リコリコの世界にモブキャラとして転生したら、全てのモビルスーツシリーズが造れる件 作:フェルトファン
リコリスを初めて見てた時、初めて“百合“の良さに感動した作者(私)。
百合に挟まる奴(男)は死ぬべきという格言があるが……だからこそその可能性がある物語を書くのだ!
だけど忘れないでほしい……作者はちさたき派である!
Episode 1 喫茶店『リコリコ』
「(あ〜〜〜〜〜〜〜〜
もう何回目だろうか....っと内心呟きながら、蒼夜はついさっき
「(ハァァァァ......いつになったら仕事が見つかるんだ....)」
面接を終えてからもう何度目か分からないくらいため息を吐いた彼だったが、今の彼はどうしても仕事を見つけなければならなかった。
何故なら暁月蒼夜は学校に通える学生ではなく、今じゃただの
転生してから3年間、神から貰い受けた力のおかげで自身で食材を集めたり、家もGN粒子による“原子力発電機”のおかげで電気は問題なく使えている。正直に言って、蒼夜はそこまで生活に困ってない。
だが、周りの人間が汗水を流して金を稼いでいると言うのに働きもせずに金を稼ぐと言うのは些か楽過ぎる物であるのか、どうしても自分が情けなく感じいた。何より彼が本格的に働こうとする理由がもう一つある。
『あの〜◯◯警察なんだけど………ちょっと君、学生さんだよね?こんな昼間っから一人でゲーセン?』
たまたま暇つぶしとしてゲーセンへ寄っていたら、パトロール中の警察官から聞かされる職務質問。一応蒼夜は“今日は学校休みです”っとなんとか誤魔化す事はできたが、彼を怪しい目で見て来る警察官達の視線が度々見えていた。自分が不良少年だと思わせてしまったら、最悪交番へ連れて行かれる可能性もある。そう思ってとりあえず今の年齢でで働けるバイトを探していた。生憎今の彼は中卒と言う現代社会において就職が難しい肩書を持っている。就職支援も無しに彼が社会でやって行けるのは至難の業だ。それでも幸いに前世の世界と同じ◯◯蒼夜が
しかし残念な事に現実はそんなに甘くは無く、加えて彼には最も悪い癖を持っていた。
『は.......はじ.......はじめ....ししししって....』
そう.........
何より性格も人より暗く、多くいるのが大の苦手である。
実は彼が前世の中学時代だった頃。この性格のせいで同学年の生徒と馴染む事もできず、友達すら一人もいなかった。それからか学校を辞めても性格もさらに暗くなり、人と話すのが怖くなっていた。この世界に憑依転生した時には“今度こそ自分自身の性格を変えよう!”と決意したのも束の間、生憎全然何一つも変わってないかった。寧ろ転生してから以来ずっと地下でモビルスーツの設計や作業を続け過ぎたせいでさらに悪化し、その為にどこのバイト先で面接を受けても、全て不採用。
「(ハアァァァァァ......今のままじゃ仕事が見つからないどころか一生無職のままだ.....この際何でもでも良いから、早く働き口を探さないと……)」
━━━もちろん、危ない仕事はしたくない。ちゃんと正式に安心安全な仕事をしたいと願うも、見つけなければ意味がな
「(ハァァァァ......とりあえず今日は帰ってMSを造ろう...)」
もうそろそろ夕方なる。今日のところは帰ろうと考えつつも、アパートまでの帰り道を歩いていた時…
何処からか猫の鳴き声が聞こえた.....
