リコリコの世界にモブキャラとして転生したら、全てのモビルスーツシリーズが造れる件 作:フェルトファン
最近リアルが忙しすぎて、投稿するの日々が遅くなるかも知れません。お待ちいただいた方々には本当に大変、申し訳ありません。これからもどうか、よろしくお願いします。
そして昨日、水星の魔女の第17話を観ました。ネタバレはしませんが、私としての感想は……
二週間後には待てへんって〜〜〜(泣叫ぶ)
時刻は、丁度太陽が沈んでいる頃……
「蒼夜さん……その、大丈夫ですか?」
「だ……だい……丈夫……です……」
スーパーで買ってきた食材などが入っている袋を持ち歩きながら、蒼夜とたきなは、リコリコへ帰宅している途中であった。そんな中……
「……左頬……やっはりまだ痛みますか?」
そう語ったたきなは、
「だ、大丈夫……です…(って言ってるけど、まだ全然イテェよ〜〜)」
大丈夫であるとは言ったものの、内心では千束に殴られた左頬の痛みはまだ感じているようだ。
そもそも何故蒼夜は、こうなってしまったのか説明しよう。
時は買い出しへ向かう前、リコリコでとある
しかも千束は、完全
また、今回の事故についてたきなから事情を聞いたミカは、“すまない暁月君、次からは立て札を付けるよ“と、更衣室での新たなルールを追加する事にした。
「(あ〜〜まだ痛え……ってか錦木さん“パー”じゃなくて、普通に“グー”で殴りかかって来たんだよなぁ……)」
「蒼夜さん……今更なのですが、わざわざ買い出しの手伝いまでしてくれなくても…しかももう就業時間は過ぎていますし……」
本来なら、蒼夜の就業時間はとっくの1時間前くらいに終えたはず。しかしなぜか蒼夜はアパートへ帰らず、たきなの買い出しを手伝っているのだ。もちろん今回彼らが向かった買い出しは、ミカから頼まれていたのである。本来なら千束にも手伝ってもらうはずだったが……
『なんか気分悪いから行きたくない!!!』
——と、先程の事故のせいなのか、珍しく断る千束。
流石に今回ばかりは自分のせいだなと、事故について責任を感じた蒼夜は、千束の代わりにたきなと買い出しへ向かう事になった。
「(蒼夜さん、大丈夫でしょうか?)」
帰り道の中、たきなも内心で蒼夜の事を心配する。まだ彼女がDAにいた頃、先日の任務の出来事によって、千束と同じリコリスのファーストである少女、“春川フキ“に左頬を殴られた経験もあった。
「(それにしても千束、この前電話でフキさんに対して“なあにも、殴ることないでしょ!?“と言っていた記憶もありましたけど……たまに殴るんですねあの人)……はぁ」
「?……ど、どう……しま……した…?」
「あ!いえ……特に何も問題ありません。」
——と軽く誤魔化すたきな。そんな時、いつの間にかリコリコに到着したようだ。そして二人は、目的地であるリコリコを目の前にした所で………
「んなぁぁぁぁあぁぁ!!!!!」
「「……っ!?」」
突如、リコリコから叫び声が聞こえてきた。“一体なにが起きたんだ!?“と思った二人は、恐る恐る中に入ると……
「くやじぃいいいい!!!」
「「━━━え?」」
叫び声の正体でもある千束は、何やらゴーグルのようなものをつけており、おもちゃのように見える銃を持っているそして彼女の隣には、いつの間にかクルミが座っている。ゴーグルからは線が伸びており、その線はテレビへとつながっていた。また、テレビ画面には“LOSE” と大きく表示されていた。どうやら千束はネットゲームをしていたようだ。
「こいづぅうううう!!!」
「ムキになりすぎだろ……」
「だってクルミぃ!この人の名前がムカつくんだも………あ」
二人が帰ってきたことに気が付いた千束。しかし、蒼夜だけに対しての反応は少し違かった。
「………」
「あ………に、錦…木さん……」
「———ふんっ」プイッ
「………へぇ?」
蒼夜が錦木へと視線を向けると、逸らされてしまった。そして更に千束は、蒼夜に向けて追い打ちをかけるべく言葉を放つ。
「…………変態」ボソッ
────グサッ!
