リコリコの世界にモブキャラとして転生したら、全てのモビルスーツシリーズが造れる件 作:フェルトファン
ガンブレ4を楽しんでいる自分がさぁ更新しようと思ったら、いつの間にか11月になってしまった!?またしても一ヶ月近く遅れて本当にすみません!
そんで遅れたけど………復讐のレクイエム、いろんな意味で最高でした。
真島との一件から丁度一週間が経ち、いつも通りの日常が戻ってきた。
そんな日常の中、時刻が丁度午後10時になった頃……彼にとってもう一つの基地である月からやってきた輸送機が、ようやく密かに廃工場の地下倉庫へと到着した。
「これで合計は………よっし、一応数はちゃんと揃ってあるな。」
━━と、手に持っているタブレットをいじりながら、輸送機に運ばれた数体のMSを確認し終えた蒼夜。しかもそのMSはどれも量産機であり、その数は数十体も超えている。もちろん機体だけでなく、中には武器や装備なども含まれていた。
「装備は運べられそうなやつだけ持ってきていいよ……って言ったけど、まさか本当に全部持ってくるなんて思わなかったなぁ〜。」
そう言いながら、MSと共に運ばれた装備類を目にする蒼夜は思わず苦笑いする。装備類も持ってきて欲しいと頼んでいたが、数十体の量産機と共に運ぶのは流石に難しいだろう思った彼は、運べるだけで良いとハロやプチッガイ達に頼んでいた。
だが、まさか本当に全て持ってきてくれるとは、流石の彼も想定外で驚きを隠せなかった。それでもここまで運んでくれた事に、輸送機を操縦していたハロとプチッガイ達に感謝の言葉を語りながら、彼らの頭部を優しく撫でた。
「でもまぁ、運んでくれてありがとう。」
『礼ハイラナイ!礼ハイラナイ!』
『我々ハ、当然ノ事ヲシタダケダヨ!』
『『━━━♪』』
蒼夜に撫でられて喜ぶハロと嬉しさの余りに軽く飛び上がるプチッガイ達。そんな彼らの様子を見ながら、蒼夜は改めて運ばれた数々の量産機に視線を向けた。
送られたてきた数十体の機体は、『機動戦士ガンダム00』に登場する量産型のMSである。ちなみに搭載されている擬似太陽炉(通称:GNドライヴ[T型])は、
ただ原作とは見た目の装甲のカラーが変わっている。カラーイメージとしては、
「さてっと……性能を確認する為に機体のテストをしたいけど、またどこか人目のつかない場所を探さないとなぁ〜」
そもそも多数のMSを地球へ運ばせた理由は、今後搭乗するであろう
しかもそれだけでなく、
当然、蒼夜が扱う機体との連携テストを行う必要もある。
「できれば今週中に済ませたいけど、リコリコの仕事もあるし……かと言って”熱が出たので休みます”って誤魔化してサボる訳にもいかないs━━『ネェ、ネェ!ソウヤ!』……ん?」
『ソウヤにズット聞キタ事ガアルンダ!』
「……聞きたいこと?」
『ソウ!ズット気ニナッテイタ事ガアルンダ!』
するとその時、一体のハロが蒼夜に聞きたい事があると尋ねてきた。そもそも何を聞きたいのかさっぱり分からないが、どうせそこまで重要ではないだろうとのんきに聞こうとする。
その疑問を聞いた瞬間、全身から血が抜けてしまったよかのように身体中に鳥肌が立った。
「………え?」
『コレダケ機体ヲ造ッテ、何カ大キナ目標ガアルノカナ〜ナンテ。』
『気ニナル!気ニナル!』
「あ…………いやそれは………その──」
突然と尋ねてくるハロの言葉を聞き、蒼夜はその問いにどう答えれば良いのか分からず、思わずタブレットをいじっていた手を止めてしまった。そもそも彼がこの世界に転生してから3年も経っているが、特に“絶対に目指してやる!“と言った大きな目標もない。
