リコリコの世界にモブキャラとして転生したら、全てのモビルスーツシリーズが造れる件 作:フェルトファン
またまた今回も、投稿が遅れて本当にすみませんでした!!!
長い間、大変待たせてしまって本当に申し訳ごだいませんでした!今回は少し長めです。
「ハァァァァァァァ………………」
「(おぉ、すごいため息〜)ほ、ほらもう〜元気出してよ蒼夜君〜」
「(すごいため息ですね…)千束のいう通りですよ蒼夜さん。も、もうさっきの事を忘れましょうよ。」
「そ……そう……ですね………
ハアァァァァ…………」
「「(うわぁ、これはまだかかりそう……)」」
つい数時間前に“ユニコーン”の物真似の後に行われたペンギン達のイベントにも参加してとても充実した時間を過ごした3人(の内の1人は少し落ち込んでいる様子)。
そんなこんなで水族館を終えた後、追加の買い物もしようとデパートへ向かった3人。そして時間が経ち、いつの間にか日も徐々に暮れ、もうすぐ夜になってくる頃だろう。
デパートを出たその時………
「……リコリス?」
「なんだか……多いですね……」
——と千束とたきなは、何らかの違和感に気づいたらしく、辺りを見渡し、険しい表情を浮かんでいた。
彼女達の視線から見れば、人混みの中で白服と呼ばれる女子高生達の姿が人混みの中で異様なほど多くいた。一般人からすれば普通の女子高生にしか見えないが、彼女達が着ているベージュの制服を見れば、サードである事を千束とたきなはすぐに気づく。
「(あの制服……確か千束さんとたきなさんが着ていた制服と同じ……『ピロン♪』……ん?」
その時、蒼夜のポケットからスマホからのメール着信音が聞こえた。スマホを取り出し、メールの内容を確認する。
「…………」
「千束……もしかしてDAで何か重要な任務があったのでは?」
「う〜ん………分っかんない〜先生からなん〜にも聞かされていないし〜って言っても、楠木さんはそう簡単に私達に教えてくれないからねぇ〜〜〜」
「そうですか………では、これは一体……」
「あ、あの………」
「「……ん?」」
彼女達が話し合っている中、突然蒼夜が話しかけた。
「す………すみま……せん………お、お手洗……い……行って……きても……」
「え、トイレ?うんいいよ。」
「ここで待ってますので。」
「すみま……せん……」
そう言って蒼夜は“すぐに戻ります”と少ない言葉で彼女達に伝え、駅近くの厠へ探しに向かって行った。
「あれ?そういえばさっき、蒼夜さんはお手洗いへ行かれたのでは?」
「え、そう〜?あ!もしかしてウn…」
「それ以上言ったら、本気で
「……………ハイ、スミマセンデシタ……」
「もしもしハロ?さっきのメール………そうか、分かった。じゃ、こっちにも情報を送ってー」
★★★
夕暮れの頃合いになり、人気のなくなった北押上駅。そこを悠々と闊歩する一人の音がいた。黒のロングコートに似つかわしくないピンクのシャツを着こむ緑のアフロ髪をした男……真島。
「♪〜♪〜♪〜」
口笛を拭きながらホームまで降りていくと、柱の陰や自販機の横から
「ーーーーーハハッ……」
口笛を止め、いかにも愉快そうに身体をくるりと回転させた真島。軽快なステップを踏んでホーム中央に立ち止まり、凶悪な気配を放つ群れ持つツナギの男達も止まり、肩にかけていたバッグを下ろした。
「スゥーーーーーーーーーーー、ハァ〜〜〜………」
地下鉄の天井を仰ぎ見た真島は、瞑目してから深く息を吸って吐く。まるで何かを確かめるような深呼吸の後、言い知れぬ脅威を醸しながら口角をあげ静かに笑った。
「ーーーーー匂うなぁ……」
——と、そう語った真島はツナギの男達が下ろしたバッグを開け、中から
「漂白されて、除菌された、健康的で不健全な嘘の匂いだ………」
真島だけでなく、ツナギの男達もアサルトライフルなどを取り出し、腰だめに保持されていた。しかもその数々の武器は、以前に行われた千丁に及ぶ銃取引の一部でもあり、DAが探し求めていた物でもあった。
「バランスを取らねぇと.......なぁ!」
アサルトを構えたツナギの男達と同じく、真島は今か今かと電車を待ち構えている。まるで、飢えた獣がこれから狩りを楽しむかのように……
ガタン、ゴトン〜ガタンゴトン〜
その時、アナウンス音が流れたと同時に、奥から聞こえてくる電車の駆動音。
真島達がいるホームへと迫る電車はその車体を揺らし、普段どおりに向かっていた。いつも通り電車は、定められた発着時刻のままにホームへと辿り着くだろう。
いつもの日常なら………
「来るぞ………来るぞぉ………」
電車がホームに到着する前に、部下のひとりが列車が近づいてくることを確認し、真島はPKMを手にする。同様にツナギの男達もそれぞれ持つアサルトを装備し、真島と同じ方向を向いていた。
「始まり………始まりぃ……」
やがて、電車がホームに近づいた瞬間、口角を上げた真島は目を細め、銃口を電車に向けてーーーー
「始まりぃ!!!」
一斉に撃ち始めた………
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!!!!!!!
