リコリコの世界にモブキャラとして転生したら、全てのモビルスーツシリーズが造れる件   作:フェルトファン

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 り、リアルが忙しすぎて辛い……(震)

 今回は少し短いです。


Episode 20 Let’s go to Travel in Tokyo!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 六月下旬、季節は初夏となり、蒼夜がリコリコにやって来てから早二ヶ月が経っていた。

 

 リコリコの店内でカウンター席を掃除している蒼夜と、和室では寝転がりながら煎餅を食べているクルミは、テレビに流れているニュースを観ていた。

 

『ーーーーでは、次のニュースです……』

 

「お、やってるなぁ〜」

 

『地下鉄北押上駅で起きた脱線事故から、今日で一ヶ月が経ちました。事故の遭った駅は、未だに復旧できず………』

 

「この社長も気の毒ですね……」

 

 二人がニュースを観ていると、そこへ洗濯物が入っているカゴを持って2階から降りてきたきなは、画面に映っている社長に同情する。

 

『本当に……奇跡的に自動運転の回送電車だった為……幸い()()()()()()()()()()()でしたが、原因の究明と改善に早急に対応していきますので、どうか今後も引き続き………』

 

「この社長は何にも知らないんだろうなぁ〜」

 

 ——と呑気な事を言うクルミは、何か知っているような口ぶりで呟きながら煎餅を齧る。そして蒼夜も同じく、内心で語っていた。

 

「(まぁ、あんな訳の分からない人達のせいで理不尽に地下鉄をめちゃくちゃにされちゃったし……どちらかと言ったら、会社側の方が被害者なんだよなぁ……)」

 

 ニュースでは、脱線事故として報道されているが……それはあくまで“表向き”の報道。

 

「(あれからネットニュースとかで調べたけど……結局どれも事故として報道されている……)」

 

 本当は脱線事故など起きていなかった。事実を言うなら、謎の集団とハロ達が搭乗していたトロハチとの銃撃戦を起こしていた。だが、ニュースに乗っている記事の内容としては、事実と異なっていた。

 

「(リコリス………そしてその秘密結社であるDAが隠蔽した可能性は高いな……)」

 

 ——と内心で語った蒼夜。なぜ彼は、DAの存在を知っているのか。地下鉄での出来事の後、リコリスについてどうしても気になって仕方がない彼は、ヴェーダに調べるよう頼んでいた。

 

「(DirectAttack……通称DA……事件が発生する前に抹消する極秘組織。孤児である子供達に殺人技術を仕込み人を殺させる事で少女達は“リコリス“と呼ばれ、女子高生の制服を着用させる事で、街中に溶け込み密かに犯罪者などを消す……いやもうこれ、完全に0◯7の世界観じゃん……てことはだよ、今の日本はDAが裏で色々と秘密で隠蔽などやっていたって事だよね……しかもその抹消を行わせるリコリスが、全員僕と同じ歳の子である事の方がもっとびっくりなんですけど!?そもそも未成年に実弾付きの本物の銃を使わせてあっちこっち殺しをさせるって、暗◯教室か何かですか!?)」

 

 リコリスの正体が全員自分と歳が近い少女達に日本の裏で殺しさせているというとんでもない事実を知ってしまった蒼夜。また、男版のリコリス……通称リリベルに関する情報も見つけたが。そのリリベル達の正体も自分と同じ未成年の少年達である事にも更に驚く。

 

「(孤児だった子供を殺し屋にするって、完全に鉄華団ができる前の組織『CGS』と同じやり方じゃん。しかも()()()、DAが女の子達を“捨て駒”にしようとしてたよな……)」

 

 あの時とは……それは以前起きた地下鉄での出来事の起きる前、“DAがリコリスを捨て駒として地下鉄に向かうテロリストの抹殺作戦を行おうとしている“と、ヴェーダからの情報を耳にした蒼夜。流石にこれは見過ごす事ができないと思い、できるだけ彼女達を現場から遠く離そうと決めた彼は、ハロ達と協力して行動を起こした。

 

 それからニュースの報道に載っていた通り、死者は一人も出なかった。ヴェーダからの報告によると、あの後車両に乗っていたリコリス達は全員無事に生きていた事が判明した。

 

「(まぁ結果的に助けたのは良かったけど……それにしてもDAがやっている事は本当にヤバいな……下手したらアロウズやブ連邦の闇と同じくらいヤバいかも知れない……)」

 