彼はただ己の平凡な日常を守る為、いくつか様々なMSを開発し続けているのだ。
「(…………………そういえば僕……結局何がしたいんだ?)」
そして、内心から疑問が浮かぶ。
よくよく思い返せば、これまで開発した多数のMSの数は既に十分すぎるくらい超えている。しかもそれだけでなく、外部からの接触はほぼ不可能である基地や、この世界にとって随一の量子コンピュータ……ヴェーダも所持している。ハッキリ言って、今の蒼夜は国家以上の武力を持っている。
しかし用心しなければならない。何故なら今の世界にはガンダムシリーズのような世界ではなく、前世の世界とは変わらないただの現実。“もしもMSの技術が世界中のどこかに渡ってしまったら、とんでもないことになってしまうかも知れない”と、SF映画で起こりそうな展開にならないよう隠れて過ごしていた。
だがある日、自衛隊の新型戦車だった10式戦車改と、その時に搭乗していたガンダムとの戦闘で、MSの存在が世界中に広まってしまった。
しかも、それだけではなかった……
墜落寸前だった旅行機の救助
東京湾の近くにある廃工場で、犯罪組織との戦闘
宇宙での救助と修復活動
地下鉄で起きた出来事
たきなを襲おうとする暗殺者の撃退
襲われそうになった、名も知らない四人のリコリス達の治療
そして、先日起きた真島一派との戦闘……
これらの出来事は蒼夜がリコリコに入社してから僅か二ヶ月間に起きていた。正直に言って、介入しすぎたかもしれないと自覚している。
だがそれでも、彼にとって恩人である千束とたきなを見捨てる事ができなかった。しかも彼女達だけでなく、名も知らない旅行機の乗客や宇宙にいるクルー達、そしてリコリスの少女達も、
だからこそ、蒼夜は分からなくなった。
「僕は……僕は《ここで、速報が入りました。》……ん?」
《◯◯地区中心に潜伏している武装組織が、先ほどミサイルを100以上発射しました。これによりイスラエル軍は反撃へと向かい、侵攻を進めているとの情報が入りました。また、武装組織を支援していると新たな情報も━━━》
作業と共に電源を付けていたテレビから流れているニュース番組に、どこかの国で行っている戦争についての新情報が報道されていた。蒼夜がいた前世の世界でも戦争は続いていたが、どうやらこの世界でも続いているようだ。
画面に流れている隣国同士の紛争……話し合いで解決する様子もなく、ただ争う事だけしかなかった。
その中に、避難民の姿も見えた。居場所や家族を失った者達が泣き叫ぶ姿と、何らかの衝撃で傷を負ってしまった者達の姿が目に入った。
「……………」
『ソウヤ!ソウヤ!』
『明日モ、仕事ナンダロ!?』
『早ク寝ロ!早ク寝ロ!』
「え………あぁ……ありがとう………」
ハロ達に言われ、時計の時刻を確認する。時計の針は既に就寝時間を超えていると指しており、テレビを消した。今後のテストは後日に考えればいいと、考えながら蒼夜は寝る前にシャワーだけでも浴びようと風呂場へ向かった。
やがて彼は、先ほど観ていた報道が気になってしまったせいなのか、なかなか寝付ける事ができなかった…
☆★☆★☆
翌日……
東京・錦糸町─────喫茶店『リコリコ』
「パフェにコーヒー……ご注文を受け取りました〜!」
「ミズキさん!追加のサンドウィッチセットをお願いします!」
「えぇ、またぁ〜!?やっと終わったのに……つーかあのリス、またサボりやがったなぁ!」
日常が戻っても、やはり喫茶店リコリコでの仕事の忙しさは変わらない。それでも店に出入りする社会人や学生、更に老若男女に渡って多くの人が賑わっていた。