引き金を引いたと同時に、聴覚がまともに機能しなくなるほどの膨大な銃声が轟く。
銃声は万雷の喝采であり、生じた発砲炎はスポットライト。まさに弾丸の雨。
嵐のごとき銃弾の乱舞は、電車の側面鋼鉄に凄まじい数の穴を空け、瞬く間に虫食い状になり果てた。そんな無残な姿へと徐々に変わっていく電車の姿を見た真島は、腹の底から歓喜していた。
「ハハッハハッハハハハハハーーー!!!!!!!!
ハァッ!」
車内の内装や窓ガラス……何もかもが砕け散り、最終的に無残な姿へと変えられてしまった電車が徐々にスピードを落とし、その場で停止。銃で撃たれることを想定して作られていない地下鉄は、一瞬でボロボロになってしまった。
「(………まだだ……あの中に乗っているリコリスは生きている……
——と、事前に
と言うことはつまり、電車の中にはまだ生きている人間がいる可能性が高い……と真島はそう内心で考えていた。
ウィーン………
電車の自動ドアが開き、再び武器を構える部下達。
「(さぁ………出てこいリコリスどもっ!)」
真島も武器を再び武器を持ち直し、電車から出てくるリコリスを待ち構える。当然のこと、襲撃を計画した段階でこの時刻に発着する車両が回送であるか否かは確認済みである。
そこに、
「さぁ、お前ら!もう一回撃ち方はじm……………
ーーーは?」
ドアが開いた瞬間、再び銃撃戦を始めようと合図を出そうとする真島は、一変した。同時に部下達は、真島が突然合図を止めていた事で、慌てて構えを解いた。
「………なんだ……コイツ?」
車内にいた“ソレ“を見た瞬間、唖然とする真島。以前、ハッカーが入手した情報によれば、リコリスの正体は日常生活の中でよく見かける普通の女子高生であった。
だが、車内に乗車していたのは普通の女子高生ではなく、何より……
「………
全高3m。その形状は寸詰まりの黄色いボディに、短足に長腕、球形のキャノピー、そして大きめのプロペラントタンクの様な装備が付いたスラスター・ポッド。
「お、おい……なんだ、あれ?」
「ロボット……だよな?」
「確か、女のガキが銃を構えて出てくるって…………真島さんから聞いたけど……」
真島の部下達もそのロボット……トロハチを見て、驚きと動揺を隠せなかった。当然だが、今回の襲撃に事前に説明を受けてはいたが、予想よりも早くの想定外の事が起きてしまった為、部下達は次に何をすればいいのか分からなかった。
一方、真島は………
「(おいおい、どう言うことだあのハッカー……リコリスの正体はガキじゃねーのか……まさかアイツ、俺達に偽の情報を渡したのか?)」
——と、内心で情報を頼んだロボ太に疑い始めた真島は、懐からスマホを取り出そうとしたその時……
ガッシャン!!!
