についてすっかり立ち消えたことに千束達は緊張感から解放され、息を大きく吐くと同時に安堵に包まれた。

 

 そんな時、千束は助け舟となったクルミに近づき、抱き付く。

 

「ありがと〜クルミ!助かったよ〜〜」

 

「おぁ!?い、いきなり抱き付いてくるな!」

 

「本当に助かりましたクルミ……ですが……さっきのサイトは?」

 

「あぁ……僕が()()()()()()()()()()()()()()()()だ。もしかしたら、蒼夜がお前達の通っている学校について聞きにくるんじゃないのかと思って、事前に用意してたんだ。もちろん、そんな学校は現実に存在しないのだがな。」

 

「だろうな。ともかく、感謝するぞクルミ。」

 

「おう。後でお手製デザートを食べさせろよミカ。」

 

「いや〜〜〜しっかし一時どうなるかと思いましたよ〜ねぇ〜皆さん!」

 

「そうだな……だがな千束、これはあくまでも一時的だ。アイツにバレるのも時間の問題だし、バレされたくないなら誤魔化し方を変えた方がいいと思う。」

 

「うぅ……そ、それは……そうだね……」

 

 昨日の廃工場の任務先でも、たきなに言われた事を思い出す。確かに彼は、自分達と違って()()()()()()。住む世界が全く別なのだ。そんな時、ミカがクルミに対して問い出す。

 

「まぁそのくらいにしておけ……それよりクルミ、私も質問していいか?」

 

「おう、なんでも聞いてくれてもいいぞ。」

 

「なら質問するが……()()()()()()()()()()()()()()()()()のか、その理由について教えてくれないかクルミ?」

 

「おや、もう気づいたのかミカ?」

 

「まぁな……あんな()までもつけられば、流石に気づく。」

 

 店の食材が切れた事と学校の課題の事……それらはクルミが出した嘘である。なぜそんな嘘をつけなければならないのか、その答えはすぐに分かる。

 

「まぁ、そうだな……実はお前達に見せてもらいたい事があるんだ。もちろん、蒼夜には内緒だぞ。」

 

 そう言って、手に持っていたタブレットを開くクルミ。そして少し操作をすると、先日と昨日の現場で現れた謎のロボット軍団の写真や映像などが現れてきた。

 

「これは巨大人型兵器の……もしかして、何か分かったのですかクルミ!?」

 

「まぁ落ち着いて聞け………最初に言っておくが、()()()()()()()()()()()()()()。東京の街、空港、そして昨日二人が向かった現場に現れた奴らも、世界のあらゆる情報をハッキングし、何度か調べたが……何一つ答えが見つからなかった。もちろん、追跡なども行ったが……結局それでも見つからなかった…まるで亡霊みたいだ……」

 

「……そんなに……」

 

「あぁ……悔しいが……」

 

 険しい表情をするクルミは、千束の問いに答える。そしてそんなクルミの様子を見る千束は内心で驚愕する。

 

 クルミ……ウォールナットとして、ハッカーの能力は文句無しの超一流だ。電脳上での持ちうるそのスキルは、極めて多岐に渡る上にその一つ一つの知識量と凄まじい腕前を持つ。もしかしたら、彼女なら世界中のあらゆる国家秘密も見抜かれるんではないかと疑う。

 

「つまりその……どう言う意味なのででしょうか、クルミ?」

 

「簡単に言えば、これ以上調べるには……僕にとってもうこれが限界なんだ…」

 

 だがこの時、非常に悔しそうな顔をしながら初めて自身の限界を知るクルミ。実際、ネットワーク内の情報全てを調べられる事ならともかく、クルミがここまで苦戦するとは誰も思わなかったのだろう。

 

「だが勘違いするな、僕はまだ諦めたわけではない……それにコイツらを造った開発者……一体どんな奴で、どんな技術で造ったんだ……」

 

 ーーと、ポツリと呟いたクルミ。彼女はこう見えて負けず嫌いであり、求める答えを未だに諦めず探し続けている。

 

「………てかさ、そもそもコイツらの目的なんなの?戦争とかでもすんのか?」

 

