リコリコの世界にモブキャラとして転生したら、全てのモビルスーツシリーズが造れる件   作:フェルトファン

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再投稿日:2025年8月27日

※前話と同じく、物語の内容を大きく変更しました。











Episode 6 ガンダム、現代社会に立つ!! 後編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい!こっちまだ火消えねーぞ!」

 

「消火器の補充はまだか!?これ以上燃え広がると、街が全部燃えちまうぞ!!」

 

「だ、駄目だ!こっちも限界だ!」

 

「クソッ!炎の勢いがどんどん増えてくる!これ以上は……」

 

 東京の街の現場に配備された消防隊が街から溢れ出てくる炎を消化し続けるものの、未だに現場の炎の勢いは止まらず、更に悲惨な現場となった。燃え盛り、消そうとしても中々消えない炎。煙に巻かれ、炎に焼かれ、倒壊した建物に押しつぶされる。

 

 

「要救助者を確保!!まだ息があるぞ!!至急担架用意しろ!!」

 

「おい!こっちの子も怪我がひどいぞ!」

 

「せ、先生!もう治療箱が残ってません!」

 

「何だと!?えぇ〜い、探せ!まだ治療する患者が沢山いるんだぞ!」

 

 

 一方、逃げ遅れた一般市民を救助するレスキュー隊。そして、建物の瓦礫や放火に紛れてしまった市民の治療をする救急隊。

 

 しかし、どんな人手も足りていない状況である為に、緊急速報を聞きつけて他の地方からの応援も駆けつけて来た救急隊やレスキュー隊もその救助活動に加わり、消火やレスキュー活動に加わっていた。

 

 

「皆さん!落ち着いて慌てずに避難してください!」

 

「あちらには、炎の勢いが増えています!絶対に近づかないでください!」

 

「お、おばちゃん!そっち危ないから!」

 

 

 消防隊、救急隊、そしてレスキュー隊だけでなく、現場にいる警察官も必死に市民の避難誘導をしている。警察官としての誇りを持って。だが、彼らにとってこの状況は、想像異常であり、炎の熱の暑さのせいで汗を流している。

 

 

 

阿部(あべ)さん!こっちへの道が完全に塞がれています!」

 

「こっちもだ畜生!消防隊はどうした!?」

 

「必死に消火し続けていますが、炎の勢いが強すぎて……」

 

「━━チッ、やっぱりダメか.....だったら他の道を探せ!」

 

「は、はい!」

 

 

 市民の避難誘導をしながら、若い警官にまた新たな指示を出す阿部。この男は押上警察署の刑事であり、喫茶『リコリコ』の常連客の一人でもある。そんな男がなぜここに来たのかと言うとそれは今から数時間前、自衛隊の最新の戦車である10式戦車改が街へ侵攻してくるとの()()を聞き、阿部は部下と共に市民の避難誘導を始めた。しかし市民の避難誘導が上手く進まず、ついに10式改が街に侵攻してしまい情報通り街中で暴れ始めた。

 

 そこからは地獄だった。何の罪もない人がそこら中に転がり、運悪く炎余波を受けた者は、大怪我をする。延々と消えない忌々しい炎を食い止めながら、時には自分の足で動けない人々を運ぶ救助活動を行うも、始まってからもう一時間以上経っている。しかし驚くのは、それだけでは無かった。

 

 

 

「あ、阿部さん……あれは一体何なんですか?」

 

「分からん……少なくとも、これは夢じゃねーって事が分かった…」

 

 

 

 避難誘導しながら、自然と視線巨大人型ロボ(ガンダム)の方へ向ける。阿部だけでなく他の者達も目を奪われ、まるでアニメやSF世界に入ってきたのかっと自分達の視界を疑う。目撃した人々の中にはスマホを使って撮影している者もいるのだが、今そんな事をしている場合ではない。

 

「……あ、阿部刑事!!大変です!」

 

「どうした!?」

 

「別の建物が崩れてしまい、避難する場所がありません!完全に囲まれてしまいます!」

 

「そんなこと俺でも分かってるわ!とにかく探せ、無かったら俺たちで道を作るしかねーんだ!」

 

「も、無理だ……このままじゃ、俺達も……」

 

弱音を吐くな馬鹿野郎!!それでも警察官か!