 内心で語る蒼夜は、再びテレビに映っているニュースに視線を向ける。

 

「(ーーーーそういえば、あの時地下鉄をめちゃくちゃにした人達……結局何がしたかったんだろう……)」

 

 ちなみに謎のテロリスト集団についての正体だが、地下鉄で交戦していたトロハチ達の映像データにバッチリ映っていた。地下鉄を襲撃した集団の正体は、ツナギの服装とサングラスを付けている男達である事が判明した。

 

 だが、運が良かったのか、その映像データには真島の姿が映って無かった。しかも、何故地下鉄を襲撃したのかも、未だに原因不明である。

 

 

「(もしかして、リコリスを誘き寄せる為に襲撃したんじゃ………いや、まさかな……)」

 

 

 なんとなく内心で想像した蒼夜は、再び掃除を進めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

★★★

 

 

 

ーーーそして、日が暮れた頃。

 

 

 

 

「ではでは、諸君!今回の依頼内容を説明しよう!とっても楽しい、お仕事ですよ〜!ふっふっふっ〜〜〜」

 

「…………千束の笑い方がキモいです……」ボソ

 

 

 

「ちょっとたきなさん!聞こえちゃったし、後キモいって言ったでしょ!?流石の千束さんも傷ついたよ!?」

 

 

 思わず本音が漏れてしまったたきなに対し、ツッコミを入れる千束。

 

 リコリコの営業時間が終え、蒼夜がアパートへ帰った頃。千束達は今、裏の仕事……つまりリコリスとしての仕事の打ち合わせを行なっている。もしろんそれは、一般人である暁月蒼夜には聞かせてはならない内容でもある。

 

 依頼内容の記載が載ってあるであろうタブレットを振り回しながら、気分を変えて楽しそうに笑う千束。それを見てただ眺めているミズキ。本来、いつもならミカかミズキのどちらかが依頼内容を説明するが、何故か今回は千束が説明する事になっていた。

 

 座敷に腰掛けていたたきなも不思議に思ったのだろうか。疑問を抱く彼女はミズキに声をかける。

 

「ミズキさんが説明しないのですか?私、もう読みましたけど……」

 

「今回やたら乗り気なのよ〜あの子……」

 

「ちょ、ちょいちょいちょい、そこぉ!私語はしない!そしてそこのリス!……ゲームしてない?」

 

 “聞いてるよ〜”と二階でVRゴーグルを被りつつコントローラーをカチャカチャ操作しながら凭れているクルミは返答し、千束はタブレットに記載された依頼内容を音読し始めた。

 

「オッホン!それでは説明しよう〜!今回の依頼人は72歳男性、日本人!過去に妻子を何者かに殺害され、自分も命を狙われた為にアメリカで長らく避難していた。現在は……きん……き、き、きん……?」

 

筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)

 

 難しい漢字を読むのが苦手な千束の代わりにクルミがスラスラと読み上げた。*1

 

「それって、自分で動けないのでは?」

 

「そう! 去年余命宣告を受けた事で最後に故郷である日本、それも東京を観て周りたいって〜」

 

「東京を観て周りたい、つまり観光ですか?」

 

「泣ける話でしょぉ〜!要するに、まだ命を狙われている可能性がある為、Bodygaurdします!」

 

「依頼はわかりましたけど………何故狙われているのですか?」

 

「それがさっぱり、大企業の重役で敵が多すぎるのよ。でも〜その分報酬はたっぷりだから〜」

 

「日本に来てすぐ狙われるとも思えないけどね。行く場所はこっちに任せるらしくて私がバッチリプランを考えるから!」

 

「千束、旅のしおりでも作ろうか?」

 

 

 パッチン!!!