「ーーーーん?」
トロハチの両腕から、
「ーーーーーは?」
「「「「「ーーーーーえ?」」」」」
そしてその様子を見た真島と部下達は、状況が理解できないまま、揃ってポカンとした顔で立ち尽くす。
ウィィィィィーーーー
両腕から出てきたマシンガンから徐々に大きく鳴るエンジン音。その時、真島は別の何かを目撃する。薄暗かったが、トロハチの球形のキャノピーの中にいる
まるで、“次はこっちの番だ”と言っているようにも聞こえ、真島達を狙い撃つかのように両眼を光らしていた。
「ーーーーーは、はは……………
ヤッベェ!!!」
——と、真島の後頭部から、一筋の汗が流れた。危機感知をした真島は、急いで自身が持っていた武器をその場に捨て、素早く別の場所へ移動しようとした瞬間.........
バババババババババババババババババババババババババ!!!!!
「うぁ!ーーーーぐへ!?」
「ゴッハ!?」
「に、にげ......オエ!?」
さっきの仕返しと言わんばかりの射撃。マシンガンの銃口から放たれる弾丸が次々と真島の部下達に命中する。
「クソ!舐めるな!!!」
その中、運良くトロハチの放射弾から逃れた1人のツナギの男は、アサルトライフルを使って反撃しようとした時.........
「これでも、くらってr......
ババババ!!!!
ーーーーーーくは....」
「んな!?お、おい!もう一体いやがったぞ!」
「うぁあ!こ、こっちからも出てきたぞ!」
別の車両からまた新たなトロハチが現れ、見事にツナギの男に命中。赤と青の色違いのトロハチが現れた事で、あの黄色いトロハチの仲間であるとすぐに分かった男達。反撃しようにも、トロハチ達の射撃が止まらない。むしろ、男達が反撃できる隙間もない。
「ーーーーチッ!」
部下達が次々とやられていく中、なんとか真島だけホームの柱の後ろへ隠れる事ができたが、右腕に弾丸が掠ってしまった。
「クソッ!おいハッカー!どういう事だ!?」
ハッカーに連絡しようとスマホを取り出した真島は、険しい表情で怒鳴るが.........
《ザーーーーーザザーーーー》
何故かスマホの通話から砂嵐の音しか聞こえなかった。電波状況が悪くなったのか、何度電話を掛け直しても、相手からの通話が繋がらなくなってしまった。
「チッ!使えなぁ………あぁ〜イッテェ……」
ぶちぶちと暴言を吐きながら、真島は自身の右腕を触れる。弾丸が当たった事で、痛みも感じていた。
「クソ………………あ?」
だが、 銃創ができた右腕に触れた瞬間、違和感を感じた真島。
「(ーーーーー
もしも傷口ができているなら、皮膚などが破れているはず。しかし、傷口を抑えた瞬間、痛みどころか皮膚などが剥がれている様子も無かった。すると真島は、傷口だった所から出てきた血の様な赤い液体を手につけ、それを口の中に入れると………
「ーーーーーーーっ!?!? ペッ!ペッ!なんだこれ!?………
血の正体………それはただの赤いペイント。
“まさか……“と思った真島は、他の部下達の様子を見ると……
「い、イッテ〜………ってあれ?傷が……ない……」
「ウェ!なんだこれ!?」
「ま、前が見えねぇ!」
先程まで撃たれてしまった部下達も、撃たれて死んだと思ったら、実はなんと生きていた。しかも赤色だけでなく、青や黄色などの色が見られ、中には全色ペンキだらけの姿となっていた部下達を目撃した。
「ま、真島さん!あのロボット共がまたペイントを………ブヘ!?」
「ぎゃ〜〜〜か、顔につけやがったっ!?」
「おぇ〜〜!!く、口に入ってきやがった〜!」
「…………」
次々とペンキだらけとなってゆく部下達を見る真島。反撃しようと武器を取る者もいたが、トロハチ達のペンキ弾が命中し、取ろうとしたはずの武器が遠くに飛ばされ、その隙に撃ち抜かれてしまうという繰り返し。
「ーーーーーー撤退するぞ。」
「………………へぇ?」
「聞こえなかったか、撤退だ……持っている武器を捨てろ。発煙弾を使って、適当にそこら辺に投げろ……」
「し、しかし……リコリスh……」
「今すぐ、やれ」
「へ、へい!」
もはやこれ以上この場にいる必要がないと判断した真島は、部下達に撤退の準備をするよう指示をする。
パッシュゥゥゥゥゥゥーーーーー
真島からの指示を聞いたツナギの男が、自身の懐から発煙筒を取り出し、ピンを外した瞬間トロハチ達の前に投げ出し、発煙筒中から煙幕が展開した。
つい先程まで連射していたはずのトロハチ達は一時停止し、恐らく彼らの視界を遮断される事に成功したのだろう。その隙に、やられた部下達を地下鉄の電車が走っていない反対の方へと誘導する。中には撃たれて倒れて動けない者を背負いで向かって行く者の姿もいた。
「真島さん!これで全員です!」
「おう、ご苦労さーーーー」
小声で真島に伝えた部下を真島が、返事した瞬間、煙幕から一体のトロハチが現れた。
「おっと、ヤッベェ……………」
今度こそ逃さないと、真島に命中しようとするがーーー
「ーーーーそういや、リコリスを見つけ出すって言ったけな………あぁ〜言った、言ったなぁ~。クッソ、やっと見つけたと思ったけどなぁーーーー
まぁ、別の収穫を入手できたから……それでいいか!!!」
真島は、悪党らしい笑みのまま懐からスイッチを取り出す。そして、“カチリ“とスイッチを押し込んだ瞬間ーーーー
ドカアァァァァァァァァァン!!!!