 

 

 他の建物が次々に崩れ落ち、炎の勢いが進んでいる為に彼らがこうして作業を止まらずに行い続けなければ、今避難を行っている市民に被害が出てしまう。しかも周りに集まる炎の勢いに押され、既に受けていながらも彼らは引くに引けなかった。加えてもう一つの問題もあった。

 

「(クソ!さっきから無線機が使えねぇ........なんでだ!?)」

 

 刑事課、消防隊、救急隊などがが持つ無線機が突如繋がらなくなってしまい、情報を伝えるには自分の足で行かなければならなかった。

 

「(増援は……自衛隊はまだなのか!?)」

 

 

 

 未だに自衛隊は来ない…………その時……

 

 

 

「おい………何だよあれ……」

 

 

 ━━と若い警官が空を見上げてながら、呟いていた。

 

 

「どうした!?自衛隊のヘリが来たのか!?」

 

「ち、違います………あれは……ヘリなんかじゃない……」

 

「あ!?お前、こんな時に冗談を言っている場合じゃ…………な、何じゃあれ!?

 

 阿部も空を見上げると、上空から何かがこっちに降ってくる。

 

 

 

 その正体は、4機の赤い巨大ロボ(ガンキャノン)相当な高さが有るにも関わらず、重力を無視したかのようにフワリと着地する。

 

 

「あ、あああああ阿部さん!今度は別のロボがやって来ましたよ!しかも、あんなに近く..........本当に何なんですかあれ!?」

 

「し、ししししし知らねーよ!俺だって聞きてーよ!」

 

 目の前の光景に理解が追いつけない阿部刑事達はパニックになるも、全く気にもしない4機のガンキャノンはそれぞれの行動に移すのだった。

 

 

 

 

★★★

 

 

 

 

 

 

『皆!準備ハ、デキタ?』

 

『『『デキタ!デキタ!』』』

 

『ヨ〜〜〜シ!早速、人命救助開始!』

 

『『『オ〜〜〜!』』』

 

 

 蒼夜の指示で被害現場に到着し、地下の基地から遠隔操作をするハロ達は4機のガンキャノンを操縦していた。信越しで呼びかけ合うハロ達は掛け声と共にそれぞれの役割を持って早速に動き始める。

 

 

「クソ!火の勢いが………って!隊長あれ!」

 

「急にどうしt…な、なんじゃあれは!?」

 

 

 炎を必死に消火している消防隊の元に一体のガンキャノンが近づいて来る。突然やってきた事に思わず驚きの声を上げる消防隊員達の反応を気にしないガンキャノンは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、さっきまで勢いに押されていた炎があっという間に消えていた。その光景を見て消防隊員達は驚きながらも、思わず手を止めてしまう。

 

「頑張れー!もう少しだ!」

 

「む、無理だ………重すぎる!」

 

 また、別の場所で建物の下敷きになってしまった女性を救助しようと必死に瓦礫を退かし続けるレスキュー隊。しかし建造物の重量のせいで退かすこともできず、加えてまだ救助しなければならない人々も多く残っている。困難な状況の中でもう一機のガンキャノンが現れが、瓦礫となった建造物を揺らさないように両手で持ち上げた。

 

「よ、要救助者を発見!」

 

「ぼーっとするな!すぐに救助するぞ」

 

 運ぶのに困難な瓦礫が一気に無くなったおかげでレスキュー隊は急いで中に入り、女性を含め人々を無事に助け出す事ができた。

 

「ダメだ、こっちの道も塞がれているぞ!」

 

「このままじゃ焼け死に……ってうぉ!?」

 

 場所が変わって他に避難できそうな場所はないかを探す警官達だが、崩壊された建物の瓦礫が塞がっているせいで通る道が見つからない。ほとんどの人が“もうダメだ”と諦めかけた時、スコップの様な物を取り出し2機のガンキャノンが瓦礫の山へと向かい、誰でも安全に通れる道を作るかのように掘り上げていた。その光景を目にした警官達は驚きながらも、警察官の使命として守る人々の避難誘導を進める。

 

「せ、先生!もう医療キットが一つももありません!もう、これ以上は━━」

 

「何を言っているんだ!まだ怪我している人が沢山いるんだぞ!」

 