「(うぅ……め、めっちゃ怒ってるやん……)」
千束から冷たい小さな声で言われ、精神的なダメージを負ってしまった蒼夜。確かにあの事故に関しては完全に自分のせいではあるが、“変態“と言う言葉を受けた彼は、流石に傷付いてしまった。
そんな蒼夜を無視し、たきなの姿を見た千束はゴーグルを外し、彼女の手を掴んだ。
「たきな!たきな! いいとこに〜!」
「な、なんです?」
「これやって! これやって!」
「え?……「いいから、いいから!」…ちょ、千束!?」
たきなを連れてきた千束は、彼女に緑色のおもちゃの銃を持たせ、更に彼女の顔にゴーグルを被せる。
「....これは……リアル……ですね……」
たきなの目に映っていたのは、明らかに現実世界ではない場所。左上にはマップと時間が表示されており、右下には体力とアーマー、そして使っている銃と弾数も表示されている。
「さぁ、さぁ!その手に持ってる銃を構えて!」
「こ、これですか?」
先ほど持たされたおもちゃの銃をゴーグル越しで見ると、そこには銃があり、手は完全にアニメキャラの手に変わっていたのであった。“一体何が始まるんだ“、とたきなが困惑していると、画面中央に突然『Ready』の表示が現れ……
「仇をとってよ~、それじゃぁ〜スタート!」
「………は?」
千束から謎の合図とホイッスルが鳴るとほぼ同時に、目の前の角から謎の生物がたきなの方に撃ってきた。
「……ッ!!」
その時たきなは、思わず仕事モードとなり、ほぼ反射的に体を倒し、続いて銃を構える。正確に当て続け、その場でリズムをとって撃っては避け撃っては避けを繰り返すたきな。
「うわぁああヤバイヤバイヤバイ!!ぶつかる〜〜」
しかし、思ったよりもたきなの動きが激しくなり、千束とクルミは慌ててちゃぶ台だとかをよける。しゃがんだり、横にステップしたりするたきなは、ついにバク転をした。
その時………
千束は見てしまった、
「……ッ!!!?」
声にならない叫び声をあげた千束は、“なん…だと!?“と言わんばかりな顔をクルミの方を見るが、そのクルミはちょうどこちらを見たらしく、すぐに反対方向に向き、テレビの画面を見て感嘆の声を上げていた。
「お~!」
「え?」
『Winner Winner Chicken DInner!!』
すると画面には、勝ち文句を表示された画面を見て、千束は喜びの声をあげた。
「勝った、勝ったよ! よっしゃ~〜〜!」
「……喜びすぎでしょう……」
「さすがだな、たきな!」
そんな中、三人の様子を見て蒼夜は……
「(———見てない……僕は……なぁ〜んにも見てないぞ〜〜)」
——と、見てはいけない光景を
★★★
ゲームでの盛り上がりが終えた後、蒼夜はカウンター席で水を飲んだり、クルミが箱に中に片づけている中、千束は椅子に座り、腕を組んで考え込んでいた。
「……………クルミ……蒼夜君……」
「…っ!は、はい……(やっと名前を呼んでくれた!?)」
「ん~?」
「……………たきなのパンツって、見たことある?」