 

 

「それだ!」

 

 指を鳴らした千束は、クルミからの提案を受けた。そうして話は纏った事で、その依頼人を迎える準備を始まったのであった。

 

 

 

 それから、たきなとミズキが帰った後、千束は畳のある客間で旅のしおりを作っている最中、パソコン作業をしているクルミは、ある事に気づく。

 

「…………なぁ、千束。」

 

「ん?なぁ〜にクルミ?」

 

「この旅のしおりに載っている”雷門“なんだが………」

 

「そうだよ、なんせ東京の観光スポットですからね!あ、もしかしてクルミも行きたいの〜?」

 

「いや、ただこの雷門………()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「……………あ」

 

 クルミの口から出た言葉に、千束はペン動きを止める。あの事件………それは今から二ヶ月前に起きた“10式戦車改暴走事件“。この事件が起きた事で、東京の歴史的な建造物でもある雷門までもが、被害に遭ってしまった。恐らく、歴史的な建造好きのオタク達も悲しんでいるだろう。*2

 

「あの後、なんとか修復してはいるが……それでもまだ完全に直ってないんだぞ。」

 

「あーーーーーだ、大丈夫!観光客が通れるようになったし!それに、雷門だけじゃなくても、他に行ける観光がいっぱいありますからね!」

 

「そ、そうか……」

 

 千束の口から聞かされた確証のない自身に、クルミはもうこれ以上何も言う必要はないなと、作業に戻るのだった。

 

 

 

 

 

 

★★★

 

 

 

 

 

 

 そして、任務当日。

 

 依頼主がもうすぐ到着すると聞き、それから少しして店の前で車のエンジン音が聞こえた。依頼主だと直感したのか、千束は立ち上がって出迎えの準備を始める。

 

 そして、鈴の音と共に店の扉の開閉音が聞こえて、全員で来客を出迎えると……

 

「お待ちしておりました………ぁ」

 

 ——とここで、千束の言葉が途切れる。

 

 目の前には、サングラスの黒服の男に守られながら、ゆっくりと店の中に入ってきた車椅子の一人の老人。千束やたきなが依頼主のその姿を見た瞬間に固まって動けなかったが、ミカだけは変わらずの態度で挨拶を交わしていた。

 

「遠い所、ようこそ……」

 

『ーーー少し早かったですかね?楽しみだったもので』

 

 今回の依頼主ーーー松下(まつした)という名の老人から発せられた言葉は、車椅子の端につけられた酸素濃縮器のような機械と繋がっているタブレットから聞こえた合成音声だった。

 

「あっ……いえ、準備万端ですよ! 旅のしおりも完璧です!」

 

 あまり日常で見かけないその姿に周りが何も言えずにいる中、千束は慌てて昨日必死に考えて完成させた旅のしおりを松下に見せた。

 

「千束、データで渡そうか?」

 

「え? あっ……」

 

 しおりを見せた途端、クルミの気遣いを聞いた千束。最初は何の事か分からなかったが、松下の両手を見て力が全く入っていない事に気づき、その手ではしおりを持って開く事も出来ないと理解した。

 

『助かります。後はこの方達にお願いするので下がっていいですよ。』

 

 ——と松下にそう言われたSPは、リコリコを出て車に乗って走り去って行った。その間、クルミがしおりをデータ化して車椅子につけられた端末に送信する準備をしている間に千束達は松下と会話をしていた。

 

『今や機械に生かされているのです。おかしく思うでしょ?』

 

「いえいえ、そんな事ないですよ〜なんせ私も同じですから、ここに……」

 

 そう言って千束は、自身の胸の中心に両手でハートの形を作った。

 

『ペースメイカーですか?』

 

 

 

 

「いえ、()()()()()()なんです」

 

 

 

 

「ーーーーえっ?」

 

 

 千束の口から出た言葉に、たきなは思わず声を漏らし、クルミも思わず視線を千束の方に向いた。彼女の言葉に驚きを隠せなかったその反応は、二人はリコリコに入ってから何も聞かされていなかった事が判明した。

 

『人工心臓ですか?』

 

「アンタのは毛でも生えてんだろうね〜」

 

「機械に毛は生えねぇっての!」

 

 面白半分冗談を言うミズキの反応からするに、以前から知っていたらしい。だがやはり何も知らず、驚きを隠せないたきなは、固まった表情のまま千束を見つめていた。

 

「あの……ど、どういうーーー」

 

「よし、出来たぞ。」

 

 ミズキと千束が話してる所にたきながどういう事か説明を求めようとしてした途端、クルミの言葉で遮られた。

 

『おぉ、これは素晴らしい!』

 

「では、東京観光出発!」

 

 そう言って千束は依頼人である松下さんの車椅子を押して外へ出て行った。

 

「あの、千束の今の話って……「たきな、行くよ!」……あっ、は、はい!」

 

「ミズキ、車ー!」

 