「酷い怪我だ……早くこの子を病院に運ばなければ!!」

 

「ヘリが来なきゃ意味がないんだよ!このままじゃ、手遅れに━━」

 

 大きな怪我を負ってしまった人々を懸命に治療する救急隊だが、あまりにも治療を受ける重症者が多すぎてついに予備のキットも使い切れてしまった。何処か大きい病院へ連れて行かなければならない状況の中、額に白い十字架のマークが付いているガンキャノンがやってくる。突然現れたことに驚きを隠せなかった救急隊の前に膝立ちをし、両肩と背中のバックパックから数体の四足歩行の無人機ロボット……オートマトンが飛び出てきた。しかもなんの迷いもなく救助隊達の前にダンボールの箱を置いた。

 

 突然の事で警戒を忘れない隊員の一人がその箱を恐る恐る開けと、中には大量の医療キットが入ってあった。しかも箱一つだけでなく、二、三個…否、それ以上の量がある。それだけでなく酸素ボンベや薬品、更に手術する道具も入ってある。その数はまるで“好きに使ってくれ。”と言っているような言いたげな感じだった。しかもそれだけでは無く、まだ治療もできていない患者達の近くに寄ったオートマトンは作業用のアームを生えてから治療を始めた。これには流石の救急隊も驚きを隠せなかった。

 

「なんなんだあのロボットは……いや今は!み、みんな!箱の中身を使って彼らの手当てを!」

 

「で、ですか……これは流石に怪しいかと…」

 

今はそんなことを言っている場合ではない!とにかく使うんだ!」

 

 

 

 

 

 

「アイツら……まさか人命救助をしているのか……?」

 

 目の前で起きた出来事に自身の目を疑う阿部は、ただ黙って驚いているだけしかできなかった。しかしよくよく思い返せば此方に襲ってくる様子も無く、むしろ本当に自分達の事を助けているんじゃないのかと思ってしまいそうになる。

 

 

「あ、阿部刑事……我々はどうすればいいのでしょうか!?」

 

「こっちに襲って来ません……もしかして味方なのでしょうか…?」

 

「そんな訳無いだろ、どう考えても怪しいだろ!」

 

 などなど様々な意見が分かれてしまい、味方か敵なのか分かっていない。同じく阿部も疑問を抱いているものの、今はどうこう考えている暇ないとようやく気づいた。

 

「………お前ら、今から他の隊達にも伝えろ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、残っている市民の避難誘導を続けろ!」

 

「えぇ!?し、しかし阿部刑事!上層部に連絡しなけr…」

 

うるせぇ!!そんな事をしている場合ではねーだろ!」

 

「しかし!本当にあのロボットを信用してもよろしいのですか!?」

 

「ここで焼け死ぬよりマシだ!安心しろ、責任なら後でいくらでも取ってやる!だからさっさと伝達してこい!

 

「「は、はい!!!」」

 

 指示に従った警官達は急いで伝達しに向かい、阿部は4機のガンキャノンが自分達の味方である事を祈りながら彼も人命救助へ向かおうと足を動かす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜同時刻〜

 

 

 

 

 

「………ねぇ〜たきなさん……やっぱりこれって夢だよね。」

 

「千束…残念ながら夢ではありません…」

 

 

 街へ向かっている最中に電波の回線が一時的に復帰し、スマホで現場の生中継を行っているニュース番組を観ていた。映像から映し出された街の光景を見る限り、彼女達は言葉が出なかった。街の中に進行した10式改がガトリングと砲で攻撃し、次々と街中の建物を破壊し続けている。実はこの惨劇が来る前、DAが事前に裏で避難誘導を進ませたっとミズキが教えてくれたが、映像から見る限りまだできていない。昨日まであったはずの建物は崩れ落ちてしまい、所々から溢れ出てくる炎の海。平和だった東京の街が炎へと包まれている。やがてテレビ画面の外側から聞こえてくる悲痛な叫び声と必死で逃げ回る人々の様子が映し出された途端に、映像は途切れたまま再開することなく終わっていた。

 

 呻くような吐息が、彼女達の口から僅かに漏れる音を運転をするミズキは聞いた気がした。やがて街についた途端、信じられない光景を目にする。

 

 