「ブフッ!?」
ここで千束は突然、意味不明なことを尋ね始めた。それを聞いた蒼夜は、思わず口から水を吹き出しそうになっていた。また、クルミは千束の質問に対して……
「あるわけないだろ」
——と即答で答えるクルミは、先程遊んでいたテレビゲームを押し入れに仕舞いながら、彼女からの意味不明な質問をバッサリと切り捨てた。そんな千束は、面白くなさそうに口を窄める。
「ちぇ~。なんでも知りたいんじゃないのかよ〜」
「なんだぁ、ノーパン派か?」
「いやいやいや〜〜〜」
「なら何履いていようが、たきなの自由だろう?なぁ、蒼夜?」
「……へぇ!?」
「そうじゃなくて〜〜〜ってか蒼夜君はどうなのよ?」
「ケッホ!ケッホ!……な……なん…で……僕?」
「だって蒼夜君…………見たんでしょ、たきなのパンツを?」
「———(ギック!?)」
再び千束から冷たい声で質問され、一瞬口を閉じてしまった蒼夜。確かにあの時、たきながゲームをしていた時にバク転をした最中、千束と同様その場にいた蒼夜もたきなの……下着を見てしまたようだ。
「私〜見ちゃいましたからね〜……蒼夜君が、たきなのパンツを見たのを〜」
「(………やばい……めちゃ睨まれてる………てかめっちゃ近い……)」
「——と言うかさ………私の下着姿を見て、次はたきなのパンツを見たってどう言うつもりなんですか〜」
「え………え…っと…(た、確かに見ちゃったけど……で、でも……見たのはほ、ほんの一瞬だから!……というかそもそもあれは……どっかで見たことがあるようなぁ……)」
「おいおい千束、それくらいにしておけよ。コイツ、困っているぞ。」
「………」
蒼夜の助け舟となったクルミにそう言われた千束は、何か決意をしたように椅子から立ち上がり、更衣室の方へと向かった。
「……おい蒼夜、アイツどうしたんだ?」
「さ………さぁ……(あれ?なんかすごく嫌な予感が……)」
“バンッ!“と、ノックもせず、更衣室の扉を無理やり開けた時の音が聞こえ、その瞬間、時が止まった。一体向こうで何をしてるのかは見てないので分からないのだが……
「……なんですか」
「———なに……これ……」
「………下着です」
「そうじゃなくって………男物じゃん!」
「(…………あ〜やっぱりか……)」
──と、盗み聞きをしてしまった蒼夜は納得していた。たきなが履いていた下着……それは、紛れもなく男物のトランクスだった。しかし何故たきなが、トランクスを履いているのかは理解できなかった。だがその直後、たきなから衝撃的な理由を聞いてしまう……
「……これが
「し、指定ぃ!?」
「(なるほど指定か……ってちょっと待てぃ!指定だと!?……はっ!ま、まさか……井ノ上さんだけじゃなく…リコリスにいる女の子全員は……揃いも揃って男物の下着を履いてるって事!?)」
——と、衝撃的な事実(?)を聞いてしまった蒼夜は、この時内心で……“リコリスって、結構いろんな意味でヤベー所だな”と語った。
バンッ!