爆破が発生し、地下鉄構内が揺れ、衝撃が密閉された空間を蹂躙した。そして天井も崩落し、降り注ぐ瓦礫。
その瞬間、真島は驚異的な反射をみせ、ついさっき部下達が逃げ去った地下鉄の電車がいない線路の方へと駆け込む。
一方トロハチ達は、崩れ落ちてくる瓦礫の下敷きになってしまったーーー
★★★
真島達が去ってから3〜4分後………
ドォーーーーン
『アブナカッタ!アブナカッタ!』
崩れた落ちた瓦礫から、下敷きになっていたはずのトロハチ達が現れていた。実はあの時……爆発が発生し瓦礫が落下する直前、両腕に装備してある
真島達がいない事を確認したトロハチ達は、ビームシールドの展開を解除し、操縦席がある球形のキャノピーを開ける。
『マサカ爆弾ヲツカウナンテ……予想外、予想外。』
『確カニ………ミンナ、無事カ?』
『無事ダヨ!無事ダヨ!』
トロハチを操縦していた丸い何か……
『モシモシ〜ソウヤ!コッチハ終ワッタヨ………ウン、ワカッタ!ミンナ!モウスグリコリスガコッチニ来ルカラ、速ヤカニ撤退ダッテ!』
『了解!了解!』
『撤退!撤退!』
——と通信越しで蒼夜と話していたハロとその会話を聞いたハロ達は、この場からすぐに撤退するよう再びトロハチに乗り、真島達が逃げ去って行った方向とは別の線路の方へ向かい、地下鉄から脱出するのだった。
★☆★
ーーータタタタタターーー
トロハチ達が去ってから数秒後、
DA本部から突如命じられた任務は、至急北押上駅に向かって、その場に集うテロリスト集団の抹殺。参加したリコリスは全てサードであり、その数は大体20人弱。
この任務を上手く成功させれば、セカンドへの昇進にもなる可能性が高い。そう考えた彼女達は、緊張と共に警戒心を強くする。
その事を思い出しながら、ようやく目的地に着いたが………
「「「………っ!?」」」
目的地であった地下鉄駅で見た光景は、彼女達の目を疑う。
────なんだ…………これは?
