リコリコの世界にモブキャラとして転生したら、全てのモビルスーツシリーズが造れる件 作:フェルトファン
いつも評価、誤字・脱字報告、感想、ありがとうございます!!
何故、一般人(モブキャラ)である彼がカボチャを被っているかについて明らかになります!
時は戻り………千束達が廃工場に侵入する数時間前……
「(よっしゃああぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!)」
口から出していないが、内心で絶叫するほど喜ぶ
「(やっと………やっと
そう、彼……暁月蒼夜は……ついに仕事を見つけることができたのだ…
「(う゛ぅ〜〜〜ここまで……ここまでの時間は長かったよ……本当によくやったわ…)」
面接が受かるまで、一体どれだけかかったのだろうか……百から先へ数える事をやめた彼だったが、今日の面接でようやく採用する事に成功した。彼にとって猛烈に嬉しい事であり、今まさに興奮状態である。アパートで落ち着く事ができず、今彼は、自分の心を落ちつかせようと汗をかきながらランニングしている。ちなみに彼を採用してくれたバイト先は、何処にでもある小さな清掃業会社である。
今でも思い出す、自分を採用してくれた社長の事を……
『あ〜〜〜、まぁウチ人手不足だから……採用で。』
━━━っと、適当に蒼夜を採用してくれた店長。ただこの社長は不真面目でなんの確認もせずにただ採用しただけだが、それでも彼にとっては関係ない。むしろ、ここで仕事人として働かせてくれるだけでも彼にとって満足なのだ。
「(あ〜〜〜やっとこれで無職から解放される〜〜〜って、僕のバイトが始まるのは早速明日の朝からだし……そうなったら今日は帰って早く寝ないと……)」
“バイト初日に遅れる訳にいかない”とそう思い出した彼は家に帰ろうとした時、ふと視界端に赤い車が走っているのが映った。
「(こんなにも暗くなっているんだ。車にも気をつけ…………ん?)」
一瞬ですれ違うのだが、蒼夜の横を通過した赤い車の後頭席に座っている
「(今のは……錦木さんと井ノ上さん……だったよな……なんでこんな夜中に?)」
見間違いではなければ、あれは確かにあれは喫茶店リコリコの店員、千束とたきなで間違いないはず。しかも向かっている場所は……
「あそこって……確か廃墟化した工場だよな……?」
“なんであんな所へ行くんだ?”と疑問を抱く彼は………
「━━━ちょっと行ってみるか……」
と言い、ジャージのフードを深く被り、赤い車が向かった先の廃工場へ向かった…
「(いや、なんかメチャクチャ怪しいおじさん達がいるんですけど!?)」
廃工場の近くに草木の影に隠れながら、目線先に入り謎の男達が移住している事実に驚く蒼夜。車を尾行していた彼が到着したのは、海岸沿いの廃工場。だが運悪く、尾行してた車を見失ってしまい、廃工場のあたりを探しに回ったら.......