「蒼夜!もうすぐできるから、受け取ったら3番テーブルの客に持って行って!」
「は、はい……!」
そして蒼夜も、リコリコの店員として懸命に働いている。注文を頼んだ客に料理を届けて欲しいとミズキの声を聞き、厨房へ向かう最中、思わず電源が付いているテレビの方へ意識を向けてしまった。
「…………」
「はいできたよと……ってあれ?蒼夜、蒼夜━━━
ちょっと蒼夜、聞いてるの!?」
「━━っ!えぁ……は、はいぃ!」
「何ぼーっとしてるのよ!?もうできたから、これ持って行って!」
「す……すみm……せん!すぐに……い、いきま…す!」
いつの間にかテレビをじっと見つめていた蒼夜は、ミズキの大声で意識が戻り、慌てながらも料理を手に取ってから客の方へ向かった。
それから数時間後、いつもより早めに店の営業時間を終え、閉店時間になった直後━━━
「━━━というわけで……閉店後のボドゲ大会スタート!!!」
「(うん……何となくそうだと思ったわ。)」
閉店後にリコリコメンバーと常連客達のボドゲ大会が始まる。もはや日常茶飯事とも言えるその光景を眺める蒼夜も、だいぶ慣れてきたのである。
「ふふふ〜、今日は負けませんよ〜」
「おや、この前のリベンジですかな?」
「ちょっと伊藤さん〜、締切が間に合わないって言ってませんでしたっけ?」
「うぅ……それ、今言わんといて〜」
常連客はそれぞれ仕事でいろいろ言いたい事はあるが、今はボドゲを楽しむ為、一旦忘れる事にした。ちなみにこの時、締め切りが迫っているのにも関わらずボドゲを楽しもうとする漫画家の伊藤。
だが、そんな彼女にクルミは言葉を語った。
「お前確かこの前……“原稿が完成するまでは絶対にサボらない!”って言ってなかったけ?」
━━と言われた伊藤は、まるで矢に射抜かれたかのように精神的なダメージを負ってしまった伊藤は涙目となり、千束達は可笑しく笑い合っていた。
そんな時、カウンターにあるテレビの画面からニュース番組が流れた。
《……続いてのニュースです。未だに侵攻を続けるロシア軍に新たな死者が増えました。また、この事に付いて専門家は“両国のどちらかが降伏しない限り、戦争は終わらない”とコメントしており、対立する国々には━━━》
「うぁ〜、相変わらずまだ戦争は続いてますねぇ……私、日本に生まれて本当に良かったと思う。」
「そうですな……やっぱり、話し合いで何とか解決できないですかね〜」
「いや無理だな、いつまで経っても戦争は終わらないよ。
「クルミちゃん……急に大人みたいな言葉を使うねぇ〜。」
どの世界でも、終わりのない戦争が続いていた。話し合いで解決できないまま、両国のどちらかが倒れるまたは降伏するまでは、ただ戦い続ける事しかできなかった。
そんな会話の中、そばかすのある若い女性……北村は、再びクルミに問いかけた。
「ねぇねぇクルミちゃん。もしもの話なんだけど、戦争を止める為にはどうしたらいいと思う?」
「そうだな……普通に話し合いで解決するのはほぼ不可能だ。ならばもう武力で争いを強制的に止めるしかない。まぁ、あくまでもボクの妄想なんだけどな。」
「なるほどねぇ………あっ!ねぇクルミちゃん!もしもの話なんだけど、ひょっとしたらあの巨大ロボットが止めてくれるんじゃないかな?」
「━━━ブフゥッ!!」
「ちょぉい!いきなりどうしたの蒼夜君!?」
「す、ずみま……せん……そ、そうじ……しま……す」
北村の言葉を聞いて驚いたかのように反応した蒼夜は、飲んでいたジュースを思わず口から吹き出してしまい、すぐタオルを使って拭き始めた。その際にクルミは、彼女の問いに答えようとする。