崩壊された地下鉄駅。それどころかテロリストの姿が一人もいなかった。辺りを探し回っても、死体一つも見つからず、探すのに困難であった。動揺を隠さないのままに、サードリコリスの一人が慌てて指示を仰ぐために通信を開始した。
「ーーーーーし、司令部………応答願います……」
『ーーーどうした』
同時刻:DA司令室
『目的地点に到着したのですが………その……テロリストの姿はどこにもありません』
「…………」
『目的地だった場所で、なんらかの爆発があった可能性があります。ですが……』
『誰も……おりません。し、司令、どうか指示をください!』
「………………総員帰投しろ。これ以上は異論は認めん……
ハァァァァ………」
———と、現場に到着していたサード達にそう指示を出した楠木は、通信を終えた途端、大きめなため息を吐くと同時に頭を抱える。そんな様子を見た秘書は、気まずそうに声をかける。
「し、司令……これは一体?」
「わからん………一体、何が起きているんだ……」
そもそも楠木は、何故そこまで悩むほど頭を抱えているのか。それは、今から時を遡る事30分……
今から30分前の事………
「状況は?」
「ーーーーー今の所、異常はありません。」
「後、10分程で現場に到着しますーーー」
「北押上駅での出入り口の封鎖も完了しました。」
「そうか………」
オペレータからの報告を耳に入れる楠木。
楠木が次の指示を出そうとしたその時………
「では、次の段階n……「し、司令!大変です!」……どうした?」
「それが……先程サード達を乗せた地下鉄の車両が………
勝手に現場とは別の路線へ走っています!」
「…………は?」
「何度も操作していますが、全く言う事を聞きません!げ、現場からどんどん離れていきます!」
「………ラジアータからは?」
「そ、それが………
「なんだと!?……(馬鹿な!ラジアータでさえ異常を感知できていないのか!?)ならば、急いで原因を確認しろ!」
「何度も確認しましたが……ですがそれも、異常も何も起きていません!」
突然起きた予想外が発生し、次々と混乱するオペレータ達。しかも、DAのAIコンピューターでさえ感知できておらず、何故車両が勝手動いているのかも未だに原因不明である。
「クッ!ならば地上で現場近くで待機している全てのリコリスに通信を掛けろ!」
「それもやってます!ですが……向こうからの応答もありません!」
「なに!?」
「車両に乗っているサード達にも通信を掛け続けていますが……同じく、全く掛かりません!」
「(バカな!車両の操作を乗っ取るだけでなく、通信までも妨害されただと!?)ならば予備通信を使え!なんとしてでも通信を復帰させるんだ!」
その後、結局地上や地下鉄の車両内で待機しているサード達の通信を復帰する事が無く、作戦開始の時間から大きく遅らせてしまった。仕方がなく楠木は、北押上駅より離れた場所で待機していた別のリコリス達に指示を出し、至急現場へ向かうよう新たな指示を出した。もちろん現場へ向かわせる地下鉄の車両も無く、自力で向かわせて行くしか無かった。だが向かわせた直後、突如駅から爆発が発生したと出入り口を封鎖したサングラスをかけた男達から報告を聞き、急いで現場に向かう様追加の指示を送った楠木。
それから5分程、なんとか現場に到着したサード達だが………
「現場に到着したら、駅は既に崩壊……所々に銃弾の跡が残っていた事で、恐らく銃撃戦が起きたのは確か……それなのに死体が一つも見つからない……クソ」
あまりにも多くの予想外が発生し、思わず暴言を吐いてしまう楠木。
「ハァァ………一体、上になんて報告すればいいんだ………」
これらの出来事を上層部にどう報告すればいいのか、再び頭を抱える楠木は、深々とため息をついた。
※ その後、胃腸薬をまた買ってもらうよう秘書に頼んだそうであった。
☆★☆
一方その頃、蒼夜が厠から戻ってくるの待っている千束とたきなが、駅の前を通りかかった時、地下の北押上駅の前で何やら人だかりが出来ていたのに気づいた。
「何かあったんでしょうか!?」
たきなが飛び出して行きそうになったのを千束がたきなの手を掴んで止めた。
「私服で銃出すと警察に捕まるよ〜制服着てない時はリコリスじゃないって言ったでしょ? あ!お〜い蒼夜君!」
「ーーーえ?」
「はぁ、はぁ、はぁ、す…………すみま……せん……お、遅く………なりま…した……」
彼女達の前に厠へ向かっていった蒼夜は、息切れをしながら戻ってきた。様子から見て、厠からこっちに戻って来るのに走ったのだろうと思った彼女達。
「いいって、いいって!とにかく、今日は帰ろうたきな。ほら、戦利品も多いし………」
「……………」