「(さっきまで赤い車を探していたはずなのに、なんか物騒なおじさん達がいるんだけど……しかも銃までも持っているじゃん!?ここ日本だよ、普通に銃刀法違反だよ!それに、なんか変なドローンがあっちこっち飛んでいるし!)」
色々とツッコミを入れる蒼夜は、知らないうちに西側の方へ向かってしまったようだ。そんな彼の目の前には、西口に待機している傭兵部隊の別チームである。さらに彼がここに来る間に少数のドローンが飛んでいるのも目撃する。*1
「(ちょっと待て………って事はまさか千束さん達があんな危ないオッサン達がいる事を知らずに入っちゃったんじゃねーの!?)」
「おい……本当にここに
「あぁ、間違いない。リーダーが言ってたぜ。」
「(ん?リコリス?………なんで花の話をしてるんだ?)」
リコリス────ヒガンバナ属に属し、日本を含む東南アジアに広く分布する彼岸花、もしくは曼珠沙華と呼ばれる花の園芸種名。彼岸花は、秋の田んぼや土手を赤く染める馴染みの深い花で、得に中国・揚子江の流域には多く自生し、日本には稲作の伝来と同様に渡来したのではないかと言われている花。花言葉は────『独立』『あきらめ』『悲しき思い出』。
「(そういえば中学時代の国語の授業で聞いたな……って!そんな事を考えている場合ではないだろ、今すぐ警察に連絡しないと!)」
っと、今はとりあえず警察に連絡をしようとスマホを取り出し、110を押そうとするが途中で手を止めた。
「(………何話せばいいんだ僕……)」
知っての通り彼は大のコミュ障であり、正確の場所や特徴なども色々と説明しなければならない。
「(クソ!こんな状態になっても話せないのかよ…………いや待てよ……)」
━━警察へ連絡するのは難しい(彼が大のコミュ障が原因)
━━他の者に助けを求める事ができない*2
なら、彼が閃いたのは…………
「(はぁ〜、結局僕が行くことになるんだよね……)」
もはや彼は自分で行かなければならないのだが、そのまま行っても無闇に殺されるだけだと思った彼は自身の能力でそれなりの準備や装備などを整っていた。
〜特殊なライダースーツ〜
一見見た目は普通のライダースーツとほぼ変わらないが、そのスーツにはとある特殊な粒子が混ざっている。ガンダムの世界ではならの『ミノフスキー粒子』という粒子をスーツ全体に付ける事で、電波妨害する事も可能。
あっちこっちで回っているドローンに見つからないため、たとえ誰かが自分の事を確認しようとしても、テレビの砂嵐のように姿を隠す事も、追跡機能も止まる。もちろん、弾丸から身を守る防壁力も完璧である。ちなみに、『ミノフスキー粒子』を付けているが、人体に悪い影響は出ないので、安心安全である。
〜武装〜
ショットガンやハンドガンなども製作できた。見た目は完全に本物であり、これを持って警察に見つかってしまったら、即逮捕されるだろう。もちろん実弾も装填可能だが、それよりも彼は製作したとある
ここまで聞けば、もはや準備万全だろう……だが、まだ何かが足りない……
「(さて………問題は顔だな……)」
そう、
「(あ〜まじで悩むな〜………)」
一応彼は、ガンダムシリーズに登場する仮面キャラを思いつく……
「(いやでもよく考えたらあの角結構目立つな。)」
「(………ダメだ、余計に目立つ……)」
「(確かに顔全体隠れているけど……なんか息苦しそう……)」
などなど……他の仮面キャラを思い浮かべるが、なかなか見つからない……
「(あ〜〜〜、まじで思い浮かべなぁ…………あ)」
っと、ようやくキャラの一人を思い浮かべた蒼夜は、急いでそのマスクを作る。そのキャラこそ、前世の世界で“連邦に反省を促すダンス“としてネット上でも話題にもなった事があった......