「(なんだ?)」
蒼夜は妙な声がした方向に思わず目を向ける。声が聞こえたのはすぐ近く、僕の頭上だ。
そこに居たのは、猫と木登りをする
「(な、何してんの?)」
「も〜この子、迷子で飼い主に届けなきゃダメなんだけど、まさか降りれなくなちゃうなんて!」
どうやら彼女は、木から降りれなくなった猫を助けているらしい。
「(あ、やっべ。スカートの中、覗きそう.....)」
「ほーら、こわくないにゃーい〜こっちに来るにゃ〜」
っと、下手な猫の鳴き真似をする。仲間と思わせて捕まえようとしている赤服少女。正直かなり下手だが、彼女の努力が実ってきたのか、猫の警戒心が薄れていき、ほんの少しずつだが近付いて来ている。
……その時。
ーメッキー
「(…ん?今なんか嫌な音が.....)」
少女は猫と一緒に乗っている木の枝に少し亀裂が入っているのが見えた。そしてその亀裂はあっという間に広がっていく。
そして彼女が猫を捕まえた次の瞬間........
ーバッキ!ー
「━━━っ!?」
「お?おおおぅ!?ちょちょちょーい!やばーい!」
少女と猫が乗っていた枝が根っこからポッキリと折れ、少女は猫を抱えたまま落下してしまう。高さは少なくとも4~5m以上、転落して地面に体を打ち付ければ流石に無傷じゃすまないだろう。
「(や、やばっ!)」
彼女が落ちて来る瞬間、蒼夜は急いで上空へと飛び上がって落下していく少女を向かい、ギリギリで地面に当たる直前で救助する事に成功した。
「(ぎ、ギリギリセーフ.....)」
「え、えぇ〜」
★★★
「(えぇ〜何かいきなり助かったんですけど〜!?)」
地面に落ちそうになった彼女........“
「あ......猫......」
なぜか雰囲気が暗い(?)少年は唯一の不安要素を抱えていたであろう彼女に訊く。もしかしたら猫の様な小動物には何かしらの負担が有ったかも知れない。
すると彼女....千束の腕の中から「にゃーん」っと可愛らしい鳴き声が聞こえ、ひょっこり無事だった子猫が顔を出してくれた。
「良かった〜〜何処も怪我していないみたい〜〜」
「そ......そうか.....」
「うん!誰もケガしなくて良かった。」
子猫が無事だった事に安心する様な表情をする少女。だがこの少女もかなり無茶する、まさか猫を助けるために5m近い木に登るとは…....
少年.....蒼夜は、一息吐いて安心していると、千束が、何処か震え声で話し掛けて来た。
「あ、あの〜その…そろそろ降ろしてくれると有り難い…かな?////」
「っ!?」
瞬間、千束の言葉で我に返る蒼夜。今この状況、端から見れば彼が彼女をお姫様抱っこしている光景その物であり、彼女にとっても、彼にとっても結構恥ずかしい体勢である.........
「ご、ごごご.....ごめんなさい!(ヤベ!!!人生で一度も女の子を触った事ないのに、触った〜〜〜!?)」
「ううん! 私は平気だから…」
急いで彼女を降ろす。彼女は平気そうに振舞っているが、頬が赤くかなり無理をしているのが解る。
「そ.....そそそ.....の!す、すすみません...ででっっっっした....」
「い、いいの!そんなに謝らなくて!その…助けてくれてありがとう。」
「……(ヤバイ、彼女の目を直視できない。いざ話そうとすると挙動不審になってしまう!まさか前世でぼっちだった僕ががここで.....しかも女の子を触るなんて!前世で女友達も作った事が無かったのに…何で…)」
予想外の事態に内心頭を抱える蒼夜。人生で初めて女子を触った事で、混乱する彼は彼女に語る言葉が見つからない....
「ううん、この子も助かったし、私も痛い思いせずに済んだし、助かったよ。ありがとう!」
やはりお姫様抱っこされた事は恥ずかしいのか、彼女の顔は赤くしながら、千束はお礼を言う。普通ならならビンタを頂いても珍しくない.........