「先輩……自衛隊に人命救助ロボットってありましたっけ?」

 

「聞いた事ねぇ……つーか、まじでなんだあれ……」

 

「…………なにこれ?ここってSF世界だっけ?つーか、さっき私が見ていたあのでかいロボットの他にもまだいたの!?」

 

 車を運転しているミズキや後部座席に座っていたフキとサクラも、人命救助するガンキャノンの姿を目にし驚きを隠せなかっ

 

「━━っ!千束、あれ!」

 

 そんな時にたきなが何かを発見し、その方向に指を刺す。彼女の声に反応した千束も視線を変えると、そこにはついさっきまで自分達も前に現れたガンダムが10式改と対面していた。

 

 

「ミズキ、あそこまで運転できる!?」

 

「いやいやいやちょっと待ちなさいって、まさかあそこまで行くつもり!?無理無理、そもそも車で通れる道がもう無いんだからね!」

 

「だったら私行ってくる!」

 

「えっ!?ちょ、ちs「私も行ってきます!」…た、たきなまで!?」

 

 ミズキの言葉に耳を貸さず車から降り、ガンダムの方へ向かう千束と彼女を追うたきな。

 

「おい!待て!」

 

「ちょ、待ってくださいよ先輩!」

 

 ついでにフキとサクラも車から降り、彼女達を追うことになった。

 

「はぁ!?アンタ達まで……あぁ〜〜〜もう!待ちなさいってば!」

 

 その場で一人残されたミズキも、結局追う事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、ガンダムのコックピット内で10式改の様子を見る蒼夜は…

 

 

「ハロ……そっちはどう?」

 

『避難完了!避難完了!』

 

『コッチモ、避難完了!』

 

『消火モ問題無シ!』

 

『イツデモOKダヨ!』

 

「よし、ありがとうハロ……これならビームライフルを使える!」

 

 通信から聞こえるハロ達から、全ての一般市民の避難完了の知らせを知った蒼夜は、目の前の敵…10式戦車改に再び視線を向ける。これ以上被害を増やさない為に、10式改を完全破壊しようと決意した。

 

 

 

 

「(な、なんなんだよアイツ!?)」

 

 

 無傷であるガンダムと比べて、装甲や武装が完全にボロボロの姿になってしまった10式改。その操縦席に座るベネットは今までにない敗北感に、焦りを感じる。

 

『(く、くそ……なんで俺がこんな奴に...!)…お、おい!いい加減に黙らねーで、喋ったらどうなんだ!?』

 

 外部スピーカーを入れて叫ぶが、やはりガンダムからは何も答えてくれない。

 

『クッソ!なんで喋らねーんだよコイツ………いや待てよ………そうか……そういうことか……お前、あの時のクソカボチャ野郎だな!

 

 ここでようやく誰が巨人(ガンダム)を操縦しているはあのカボチャ頭であると察したベネットは更に怒りが増え、10式改に装備されているもう一つの武装を使おうとする。

 

『上等だ!こっちはこっちで、テメーをぶっ殺してやるよ!』

 

 怒鳴り声を上げると共に10式改の全体からハッチを開き、()()()()()()()()()()。しかも相談されているミサイルは自衛隊の攻撃用ヘリコプター"AH-1S・コブラ"のと同じ装備であり、搭載されているのは対戦車用の小型ミサイル。その数は、最大150発まで発射する事が可能。

 

 

『ハハハハハ!!コイツなら、テメーをすぐにこr……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バッキューン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ベネットがまだ話しているにも関わらず、いつの間にかガンダムの右手に装備してある銃型の武器……()()()()()()()

 

 

 

 

 ドォォォン!!!!