「聞かせて貰いましょうか?」
その後、帰る身支度を早々に済またたきなと共に店の表へ向かい、カウンターの机を勢い良く叩く千束は、カウンター向こうで腕を組むミカを睨むような表情で問い詰めていた。その光景をクルミも眺めており、先程彼女達の会話を盗み聞きしてしまった蒼夜も眺めていた。
そして驚くことに、たきなの下着を用意した正体は……
「(まさかのミカさんだったとは……流石に僕も驚いたわ……)」
「……“店の服は支給するから下着だけ持参してくれ”……と…」
「どんな下着が良いか、分からなかったので……」
ミカは特に悪びれずに答え、それに続くようポツリと説明するたきな。二人の会話を聞いた千束は溜め息混じりで問い質す。
「だからって何でトランクスなのぉ〜〜」
「いえ、店長が……」
「………好みを聞かれたからな……」
「あ〜なるほどなるほど……ってアホかぁ〜!」
「(………マジか……とんでもない事を聞いてしまったな……)」
「でも……履いてみると結構開放的で……」
「そうじゃなぁい!……あぁ〜もうたきな、明日十二時駅に集合ね……」
そう言って、千束はたきなの隣りを通り過ぎ、そのまま店の扉に向かう。
「仕事ですか?」
「ちゃうわ!パ・ン・ツー!買いに行くの!」
千束はそれだけ言うと、リコリコを出ていく.……直前、顔を出し……
「あ、制服は着てくんなよ。私服ね、私服〜〜」
〜カラン♪〜
——と言い、大きく鈴の音が鳴ると共に、今度こそ出て行った……
そんな時、たきなはミカの方を向いて尋ねる。
「……指定の私服……ありますか?」
「ん~〜〜」
たきなから語られた質問に、ミカは天井を見上げて押し黙った。そして蒼夜も、自身のアパートへ帰ろうと、リュックを背負い立ち上がった。
「ミ……ミカ……さん……お先に……失礼……します…」
「あぁ、お疲れ様。」
「おぉ、じゃーな〜」
「……」
「(……あれ?……もしかしてたきなさんも無視?)」
——と、今度はたきなまでも自分の事を無視したのかと感じた蒼夜だが……
「………蒼夜さんは行かないんですか?」
「…………え?」
「ですから明日、
「………………ほぇ?」
たきなの口から出た言葉に、蒼夜は茫然とした。そしてその隙、彼の口から思わず変な声を出してしまった。
「(え……待って……もしかして今………さ、誘われてるの!?たきなさんの下着買いに行くのを………しかも、たきなさん本人に!?)」
当然だが、たきなから……しかも女子からの誘いは、彼にとって初めてである為、動揺を隠せない蒼夜。
「?……どうかしましたか?」
「はっ!い、いえ!……そ……その………明日……し、シフト……が……あり……ます……」
「あぁ、別に明日、シフト休んでてもいいんだぞ暁月君。」
「(━━ハァ!?)」
「それに明日、客が来るのが少ないし……常連客達しか来ないだろうけどな。」
「お〜〜てことはあれか!明日もボドゲーやるのか!」
「フッ、まぁ〜な。」
「(………いや……いやいやいやちょっと待て!……ボドゲーを楽しんでいるクルミさんは置いといて……店長であるミカさんがそんな事を言っていいのか!?と言うか、そもそもリコリコって、そんな軽々とシフトをお休みしてていいの!?めっちゃめちゃホワイト企業すぎんここ!?)」」
「と店長はそう言いましたけど……つまりこれで蒼夜さんは、明日シフトは無いと言う事になったので……明日の用事は特にないですよね?」
「……わ…わか……らない……です……(いや決めつけるのはや〜………まぁ確かにそうなったかも知れないけど………ってかちょっと待て。それってつまり、明日僕と千束さんとたきなさんの3人で下着買いに行くって事でしょ……なんで僕まで………一応言っておくけど……僕こう見えて男だよ?)」
「なら、一応千束にもお伝えしますね。それに、蒼夜さんの意見も聞きたいと思いまして……」
「(い、意見?)」
たきなから意味不明な言葉を聞かされた蒼夜は、嫌な予感をしながらも、理解できなかった。だがその直後……
「蒼夜さん」
「は、はい………」
「……蒼夜さんの好みな下着………ありますか?」
彼女の発言によって、リコリコ内での気温が氷のように一気に低下した。あまりにも衝撃的な発言をしたたきなに蒼夜は硬直し、その場に立っているミカとクルミも“マジかコイツ……”と言わんばかりな顔をしており、たきなの発言を聞いた二人も思わずドン引きする。それもそのはず相手は16歳の少女が真顔で男でもある蒼夜にお好みの下着を聞いてくるのは、彼にとっていろんな意味で恐ろしかった。“彼女には恥ずかしいと言う言葉を知らないのか…”と、疑うくらいヤバかった。