千束にそう言われたたきなは、自身の手持ちの買い物袋を見た後に少し不満そうな表情を見せるが………
「あ、あの………なにか……ありま……した…」
「…………いいえ、千束の言う通り、今日は帰りましょう。」
「そうそう!リコリコに帰ったらさ、みんなでボドゲーやろうよ!」
「は、はぁ………」
そう語り、一度駅の方を見た3人は、その場を後にしたのであった。
☆☆☆
同時刻:とあるバー
禁忌を意味する店名を持つ会員制の“BAR forbidden”。そこは照明が薄く陰りを照らすムーディーな雰囲気を基調とした空間だった。中央のカウンター席で
一人は、リコリコの店長であるミカと、その横に座る男……吉松シンジが座っていた。視線を合わせぬままミカは、シンジのの行動の理由を問いただす。
「ーーーーーーーシンジ、何故戻ってきた?」
「ミカに会いたかったからさ。」
深刻さが伝わってくるミカの問いに対し、シンジは軽やかと取れるほど気軽に親愛を込めた返答を行う。シンジの言葉に浮きたつ心情もあるが、ミカはシンジの目的を先んじて口走る。
「からかうんじゃあない。どうせ
「……私を覚えていなかったよ……」
「あの時に一度見ただけだ………無理もない」
そこで一度、会話は途絶えた。この時二人は、同じ過去の記憶を思い出す。それは、
「シンジ、何故言ってやらないんだ。千束はずっと君を捜しているんだぞ?」
「アラン機関は支援した対象に関わることを禁じている。話したろう?」
「矛盾しているじゃないか、それだったら店にも来るべきでは……」
ミカにとって、二度と会うことのないはずの救った千束の前に現れ、彼女に何らかの選択を迫ろうとしているのではないかと、不明瞭ながら確たる不吉な予感というものを感じ取っていた。
そんなミカの口から語られた言葉を聞いて、シンジはより笑みを深める。
「私の支援は未だ完了していない……それにしても、ひどいな?君は、私に千束の前から消えろとでも?」
「……そういうわけじゃないが……」
「ーーーーミカ、“約束”は守れているか?」
そこでシンジは真っすぐにミカの瞳を強い信念と信仰を讃えて見つめる。その視線の持つ意図を知り、ミカは感情と思考を切り離して答えを紡ぐ。
「ーーーああ、もちろんだ……」
そうミカが答えた一言は、ある意味重い言葉でもあった。ミカの返答を聞いて、シンジはグラスを軽く揺らし、カランと氷の鳴らした音に耳をすまして独り言ちる。
「天才とは神からのギフト、必ず世界へと届けねばならん……」
そうシンジが語った時、バーにある一台のテレビには、アランチルドレンの記事が報道されている。
「類い希なる、“殺しの才能“をな………」
一息でそれを飲み干すシンジ。
その時、ミカは別の話題を変える。
「………シンジ……アラン機関としてのお前に聞きたい事がある……」
「聞きたい事………もしかして、あの巨大人型兵器についてなのか?」
「っ!察しが早いな……」
「まぁな……つまりミカは、こう言いたいんだろ。あの巨大人型兵器は、アラン機関が造ったのではないかと……」
ミカが問い出そうとした疑問をシンジが代わりに口に出す。謎の巨人については、既にニュースなどで世界中に知らされており、流石のシンジも既に知ってはいたのだろう。それが、アラン機関が造ったのではないかと、ミカは思った。
だが、シンジの口からは、ミカにとって大外れの答えを聞く事になる。
「残念ながら、
「ーーーーなに?」
シンジの口から出た答えに、ミカは疑ってしまう程、目を見開いた。
「本当だ……今でも私達はあの巨人を造っている開発者を探し続けているんだ。その人物もまた、神からのギフトを授かっているはずだ。私の知り得ぬギフトを……」
「…………シンジ、もしもの話だ。もしその人物を見つけていたら、お前はどうする?」
「………その時はその時だよ、ミカ……だからこそ………私達機関は、早急に接触しなければならない━━━」
カウンター向こうのテレビで謎の人型巨大兵器についての大きく話題が聞こえてくる中、シンジの口から意味深な言葉か語られていた。
☆☆☆
——翌日の早朝——
「(あぁ〜やっと治ったな……さ、今日も頑張りm……)」
「キエェェ!!!ハレエェェンチィィィ!!!」
「ーーーっ!?」
店が開店し、営業している頃、カウンターにある物を鏡代わりに使って、治った頬に貼ってある湿布を取り外した蒼夜。その直後、突如店裏から響き渡る甲高い奇声に驚いてしまった。
「(な、なんだぁ!?)」」
更衣室から聞こえ、その奇声の主は恐らくミズキであろう。“一体何事なんだ“と内心で思った蒼夜は思わず声のした更衣室の方へと恐る恐る向かうと……
「(…………何してんの?)」
「こ、コイツ!
