リコリコの世界にモブキャラとして転生したら、全てのモビルスーツシリーズが造れる件   作:フェルトファン

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 以前に投稿した31話の内容はあまりにも酷すぎたので、急いで書き直して完全にリニューアルしました。
 投稿の後に読者様からの感想を確認した自分も読み返し違和感を覚え、リアルを追求し過ぎたせいで今までの話が完全にズレてしまったせいで、物語が完全にズレてしまった事に気がつきました。いくつか書き残しが残っていると思いますが、感想と誤字報告もどうかよろしくお願いします。






「あげゃげゃげゃげゃげゃげゃ!!!」
フォン・スパーク(機動戦士ガンダム00F)

「僕は、まだ死ねない!」
ヒクサー・フェルミ(機動戦士ガンダム00F)

「もちろん、戦争根絶です…」
ヨハン・トリニティ(機動戦士ガンダム00)

「いけよファングゥ!」
ミハイル・トリニティ(機動戦士ガンダム00)

「GN粒子、最大散布!行っけー、ステルスフィールド!」
ネーナ・トリニティ(機動戦士ガンダム00)




Episode 31 世界が大きく変化する前

 

※注意:一応ご存知の方はいると思いますが一応お伝えします。この物語には現実(リアル)で起きている出来事と似ている部分がありますが、あくまでも非現実(フィクション)の中の物語です。

 

 

 

 

 

 

 

前回までのあらすじ……

 

 

 

 とある隣国同士の間で続いていた軍と武装組織による激しい紛争……しかし突如として現れた謎の巨大人型兵器━━ガンダムの武力介入によって、わずか数時間で両勢力が持つ軍事を制圧。

 

 更にこれ以上の戦火のを起こさないよう、国などが保有していた全ての兵器を押収し、徹底的に破壊していったのだ。

 

 だがそれでも、今も世界のどこかでは争いの火種が燻り続けていた。だからこそエクシアを筆頭とするMS群は日本へ戻る事なく、まるで次なる戦場を求めるかのように、再び舞い降りる。

 

 

 自由を奪い、人権のない人々を支配し続ける国……

 

 なんの罪も無い人々から容赦無く略奪しようとする国……

 

 約20年間に渡る戦争の果てに、撤退を余儀なくされる事になった世界に軍事力が一位と呼ばれている大国でさえも……

 

 今もなお世界のどこかで未だに終わらない“争い”という名の業を絶やす為に、今日もまた天上人(ソレスタルビーイング)が武力介入を続けていた。

 

 

 

 

 

 

 そしてこれは、とある国で起きた一つの出来事である。

 

 

 

 

★☆★☆★

 

 

 

 

 今も世界のどこかで国の法律によって作られたルールがいくつか存在するが、それは全てではない。とある一族によって()()()となったその国は、支配的な思考を持つ者達が絶対的な権力を握り国民の政治参加を制限する政治体制を持つ国は独自の政治が行われる。しかし国民の意見は聞けず、反政府的な意見や活動は問答無用で刑務所に入れらえる。しかも時には政治の誰かが過ちを犯していたら、何の罪のない人に罪を擦りつけようとすることもできる。もちろん裁判すらもできず、無罪を問われるのもほぼ不可能。しかも貧しい生活を毎日繰り返す人々に何も与えず、国の金はほとんど軍事兵器の開発費用として回されていた。加えて国々からなんの罪もない人々を裏で拉致し、労働として強制に働かせたりするケースも日常茶飯事。世界にとって最も大きな問題であるも国連は未だに解決すらできておらず、もはやその国に住む弱き者達にとって逃げ場も無い日常であり、声を上げる事すら死を意味している。

 

 しかしそんな国に、巨人(MS)の存在が現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『て、敵襲!前方に巨大な敵がやってきたぞぉ!!!』

 

『なんで……なんで誰も気づいていない……敵がこんなにも近づいているんだぞ!?』

 

『黙って攻撃しろ!こっちだってこの防衛線を──う、うわぁっ!』

 

 それは、何の前触れもなく始まった。いつも通りの日々だったはずが、突如として現れた正体不明の巨大人型兵器……GN-Xの大軍によって、各地の基地を次々と制圧していった。

 