「それで蒼夜さんは、どんな下着……またはどんな色がお好きですか?青か白……それとも黒ですか ?」
「(………ちょ、ちょっと待て……まさかこれ…ガチで答えないといけないの!?)」
普通の男性が『自分のお好みの下着は◯◯だ!』……と女性の前で言ったら、社会的に気持ち悪いし、最悪わいせつ行為の疑いで警察に捕まってしまう可能性も高い。
しかし、たきなはそんな事も気にせず蒼夜に質問攻めする。だが、流石の蒼夜もなんて答えればいいのか分からない。そんな彼はもう耐えられたくなってしまったのか、慌てながらも、逃げる様さっさとアパートへ帰ろうとする。
「あの!……ぼ……僕は……もう……か、帰り……ます!!」
「あ!蒼夜さ——」
〜カラン♪〜
そう言って蒼夜は、たきなが何かを言う前にリコリコを出て行ってしまった……
「……たきな」
「クルミ?なんでしょう?」
「千束もそうだけど………お前の方が結構ヤベーな……」
「うむ……」
「………?」
蒼夜が出て行った後、クルミがたきなに対して語り、ミカもクルミと同じ気持ちでもある。もちろんたきなは、二人が言っている意味を理解できなかった。
だがこの時、彼女はまだ知らなかった。後に先程の質問をした後悔と恥ずかしさを知る時が……
★★★
「(……なんか、めっちゃ疲れたなぁ………)」
一方、リコリコからアパートへ帰ろうとする蒼夜は、帰りの通路で歩いて行った。先程のたきなとの会話のせいで、何故か仕事よりもいつも以上疲れが溜まっているようにも感じていた蒼夜は大きくため息を吐いた。
「はぁ……(もう今日は帰ってねy………
「どしたの、そんなデッカいため息吐いて?」
…………ヒョエ!?」
——とその時、その時、突如横から聞き覚えのある声に吃驚して、思わず奇声の様な声を上げてしまった蒼夜。声の方向に首を向けてみると……
「に……錦木……さん?」
「おっす〜お疲れ〜てか、驚きすぎでしょ〜」
あのまま自宅へ帰ったのだと思っていた千束が立っていた。まさか忘れ物取りにリコリコへ一旦戻る途中だったのか。そう思った蒼夜は、思わず千束に問う。
「わ………忘れ………も、物……です……か……」
「え?……あぁ〜違う違う……そうじゃなくてぇ……」
どうやら、忘れ物を取りに戻って行く途中ではないらしい。しかし千束は、手元で指先を弄りながら俯いたまま、なに話そうかと悩んでいる様子。
「…………」
「(………あれ?急に黙ったぞ?)」
一体どうしたんだ、と思った蒼夜。すると直後……
———スッ………
「………っ!?」
突如、
そんな中、千束は蒼夜の左頬に湿布が貼っているのを一瞬見つめる。
「ちょ………ち、ち、ち、千束……さ、さささ、さん!?」
「…………ごめん……」
「………へぇ?」
「その………今日の事で……」
「(………え?なんの事……)」
「ほ、ほら……その……殴った事……」
「………あ……」
なんの事なのかさっぱり理解できなかったが、“殴った“と言う言葉を聞いた途端、蒼夜はすぐに理解できた。殴った事……それはつまり、リコリコでの更衣室で、蒼夜が千束の下着姿をうっかり見てしまった事故の事だろう。それを蒼夜は“あぁ〜“と言わんばかりの顔で、すぐに思い出した。
「後……さっき蒼夜君に“変態“て言っちゃって……だから、その………本当にごめんなさい!」
——と、蒼夜に向けて頭を下げる千束。
「……だ、大丈夫……」
「………え?」
「そ、その………も…もう……大丈夫………なの……で……」
「……お、怒ってないの?私の事が……嫌いになったりとか……」
「いえ……ぜ……全……然……だ……大丈…夫…(まぁ、元々僕が悪いし…)」
「そ、そんな!……だって……あんなに強く……こことか!」
「……っ!(ち、ちちち……近い!?)」
「あ!ご、ごめん!痛かった!?」
「い……いえ!その……だ、だ……大丈夫……です……」
「で、でも!あぁ〜どうしよう…………はっ!そうだ!!」
とここで、千束は何かを閃いた。
「ねぇ蒼夜君!明日、来るよね!?」
「いや……そn………(ちょっと待って……なんで知ってるの?)」
「さっきたきなからメール送られたんだけど、明日蒼夜君も来るんでしょ!」
「(はっや!?もう錦木さんに伝えたの!?いくらなんでも早すぎませんかたきなさん!?)」
「じゃ……こう言うのはどう!明日、奢ってあげるよ!それならどうかな!?」
「(………え……それって……)」
────今、千束さんにも誘われているって事!?