「ったくよぉ…ここへ来て何で俺達は警備までしないといけないんだよ……」
「まぁそう言うな、これも仕事だ。」
「そうそう、それに明日でもう終わるし、報酬は今まで以上に貰えるぜ。」
「ヘレンの言う通りだ。例え相手が噂のリコリスでもな……」
傭兵部隊の内、別チームの傭兵達は、廃工場の出入り口できる所を警備している。
「しっかしどうしたのかねぇ……このバカでけー戦車を簡単に強奪できるなんって、今にでも信じられねーよ…」
「……お前、知らないのか?」
「あぁ、何が?」
「あん時基地に潜入できたのは、
「はぁ?マジかよ…んな事聞いてねーぞ俺ら…」
警備をしているわりには噂話や雑談をする傭兵の数は、四人。
しかし彼らの余裕は一瞬にしてなくなることとなる………
ーBAN!ー
「ぐへ!?」
一瞬、銃声音が聞こえた次の瞬間……一人の傭兵の額に赤い花が咲くと共に、倒れる。
「W, What the Fu◯k!?」
「だ、ダールトンがやられたぁ!?」
「クソ!銃を持て!敵は…どこだ!?」
突然の事で残った三人は背中を合わせ銃を構えながら警戒するも次の瞬間には……
ーBAN!BAN!ー
「ゴハッ!?」
また一人、赤い花が咲くと共に倒れる……
「へ、ヘレン!…クッソ!…敵は!?敵はどこにいる!?」
「!!!いたぞ!」
傭兵の一人が見つけたっと共に振り向く。二人の目線先に映ったいたのは……黒いライダースーツでショットガンを構える閃光の暗殺者……
ーBAN!BAN!ー
「ダッ!?」
だがその隙に、さらに一人も胸を貫かれてしまう……
「く、クソったれが!」
最後の一人は、咄嗟に打ち返そうとするが……
ーBAN!ー
一発も当てれず、額に赤い花を咲かせてしまい……視界が揺れる中でも、男は目の前の異様な物を被っている不審人物から目が離せない……
「な、なんで…………」
━━━カボチャを被っているんだ……
男は手放す意識の中で相互にそう語った。最後の一人は倒れ、警備についていた四人の傭兵達は全滅してしまう。
★★★
「(ふぅ………結構いけたな……)」
不審人物……蒼夜は、ひとまずなんとか四人の傭兵達を片付けることができた。
不意打ちをしてしまい、少し卑怯なのかも知れないが、今はそんな事を考えている余裕はない。むしろこうもしなければ、こっちが危ない。
「(それにしても……カボチャか……確かにそりゃ驚くよな。)」
蒼夜は、最後の傭兵の一人が倒れす寸前でその言葉が聞こえた。今更だが、確かに今被っているマスクは、完全に悪ふざけにしか思えないだろう……まさに怪しさ100%。そんな時、傭兵達が警備していた所にたまたま置いてあった割れた鏡を覗く。
「(うん。やっぱりこれどうみても
劇場版アニメ『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』に登場したテロリスト集団で、ハウンゼン356便をハイジャックした登場キャラであるカボチャマスクを被るハイジャッカー。軍資金を連邦政府から奪うためにマフティー・ナビーユ・エリンを騙った偽物。また、ネット上でその登場シーンがとあるSNSに転載された事でバズり、ネタキャラへの変貌を遂げる事になった。 前世の世界ではとある動画サイトで劇場版の主題歌である「閃光」を流しながら、海外では有名なmemeの『The Pumpkin Dance』のダンスを高速で再生すると共にMADで投稿されたことで、一躍連邦に反省を促すダンスっというネットダンスとして定着し大バズりとなった。
「(ははは今にでも思い出すな。何回も観ていた記憶があるし……あぁ、でもやっぱり二度と観れないのが寂しいな……)」
ただ、残念な事に
「(懐かしいな……って!こんなことしている場合じゃないでしょ僕。)」
今は懐かしい記憶を探っている場合ではない事に気づいた蒼夜は早速廃工場の中へ潜入する。もちろん警戒心を持って…
「(それにしても……一応相手がヤバイ人達だからって、人に向けて撃ってしまったのは本当に悪い事したな僕……まぁ、一応
なぜ彼はここまでの銃を上手く扱う事ができるのか。実は彼は転生してから三年間MSを操縦訓練をしているだけでなく、対人戦や射撃能力または運動神経など、生身の人間でも戦えるように訓練し続けていた。射撃に関しては、アパートの近くの廃工場の地下で射撃訓練をしていた。さらに、仮想空間でも射撃訓練や、本戦のような場所で戦う事ができた。対人戦や運動神経などは、ハローズ達が相手として協力してくれたおかげで、一応それなりに戦える運動神経も手に入れる事ができた。
「(っ……近いな……)」
そう思い返しながらも、目線の先に足音が聞こえる。少しずつバレないように近づき、音を立てないよう目線先にいる傭兵の一人をショットガンを構える。
射撃位置を外さないようゆっくりと引き金を引き……
ーBAN!ー
「(よっし、命中!)」
また一人を見事に一発で命中する事ができた蒼夜は、警戒心を持ちながらショットガンを構え、ゆっくりと歩き出す。
「(さっさと変なオッサン達をどうにかして。その後、千束達が無事かどうかの確認を………ってあれ?)」
っとその時、立ち止まった彼の目線先に立っている人達の中に、自分が無事かどうか心配していたリコリコの二人もいた。彼の目の前には....