「あ、あの……そ、その猫は?」
「いや、私のじゃないよ。飼い主に逃げたしたから保護してって頼まれていたんだ〜」
少女に呼応する様に「にゃーん」と再び猫が鳴き声を上げる。野良猫じゃなくて飼い猫だった......通りで人懐っこい訳だ。と言う事は無事保護できたし、今から飼い主に返す感じだろうかっと考える蒼夜。
「でも本当に助かったよ、一応あそこの枝、ヒビ入っていたのは解ってたけどさ…まさかポッキリ逝くなんて。」
「(いやヒビが入っていたのを知っていた上で登ったのか、ある意味凄い怖いぞこの人。)」
「にひひー、ありがとう。 あっ! そうだ、君名前は? 色々助かっちゃったし、後でお礼したいから教えて!」
「え......いや...「いいから教えて!」ぼ....僕は.....暁月......蒼夜.....です。」
「蒼夜君ね、私は錦木千束! あ、さん付けとか無しで大丈夫だから。ち・さ・とでオーケー!」
「う.....うん....(ヤバーい!初めて女の子に自分の名前を教えた!しかもさん付け無し!?)」
前世の彼は、女友達を作れないどころか、名前さえ忘れられてしまった。だけど彼女....千束…いきなり呼び捨てを許可するなんて流石の彼にとって予想外である....
「でさ、蒼夜君。」
「?」
「
ーーーグッサーーー
「それに....なんか
ーーーグッサ、グッサーーー
いきなりナイフで心に傷をつけてくる。それも完全な会心の一撃どころか、二撃も傷つけられた。別に彼女は悪気で言ったわけでは無かったのだろう....だが、蒼夜にとって精神的なダメージを負えてしまった....
「」
「あれ?おーい蒼夜君?」
「......気持ち.....悪いよね.....」
「ーーーーーえ?」
「ぼ、僕は......もう帰る....(そうだよな、こんな喋り方じゃ気持ち悪いよな。うん、そうだよきっと....)」
「ーーーーーーーいや!ちょ、ちょっと待って!もしかして傷ついたの!?」
いきなり帰ろうっとする蒼夜。もしかして自分は彼に何かとんでもない事を言って傷つけてしまったのか?っと考えた彼女は慌てて彼を呼び止める。
「だ.....大丈夫....ちょっと用事を...」
「いや絶対嘘じゃん!?もう目が完全に“もうお終いだ”って目をしているよ!?やっぱりさっきので傷ついたの!?それはそれで本当にごめんなさい!」
「いいよ....どうせ........気持ち悪いし....」
「そんな事ないよ!だって君の声綺麗だし!」
「っ!?(......綺麗.....僕の声が?)」
その言葉を聞いた時、彼が思わず止まってしまう。
「うん!だってキミ悪い人には見えないし、それに全然気持ち悪く見えないよ!」
「ほ.....本当?(え、マジで?)」
「そうだよ、もっと自信を持って!それに、私を助けたからめちゃいい人だよ蒼夜君は!」
「(........何と言うか…悪い人じゃない所か予想以上の人格者で罪悪感を感じてしまう。何であんなに彼女の事を疑っちゃうのかな.....やっぱり前世と地下で作業し続け過ぎた結果が影響で人間不信になっているのだろうか?)」
「にゃーん」
そんな時、脳内で一人反省会を開催している蒼夜と、千束の抱えている猫が「オレの事忘れんじゃねーぞ」と言わんばかりに再び鳴き声を上げる。
「ああ、そうだった。この子!」
猫を飼い主に返す事を思い出したかの様に、声を上げる彼女はスマホを取り出し、誰かと通話している。
「もしも〜し、
友達だろうか....誰かと通話を終えた彼女は、蒼夜の方を向く。
「それじゃあ、私この子を飼い主に返さないとだから。もう行くね!」
「う.....うん....」
「あ!私ここから近くにある『
そういうと彼女は猫を抱え直し、飼い主にそれを届けるために何処かへと去っていく。
「(錦木千束か……歳は僕と同じくらいかな。確か“喫茶リコリコ”ってお店で働いているって言ってたっけ.....後でgoo◯le先生で調べてみるか…)」
そして今度こそ蒼夜はアパートへ帰る事に……
「(あれ?そういえば彼女が着ている制服....どっかで見た事があるような.....?)」
★★★
翌日.........