 もちろん兵達はただ蹂躙されるだけでなく、武器を手に取りながら反撃しようと立ち向かって行くが、GN-Xの前では全くの無意味だった。抵抗しようにもGN-Xが持つ装甲に傷一つも付けられず、抱えている武器のほとんどが役に立たないばかり。しかも彼らはまともな軍事訓練を受けておらず、ただ目の前の敵を撃ち落とそうと必死だった。状況的に困惑する兵達の近くにある岩の影に隠れていたオートマトンの軍団が音も無く現れ、彼らの首筋に麻酔針を撃ち込む。その針が命中するたびに、一人……また一人へと地面に崩れ落ち、そのまま深い眠りに入ってしまう。もはや戦況が刻一刻と敵に押されていく中、GN-Xの大軍を率いるかのように他の機体とは明らかに一線を画す二機のMSが、地に降り立った。しかもそのどちらもが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()でもある。

 

 

 

 

GN-001F

 

ガンダムASTRAEA(アストレア)TYPE-F

 

 

 

GN-002F

 

ガンダムSADALSUUD(サダルスード)TYPE-F

 

 

 

 

 

 

 深紅と青を基調とした、鮮烈なカラーリングを持つ二機のガンダムタイプ。“正義”と“星”を冠する女神の名に由来し、迫り来る多数の戦車に対して攻撃を繰り返す。対して戦車に乗る彼らは異様な気配に危機を察したのか、躊躇なく砲撃を開始した。だが、炸裂する砲弾の嵐を受けても二機のガンダムは一歩も退かず、装甲にはかすり傷すら見当たらない。

 

〈な……なんでだ……直撃したはずなのに……〉

 

〈気を抜くな!と、とにかく撃ち続けろぉ!!〉

 

 MSが誇る装甲の異常な硬さに驚愕しながらも、自暴自棄になった兵達は攻撃するしか頭になかった。その際にアストレアが武装の一つであるプロトGNソードを大きく振りかざし、迫り来る戦車の主砲や車体を纏めて斬り裂いた。同時に、サダルスードが装備するリボルバーバズーカが火を噴き、砲弾が遠距離に炸裂。凄まじい爆風が辺りを包み込み、複数の戦車が吹き飛ばされてはボールのように無残に転がっていく。もちろん地上だけでなく、戦闘ヘリを使って空から撃墜しよう搭乗する直前、突如現れた謎の戦闘機からの攻撃によって破壊されてしまう。

 

 しかもその戦闘機は()()()()()()()()()()だからなのか、他の可変型MSとは違って完全な人型へと変形するには至っていなかった。

 

 

 

GN-003F

 

ガンダムABULHOOL(アブルホール)TYPE-F

 

 

 

  空軍基地の上空に突如として姿を現したアブルホールは、GNミサイルポッドを用いて装甲車両や各種兵器を次々に破壊していく。更に、飛行兵器の離陸を阻むよう白く粘着性のあるゲル状物質──通称“トリモチ”を散布し、滑走路や発進ポイントを封じ込める。圧倒的な火力と機動性を目の当たりにした民兵達は、自分達が今とんでもない相手と戦っているという恐怖に飲み込まれていた。

 

ヒィ…………う、うわぁぁぁぁあ!!!!

 

「なっ──貴様、逃げる気か! この腰抜けがッ!!」

 

「う、うるせぇ!あんな……あんなバケモノと戦うなんて無理に決まってるだろ!!

 

 怒号と悲鳴が飛び交う中、何人ものの兵が装備を放り出して逃げ出そうとしていた。敵前に逃亡するのは情けない姿だが、目の前で繰り広げられる未知の力の前に国の最高指導者への忠誠心を失った彼らは恐怖のあまりに戦う気力も失いかけ、ひたすら逃げることだけしか頭がいっぱいだった。しかしそんな彼らを逃さまいとオートマトンの軍団が挟み撃ちする形で次々に草木から現れ、逃げ出す兵士達を次々と拘束して行く。戦闘開始からまだ一時間も経たぬ内に、軍側の戦況は既に壊滅的だった。逃げ場を失ってしまった彼らに残された選択は、玉砕覚悟で特攻するか、あるいは降伏するしかなかった。

 

 やがてこの事態はすぐさま、首都にも伝達されるのだった。

 

 

 

 

 

 首都内にある一部の都会で明らかに豪華と呼べる建造物の政府本部では、乱する空気が広がっていた。突如として占領した領土に舞い降りた多数のMS相手に対処もできないまま予想外の事態が次々と発生し、幹部の者達はただ困惑するばかりで、今でも起きている出来事に受け入れらなかった。

 

「ありえん……我が同志達が、侵略者ごときに押されているだと……!?」

 

 絶対的なカリスマを備える国の最高指導者でもあり人々からは“首領”と呼ばれている一人の男は今までとはまるで別人のように酷く愕然とした様子で焦っていた。

 

「ぜ、全セキュリティシステムが完全に遮断されてしまい、指令系統へのアクセスができなくなっています。恐らく、敵からのサイバー攻撃を受けたかと……」

 

「それだけじゃありません!あのバケモノ共のせいで電波を障害され、現地との通信も完全に途絶えたままだ!」

 

「な……ならば急いで復旧しろ!それくらいできるだろ!?」

 

「も、もちろん再接続を何度も試みたが……これまでに類を見ない規模の電子妨害が続いているせいで、システムの解析と復旧は最悪まる一日……いや、それ以上かかるかと……」

 

「~~~~ッ、こ、この……役立たずどもが!!