先ほど西口にいた傭兵達の仲間とそのリーダーらしき男……
制服を着ている二人の少女達……
二人の少女達と同じ制服を着ている千束とたきな……
そしてなぜか、その四人の少女達の手には、
「(……え!?何これ......どういう状況なの!?)」
今の所、状況をまだ理解できていない一般人、暁月蒼夜である……
★★★
突然やってきたカボチャ頭の不審人物に愕然となったリコリスと傭兵達。
彼らが驚いているのは、突然やってきたからでも、ショットガンを構えているからではない……
「「「「(…………なんで頭にカボチャ!?)」」」」
そう……彼らが驚いたのは、頭にカボチャを被っているからである。ここはもう既に銃撃戦なのに、いきなりに不審人物が現れてくるのを驚くしかないだろう。
「…………お、おい、お前ちょっと話してこい……」
「な、なんで俺なんだよ!?お前がいけよ!」
「ふざけんな!だったらリーダーが…」
「言っておくが行かねーぞ俺!あんなカボチャ頭とどう話せばいいんだよ!?」
いきなり仲間同士で話し相手になれっと押し付ける傭兵達だが、彼らだけではない。
「たきな、あのカボチャ君と話してきなよ。」
「ち、千束!?なんでですか!?こういう事なら千束の方が得意はずです!」
「む、無理無理!だって相手はpumpkinだよ!?もしかしてあれかな、ハロウィンのコスプレの準備かな〜」
「いや絶対違うでしょ!それにハロウィンはまだ数ヶ月先です!」
「う〜〜〜〜じゃ、フキで!」
「……はぁ!?なんで私なんだ!?」
「だって君は仕事に熱心だよね〜〜今日はフキ君に譲るからさ…」
「ふ、ふっざけんな!お前絶対逃げてーだけだろ!?」
「あ、あの……じゃ〜自分が…」
「「「どうぞどうぞ…」」」
「いやちょっと待てぇ!なんで急に全員譲るんっすか!ってか先輩まで!?」
などなど、彼女達も押し付け合うようになった。
「つーかテメーなんなんだ!?何しにここへ来たんだ!?」
っとここでようやく傭兵の一人がカボチャ頭に向かって問い出すが……
「……」
「……」
「〜〜〜」
「……」
「いやなんか喋れやぁ!!!!」
全力でツッコミを入れる男の問いに何故か答え事も無く、言葉一言も喋っていない。それどころか、ショットガンを持ったまま、一歩も動いてない。
「おーいどうなってんだよコイツ!?急に現れたと思ったら、今度は一言も喋らねーぞ!」
「……え、何、なんなの?」
「こっちが聞きてーよ!ってかお前らもなんとか言えよ!」
「よし!フキお願い。」
「おいちょっと待てゴラアホ。なんで私が「「フキさん(先輩)、お願いします。」」ってお前らまで……あ〜〜〜もう!分かったよ話しかければいいだろ!」
不機嫌そうにながらも、今度はフキが挑戦する事になった。
「お、おいお前!何もんだ!?」
「……」
「まさかビビっているんじゃねーだろうな!」
「……」
「………おい、マジでなんか喋れよ…」
「……」
「〜〜〜」
「……」
「なんで喋れねーんだよお前!!?」
━━っと、全力でツッコミを入れるも、全く返事をしない。
「マジで何なんだアイツ!? なんで一言も喋ってねーんだよ!?」
「えぇ〜、どうしようたきな。あのカボチャ君一言も喋ってないけど。」
「そんな事言われても……」
これだけ声をかけても返事どころか、一言も喋っていない。ほとんど無口である。
なぜなら、カボチャ頭の正体である暁月蒼夜は…………