「(とりあえず来てみたのはいいけど.....入りずらい!)」
錦木千束と出会って次の日。都内の下町の一角にひっそりと佇む喫茶店の前に蒼夜は来ていた。店の名前は『喫茶リコリコ』。東京都墨区にある錦糸町駅の北口下町の中に建てられた店であり、ステンドグラス調の窓や、花々で飾られた木造の店構えは美しく、思わず目を惹かれてしまう程、オシャレな喫茶店だ。蒼夜が店に柄にもなく訪れた理由は、言うまでもない.......昨日出会った少女の事だ。昨日彼は、猫を助けていた錦木千束という少女を助けた礼として少女は店に訪れる事があれば御馳走すると言った。
本当なら行かなくて良いはずだが、こんな自分を誘ってくれたのだ。流石に無視では、胸くそ悪いだろう。
「(…本当にお礼として御馳走してもらって良いのかな?)」
っと、考えながら、扉の前に立ってはいる。だが、どうしても扉を開く事を躊躇ってしまう。なぜなら....
ーーーガヤガヤーーー
「(
彼にとって天敵でもある.....大人数。これまでの食生活は、大体いつもチエーン店で持ち帰りしてアパートで食べたり、人混みのない所で食べていた。
「(フゥ━━━......だめだ.....やっぱり行けない......)」
扉の前に『open』って書いてあるが正直、店の中に入れる勇気が出す、 今日もう大人しく帰ろうとする。まだ店の中に入ってないし、自分がここにきたことはまだ彼女にバレてはいないだろうと思ったその時…
「あの........」
「ひゃうぁっ!?」
突如後ろから聞こえた声に吃驚して、思わず何かの奇声の様な声を上げてしまう蒼夜。何事かと思い振り返ると、声の主は買い物袋を持ったツインテールがよく似合っている黒髪の蒼い瞳の少女だった。
「お店、開いてますよ?」
「え.....い....いや....」
またしても初対面な上に女子。この時、蒼夜の頭の中が混乱していた。
「もしかして....席を探しているのですか?なら中へ入ってください。多分空いていると思うので。」
「いや....その.....「店長。お客さんです!残っている席は空いていますか?」......え゛ぇ!?」
突然店のドアを開けた黒髪の少女。そのおかげで、店の中にいる客達がこちらに目を向けられた。
「(ちょ、ちょっと待って!そんなに目を見つめたら......中に入る勇気が!!)」
「おぉ〜〜お帰り、たきな.....ってあ〜〜!蒼夜君いらっしゃい!!!」
店の中に入った途端、昨日初めて会った少女....錦木千束と目が合った。
「あ……どうも……」
「……千束、蒼夜ってもしかして……」
「そうだよ!昨日みんなに話してた蒼夜君!いや〜まさかこんな早く再会するとは思わなかったよ〜〜」
「(え゛!?は、話してた!?)あ...あの.....僕は「はいは〜い、席は空いてるよ!こっちこっち!」.....え!?」
腕を引っ張られ、空いている席へ案内されられる。そして空いているカウンター席へ案内された.....しかも相手は女子に....
「ミカさん!ミズキ!クルミ!」
大きな声で店内におそらく自分の事だろうっと他の者に知らせる千束。彼女の声に反応し、三人の男女が振り返る。
杖をついている褐色で背の高い眼鏡をかけている男。レジ打ちをしている女。その隣にいる可愛らしいリボンと腰ほどの長さの金髪を持つ幼女。
.....すると何処からか優しげな外国人顔の大柄な黒人男性が彼女に尋ねてきた...