 

 度重なる悪報が相次ぎ不機嫌となり、思わず机を叩きながら怒声を上げた。その苛立ちは隠しようもなく幹部達は緊張と重圧がのしかかるが、ここでさらなる悪い報告が追い打ちをかける。

 

「て、敵が……間もなくこちらに到達する恐れがあります!」

 

 部下からの報告に室内の空気が一瞬で凍りつき、壁面に掛けられた巨大モニターには無数の赤い警報が点滅し続けている。防衛ラインはすでに突破され、敵勢はすでに基地のすぐそばにまで達していた。

 

「ば、馬鹿なこんなにも早く……ぼ、防衛隊は一体何をしていた!?」

 

「偵察隊からの連絡によると兵達は突如眠らされ、そのまま謎のドローン兵器に拘束されたと……」

 

「──クソォ!」

 

 度重なる悪い報告を聞いている内に、苛立ちと焦燥に顔を歪めた首領は机を強く叩く。どうにか反撃しようにも原因すら掴めぬまま状況は悪化し、冷静さを失いかけたボスは焦りと震える声を隠せていない。何かの聞き間違いだと信じたかったが、深刻な顔をする部下達の様子を見ればそれが紛れもない事実だということは一目で分かった。

 

.....なぜ.......何故なのだ!ようやくここまでやってこれたのにっ!!」

 

 一族の野望として築き上げ続けていた国家が、謎の巨人軍団によって邪魔されたせいで全ての計画が水の泡となった。それでも首領は負けを認めずどうにかして反撃の機会を企てていた瞬間、凍りついた沈黙を打ち破るよう大きな音が作戦室に響き渡る━━

 

 

 

 ドオォンッ!!

 

 

 

 ━爆音と共に本部の壁が破片となって吹き飛び、凄まじい爆風が室内を駆け抜ける。モニターは火花を散らして破裂し、書類やガラス片が嵐となって吹き荒れた。そこにいた全員が衝撃に吹き飛ばされ、机や椅子に叩きつけられる。幸い致命傷には至らなかったものの、室内は煙と埃に包まれて視界が奪われる。

 

ゲホッ!ゴホッ!い、一体何が……」

 

 同じく無事だった首領は咳き込みながら瓦礫の中から這い出し、呪詛を吐きつつ爆発源へ視線を送った時、崩れた壁から吹き込む煙の向こうから冷たく光る緑の双眼が見えた。深紅に輝く装甲を持つ巨体……アストレア。その鋼鉄の巨影が崩落する瓦礫越しから、静かにボスの方をじっと見下ろしていた。

 

…………あ……あぁ……

 

 喉が乾き、唇が震え、声はかすれ、足が勝手に後退り、背中が冷たい壁に触れた瞬間に“もう逃げ場などない”と気づく。彼の目から見るアストレアの姿はまるで()()()()()()()()、自身を裁こうと天から舞い降りた天使のような存在感に呑み込まれてしまい、恐怖に支配されたボスは腰を抜かしたまま喉奥からか細い悲鳴を漏らす。

 

ぁ━━━ぃ……ヒィ………ヒィイ━━っ

 

 国家のリーダーとしての威厳や自身が最も強大な存在という自覚すらも忘れ、口から思わず小さな悲鳴を漏らす。今まで感じなかった恐怖と言う言葉に襲われ、心の底から初めて誰かに助けを求めたいと浮かんでいた。そう思っている内に裏手から駆けつけた護衛用の装甲車が現れ、アストレアに向けて重機関銃を掃射する。当然その攻撃も通じず、逆にアストレアは向かってくる装甲車をいとも簡単に返り討ちにする。その光景に首領は呆然とした様子で絶望してしまい、足元から力が抜け落ちた。やがて彼の前に服装が汚れている幹部達が駆け寄り、崩れかける廊下を抜けて安全な場所へと逃がそうと動いていた。

 

「い、いた!ご無事で何より!」

 

「ご安心してください、脱出はこっちです!戦力を直せば、我々の反撃は……」

 

「━━━━む、無理だ……

 

「あの……どうかしまs━━?」

 

もう駄目だ……勝てるはずがない……あんな……ば、バケモノ相手に敵うはずも無い!奴らはきっと.....こ、この私を裁きにきたんだ──!