「可能性は低くないが、向こうがその戦いに介入する意思はあるかどうかの問題だな……まっ、それはそれで面白そうだな。」
「おいガキンチョ何ニヤついてるんだよ、気持ちわりぃぞ。」
想像と共に不気味な笑みを浮かべながら呟くクルミに、ドン引きするミズキは思わずツッコミを入れる。それからボドゲを再開しようとする中、少し作業をしていたミカが何やら困っている様子で厨房から現れた。
「う〜む……まいったなぁ……」
「ど〜したの先生、そんな難しい顔を見せちゃって?」
「千束か……いや別に大した事ではないが、食材の在庫が足りなくてね。」
「な〜んだ、それなら私が買いに行ってくるよ!」
「それなら私も、買い出しをお手伝います。店長、必要な食材を教えてください。」
━━と、そう言って二人はミカから買い出しリストを聞き、いつものスーパーへ出かけようとする寸前、たきなが蒼夜を誘おうと声をかけた。
「蒼夜さん、良かったら一緒に行きませんか?」
「………」
「…………ん?蒼夜さん…………蒼夜さん!!」
「━━━えっ、は…はい!?」
「これから買い出しに向かうのですが、良かったら一緒に行きませんか?正直、
「おいこらちょっと待てやたきなさん。これでもちゃんと買い出しは一人でできるんですけど〜。」
「貴方の事ですから、どうせ変な物を買うつもりでしょ。」ボソ
「いや全くそんな事しないし、後全然聞こえたからね!?むしろ私の事をなんだと思っt「と言う訳で…」━━無視すなぁぁ〜!!!」
「一応この人が変なのを買うのが心配なので、一緒に行く事になりましたけど……それで蒼夜さん、どうしますか?」
「……ぁ………そ、その……いき……ます!」
━━とそう答えた彼は、急いで出かける準備を始めるのだった。
それから数分後……
「アハハハ、結構いろいろと買っちゃっt「笑い事ではありません、買いすぎです!大体、頼まれた食材を無事に買えたのはともかく、どうして必要のない物まで買ってしまったのですか!?」……あぁ〜なんて言うかその〜……悪い癖でさぁ〜……ついつ買っちゃうんだよねぇ〜」
「だからって、完全にお金の無駄遣いです!」
━━と、軽く笑う千束に怒鳴り声を上げるたきな。
買い出し中に何が起きたのかというと……それは今からほんの数時間前の事。
よく通うスーパーに到着した三人は一度別れ、リストに乗ってある食材を買いに向かった。それから数分経ち、頼まれた食材を買えた蒼夜とたきなは、先ほど決めた集合場所へと向かい、その後から少し遅れた千束もやってきた。
だが、
中には必要な食材は揃っているが、何故かリストには載っていない
そんな彼女から聞いた蒼夜は驚きを隠せず、たきなに関しては、“やっぱり任せるべきじゃなかった…“と頭を抱えるながら後悔していた。
「全く……そもそも、どうして今買う必要があるんですか……おかげでお金が予定より減ってしまいましたよ。」
「そ……それは〜………な、なんか欲しくなったっt「もういいです!この事を後で店長に報告しますからね。」━━げぇ!?ちょ、たきなさん……それだけは勘弁してぇ〜」
もはやこれ以上何も聞く必要もないと決心するたきなに、千束は“見逃して欲しい”と言わんばかりな表情で涙目になりながらも、彼女の肩を掴んで揺さぶっていた。
そんな彼女達の様子をただじっと見つめている蒼夜だが、内心で全く別の事を考え込んでいた。
「…………」
「全く……とりあえず、一旦店へ戻りましょう。それから……って、蒼夜さんどうかしましたか?」
「━━━っ!あ、いえ……な、なんでも……あり……ません……」