 ミカやミズキに質問をしとうとしたたきなに千束が声をかけ、結局質問する事が出来なかったたきなは慌てて駆け出す。ミズキも後から続いて二人のその背を追おうとした、その時………

 

 

 

 

 〜カラン♪

 

 

 

 

「お、おは……よう……ご、ござい……ます……」

 

 偶然にも、リコリコに入ってきた蒼夜。だが………

 

 

 

 

 

「「「「「ーーーーえ?」」」」」

 

 

 まるで、“なんでここにいるの!?”と言っているような表情で、蒼夜の事を見た千束達は、思わず疑問の声を漏らした。

 

 

「ーーーーーーえ?」

 

 

 そんな彼女達の反応を見て、蒼夜も同じ反応をする。

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

「(店に入ったら、急に僕の事をめっちゃ見てるんですけど……もしかして……なんかやらかしたのか僕…………と言うか、このお爺ちゃん誰?しかも車椅子にめっちゃ機械がくっ付いているし…)」

 

 いつも通りの時間に出勤した蒼夜。だが、店に入った途端、千束達が驚いた表情で蒼夜に視線を集約させていた。当然、今回の依頼者である松下についても、蒼夜は何も聞かされていなかった。

 

 その時、驚いて固まっていた千束は、蒼夜の方にこっそりと近づく。

 

「ちょ、蒼夜君!なんでここに!?」

 

「え………きょ、今日………仕事が……あ、あるの……では…」

 

「ーーーえぇっ!?だって今日は()()()だよ!?」

 

「………え(そうなの)?」

 

「………え?」

 

 ——と千束は蒼夜と同じ反応し、今度はたきな達の方に近づく。そして”ちょい!みんな集合!”と小声で蒼夜と松下に聞こえないよう、彼女達は“ボソボソ”と呟き始めたのであった。

 

「ちょ、ちょいどう言う事!?」

 

「知りませんよ!どうして蒼夜さんが来たのですか!?」

 

「私だって知らないよ!たきなが伝えたんじゃないの!?」

 

「違います!ミズキさんが伝えたと……」

 

「私じゃないわよ!てっきりオッサンが伝えたんじゃ……」

 

「残念ながら違うな………クルミではないのか?」

 

「ボクでもないぞ。そもそも千束が言ったんじゃなのか?」

 

「いやいや、だからたきなが……」

 

「「「「「……………ん?」」」」」

 

 あれこれ話し合う中、何かがおかしいと気づく。そもそも本来、今日は“表向きとして”リコリコの定休日であったはず。しかし、何故か蒼夜が来てしまい、加えて“何も聞かされていない”と答える。つまり……

 

 

「「「「「(ーーー完全に言うの忘れてたぁ……)」」」」」

 

 

 どうやら千束達は、蒼夜に定休日がある事を伝え忘れてしまったらしい。それに気がついた時、蒼夜は彼女達に近づき、相変わらず足りない言葉で疑問の声をかける。

 

「あ、あの………」

 

「えぇ!?あ、あぁ〜……え、えっと〜……」

 

「………はぁ……暁月君、そこから私が説明するよ。」

 

 疑問を問われ、なんて答えればいいのか困惑する千束。そんな彼女が嘘をつけない事をよく知っているミカは、彼女の代わりに蒼夜の問いに答える事になった。

 

 “余命宣告を受けた松下に東京の観光案内をさせる”と、答えるミカ。もちろん、“命を狙ってくる殺し屋から護るとしての護衛”については流石に答えておらず、ミカなりに誤魔化す事ができた。

 

「な……なる……ほど……」

 

「そ、そうそう!だから今日は……」

 

『あの……』

 

 “もう帰っていいよ”と千束が言う前に、車椅子の老人……松下が、突如会話の間に割って入ってきた。すると次の瞬間……

 

 

 

 

 

 

 

『蒼夜さんと言ったかな……()()()()()()()()()()()()()?』

 

 

 

「「「「「ーーーーーえ?」」」」」

 

「(ーーーえ?)」

 

 松下の口から出た言葉に、驚きを隠せなかった千束達。突然自分の事を呼ばれた蒼夜も少し驚いたが、松下は気にせず、会話を続けるのだった。

 

『よければ……君にも一緒に観光をお願いできませんか?』

 

「………(え、もしかして誘われているの僕?)」

 