「それはだな……あくまでも僕の考察だが……恐らくコイツらの目的は()()()()()()気がするんだ。」

 

「…っ!?どういう事ですかクルミ!?」

 

「いやいやいやちょっと待てぃ!こんなビーム兵器とか持っておいて戦争が目的ではない!?じゃあれか、世界征服とかでもするんのか!?」

 

 語気を強めながらたきなとミズキの疑問の声が上がる。

 

「いや違うなミズキ。目的は不明だが、恐らく世界征服ではないと思う。それにお前ら、思い出してみろ……そもそも()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「…………あっ」

 

 クルミの疑問の言葉を聞いた千束は、“言われてみれば“…と思い出す。東京の街で10式改の暴走を止めたが、その操縦者を殺していない。更に、昨日の現場で敵対していた麻薬犯罪組織のボスや部下達も含め、誰一人殺していなかった。それにあの乗客機をなんの理由もなく救っていた。

 

「そのロボットを操縦した正体……カボチャ頭もそうだ。アイツも千束と同じ非殺傷弾を使ったんだろ?」

 

「あぁ……私が造った弾と少し似ていた。」

 

 ーーと、クルミの問いに答えるミカ。先日の事件で、カボチャ頭が使っていた弾などを回収し、解析をしていた。使った素材は別だが、それでも千束が使っていた非殺傷弾と同じだった。

 

「なんか……まるで千束みたいですね。」

 

「そうだな……殺さない意思……技術力の差……その答えを持つカボチャ頭に聞いてみたいぜ…」

 

 そう言ってクルミはタブレットを動かし、千束とたきなが描いたカボチャの()()()似顔絵を出す。

 

「でもさぁ〜?カボチャ君、結局誰も殺さなかったんだよね。あの巨大ロボットをどうやって造ったのかは知らないけど、いい人……って考えていいんじゃないかなぁ?」

 

「千束………そうかも知れませんけど、まだ分かりませんよ。それに今頃、DAどころか……上層部も黙っているとは思いませんよ。」

 

「だよね〜まぁそれもそうなんだけどぉ……私としては、仲良くしといた方がいい気がするんだよねぇ、千束さん的には〜」

 

 そう言って、気怠げにミカが出したコーヒーを飲む千束。

 

 

 

 

 そんな時、クルミは思わずとある疑問を漏らす……

 

 

 

 

 

「なぁ、もしかしてなんだが……そのカボチャ頭の正体って蒼夜じゃないのか?」

 

 

 

「「「「…っ!」」」」

 

「よくよく思い出したら……千束達と初めて対面したカボチャ頭は結構無口だったんだろ?蒼夜は別に無口ではないが、そんなに喋らないんだから…一致するんじゃないか?」

 

 確かに言われてみれば…と内心で考えるミカとミズキ。そんな彼らは、千束とたきなの方に振り向くと……

 

 

 

 

 

 

「「蒼夜君(さん)が、カボチャ君(頭)……」」

 

 

 

 

 

 〜ホワンホワン

 

 

 

は、はは初め……して!……か、かぼっちゃ……で、です……

 

 

 

 

 

 

 

 

「「いや、ない(です)ね。」」

 

 

 暁月蒼夜とカボチャ頭が同一人物であると想像し、脳内再生するが、クルミの疑問にアッサリと否定する千束とたきな。

 

「そんなわけないじゃんねぇ〜たきな!」

 

「同意見です。彼は一般人ですし、普通に銃を持っていたら銃刀法違反ですからね。」

 

「いや!それお前がいうんか〜い!」

 

 ーーと、たきなにツッコミを入れる千束。だがこの時彼女達は知らなかった…

 

 

 

 それが、事実であると………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へ、ヘックシュン!!(なんか最近くしゃみ多いな………)」

 

 

 

★★★

 

 

 

 

 

〜DA本部・司令室〜

 

 

 

「ーーーー以上、リコリコからの報告書でした。」

 

「ご苦労……はぁ……」

 

「あの司令……大丈夫ですか…?」

 

「大丈夫……というより、正直苦戦しているさ……はぁ……」

 