「(え、何これ!?本当にどういう状況なの!ってかそもそもなんでここに錦木さんと井ノ上さんがいるの!?しかもあの二人もと制服と同じ服を着ているよね……っというかなんで拳銃を持っているの!?え、何……今の10代って拳銃を所持しているの?いや、そもそも今の日本は銃刀法違反があるし……だとしたらなんで……)」
自分の思考世界に入ってしまったのである。色々と状況を整理するため、まずは頭の中の記憶を整理している。ちなみに今の彼は、全く千束達の事を気にしていない。むしろ、彼女達が自分の事を話しかけている事もさえ気づいていない。
「(えっと〜〜〜そもそもどうして廃工場に四人の女子高生がここに?しかも拳銃を持っているし、おまけに怖いオッサン達も銃を所持しているし……ッ!もしかして…………これって………)」
※違います
「(じゃ…さっき飛んでいるドローンは撮影時のカメラ代わり!……確かにそれはそれで便利だ……それにしても、時代もどんどん変わっていくんだな……)」
※違います
「(ってか、さっきオッサン達が持っていた銃を少し触ったけど、あれも撮影用なんだよな……それにしてもさっきのオッサン達っといい、本物みたいだな。)」
※本物みたいではない、本当にガチの傭兵と銃。
「(あれ………って事はもしかして撮影現場を台無しにしてしまった……ってことになるじゃん!や、ヤバイんじゃんこれ!いつの間にか僕はとんでもないことしている〜!……っというか、もしかしてさっきのオッサン達はエキストラかなんか?……だとしたらもっとやべーよ!もうしばらく起きないよあの人達!)」
内心で自分が撮影の邪魔と台無しにしてしまったっと勘違いする蒼夜。しかし自分の勘違いである事を知らず、すぐに彼らを謝ろうとするが……
「(…………だ、だめだ……気まずくて、どう謝ればいいのか分からねぇ!?)」
ついさっきまで自分が起こした出来事を思い出し、何を語ればいいのか分からなくなってしまった。
「(あ〜〜〜やべーな、マジでそうしよう……けどこのまま黙って帰らせてくれないよね〜〜〜まずは先に謝るべきでしょ!いやだけどなんて謝ればいいんだ!?)」
一体この場から正体をバラす事なく、無事にアパートへ帰れるには、どうすればいいのか……っと考えたその時、彼はある方法を閃いた…
「(……そうだ……言葉で話さなくても……
そう思い、ここでようやく動き出した
「うぉ!?う、動いたぞ!?」
「な、なんで今!?……ってかなんでショットガンを置いたの?」
突然動き始めた彼に驚く千束達……っが、なぜか構えていたショットガンを一旦壁の近くに置いた。一体何をするんだ…っと警戒する千束達の前で……
=突然、踊り始めた=
「「「「……………は?」」」」
激しく手を振りステップを踏む、腕を動かし胸に当てたり、頭の上に手を構えたりする。たった1分程度の踊りである。
「「「「(・Д・)」」」」ポカーン
突然の事で唖然としてしまい、開いた口が塞がらない千束達……
そして最後に手をお辞儀のようにし、ゆっくりと頭を下げる蒼夜。ダンスを終えた後、元の位置に戻る。
「「「「……」」」」
「(さぁ〜これでどうだ!これなら普通の一般人だって思えるだろ!)」
全て出し切った後、蒼夜は内心で満足そうにドヤ顔で何度も頷く。我ながら上手くできた。そう確信しながら辺りを見渡す。
誰もが言葉を失っている。どうやらみんな感激(?)して何も言えないのだろう。そう思うと何やらこそばゆい。そして、一拍。間の空いた空気の後に蒼夜が耳にしたのは──────。
「「「「ふざけてんのかお前えぇぇぇぇぇっ!?」」」」
「(………あれ? )」