「…………は?」
そこには何故か、ミズキに首を絞められている千束がいるという現場を目撃してしまった。さらに驚く事に一瞬だったが、蒼夜は千束のスカートの下に履いている下着も見えてしまった。
「(っ!……なん……だと…)」
それは紛れもなくトランクス。しかもその黒いトランクスは、以前たきなが履いていたものでもあった。
「白状なさいっ!まさかアンタ………昨日、蒼夜のとこに泊まって来たな!越えてはいけない一線を超えたわね!私への当て付けかこの野郎!!!」
「ーーーえっ!?あっ、や、ち、違う違う違う!というかなんでそこで蒼夜君が出てくるの!?
「だまらっしゃい!!!ガキの癖に不潔よ!!!不潔ぅぅうううう!!!」
「イダダダダ!!き、聞けって!違うのぉぉぉおおおおおお!なんっ………あっ!た、たきなの!たきなのだからぁ!」
——と、そんな蒼夜に向かって千束が指を差した。だが、指を差したのは蒼夜ではなく、いつの間にか彼の隣りに並び立っている制服姿のたきなだった。
彼女も裏の様子を見にここへ来たのだが、急に名前を挙げられて何の事か分からないたきな。そんなたきなの事など知らぬ存ぜぬで、ミズキは一旦千束からその腕を離すと、その眼鏡を光らせたきなに急接近し………
ーーーーペラリ……
「ーーーーーえ?」
「っっっ!!??」
なんの躊躇も無く、蒼夜の目の前でたきなのスカートを捲り上げた。
そんな行動と共に蒼夜は、素早く顔を逸らす。そんな彼を気にせずミズキは、細めている目でたきなの下着を見つめ、静かにスカートを下ろす。
「ーーー可愛いじゃねぇか……」
「いやだからそれを昨日買ったの!え、あ、ちょいちょい何処へ……」
「皆さーーーん!このお店に裏切り者の嘘吐き野郎が居ますわよ〜!」
「うおおぉぉぉおあああああ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろぉぉおおお!」
表に向かって千束の下着事情をミズキは、客達に暴露する。それを千束の顔が真っ赤となり、彼女も表へと駆け出した。そしてその場に残った蒼夜は、気まずい感じでたきなへと視線を戻すと……
「ーーーーーっ」カァ〜
今までに見た事がないほど顔を赤いトマトの様に染め上げていた。
「………見ました……蒼夜……さん……?」
「ーーーへぇ!?……い、いえ!み、みみみてま……せん…(大丈夫!今回はマジで見ていない!!というかたきなさん、めっちゃくちゃ可愛い!)………」
「そ、そうです………か………」
「は……はい………」
「………」
「………」
「………と、とりあえず……千束の方へ行きますか……」
「え、あ、は……はい……(今の間は何!?)」
お互いに気まずいまま、表へ向かう二人。そこにはミズキに羽交い締めにされたまま、クルミが用意した扇風機を前にスカートの中身を晒され、煽られる千束の姿があった。
「見ましたぁ〜?皆さん、男物のパンツですよぉ〜?」
「ちょ、違うってええぇ!だからたきなの!せ、先生の指示で………」
「え、オッサンの?それって……」
「いや、それもややこしい! と、とにかく違う! 本当に違うんだってぇぇぇ!」
「ほれ、たきなの団扇。」
「………え?」
するとクルミが、たきなにも共犯者に成らせようと、持っていた団扇を彼女に渡そうとする。だがその直後……
「もぉぉぉぉ!!!いい加減に離してって!!!」
ガン!!!!