 

「ど、どうしたんですか!?しっかりしてください!」

 

ご……ごめんなさい……ごめんなさいごめんなさい!どうかお許しを…!!

 

 国家のプライドとしての姿は見る影もなく、大きく変わり果てていた。目に涙を溜めに鼻水で顔が汚れ、恐怖に呑み込まれて怯えきった一人の弱々しい人間となった首領は必死にアストレアに向けた謝罪の言葉を吐き出す。泣き叫ぶ国のリーダーの情けない姿を初めて目にした幹部達は動揺するも、なんとか安全な場所へ避難させようと連れて行く。だが行き場など見当たらないまま、彼らは崩れゆく本部をただ彷徨い歩くしかなかった。

 

 当然この時彼らはまだ知らない、脱出口には既にGN-Xによって包囲されていると……

 

 

 

 

 

★☆★☆★

 

 

 

 国への侵略……他国の領土や資源を武力によって踏みにじる行為は、国際法としては禁止されている。しかしそんな法を最も簡単に破った国が、他国への侵略攻撃を始めた。“国の未来を守る為だ”などの理由を掲げいるも、国際社会から見れば、国の独立と領土を脅かす侵略行為でしか思えない。しかも相手が女やまだ小さな子供であろうとも、完全征服を果たすまで容赦無く攻撃を続けた。そんな侵略を許さまいと侵攻によって何もかも奪われた人々は一丸となってレジスタンスを結成し、中には市民だった者も自ら()()()()()()となって戦いに向かった。だが敵側の軍勢が圧倒的に戦力が多く、何度戦いに挑んでも犠牲が出るばかり。そしていつの間にか隠密拠点の居場所がバレてしまい、壊滅しようと向かってくる敵軍に抵抗すべく今日も仲間と共に戦い続けてる。

 

 しかしそんな両勢力の間に乱入した大きな存在が、戦況を大きく変えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

〈コイツら……どっからやってきたんだ!?〉

 

〈知るかぁ!とにかく撃ち続けろぉ!〉

 

〈本部……本部、応答を願いたい……クソッ!なんで繋がらないんだ!?〉

 

 

 戦闘中だったのにも関わらず、突然空から介入してきたMSが現れた途端に攻撃を始める。状況が追い付いていなかった兵士達は反撃に向かおうとするのだが、すぐに返り討ちにされてしまう。しかもその場にエクシアとデュナメスが出現しているが、二機の背部には()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

De-01RS/De-02

 

GNデヴァイズパック

 

 

 

 『機動戦士ガンダム00 Revealed Chronicle』に登場する、エクシアとデュナメスの新たな形態。折り畳み式のサブアームを追加装備として備えたこのパックは強化ユニットである多様な手持ち武装の同時運用を可能にするサブアームを駆使して、エクシアとデュナメスは次々に迫り来る装甲車や戦闘車両を制圧していく。その勢いに続くように後方からはGN-Xの大軍が到着し、連携攻撃を展開していた。

 

「た……退却だ!退却しろ!!」

 

「畜生っ……あんな化け物がいるなんて、聞いてないぞ!!」

 

 自分たちの戦力では到底太刀打ちできないと悟ったのか、兵士達はその場を後にし退却を開始した。一方、ついさっきまで激しい戦闘を繰り広げていたレジスタンスの者達は呆然と立ったまま、驚くばかりだった。

 

「これは.....一体.......」

 

「隊長.....自分も何が何だか......」

 

「我々が一年以上も苦戦し続けていた敵の軍勢が僅か三十分も経たない内に……まさか……あれが、今世界中に次々と現れた噂の巨人なのか……」

 

「ど、どうしてこんな所に……!?」

 

「分からない…噂で聞いた名前は確か……ガn━━━」

 

〈協力を感謝する!〉

 

 レジスタンスのリーダーとして“隊長”と呼ばれる愛国心を持つ男が何かを言いかけたその瞬間━━ふと、視線の先で起きた異変に思わず言葉を詰まらせた。撤退する敵兵を追いかける仲間達の表情には怒りと焦りが入り混じり、隊長の制止の声も届かない。先ほど戦車の外部スピーカー越しに響いた叫び声に続いて、彼らは武器を突き上げながら声を張り上げていた。