“女の子からの誘い“……当然だが、蒼夜は前世の世界でも経験した事の無いし、中学時代でも女子学生から誘われてもいない。それを目の前で……しかも、先程のたきなと同様、千束からの誘われに、どう返事をしようかと動揺する蒼夜。
「も、もちろん!たきなのパンツを買いに行くだけじゃなくて……その……色々と遊びに行くこともできるし……なんなら、欲しい服を買いに……つまり…お、奢り……そう!奢りみたいなものだよ!!」
「………な…………なる……ほ…ど……」
「だから…………ど、どう……かな?」
—と、何故か恥ずかしそうにする千束が、蒼夜にこう告げてる。今、彼女の表情はいつもリコリコで見かける彼女らしい笑顔とは別。まるで、どこか自信がなさそうな……不安そうな顔が蒼夜に見えていた。
「(———あぁ〜〜〜〜やめて……マジで勘弁してよ〜〜……そんな顔を見せたら、逆に断りづらいじゃん……)」
本来蒼夜は、明日の買い物に行かないつもりだった。もちろん千束が知っているなら、この場で断ろうと思っていた……はずだった……
しかし今、千束の表情を見てしまうと……何故か、逆に断りづらくなってしまった…
「(ヤベェ………めっちゃ迷う……どうしよう……ってか錦木さん……僕の返事を待っているんだよねぇ………でもやっぱり断ろうかな……)」
「ど、どうかした…蒼夜君?」
「…っ!い、いや……そ……の……(断るんだ……今、ここで断るんだ暁月蒼夜!)」
「…?」
「……そ……その……(うぅ〜〜〜でも………やっぱり〜!)」
悩んだ末、蒼夜が出した答えは…………
「………あ………した……」
「……え?」
「……あ……明日………何時……に……しゅ……集合……で……すか…」
「……っ!」
相変わらず言葉は足りないが、そう答えた蒼夜は恥ずかしそうに顔を逸らしながらも、千束に告げる。そしてその答えを聞いた千束は、見惚れる程に嬉しそうな表情をする。しかも、満面な笑顔で……
「(……ヤベェ……めっちゃ可愛い……)」
そんな、彼女の表情を見た蒼夜は、思わず見惚れてしまった。
「———う、うん!時間は、十二時……あ!後ちなみに駅は、北押上駅だよ!」
「え、あ……は、はい……」
「よっし!じゃ、私がたきなにそう伝えるね!じゃあ、私はこっちから帰るから……また明日ね、蒼夜君〜〜!」
「……え……あ……ちょ……」
彼女の嬉しさが勝っていたのか、彼に手を振りながら帰路に向かい走って行く千束。そんな、彼女の走って行く姿を蒼夜は、ただ見ている事しかできなかった。
「…………行っちゃった……」
走って行ってしまった彼女のその姿が見えなくなった頃、通路で一人となった蒼夜も、千束とは反対側の帰路へ向かい歩くのであった。
「……はぁ……結局断らなかったわ………」
一人となった蒼夜はそう語った。しかしそんな彼には、寝る前にやる事が増えたようだ。
「………明日、どんな服に着ようかな……帰ったらヴェーダに聞いてみるか……」
★★★
翌日、北押上駅前にて……
『北押上前』と書かれたある看板の駅前で千束は、スマホを触りながら二人の到着を待っていた。
白パンツに黒シャツ、そしてその上から赤のコートを着ている。彼女の服装は、時代の流行ではなく、自身に似合うようにもしたが、ここへ到着する二人にも分かりやすいようにコーディネートもしたのであった。