たきなに声をかけられ、慌てた様子で蒼夜は我に返った。無意識のうちに考え込んでしまったせいのか、集合してから彼女達の会話を全く聞いていなかった。
しかしそんな事を気にせず、買い出しを終えた三人は店へ戻ろうと歩きながら、千束はふと内心で思い浮かんでいた疑問を語ろうとする。
「ねぇねぇ!そういえばさ、北村さんが言っていた事……どう思うかな〜?」
「どう……とは、なんの事でしょうか?」
「
「━━━っ」
千束の口から語られた言葉に蒼夜は思わず反応するが、気にせず会話を続けた。
「買い物中にずっと考えたけどさぁ〜なんかカッコイイじゃん!ヒーロー映画みたいに介入して、戦って止めようとするって展開!」
「また映画の話ですか………それはどうでしょうか。確かにあの巨大人型兵器なら、戦場をあっという間に終わらせるかもしれませんが、現実的にあり得ません。そもそも介入するかどうかも分かりませんし。」
「も〜うたきなたら、相変わらず子供心持ってないねぇ〜……それなら、蒼夜君はどう思う!?」
「━━━ハェ!?」
突然声をかけられた千束に驚いてしまったが、実際に蒼夜もその問いに疑問を抱いていた。
前世の世界でも戦争など起きていたが、この世界でも同じ状態が起きている。だからこそ思ってしまう、“もしも自分が今持っている力を使って、戦争を止めたら。”と……
だけどできなかった……否、しようとする勇気が無かった。
世界中で起きた紛争に介入する武装組織……ソレスタルビーイングのような組織を創っている訳でも無く、武力介入するつもりもない。また、イオリア・シュヘンベルグが考えた計画も無い。
何よりこの世界に、
そう考えながらもどう答えれば良いのか悩んでいた蒼夜だが、結局その答えが見つからなかった。
「………わ、分かりま……せん……」
「そっか〜……まぁ〜そりゃs「もし……」━━ん?」
「もしも……その……ほ、本当に………起きたら………錦木…さんは……どう……思い………ますか……」
答えられなかった疑問を千束に返した蒼夜は、気になっていた。“もしも本当に起きたら、彼女はどう思うのか”と……
「そうだね………う〜〜〜〜〜〜ん難しいな〜……もしも本当に起きたら、それはそれで映画みたいにカッコイイし、何より多くの人が助けられる……けど━━━
「…………え?」
「だってさぁ〜、想像してみてよ。いきなり世界中から“助けてください!”なんて言われたらちょっとドン引きよ。それにロボットだって興味を持つのかどうかも分からないし〜」
彼女の口から出た答えを聞いた蒼夜は、驚きのあまりに目を大きく見開いていた。しかしそんな様子を気にしない千束は会話を続けた。
「世界の為とか、人類を救って欲しいとか……そんなSF映画みたいな展開が現実に起きるわけでもないし、何より巨大ロボットには守らなきゃならない居場所があるかも知れない。」
「………」
「それにカボt「千束、それは極秘情報です!」…じゃなくて、ろ……ロボット君がね、
「━━━っ……やりたい………こと?」
「そう!誰かに命令されるんじゃなくて、自分でやりたい事を見つけてやる事が一番だと思う!私ってさ、こう見えて失敗はたまにあるけど、やりたいこと最優先なんだ!」
「たまにって、さっきだってお菓子を馬鹿みたいに買った人が何を言っているんだか」ボソ
「ちょいちょいまだ怒ってるの!?もうそろそろ許してたくださいよたきな様、ほっんとうに反省しているから〜!!」
「…………」
「ハァァ………それよりも千束。そろそろ店へ戻らないといけないんじゃなかったでしたっけ?」
「え………あぁ〜そうだった!!早く戻らないとボドゲが終わっちゃう!たきな、蒼夜君も、急いで帰ろう!はいダッシュ!!」