 

 

 

 その直後に銃口から光線(ビーム)が放たれ、10式改のミサイル砲を見事に命中した。

 

 

 

『━━━はぇ?』

 

 

 鳴り響く警告音と共に、思わず情けない声を出したベネットは目の前で起きた出来事に頭が追いついていない。しかしそんな余裕を出せまいと、ピンク色の光線が再び襲いかかる。

 

 

 

 

ーガンダムへ向かおうとする千束とたきな…

 

 

ー彼女達を追う者達も…

 

 

ードローンで映像を観るミカとクルミも…

 

 

ーDA本部の管制室のいる者も…

 

 

ーそして、避難する人々も…

 

 

 止まらないピンク色の光線(ビーム)が10式改に降り掛かり、次々と装甲を破壊し続ける。ベネットも残っているミサイルと機関銃を使ってガンダムを攻撃しようとするも素早く回避されてしまい、その隙にバルカンを使ってあっさりと返り討ちにされる。もはや反撃する隙もなく、ついに最後の遠距離装備も破壊されてしまうのだった。

 

はぁ、はぁ………クソ……クソ!クソ!』

 

 ガンダムからの攻撃を受けてしまうだけの10式改は無惨な姿への変わり果て、操縦席のモニター画面から『エンジンの損傷が発生…すぐに脱出の準備をしてください。』とのパネルが開くと同時に警告音が鳴り響く。

 

畜生……こんな奴に……こんな奴に━━━ッ!』

 

 まだベネットが軍人時代だった頃、今まで負けた経験は一度も無かった。だが目の前にいる巨大ロボ(ガンダム)が現れてから、何故か()()()()()()()()()()()

 

『━━━っ!な、なんだよこれ……なんで俺……』

 

 今までに感じなかった“恐怖”を抱き、恐る恐るガンダムの方へ視線を向けるベネット。

 

 

死神の目だ

 

『あ……あぁ……』

 

 10式改のモニターの向こうから目にしたガンダムから湧き出る威圧感を目の当たりにしたベネットは、恐怖に慄いていた。目の前と辺りに転がっているのは、爆発炎上のガトリングやミサイル砲などの装備の残骸だった。無惨な姿になった10式改に対して、完全無傷でありながらまだ動き続けるガンダムに勝てる未来が見えない。

 

『ああ、あ……あっ……』

 

 そんな中、敗北を知らないベネットの視界がモニターの向こうに映るガンダムの姿を捉えた。

 

『………ふ………ふざけるな!!!

 

 恐怖と絶望に頭も心も塗り潰されたベネットは自身の頭が一瞬で沸点を超え、10式改の左右から破損された機関銃から災害用のアームショベルとクレーンに切り替えた。

 

『こんな所で終わらねーんだよ俺は……それに!て、テメェなんか……テメェなんか怖かねぇ!』 


 

 自身から恐怖を無くそうと必死になるベネットは操縦桿を強く握りしめ、キャタピラのエンジン音が鳴り響きかせる。

 

 

 

━━━野郎ぶっ殺してやるるぁあああああ!!!!

 

 

 ベネットは絶叫しながらガンダムに向かって、両アームのショベルとクレーンで突進した。だが機体を無理に動かせてしまったせいなのか、内部から破損する音が聞こえる。

 

『ああああああああああああああ────!!!!』

 

 炎を纏いつつもガンダムに向かって突進する10式改。目の前の敵を殺したい、その一つだけの事柄のみがベネットの頭を支配する。もはやその執念ともいえる決心が、10式改造を動かしていると言っても過言ではなかった。だが、その盲目的なまでのガンダムへ向けられた怒りが、ついに果たされることがなかった

 

 向かって来る10式改の前にガンダムは避ける事無くビームライフルと盾を一旦地面に捨て、ランドセル左右に装備されている()()()()()()()を右手に装備した直後、ピンク色のサーベルを展開する。

 

 

 

 ブォン!!!

 

 

 展開したサーベルを振り回し、10式改の左右のアームを斬り落とす。キャタピラも斬り刻んだ。そして動かなくなった10式改の上半身もサーベルで斬り抜かれてしまい、操縦席がある上半身は斬撃によって宙へ浮いてしまう。

 

 

 

 

「━━━ちくしょう……

 

  

 斬撃によって地上に残った機体の下半身が赤熱に歪みた途端に爆散し、残された上半身はスローモーションのように地面へと落ちてゆく。操縦席にいるベネットは無事でありながらも、圧倒的な力を持つ巨人(ガンダム)の前で何もできなかった事に悔やみ、今まで味わなかった“戦いの恐怖”に怯えてしまった。衝撃に耐えるベネットの耳に、危険を知らせる警告音が聞こえてくる。

 

「────んだ、お前は……」

 

 大破寸前の10式改のコクピットの中、ビームサーベル斬りかかってくるガンダムの姿をメインモニター越しにベネットはぼんやりと見つめていた。

 

 

「何なんだ、お前は……お前は………一体なんなんだよ!!!