 

「敵が崩れた今、我々は反撃に向かう!」

 

「これまでの借りを返してやる!」

 

「巨人が味方になれば、お前らなど━━━っ!」

 

 “謎の巨大人型兵器が自分達の味方になってくれた!”そう信じ込んだ彼らは、撤退する敵軍に怒りをぶつけるように突き進んでいった。侵攻により愛する恋人や家族との大切な時間を奪われ、かつて普通の市民だった彼らの中に抱える復讐は怒りのあまりに冷静さを失っていた。

 

「ば、馬鹿野郎!お前ら、何やってるんだ━━!」

 

 隊長が怒声を上げて制止しようとするも、その声は誰の耳にも届かなかった。仲間達は突き進む怒りの衝動に突き動かされ、止まる気配すらなかった。そんな勢いに続くように、戦力として裏で入手した二両の戦車が逃げ去る敵軍に照準を定めようと主砲を向けた瞬間……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「「「━━━━っ!?」」」

 

 その場にいた全員が、息を呑んだ。幸いにも斬撃は操縦席を外していた為、ハッチから慌てて逃げ去る仲間の姿が見えた。だが、目の前で起きたその出来事の衝撃はあまりにも大きく、誰もすぐには動けなかった。

 

「………な、なんだよ……味方じゃなかったのかよっ!?

 

 困惑と恐怖が入り混じった声が、誰かの口から漏れる。

 

 衝撃の余韻が沈黙となって広がる中、“もはやここに用はない”と言わんばかりにエクシアは背面から光の粒子を噴き上げ、その場を静かに飛び去っていく。ついさっきまでの出来事を忘れられないレジスタンスの者達は敵の追跡をせず、空へと遠ざかっていく巨影を呆然と黙って見ているだけしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、他国への侵攻を進めていた本国の軍事基地では予期せぬ異常事態が次々に発生し、目の前で起きている事態の収集に押されかけていた。

 

〈巨人共が......お、応答せよ!応答せよ……クソッ!何で繋がらねーんだよ!〉

 

〈ち、畜生ッ!....おい、通信の回復はまだできないのか!?〉

 

〈ウルセェまだって言ってるだろ!原因すら分かってねーんだぞ!〉

 

 本国内にある基地の作戦内部ではレジスタンスの基地を壊滅作戦に参加した部隊との通信が突如途絶えてしまい、挙句の果てに偵察ドローンからの映像に映っていたMSの圧倒的な力を見て驚愕する。もちろんただ黙ってやられる訳にはいかず追撃しようとするが、MS側の戦力が圧倒的で逆に返り討ちにされてしまうばかり。エクシアを率いるMSと対戦してからまだ1時間も経っていないのにも関わらず、既に各地に設置した大半の拠点が次々に制圧されるばかりだった。

 

〈て……敵が間も無く此処へ到着します!〉

 

〈━━━ダメだ……勝てない……う、うあぁぁぁ!!!〉

 

〈おいお前!何勝手に逃げようとして……おい!逃げるなぁ!!〉

 

 ついさっきまで侵略の邪魔をする敵組織のアジトを潰すはずが、いつでは本国に介入してきた多数の巨人(MS)と戦うことになってしまう。しかも圧倒的な力の前で戦力不利となり、中には勝てないと思い込んだ軍の一人一人が逃げ去ろうとする。当然MS側もそんな事を許さず、誰一人も遠くへ逃げられないよう拘束し続けていた。それから数分後、国全体に建造されている基地のほとんどを制圧する中、最後の一つとなった基地の正門には一本の白旗が掲げられていた。もはやこれ以上戦っても無駄であると察した軍は武器を持たず、エクシアを含めたMSの前で無言のまま両手を掲げて降伏の意思を示していた。当然一人も抵抗の素振りを見せる者はおらず、残っている武装や装甲車を破壊される光景を見ているだけしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 徐々に事態が悪化してゆく中、本国で最高権限を持つ者しか入れない本部内に政府関係者達の間に動揺が広がっていた。重苦しい空気の中、国家の大統領とも呼ばれている一人の男は険しい表情を浮かべながら側近に問いかける。

 

「何がどうなっている……レジスタンス(テロリスト)共の殲滅へ向かった軍との連絡はまだなのか?」

 

 強い口調に側近の男は喉を詰まらせながらも、必死に答えようと口を動かす。

 

「確認しましたが依然として通信は遮断されたまま……て、敵のアジトを殲滅する作戦も……い、未だに不明。更に念の為、複数の偵察ドローンを派遣しましたが……現地到着直後に通信が途絶え……おそらく、全てげ……撃墜されたと思われます……」