「え……あ、は…はいっ!」
いつの間にか長話したせいか、買い出しを終えてから時間が過ぎているのを気づいた彼れは、急いで店までに走り出した。
その後彼らはなんとか店に戻り、ボドゲはまだ続いているのを知った千束は喜んで再開しようとする前に、たきなが買い出しについて語り始めた。
それを聞いたミカはいつもの日常だと苦笑いをするが、ミズキからは……
「また無駄遣いしたのかこのガキ〜!!!」
「いやお前もこの前、なんかの買い物で無駄遣いしただろ?」
━怒鳴り声を上げる彼女に対して思わずツッコミを入れるクルミ。そしてその出来事を目にしている常連客達は、可笑しく笑い合っていた。 その中で、難しい顔で何かを考え込んでいる蒼夜に気づいておらず。
★☆★☆★
電波塔事件以来、8年連続で日本は世界一治安の良い国とされ、アピールされていた。
しかし世界のどこかで、治安どころか、国際的な問題で解決ができない他国で独裁や侵略、そして戦争なども起きている。
そして今も、日本から9千km以上離れている他国で終わらない戦争が続いていた。
今もどこかで聞こえる銃声に、飛来するミサイルが宙を引き裂く甲高い爆撃。更に遠くから聞こえる爆音に、鳴り止まないサイレン音。
酷く悪化した国に住んでいる人々にとってはいつもの地獄で、いつ命が消え去ってもおかしくない人生を送っていた。
戦場となり瓦礫化した街中で、一人の少年が走り続けていた。
「ハァ………ハァ………ハァ━━━っ!!」
必死で駆け続けながら、どこを向いても辺りは瓦礫の山だった。未だに整理されていない道で走り続けていたせいか、既に足は痛みを通り越して痺れている。
「ハァ……はぁ━━━っ!!」
それでもなお少年は、
歳はまだ10くらいである子供なのにもかかわらず、
もしも巻き込まれれば、間違いなく身体はいとも簡単にバラバラになるだろう。
「はぁっ………くっ!━━ダァ━━━」
息切れ寸前でも、必死に走っていた。
いつ死んでもおかしくない状況の中、少年は目に見えない恐怖に怯えていた。
ここで話は変わるが、元々少年には両親がいた。けして裕福ではないものの、それでも幸せに暮らしていた。
だが突如上空に戦闘機が飛び回り、少年が住んでいた住宅地に向けて空爆を行った
幸い少年はかすり傷程度で無事だったが、両親は家もろとも着弾したミサイルに巻き込まれてしまい、この世をさってしまった。家や家族を失った彼は孤児となり、避難所で暮らすようになった少年の前に、この地に潜む武装組織の一員がやってきた。
その目的は身寄りのない孤児を集めて、少年兵を増やそうとする。
もちろん少年は拒否するが、それを見た組織の男達は……
“君の家族の仇を取れるチャンスなんだぞ。”
“我々の組織には兵士が必要なんだ、それがこの国の為だと思うだろう?”
“この戦争に勝たなければならないのだ!”
━━と、まるで
やがて少年兵となった彼は今日、敵と交戦している戦場へ向かわせた。
だが、やってきたその場はまさに地獄だった。
「くっ……だっ…………ハァッ!ハァッ!」
敵軍が持つ武装が有利で相手にもならず、戦場の周りには敵軍の戦車だらけ。
味方から援軍もなく、手にしてある武器で応戦しながら、目的がない方へ走り続けるしかなかった。
その最中に、味方や少年と同じ歳である仲間も、次々と無惨にやられていく姿が今も記憶の中に浮かんでくる。
“死を恐れるな!我々が戦いで死ぬ事によって、神の赦しで天へ導かれるだろう!我々はこの戦いに勝つ以外の幸福は無いのだ!神はきっと、勝つ為の力を与えてくださるはずだ!”