ミズキからなんとか逃れようとする千束の足が、近くにあった扇風機を思わず蹴っ飛ばしてしまった。蹴っ飛ばされた扇風機はカウンターから離れ、地面に落ちてしまうだろう。
だがその扇風機には電源のコードが繋がっている為、電気は繋がっているまま。そして、地面に落ちる直前、扇風機から流れる風の向きが一瞬だけ変わり………
ーーーバッサーーー
「………っ!!!」
たきなのスカートも晒されてしまった。
すると反応が早かったのか、たきなは素早く隠す様自身のスカートを両手で防いだ。なんとか他の客達に見られてはいなかったが……
「(い、今のは………
だが、運悪くたきなの後ろの方に立っていた蒼夜は、たきなの履いている下着を見えてしまった。しかも今度は、一瞬では無く、ガッツリと見てしまったのであった。
「ーーーー蒼夜さん……」
「は、はい!?」
「…………見ました……」
たきなの下着を見て固まってしまった蒼夜の方に振り向くたきな。その時の彼女の顔は、つい先程ミズキにスカートを捲り上げた時を同じような反応で、顔を赤くしていた。
この時蒼夜は、一体どう答えればいいのか迷っていた。そして、彼の口から出した答えは……
「は、はい………み、て……し、しま…いま……し……た……」
——と、正直に答えるのだった。
「「「(ゆ、勇者だぁぁぁぁ!?!?!?)」」」
そしてそんな彼を見た、千束、ミズキ、クルミ、そしてリコリコの客達も、彼が誤魔化せず正直に答えるその勇敢な姿を見て思わず感激してしまった。
だがその答えは、蒼夜にとって選択を誤ってしまった。
「━━━っ!!!」
蒼夜の口から答えを聞いたたきなは、顔をさらに赤くし、勢いよく彼の方に向けて、回し蹴りを放とうとする。
「(…………え?)」
“正直な答え“を口に出してしまった蒼夜は、目の前にたきなの足がこっちに接近していることに気づく。
「(あれ………これ、前にもあったような………)」
ボッゴォ!!!!!
「ーーーグェッ!?」
記憶の中で何かを思い出す蒼夜は蹴り飛ばされ、壁に背中をうちつけるのだった。リコリコに一般の客達がいるのにも関わらず、この時たきなが蒼夜の腹を蹴った時の威力は、完全に仕事モードである。
あまりにも突然の出来事により、千束達は唖然としていた。
「た、たきなぁ!?」
「……………はっ!?」
無意識にやってしまったのだろうか、千束の声が聞こえた瞬間、自身が蒼夜の事を蹴ってしまった事に気づき、急いで地面に倒れている蒼夜の方に向かうたきな。同じく唖然と立つミズキの手から離れた千束も向かった。
「そ、蒼夜さん!大丈夫ですか!?」
「お〜い!蒼夜君!?」
意識が薄れていく中、蒼夜は内心でこう語った……
「(に、二度も女子高生にぶたれた……ぜ、前世にもぶたれた事ないのに……)………カハッ………」チーン
——と、意識が朦朧としている中、彼はそう思った………
〜おまけ〜
「おいハッカー!!!昨日のアレは一体どう言う事なのか、一から説明しろ!!!」
「ちょ、ちょっと待って!本当になんの事ぉ!?」
その頃、アジトに呼び出されたロボ太に、銃口を押し付ける真島。そんな彼を時間をかけながら、なんとか誤解を解いて貰おうと必死になるロボ太であった。
〜本編登場MS解説〜
TOLRO-800(トルロ800) 『武装型』
通称:トロハチ『武装型』
小型MSであるプチモビルスーツ(通称:プチモビ)シリーズの一つである。原作では元々、作業用機として扱ってはいたが、蒼夜の提案によりマシンガンなどの武装をトロハチの両腕に装備した。また、相手からの攻撃を防御するよう、ガンダム界における両腕からビームシールドも展開する事が可能。全てのMSの中でも防具力としては一番低いが、それでも人間相手が持つ銃弾などの防御は有利である。
操縦席にはハロにも操縦できる様に設計しており、基本ほとんどのプチモビはハロ達が操縦している。もちろん人間も操縦する事も可能。
また、地下鉄の銃撃戦で使用した弾丸は、訓練用のペイント弾。その威力は、千束が使用している非殺傷弾でもある。
久々にガンダムベースに行ったら、トロハチを買えたので、記念として本編に登場させました。
次回の投稿も遅くなるかも知れませんが、次回もどうかよろしくお願いします!!!
ちなみに、ようやくキャリバーン買えました(嬉しい)