その場の全員が一致団結してのブーイングの嵐だった。確かに斜め上だ。斜め上過ぎて全員の度肝を完全にぶち抜いた………別の意味で……
まさかのブーイングに蒼夜は戸惑いの表情を隠せない。だが、そんな蒼夜の心境などお構いなしに彼方此方からブーイングの雨が降り注げられる。
「お〜〜〜〜い、マジでなんなんだアイツ!喋らねーっと思ったら急にダンスしやがったぞ!?しかもこの状況で!」
「アイツ完全に舐めているだろ!?」
「…………千束。私、今から実弾で撃ちます。」
「たきな!?ちょっと待って!」
「だってよく見てください!突然現れて、何にも喋れない!それに不気味な踊りもしてくる……早くなんとかしないとこっちまでおかしくなりますよ!?それにあのカボチャ頭、もう完全に私たちの事を舐めていますよ!」
「(え、もしかしてだめだった?)」
蒼夜のダンス(?)によってより更に混沌と化した戦場、色々な意味で衝撃を与えた彼は一人、訳が分からないといった様子でポカンとしている。
「な〜に〜深く考えているんだバカ共が!さっさとあのクソカボチャ頭を殺しちまえばいいだろうがよ!」
っと、傭兵の中の一人、ガタイが大きい金髪の傭兵が蒼夜の前でAKを向ける。
「お、おいベネット!よせ!」
「おら〜カボチャ頭さんよ!ここに来た事を後悔しr……」
ーBAN!ー
「グエッ…」
「「「「…………え?」」」」
っが……なぜか撃たれたのはカボチャ頭ではなく、発砲っと共に吹っ飛ばされた金髪男の方である。全員の目は飛び出る程に見開いていた。
「「「「(う、撃ったぁ〜!?)」」」」
突然の発砲……しかも無言で。……っとその時、なんの音もなく、いつの間にか持っていたショットガンを千束達の方へ向け……
「っ………やっば!」
何か悪寒を感じた千束は、この場にいるカボチャ頭以外の者達に声を掛け、全速力で走る。彼らも彼女の反応と共に傭兵達の隠れるカウンターに飛び込んだ。そしてそれを追うように銃弾が弾けていく。その中には、一人、また一人へと、傭兵達の額に命中してしまった。
「なっ、お、おい!?」
「あははー、どもー」
悪びれもせず微笑む千束に、とうとう一人になった傭兵のリーダーは銃を向ける事も出来ない。その流れで、また銃声。すると、次はたきな、フキ、サクラがカウンターへと飛び込んで来る。
「な、なんなんだっすかアイツ!?急になんの躊躇もなく撃ってきましたよ!」
「千束、もうこれは話し合いで解決できる話ではありませんよ!」
「えぇ〜やっぱ、だめかな?」
「見りゃ分かるだろ!司令部!聞こえますか!?」
もはや驚くばかりの傭兵リーダーを置いて、この状況をなんとかするリコリス達。そんな中、フキは、DA本部の司令部に小型通信機で連絡を取るが…
「司令部、司令部っ! 応答してください司令部!………クソッ!繋がらねぇ!」
「な、なんで繋がらないんっすか!?」
「知るか!本部!司令!誰でもいいから繋いでくれ!」
DAの超高性能AI、ラジアータによる恒常的情報支援。それが
「千束、ミ──後ろと連結が取れません。さっきから通信機が繋がりません。」
試しに千束とたきなも通信機を弄ってみるが、こちらも繋がらない。
「そうだよね〜〜もしかして、あのカボチャ君…なんかしたのかな?」
突然の通信機が使い物にならなってしまい、もはやあのカボチャ頭が何かをしただろうっと考えるしかない。状況は、更に想定外にも程があった。
「お、おい……どうなってんだ一体。アレはお前らの仲間じゃないのか!?」
「どこを見たら仲間だって思えるんだ!?」
「うーん、説明したいのは山々なんだけど、とりあえず……共闘しません?」