 

「重ねて報告します!たった今◯◯基地で新たな未確認巨大人型と遭遇し交戦を続けているのですが……落とされるのも時間の問題かと……」

 

「だったら早急に解決策を見るけるんだ。我が国の新たな領土になるはずの国で予想外な事態が起きているのはともかく、何故巨人(バケモノ)共の侵入を許した?」

 

それは……か、管制塔からの情報によりますと、レーダーには一つも反応しておらz……「もういい、聞き飽きた」━━っ」

 

 大統領の発する言葉の一つ一つに込められた威圧感は凄まじく、側近である男は人生の中ででかつてないほどの恐怖と緊張に包まれていた。それでも返答しなければならないという責任感を忘れず、なんとか答えようと言葉を絞り出していた。重く張り詰めた空気の中、政府内の職員達は少しでも大統領の怒りを鎮めようと向かっていた軍の行方と今の戦況はどうなっているのかを死に物狂いに情報をかき集めて続ける。しかしいくら探しても未だに有益な情報は一つも見つかっておらず、悪化の一途をたどっていた。

 

 やがて痺れを切らした大統領は深く息を吐き、冷たい声で新たな命令を下す。

 

「……今すぐ、基地全体に通達しろ。私の指示があるまで、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……」

 

 その言葉が発せられた瞬間、室内の空気が凍りついた。作業の手を止めた誰もが言葉を失う。背筋を這うような戦慄が一斉に広がる中、一人の若い職員が恐る恐る声を発した。

 

「だ、大統領……い、今のご命令は……本気で、ございますか?」

 

「当然だ。君は私の命令に異を唱えるつもりかね?

 

「ヒィ……い、いえ、そのつもりは……」

 

 “ギロリ”と睨みつける大統領の鋭い視線に、職員は怯えたように声を詰まらせた。沈黙の中、別の側近が意を決して一歩前に出る。

 

「……お言葉を返すようで恐れ入りますが、大統領。いくらなんでも……ミサイルの使用は、あまりにも極端すぎるのでは.....」

 

 それを聞いた大統領は眉一つ動かさず、静かに答えた。

 

「君がそう思うのも無理はない。しかしだ、敵の実態が掴めずテロリスト共はまだ残っている。状況は刻一刻と悪化している以上、我々にはもはや“最終手段”を選ぶほかないのだよ……これは我々の正義──必要な攻撃だ。」

 

「し....しかし!そんなことをすれば国が崩壊してしまいます!現地にはまだ多くの軍人が残って戦っています……どうかもう一度お考え直してくd──」

 

「いい加減にくどいぞ、君」

 

 声が鋭く切り裂くように響き、大統領は言葉を続ける。

 

「我が軍の戦況が不利なのは知っている……それは認めよう……しかし、我々はまだ負けていない。それに今更この国をどうこうしたって、もうどうでもいい。なんせ私は、()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

「━━━は?あ、あの……それはどういう意味で……」

 

「あの巨人共がこの国を欲しんでいるのなら、もちろんくれてやろう……破壊の炎によって跡形もない島としてな。」

 

な、何を言って……だ、大統領!いくらなんでもそれは……そ、それに!この国に残された多くの人々はどうするおつもりですか!?」

 

「ハァ〜察しが悪いな君……その多くはどうせ私の政権を嫌っている愚民共だろ。これから死んでゆく者達だ、()()()()()()()()()()()()()()。もちろん彼らの死は無駄ではない……彼らの死は我々の野望の為に勇敢な市民として永遠に記憶されるだろう。ほら、さっさと急いで脱出用の飛行機を用意しろ。おぉ〜それから信頼できる技業の方々にも連絡してくれ。心配しなくとも私はこう見えて人の心は()()()()()()()()()()()()()。」

 

 国のリーダー的な存在であるにもかかわらず、自分だけは早々と国から逃げ出そうとする。しかも未だに避難警報も出さす、これから放つかもしれないミサイルの攻撃に巻き込んでしまう市民の命を軽々と思っている。冷酷な言葉を口にする大統領の言葉を聞いた誰もが内心で“正気の沙汰ではない”と思っている。もちろん絶対的な存在である男の前では誰も異を唱えることはできず、もはや彼らは命令通りに動くしかない。やがて一人の秘書官が静かに歩み寄り、大統領の耳元でそっと囁く。

 

「大統領、先ほどすべての軍事基地にいる関係者に退避勧告を出し終え、市民の避難も完了済みです。ご命令通り、全ての基地周辺には人影一つもありません。」

 

「うむ、ご苦労……ついでにミサイルの準備を始めろt………いや待て、今なんと言った?