そして時刻は十一時五十五分。ちょうど集合五分前になった頃……
「お待たせしました。」
「おぉ、お~う…………新鮮だな…」
そこには、普段使ってる学生鞄を背負い込んだ私服姿のたきなが現れた。今考えてみれば、千束にとってたきなの私服を見るのはこれが初めて。そしてたきなの服装は、下は黒のジャージ。上はグレーのTシャツ。そして背中には、リコリスの鞄…
すると、千束はニコリと微笑みながら(目は笑っていない)、たきなに向かって口を開いた。
「銃持ってきたな、貴様」
「……ダメでしたか?」
「抜くんじゃねえぞ」
リコリスが銃を携帯しても許されているのは、リコリスの制服を着ている者だけ。
それ以外の、例えばまさに千束の目の前にいるたきなの服装の状態で銃を抜こうものなら、当然のながら即座に通報され、普通に逮捕されるだろう。
その時、たきなの視線が千束の顔から下に移る。
「千束………その衣装は自分で?」
「衣装じゃねぇ……」
二人が一連のやり取りをしている中、たきなはある事に気づく……
「それで……蒼夜さんは?今日は来れると…」
「え?……あぁ、蒼夜君ね。もうすぐ来るかと思うんだけど———」
「お……お待た……せ……し…しま…した……」
「……っ!」
「うぉ、びっくりしたぁ!?」
——と突然、何者かが声を掛け、思わず驚いてしまった千束とたきな。さらにその聞き覚えのある声の主の方に、二人が振り向く。
服装は、下は黒のチノパンに上はグレーのTシャツ。さらにその上から黒いジャケットを羽織っており、フードを深く被っていた。そして背中には、何故かリュック…
「………もしかして……蒼夜君?」
「……え?」
「は………はい………」
その正体は、暁月蒼夜であった。と言うよりも、その服装の雰囲気からしたら、まさに『The 不審者』という感じでもあった。
「(うぅ……結局来ちゃったよ……てか昨日、ヴェーダに調べてもらったけど…今僕が似合っている服装はこれだけなんだよなぁ……てかこれ、やっぱり地味じゃないかな……)」
——と内心で思い、正直自信がない蒼夜。と言うよりも、ヴェーダによって調べられた服装が多数見つかり、その内の一つであり服装こそが蒼夜にとって着やすかったようだ。
そしてそれを、千束が蒼夜の服装をチェックし始め……
「なんというか……結構……地味だね…」
「(や、やっぱり!?)」ガーン
「蒼夜さんも自分で衣装を用意したんですか?」
「え………い、衣装……?」
「だから衣装じゃねぇって……あぁ、気にしないで蒼夜君…」
「は……はぁ……」
「はぁ……色々とツッコミたい所はあるけど……とりあえず二人とも、行くよ!早くしないと置いてっちゃうぞ〜!」
「分かりました。行きましょう、蒼夜さん。」
「………あ、は、はい!」
色々と言いたい事がありそうだったが、とりあえず目的地である方へ目指す千束とたきなが歩み始め、その後蒼夜もその足で進める。
こうしてこの日、彼らにとって最初の
〜おまけ〜
昨夜、蒼夜のアパートにて……
「へいヴェーダ、明日僕が着ていく服装を教えてくれるかな?」
『すみません、よく分かりません』
「……ナンデ!?」
ヴェーダを完全にS◯ri扱いしていた蒼夜…
もうご存知だと思いますが、みんな大好きリコリコ第4話に突入しましたね!
ついでにヴェーダは、完全にSir◯扱い(笑)
それでは、次回話もお楽しみに!