「「…………はぁ!?」」
にっこりっと千束が笑いながら提案すると、リーダーとフキは大口を開けて固まる。寂れた廃墟に、更に混沌化する空気が生まれつつあった。
一方、
「(ーーーーーやべ〜〜〜………めっちゃマッチョなオッサンがいきなり銃を向けてきたんだから、びっくりして思わず撃っちゃったんだけど……ってか驚きすぎて、他の二、三人も命中しちゃったんですけど!?)」
蒼夜は、発砲するつもりはなかった。だが、ついさっき金髪の傭兵がいきなり目の前で銃を向けてきたのを驚いて、思わず慌てて撃ってしまった。つまり、さっき彼の内心ではパニック状況になってしまい、気がついたら二、三人の傭兵達にも銃弾を当ててしまった。
「(ど、どどどど、どうしよう!?まぁ〜い、一応
………って、なんか来たぁぁぁぁあああ!?)」
っとその時、勢いよくカウンターから飛び出した千束は、蒼夜……または、カボチャ頭へと走りつつ、独特な構えでハンドガンを乱射。
「(ち、千束さぁん!?しかもなんか銃を使って撃ってくるぅ!?)」
対する蒼夜は、上手く銃弾を避け、その脇からショットガンを捨て、ハンドガンを取り出して応戦する。もちろん死ぬ事はない……だが、放ったうちの二、三発すら当たらない、いや、正確に答えれば、銃をポイントし引き金を弾いた瞬間、あるはずの千束の体がそこに無いのだ。そんな彼女の動きを見て、蒼夜は驚きを隠せなかった。
「(え、何今の動き!?)」
ーー明らかに、避けられていたーー
「っ……こなくそっ!」
一方千束は、内心で驚いている蒼夜を気にせず、数歩手前で低い遮蔽物を踏み台に跳躍。飛び越しながら撃ち下ろす。体を低く、着地を見計らって撃つのだが、これもヒラリと躱されてしまう。すれ違う時の、ほんの一瞬……視線が交錯した。
蒼夜は勢いのまま、近くの遮蔽物へと回り込む。
千束も同様に距離を取り、斜めに倒れたテーブルの裏へ。
「っくー、やっぱダメかぁー」
「……なんなんだアイツ…お前の動きを読めているぞ!?」
「……千束、あのカボチャ頭は……」
「うん、急に現れて、急にダンスして……ピエロかっ──てぇの!」
ホッと一息ついたのも束の間、千束はまた彼の元へ突撃する……と見せかけて、回り込もうとする。
「(ぎゃああぁぁぁぁぁ!?また来たあぁぁぁ!?)」
その動きを先読みし今度は連射するが、驚いた事に全く怯まずこちらを見据えたまま左右に動きまくっている。どんな理屈かは不明だが、彼女は射線が見えている。それに基づいて、どう動くか決めている。少なくとも蒼夜はそう考えた。
「(撃っても撃っても当たらないけど!?なんなの!?まさか彼女ニュータイプなの、いやでもどちらかっと言ったらトランザムなんじゃね……って、何してんだ僕!?彼女を怪我したらダメじゃん!)」
内心でようやく冷静さを取り戻しながら、反射的に体を捻る。連なる銃声を聴き、避ける。同時に、カウンターへと引っ込む頭が三つ。脚を狙われそうだった。
「クソが、避けられた!」
「完全に不意打ちしたと思ったのに……っ」
「なんなんっすかあのカボチャ!?」
「(あっぶねえぇ〜〜〜なんなのあの子達?もしかして撮影の邪魔をしちゃったから怒ったのか!?やっぱり僕のせいなの!?)」
危うく機動力を奪われるところだった方としては、別の意味でヒヤリとさせられるが、この三年間、体術や射撃を習えたおかげでリコリスである彼女達の動きをある程度読める事ができた。……が、そろそろ身体の限界も近づいてくる。ひとまず、天井を支える太い柱の影に隠れて数秒……
「ねぇ、カボチャ君はさ………