「ん?千束、その子?」
「ほら、昨日話してたじゃん!私を木から落ちる所を助けた男の子!」
「ほぉ....なるほどな。千束から聞いたよ....確か暁月君だっけ?」
「は.....はい(うぉ、めちゃ背高!?)」
「千束を助けてくれてありがとう。私はミカだ。彼女を助けてくれたお礼だ、今日は好きなように頼んでくれ。」
「は、はい。」
ミカ....のお言葉に甘えて空いているカウンター席に腰掛ける。なんだか、さっきあれだけ店に入るかどうかを迷っていたのに、その必要が無い程、気が付いたら、いつの間にか気が楽になった蒼夜。
★★★
この店.....喫茶店『リコリコ』ではよくある日常、になりつつある中でふと、彼女の目に留まる一人のお客さんがいた。そのお客さん……暁月蒼夜である。この時間、そしてお店の雰囲気からは珍しい、男性のお客様。もちろん他にも男性はいるが、ほとんどは常連さん。それ以外だとカップルで来ている人がほとんどで、一人というのは珍しい。年齢もパッと見た感じ、自分とそこまで変わらないはずであり、おそらく高校生くらいだろう。男性というよりは、男の子、少年という方が言い方としては近い。人には色々な趣味はあり、喫茶店巡りを趣味とする人も少なからずおり、かつ、昨今ではSNS映えを狙って喫茶店に来る高校生も多い。
何しろ、席に座ってから何一つも頼んでいない。おまけに、スマホをいじる様子や本を読む、パソコンを打つ等、何か手を動かしているというわけでもなく、肘を机の上に付け、両手を重ねてただ置いてあるメニュー表をボーッと、見ているだけ……もしかして悩んでいるのか?
何かあったのだろうか?と思った千束は、少しだけ彼をじっと見つめていた。
「ちょっと………ちょっと千束!何ボーッとしてんの!」
キッチンで忙しなく手を動かしている同じくここで働いている中原ミズキは千束に声を掛ける。おそらく彼女の目から見て、サボっているように見えたのだろう。
「えっ?あぁ……ごめんごめん!いやね、あの……蒼夜君さ、なーんか不思議だなぁって思って。ほらあそこの男の子。」
そう言って手は動かしつつ、キッチンの方からそのカウンター席に座る蒼夜に目を向けていた。
「あぁ〜、
ースパーン!ー
━━っとミズキは、軽く千束のお尻を勢いよく叩く。意外にも勢いがよかったのか綺麗に音が鳴り響くと同時に、痛烈な痛みが襲いかかってきたため、思わず千束はお尻をさすり、痛みを少しでも飛ばそうとする。
確かにここ最近、自分達が運営しているSNSや食べモグなど、インターネット上で自分たちからの情報発信や、第三者が情報発信を行うサイトでも中々高評価になっており、中でもあそこの店員さんは美人が多いとも噂されており、一部ではファンクラブも出来ている…っとの噂も聞いているため、どうせそういったのが目当てだろうとミズキも踏んだのだ。
「痛ったァ!?ちょっとミズキぃ!……まぁ確かにそうなんだけど、ただ、なんて言うんだろうあの蒼夜君……なんか、悩んでる?」
「え〜〜〜、そうかな?」
「何してるんですか2人とも!注文入ってますよ!」
その2人の手が止まっていることを注意し、急かすように店員でもあり、同時に千束にとってはいろんな意味で”相棒”である井ノ上 たきなが少し荒っぽく声を掛けてきて、2人ともハッとし、それぞれの仕事に戻る。
それから暫くして、忙しかった店内は収まり、店内もほぼお客さんがいなくなったため、働く側もようやく一息つけそうだった……が、唯一、まだ残っていた客がいた。
それは先程から千束が気になっていた、暁月蒼夜であるのだ。
「おい……あの客、蒼夜って奴?なんかさっきからずーっといるぞ。」
喫茶リコリコの最も新しい店員であり、年齢的に見ると子供にしか見えないような長い金髪を持つ少女の“クルミ”はカウンターの向こうのキッチン内という、ちょうど客席から見えるか見えないかのぎりぎりの場所で話しかけてくる。
ちょうど手が空いたということもあり、洗い物など、ここでしかやれないことをやるために、ここで働く従業員全員がここに集っている。
「そうですね。それに、席に座ってから
チラリっとたきなが蒼夜の方に視線を向ける。
よく見ると、
正直、店員としても、店にとっても頭がおかしい客と思うしかない。