 

 新たな命令を口にしようとした瞬間、語られた言葉に違和感を感じた大統領は思わず反応してしまう。

 

「ハッ……全軍基地にいる関係者全員に退避勧告と市民の避難は既に終えています。無論この命令は大統領のご指示だったかと……」

 

「馬鹿者!そんな命令など出した覚えが無いぞ!」

 

 椅子から勢いよく立ち上がり、大統領は驚きのあまりに否定する。その直後、すぐに新たな報告が飛び込んでくる。

 

「た、大変です大統領!我が国のセキュリティシステムが原因不明のハッキングよって掌握され、各システムが勝手に初期化されています!」

 

「貴重な軍資金のデータも次々に消失し、口座はほとんど残っていません!」

 

「さらにネットワークも機能せず、機密データのほとんどが勝手に一般公開されています!」

 

 その瞬間、次々に上がってくる悪い報告の嵐に大統領は言葉を失い、ただ呆然と立ち尽くしていた。額に浮かぶ汗が大量の流れ、脳内は混乱の渦に巻き込まれていた。

 

「……な、なんなんだ……一体なにが起きているというのだ!?

 

「おそらく……システム管理を担う全職員が既に避難しており、サイバー攻撃に対抗する機能は動かない状態となっています。勿論彼らも大統領の退避命令に従って外へ避難しており──」

 

「だから!私がそんな命令は出していないと言っているだろ!」

 

 机を叩きつけるように叫ぶ大統領は怒りを爆発するも、状況は待ってはくれない。

 

「〜〜〜〜〜〜い、今すぐサイバー管理局の全職員を呼び戻せ!すぐにネットワークを全力で復旧しr──」

 

「だ……だ、大統領!そ、そ……空が……!」

 

 指示を出そうとする直前に、震える声で叫んだ一人の職員が窓の方へ指差す。苛立ちを隠さず、大統領が振り返る。

 

次から次へと〜……今度はなんだ!?空がどうしt──……は?」

 

 部下の様子に呆れながらも渋々視線を外の空へ向けたその瞬間、大統領の目は信じられない光景を捉えた。雲ひとつなかった空に巨大な何かが見えていた。

 

「……あれは……あれはいったい、なんなんだ……!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

★☆★☆★

 

 

 

 

 

 

 ついさっきまで日常茶飯だったはず青空は、突如として巨大な人影の群れ……GN-Xの大軍が背部から放出する赤いGN粒子によって、その周囲だけで空は赤く広がっていた。今までになかったありえない光景を目にした人々は言葉を失って立ち尽くし、中には“宇宙人の侵略か!?”と思い込んでいるのも少なくはない。そんなGN-Xの大軍の中には、明らかに見た目が別格と呼ぶべき三機の特徴的な機体が姿を現す。

 

 

 

 

GNW-001

 

ガンダムTHRONE EINS(スローネアイン)

 

GNW-002

 

ガンダムTHRONE ZWEI(スローネツヴァイ)

 

GNW-003

 

ガンダムTHRONE DREI(スローネドライ)

 

 

 

 ()()()()()()()()と呼ばれている三機のガンダムが現れ、赤く染まった空を悠然と舞いながら姿を現した。ドライに搭乗している()()()()()が声を上げる。

 

『破壊目標ヲ発見……ドッキング、ドッキングスルゾ。』

 

『『了解!了解!』』

 

 それぞれが掛け声を合わせながらバックパック右側に装備してある折りたたみ式の大型砲……GNランチャーを展開したアインを先頭に、左右に回ったツヴァイとドライがGN粒子転送ケーブルでアインの接続口に繋いで粒子供給を開始した。やがてアインのGNランチャーへの粒子供給が完了し、それを確認する為にドライのコックピットに搭乗している紫色のハロが破壊目標である軍事基地向けて照準を合わせる。

 

『GN粒子、転送完了!』

 

『異常ナシ!被害モ最小限!人ラシキ姿モナシ!』

 

『GNハイメガランチャー、発射!』

 

 紫色のハロが最後に叫びながら、アインのランチャーから漆黒の稲妻と共に極大な赫光が放たれた。着弾した直後、まるで絵を描くように赤く染まったビームはそのまま止まらずに次々と基地内の建物を破壊し続けた。ビームは留まることなく次々と施設を貫き、破壊された建物を黒焦げの廃墟へと変えていく。唯一の救いは攻撃対象となった基地にいた人員は、誰一人も残されていなかったことだけ。