 一方その頃、秘書から送られた報告書に目を通して、二度もため息を吐く楠木は頭を抱える。

 

「……まさか……水中機能までも付けているのか…この巨大兵器は……」

 

 その理由はもちろん、新に出現した巨大人型兵器についてである。リコリコのメンバーであるミカから送られた、昨日の現場で起きた出来事をドローンで撮影した映像記録も観ていた。

 

 ※ ちなみに、ドローンはミズキが操作していた、ということにしている。

 

 頭を悩ませる種となっている千丁の銃が奪われた事についてもだが、今最も悩まされているのは、東京の街に現れてから次々と目撃すると巨大人型兵器。そして今回も、陸、空の次は、水中までも活動できるのかと疑う楠木。

 

「(しかし………この巨人が持つ兵器、そして赤い奴も……一体どこの組織がこんな物を造り出したんだ……いや、そもそも組織と呼べばいいのか?)」

 

 送られた映像の中、楠木にとって驚くべき二体の戦力。一体は、額に『V』の字を付けている巨大人型(アトラスガンダム)が武装している長型銃で敵対無人機を全て破壊する程の破壊の威力。そしてもう一体は、潜水艦を簡単に持ち上げれる程の怪力を持つ動物型(?)の巨大兵器(シャンブロ)

 

「(……こんな奴らが我々に敵対すれば、恐らくこちらに勝ち目はないと思う…)」

 

 資料に目を落としながら愚痴をこぼすようにぼやく楠木。

 

「司令…上層部はなんと…」

 

「すぐに捕獲しろか、もしくは対処しろと言われたが……流石にこれを見ると不可能だな……できればアプローチを取りたいんだが……」

 

 秘書の疑問をすぐに答える楠木。対処や捕獲は流石に難しいだろうと考えるが、アプローチさえ取れば、協力者としてDAの戦力になるという期待もある。

 

 だが、逆に敵対組織…もしくはテロリスト側だった場合、間違いなく戦力の差で国の治安維持に大きな影響を与えかねないという危険性になるだろう。そして何より、あの最高AI・ラジアータでさえ、解析や追跡なども行いさせたが……結果は全て不明だった。

 

「……一体何者だ……こんな技術を造れる正体は?」

 

 再び頭を抱え、考え込んでしまう楠木。正体が誰なのかが分からない以上、脅威とみなすのが妥当だろう。それに相手は自分達より遥かに上の技術を持っている。下手に考えも無しに手出しすれば、予想より状況はこちらの方が悪化するだろうと考えた方がいい。

 

「ともかく、情報は少なすぎる。全職員に伝達しろ。情報警戒のセキュリティレベルを5〜6にまで上げ、なんとしてでもあの兵器を造れる正体の尻尾を捕まえるんだ。もちろん、どんな手を使ってもだ…」

 

「はい……では、失礼します。」

 

 楠木からの新たな指示を聞き受けた秘書は一度御辞儀し、司令室を出る。そして、司令室に残った楠木は、再び報告書に目線を向ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「陸、空、そして海………今度は宇宙……いや、そんなまさかな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

★★★

 

 

 

 

 

〜蒼夜がリコリコで働く事になってから1ヶ月近く経つ〜

 

 

 

 

 

 そんな日常の中……とあるニュースが、再び大きな話題が流れていた……

 

 

 

 

 

()()に現れた、新たな巨大人型ロボット!?国際宇宙ステーションの事故から滞在クルー達を全員救助!』

 

 

 

 

 





 ようやく緑アフロの事…真島さんが登場しましたね。原作でのロボ太との出会いは地下鉄事件でしたが、今回この物語では少し早めに出会いました。ちなみにこの時の二人は協力関係ではなく、ただの依頼者(真島)と受取人(ロボ太)です。

 そしてついにカボチャ頭の正体を……のはずだったが、千束とたきながすぐに否定し、怪しい人物リストから外された一般人君(笑)

 そして、皆さんお待ちかね…次回話の舞台は宇宙!正直宇宙に関してはどうしようかと、色々悩みましたね(笑)。それでは次回もお楽しみに!


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