「一体、何がしたいんでしょうか?」
「まぁ人には色々あるんだろう。余計な詮索はしない方が彼のためにもなる。」
喫茶リコリコのオーナーでもあるミカはコーヒー豆を挽きながら、そのお客さんに対し少しの興味は持ちつつも、店と客の一定の距離を保とうと宥める。
しかし、そんな中で唯一黙ろうとしない者が一人いた。
『気持ち悪い......よね......』
「(もしかして....)ちょっと声かけてきますねー!」
言わずもがな、昨日、彼の口から聞いた言葉を思い出す、千束であった。
「あ、ちょっと千束!」
たきなの声を無視し、千束はその蒼夜に声をかけてみた。
「蒼夜君!」
★★★
「(あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜マジで頼めないーーーい!!!)」
あれから蒼夜は、メニュー表を持っているが、何一つ頼んでいない。正直、今のところ非常に困っているのだ。
ースマホを忘れたか………違う。
ー財布を忘れたか………違う。
ーそれとも字が読めないのか……日本語は載ってあるから普通に読める
そう…………注文しずらいのである……っと言うよりも、人と喋るのが本当に大の苦手である。
「(あ〜〜〜だめだ.....全然勇気がでねぇ〜......喋る勇気もない....あぁ.....
あの日、この世界に(憑依)転生してからずっと、そればかりを考えている。シンプルに考えれば、これは自分にとって代償なのだろうか。この力……自分にMSを造れる不思議な力を与えた、その代償として、自分は誰とも喋る事もできず、ずっと一人なのか...ということなんじゃないのっと考えてしまう蒼夜。
自分がいくら回答を思いついたところで、その答えを誰も教えてくれない。だが、彼にとっての代償とか、特別な力とか……正直そんなの
自分は……主人公達が持っている力と願望を持っていない……なれるわけでもない……
それに……ニュータイプやイノベイター、など……そんな特別な力も持っていないただの人間……
彼は、暁月蒼夜は……この世界じゃただの
「蒼夜君!!!」
そんな時、答えのない自問自答をずっと繰り返し続けていたら、千束が話しかけてきた。かなり深く自分の頭の世界に入ってしまったため、周りの声にも全く気付いていなかった。
「はっ!?」
…………っと素っ頓狂な返事をしてしまう蒼夜。
「どうしたの?ずっと考え込んでるみたいでしたけど?」
「えっ?あっ?えっ......?」
そう言われて店内の時計を見ると入ってからすでに大分時間が過ぎていた。何十分どころか、よく見たら何時間も経っていた。
まさかそんなに時間経ったのか....と一人驚いてしまう蒼夜。
「す、すすすす……すいません!」
まさかこんなに時間が過ぎているなんて……流石にここにずっといれば迷惑になるだろう。そう思った彼は、水だけ飲んで、すぐに帰ろうとした。
「いいっていいってー!ゆっくり過ごしなよ!それに、まだ何も頼んでないでしょ?」
そのぐいぐい来られる姿勢に若干困っていると千束に“お客さん困ってますよ“っと、青色の着物のような制服を着た女の子“たきな“が、自分に話しかけてきた千束に話しかける。
「ごめーんたきなー!で、蒼夜君は何が頼みます?」
屈託のない笑顔に流石にいいえという言葉は出ず、慌ててメニューを見るが……迷う時間もなく、とりあえず適当に決めた。
「じゃ.......こ、これと……これを。」
メニュー表の中を見て知ったことなのだが、実は……リコリコに来る前、事前に口コミサイトを見ていたのだ。……けど、どれを選べばいいのか全く分からなかったので、とりあえず“パンケーキ“と”珈琲“を注文した。
実際、あんなにグイグイ来られては誰であっても注文を断ることは出来ないだろう。それに……こんな可愛い女の子が急に話しかけてきて、正直ドキドキしてするんじゃないのかっと…
この千束という店員さんもそうだが、今彼女に話しかけてきた“たきな“という店員さんも負けず劣らずの美少女だ。千束という店員さんが元気っ子なら、たきなという店員さんはクール、という印象だ。断言するが、絶対モテるだろう。というか、この2人目当てで通って来る男性客だって絶対に多いはず。