 

 しかしその光景を遠くから目にした市民は言葉を失い、開いた口を塞ぐこともできなかった。中にはその光の美しさに呆然と見惚れる者すらいた。一方で避難済みの軍や関係者達の中には“あのまま残っていたら……”と考えただけで震えが止まらない者も多く、白目を剥いて失神したり恐怖のあまりに失禁してしまう者もさえいた。

 

 やがて空に待機していたGN-Xの大軍も動き出し、残された軍基地の完全な破壊に向けて掃除を始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

  同じ頃、各都市に設置された防犯カメラの映像を通じてこの惨状を目にした政府関係者達は、絶句して立ち尽くしていた。特に一番衝撃を受けたのは大統領本人であり、驚きのあまりにも目を大きく見開いた様子で固まったまま開いた口を塞ぐことすら忘れかけていた。

 

「お、おい……また別の巨人が基地を破壊してるぞ!」

 

「だ………誰か!至急連絡を──!」

 

「システムが動かないって言っているだろ!こっちはそれどころじゃないんだ!」

 

 今起きている事態に驚愕し、誰もが困惑していた。流石に今の状況はまずいと思った秘書官は、未だに沈黙している大統領に声をかける。

 

「こ……このままでは我々はもう……どうか、どうか指示をっ!」

 

 呼びかけていても大統領はぴくりとも動こうとせず、ただぼーっと窓の外を見つめているだけ。

 

「………おしまいだ……もう何もかもおしまいだ!」

 

「こ、こんなところで殺されてたまるかぁ!」

 

「天罰だ……きっと俺達を裁きにやってきたんだ!」

 

 絶望の叫びが本部内に響き渡ると、周囲にいた関係者たちは蜘蛛の子を散らすように逃げ走り去って行く。ついさっきまであれほど必死に声をかけ続けていた秘書官さえ、気がつけばその場を離れていた。

 

「━━━━━はは、ははは………」

 

 やがてただその場にただ一人だけ残ってしまった大統領は、虚ろ目で苦笑いを繰り返す。巨大な足音が徐々に近づいているのを知っていても何もせず、全てを諦めたように身体から力を抜いて椅子に体重を乗せた。

 

「…………私が引き起こした事態が、とんでもないバケモノをこの地に呼び起こしたのかもしれんな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 場所が変わり日本……DA本部・司令室

 

 

 

【…続いてのニュースです。国連からの発表によりますと、無政府状態だった国が突如として一変し、これは歴史的な変化であるとコメントを書き━━━】

 

【◯◯政権に勝利した反政府組織は、長きに渡った独裁は終結しました。これにより国民は歓喜の声を上げ━━━】

 

【新たに三体の未確認巨人が確認され、専門の方は━━】

 

 とある部屋の壁面に付いている大型のスクリーンには、全国の番組に速報として報道ニュースが同じ画面に映し出されていた。そんな番組を眺める二人の内、一人はリコリスの指令である楠木は険しい表情で頭を悩まさせていた。

 

「何となく予想はしていたが………まさかここまで大きく動き出したか……」

 

「世界各地で起きた紛争や独裁、長年国連すら解決できない問題は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

 そう語る楠木の秘書である女性も手にしている報告書に載っている情報を読みながら、彼女も自身の目を疑っていた。しかし残念ながら載っている内容の全ては、紛れもない事実である。

 

「今までに現れた人型兵器を作った組織は一体何なんだ……ラジアータでさえ感知できないとなると、真島の捜索するより困難だぞ。」

 

「ですね……それと司令、世界各国で起きている出来事について上層部はなんと?」

 

「もう既に新たな指示は出されたと思うが……これがとんでもなく無茶苦茶な内容でな。」

 

 愚痴をこぼすようにぼやく楠木は、手に取った資料に載っている一枚の写真に目を落とした。それは紛争となった街で孤児となった少年少女が書いた、アンノウンの名前が書かれた大きな布を広げていた様子が写っていた。

 

「G・U・N・D・A・M………ガンダムか………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜おまけ〜

 

 

「ところで司令……その、お身体の方は……」

 

「あぁ……すまないが、すぐに追加として()()()()()()()()()()()()()()()……ついでにエナジードリンクも……」

 

「もういい加減お休みなってください!じゃないと本当にお身体が壊れますよ!?」

 

 ここ一週間の間に、度重なる報告の多くに頭を悩まされ、最近では仕事場で徹夜するばかりの楠木司令だった。

 

 

 





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