『人数は多い方が楽しいですし、何より()()()()()()()()()()と色々と助かりますが……』

 

「……ご、ご……えい?」

 

「あ!い、いや……その………」

 

 松下の言葉に違和感を感じた蒼夜に、何かを誤魔化そうとする千束。

 

 恐らく松下は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。一体どう説明すればいいのか分からない千束は助けを求めているかのようにミカへと視線を向けるが、流石のミカも考える様に腕を組んで眉を寄せていた。ミカだけではなく、たきな達も“一体どうすればいいんだこれ!?”と言わんばかりな顔で慌てている。すると千束はまだ迷っている表情いるのか、自身のない言葉で松下の提案を断ろうした時………

 

「ま、松下さん……えっと……ですね……彼は………」

 

「ぼ、僕……も……い、行き……ま、ます……」

 

「「「「「━━━はぁっ!?」」」」」

 

 ——と返事を返した蒼夜に、思わず千束やたきな達は驚くほど目を剥く。

 

 

 

『おぉ、本当ですか………』

 

「……は、はい……(まぁ、帰ってもMSを造る以外暇だし……それに、観光の手伝うくらいなら大丈夫でしょ……)」

 

 アパートに帰ってもやる事がない蒼夜は、彼女達の観光案内を手伝おうと決めた。もちろん、その松下が“殺し屋に狙われている”と、まだ気づいていない。

 

 

 

「(ちょ、た、たきな!ど、どうしよう〜)」

 

「(そ、そんな事言われてもっ!)」

 

 

 だが、千束達はそれを良しとしなかった……

 

 リコリコメンバーにとって暁月蒼夜は、一人の仕事仲間でもありながら、()()()()()()。もちろん喫茶店の仕事以外でも、保育園や日本語学校の臨時講師などの手伝いをして貰ってはいるが、今回の仕事に関しては、流石に参加させる事ができない。

 

 表ではただの東京の観光案内だが、裏では松下の護衛。当然、千束とたきなの鞄には本物の銃が入っている。もしも殺し屋との銃撃戦が起きてしまったら、最悪蒼夜にも巻き込んでしまう恐れもある。

 

「そ、蒼夜君……そ、その……」

 

 だからこそ、なんとか蒼夜を今回の仕事から遠さげようとする千束だが、上手く誤魔化せる言葉が見つからない。無論、同じくたきなも困惑していた。

 

「店長……一体、どうすれば……」

 

「…………」

 

 結局、どうしたらいいのか分からなくなってしまったたきなは、ミカに助けを求める。普通なら、一般人にこのような裏の仕事を巻き込ませてはならない。だが、既に松下は蒼夜の事を護衛の人だと勘違いしており、否定すればリコリコの信用を関わる可能性だってある。悩み続けた結果、ミカが出した答えは……

 

 

 

「……….暁月君、松下さんの事を頼んだよ……」

 

 

 

「「せ、先生(店長)!?」」

 

「は……はい……」

 

 ミカの口から出た答えに、千束とたきなは驚きを隠せなかった。

 

「(よっし、なら頑張りますか…)で、では……お、おしま……す……」

 

『あぁ、よろしくお願いします……』

 

「あ、ちょ、ちょっと〜!」

 

「ま、待ってください!」

 

 早速蒼夜は、千束の代わりに松下の車椅子を押し、店を出ていく。それを見た千束とたきなも、慌てて後を追う。

 

 一方、監視ドローンの担当を任されたクルミと、運転手の担当であるミズキは、先程の答えを出したミカに問い出す。

 

 

「ちょ、ちょっとオッサンいいのあれ!?どう考えてもダメだろ!」

 

「まぁ………千束とたきなに任せれば良いだろう……」

 

「千束の心臓についてもそうだが、蒼夜は良いのか?今のは流石に大人として失格だぞ……」

 

「……あぁ、心底不安になるよ……」

 

 自身が出した答えに、後悔するミカ。再び頭を抱えるミカは、彼らに最悪の事態が起こらない事を祈るしか無かった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
※分からない人に簡単に説明すれば、体を動かすのに必要な筋肉が徐々にやせていき力が入らなくなってしまうという病気の症状。

*2
※ 詳しくは、Episode 7世界の変化にて






 時系列的には、原作リコリコの第5話ですね。

 いつも感想、評価、そして誤字報告など、ありがとうございます!

 次回もお楽しみに!
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