他にも、あの金髪の小さい女の子もだ。おそらく店の奥にいるあの黒人の店主……ミカの娘さん(?)なのかもしれない。金髪ということでおそらくハーフだと思うけれど、顔も整っているしその年代の子として見たらモテるだろう。
そして緑色の制服を着ているお姉さんも、バリバリのキャリアウーマンという雰囲気(?)があり、顔も整っている。おそらくモテるはずだだろう。(※色々と問題点があるけどねby作者)
「(ハァァ………絶対に僕みたいな人間が入る店じゃないでしょ?)」
完全に入る店間違えたな……っと自分が場違いかもしれないと思えてしまう蒼夜。今になって若干の後悔をしてしまうが、それももう今更だろう。
「はい!おまちどうさまでーす!」
そんなことを考えている中で運ばれたパンケーキは、上にフルーツが少し乗った程度の、言ってしまうと、思いのほかシンプルなビジュアルをしていた。これは日本人が思い浮かべる、絵に描いたようなパンケーキに近いものだと思った。
まさに、ザ・パンケーキ。
作り立てのパンケーキを器用にフォークとナイフで切り、口に運ぶと......ふわふわの生地と優しい甘さと珈琲の苦さに言葉にならないほど相性が抜群でうまい。焼き方にも凄くこだわっているのだろうな.........
「(あ〜〜〜美味しいな.....)」
パンケーキを食べている時.....この世界に転生してから蒼夜にとって
◇
「あ、あの......お、お会計....」
「いいのいいの!言ったでしょ!昨日私を助けてくれたからお礼だって!」
食べ終えた蒼夜は、相変わらず言葉が足りない。それに、まさか助けたお礼に本当にご馳走してくれるとは思わなかった。
あんなに美味い珈琲とスイーツを無料で食べれるなんて、もしかしたら自分にとって今日は人生最高の日なのではないか?
「その......錦木さん....」
「あ〜またさん付け!もうち・さ・と、で呼んでいいって言ったじゃん!」
「……そ、それじゃ……」
「うん……あ、待って!!」
アパートへ帰ろうとする蒼夜を呼び止める千束は、彼の手を掴む。
「っ!(て、手を掴まれたぁ〜!?)」
「ねね、次いつ来るの?」
「….........わ、分からない...です」
「そっか......うん。ごめんね!ただ、また来てくれるかな〜って言いたかっただけ!」
「……....また....来てもいい....ですか?」
その言葉を聞いた瞬間、千束は一瞬キョトンっとするが、すぐに笑顔になり.....
「もちろんだよ!『リコリコ』は困っている人を助けるが仕事なんだからさ!!」
「っ!そ......その.......あ━━━
..............ありが....とう.....」
「………うん!ご来店ありがとうございましたー! また来てね蒼夜君!」
活発に手を振る彼女を背中に、蒼夜はアパートまでの帰路を歩み始める。そんな彼を錦木は嬉しそうにブンブンと手を振って見送ってくれている。
「(また来てもいいのか......うん。時間があったらまた行こうかな....)」
この時.....彼は想像すらしていなかっただろう......
彼女―――錦木千束との出会いが、
そして、喫茶店『リコリコ』との出会いが.....
自分の人生を大きく変える出来事であり、普通の一般人として過ごすはずの人生が大きく
=============
「任務に行きますよ、千束。」
「よ〜し!今日も任務頑張るぞ〜!」
そして彼は知らない.....二人の少女、千束とたきなは、“普通ではない”仕事をしている事を......
MS達『おい作者……』
作者「は、はい?」
MS達『俺たちの出番はいつなんだ?』
作者「あぁ〜次回話で登場する………………………………っと思う…」
MS達『いや今の間は何!?』
みんなのお好みのガンダムシリーズは?
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宇宙世紀シリーズ
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アナザーシリーズ
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ビルドシリーズ(ガンプラ系)
-
漫画版 or 小説版