不思議に思う千束は、カボチャに語る。
「千束?……まさか……」
一体何を言っているんだっと疑問を抱くたきなは、隣で倒れている銃弾を喰らった傭兵部隊の仲間である男を確認すると……
「(!……生きている……それにこの赤い液体は……血じゃなく、ペンキ?)」
死んだと思っていた男達は、死んでいなかった。それに、胸や額にくっ付いている赤いのは血ではなく、赤色のペンキだった。
「まさか、非殺傷弾を……千束が気づいて……でも、どうして……」
“殺さない”っと知らず漏れた問い掛ける。彼女の言葉を聞いてしまい、人柱の影に隠れている
「(いや、別に殺したくないし……殺人犯になりたくないから。それに、何かグロいし…)」
人を殺さない理由は、ただ殺人を犯したくないだけである。だから彼は人が死なないように作製した
「(さっきから火薬の匂いがするけど……もしかして彼女達が持っている銃って本物じゃないよね?……いや、流石にないよね……)」
まだ彼は、この状況が銃撃戦である事を気づかす、どうやってこの場から脱出しようと考えた……その時………
ー建物内で大きな揺れが起き始めたー
「「「…っ!?」」」
地震でも起きたのか……っと思う程激しく揺れる。揺れ続ける中、壁や地面などに、ひび割れが起き始まる。
「な、何が起きてんだ!?」
突然の揺れに状況が追いつけないフキが叫ぶ。そんな中……
「………クソ……やっぱりやりやがったかっ!」
「え?何が……?」
「…………10式改だ………
「えぇっ!?」
リーダーの口から聞いた千束は、驚きを隠せなかったその時……
突如として謎の声と共に10式改が下から現れる。そして、左右に武装してあるガトリングを放ち、無数の弾丸がそこらじゅうに広がる。その場にいた他の傭兵とリコリス……
「(え、ちょっとこれまずくないいぃぃぃぃい!?)」
……そして蒼夜も、共に廃工場の崩壊に巻き込まれてしまい。地面の底へ落とされてしまった.........
ー同時刻ー
秘密機関、Direct Attack──通称DA司令部は混乱の極みに…
「く、楠木司令!10式改が移動しています!」
「このままでは、街に向かってしまいます!」
「ブラボー、チャーリーも沈黙!安否不明!」
「どういう事だ……フキ達の連絡は?」
「そ、それが……さっきから連絡が取れません!」
司令を努める女丈夫──楠木の冷たい言葉に、どうにか答えるその助手だったが、彼女も戸惑いを隠しきれない様子だ。叱責すべきかと口を開きかけ、しかし無理もないかと溜め息に変える。
「突然の電波妨害の次は、10式改が動き出す……か。」
苦笑と共に、眼前に広がる無数のディスプレイを見やれば、事前情報に基づいて設置された監視カメラが、惨々たる有り様が広がっていた。突如として動き始めた10式改が、止まる事無く先へ進む。その道中には、
「このままでは国の信頼どころか、大勢の犠牲者が出てしまうだろうな……」
険しい表情で口から漏れてしまう程、立ち尽くす楠木であった……
ーまた、別の場所では……
『作業終了!!作業終了!!ハッチオープン!ハッチオープン!』
『武装、機体の整備、安全確認……完了!』
『Gファイター確認モヨシ!』
『ビームライフルノ威力調整機能ハバッチリカ?』
『安心シロ、モウ既ニ完成シテイル』
『コッチモ作業ヲ終ワラセタゾ!」
『了解!
廃工場の地下にある秘密基地から隠しハッチが開かれ、ハローズ達のかけ声と共に
次回、ガンタンク(もどき)を…?
-
手加減してやれ……
-
やっちゃいなよ!そんな偽物なんか!