そんな時、武装組織の最高指導者である男が自分達に告げていた言葉を思い出す。しかしその言葉を聞いた少年は信じられなかった。
“この世界に神なんかいない……助けてくれない……“と、泣き叫ぶかのように心の中で叫んだ。自分達は何の為に戦っているのか、分からなくなった。
だがその時、上空に何らかの機影が見えた。
しかもその正体は敵軍の戦闘機で、両翼からミサイルが放たれた。それを見た少年の背筋が凍りつき、此方に近づいてくるのを気づく。
危機を察知した少年は慌てながらもその場から逃げようと走り出した瞬間、耳を聾するかのような爆音が響かれた。
背後で爆発が起きたと同時に起きた爆風によって、少年は宙へと舞い上げられた。まだ10代である彼は受け身を取る事ができず、地面に転がり落ちた。
「が━━━ゲホッ!ゲホッ!うぅっ……」
突然の衝撃で呼吸が上手くできず、口からはうめき声が漏れていた。未だに繋がっている身体のあっちこっちに痛みを感じるが、それでも何とかその場から立ち上がり、何が起きたのか確認する為に周囲を見渡した。
そこで目にしたのは、
唖然とする少年だが、すぐにこの場から離れなければ、またあに空爆が襲われるかも知れないと、思考を動かしながら走ろう去ろうとした時………
「あ………あぁ━━━━」
ひと目で分かるその戦車は、敵軍のものだった。相手は実弾砲だけでなく機関銃なども装備してある。しかも運が悪い事に、先の爆風によって少年が所持してあったライフルがいつの間にかどこかに無くしてしまった。
「━━━い………ぁ………」
完全な無防備になってしまった少年に対して、戦車は装備してある機関銃をゆっくりと動かしながら、少年のへと狙いを定めようとする。
それが何を意味するのか少年は理解してしまった。これから襲いかかる、“死”と言う名の恐怖だった。
「ヒィ…………あ………あぁぁ━━━」
恐怖のあまりに表情は涙でぐちゃぐちゃになり、ついには身体さえも動かなくなってしまった。
“殺される”
“死にたくない!”
━━と、様々な言葉が脳内にが浮かび上がった。
そして内心では“死ねば家族に会えるかも知れない”と思う自分と、“生きたい”と願っている自分がいた。
不幸な国に生まれてしまい、居場所や両親を失い、子供らしい人生を送れないままなりたくもない兵士にさせられた。そして今、これから無惨に殺されるかも知れない。
少年にとって
それでも嫌だった……諦めたくない……死にたくい……
だからこそ少年は心の奥底から、本音を漏らしてしまう……
「だれか…………たす………けて━━━」
「━━━━えっ……?」
突如上空から降ってきた槍のような桜色の光に貫かれた戦車は、跡形もなく鉄の塊へと変わり、乗っていた敵対兵が慌てて降りながら、何処かへ逃げ去っていくのが見えた。何が起きているのか理解ができない少年は唖然とするが、すぐに視線を上の方へ振り仰いだ。
そこで目にしたのは
青と白の特殊なカラーを持つ巨人がいたのだった。
特徴的な姿で、額に付いているVの形に人間のような二つの目。両手には大型の剣に盾、加えて両腰にも2本の剣のような武器が装備されてあった。
何より背中から緑光の粒子が放出され、重力を無視したように空中から地上に見下ろすその姿は、異次元な存在だった。
「━━━━━━」
今までに見た事がない光景を目にした少年は、思わず見惚れてしまった。
その姿はまさに、救世主だった……
〜本編登場オリジナルMS設定〜
機体名:
機体の性能や装備してある武装類は、00の原作とは変わらない。ちなみに装甲のイメージカラーは、CBの戦艦であるプトレマイオスのイメージが強い。
また、ジンクス胸部にはCBのロゴマークが付いている。
次回から当分リコリコのストーリーから離れて、オリジナルストーリーに入ります。
また、この物語に登場する10式戦車改と同じオリジナリ兵器が登場する予定です。
リアルの忙しさで、次回はものすごく遅くなるかもしれませんが、頑張ります。
いつも感想や誤字報告もありがとうございます