 

 

 叫ぶベネットの問いに答えが無く、地面に落下直前の10式改の事を見据えるガンダムはサーベル……

 

 

 

 

 

 の()()()()()()()()……

 

 

 

 

 

 

 

ボコォ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「べラボォ!?」

 

 

 

 

 

 

 コックピットごとを文字通り()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 殴られたとほぼ同時にベネットの頭に激痛が走り、そこから痛みが波状的に広がって指先一つまともに動かせなくなった。やがて10式改が地に落ちるよう空を天井に倒れ、視界が薄れる中でもベネットは目の前の機体から目が離せない。

 

 その瞬間、通信越しから声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

「ただの一般人(モブキャラ)だ」

 

 

 

 

 

 

 

 ────嘘つけ。

 

 

 

 ベネットは手放す意識の中で、最後にその言葉が浮かんだのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★★★

 

 

 

 

 

「………やっべ……ちょっとやりすぎたか…?」

 

 コックピットのモニターに慌てて視線を戻し、破壊した10式改のコックピットを覗く蒼夜。

 

「あぁ……よかった……生きてる…」

 

 

 ホッと一息をする蒼夜。細かいガラスの破片や、外壁の残骸が落ちている。それでも実際に倒れているベネットは生きており、今はただ気を失っているだけである。何故彼はそうまでして確認したいのか、その理由は先の他の傭兵達と戦っていた同じ理由でもある()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「(いや〜それにしても()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……原作と同じだったら、この人死んでたんだと思う……)」

 

 原作でガンダムシリーズが持つビームライフルの威力は凄まじく、街の被害を大きく出してしまう恐れもある。だからこそ以前から蒼夜は()()()()()()()()()()()()()()()ように設計しており、簡単にまとめて解説をすれば、つい先程使っていたビームライフルは原作よりも大幅に威力が下がっているという事である。

 

「とりあえず、殺してはない事が確認できてよかったよ……ハロ、聞こえる?」

 

『聞コエルヨ!聞コエルヨ!』

 

「今、状況はどんな感じ?」

 

『一般市民ノ避難大成功!』

 

『火ノ消化モ、大成功!』

 

『マダ治療シテイル人モイルンダケド、今ノ所犠牲者ハゼロ!』

 

「そうか……よかった……もしまだ治療が必要な人を見つけたら、治療してあげて。それが終わったら撤退しよう。後は、自衛隊がやってくれると思うし。」

 

『『『『了解!了解!』』』』

 

 ハロ達に撤退の指示を出す蒼夜は、通信を終える。

 

「さてっと………どうしようか…この人…」

 

 破損されてしまった10式改のコックピットに気絶しているベネットをどうするのか考える蒼夜。

 

「いや、今ガンダムで届けたらびっくりするだろうし……なんかもっといい方法はないかな………ん?」

 

 気を失っている男をどうすれば良いのかと考えた時、ふとモニター越しに千束とたきなの姿が映し出されていた。

 

 

 

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

 

 

 

「えぇ〜〜、何これ……」

 

 

「まさか……ここまで破壊するなんて…」

 

 

 ようやくガンダムの元へ近ずく事ができた千束とたきな。だが着いた頃には、10式改は既に無惨な姿へと変わっていた。彼女達が驚く中、ガンダムの周りを浮遊していた1機のドローンが現れる。しかもそれは恐らくDAの物なのだろうと知った途端……

 

 

 

 

 

バン!!!

 

 

 

 なんの迷いもなく頭のバルカン砲でドローンを破壊したガンダム。その光景に二人は思わず銃を手に取り、再度警戒態勢を取った。しかしそんな二人に危害を加える事なく、右の手の人差し指で残骸となった10式改の方へ指す。千束がそのポーズを見て少し疑問を抱いたが、それでも言葉で通じる必要もないのか手を下ろしたガンダムは少し後ろに下がる。その様子に一応信じることにした2人も銃を下ろし、コックピットの中を覗く。

 

 

「━━━っ!千束!」

 

「………間違いない……さっきの傭兵さんだね…」

 

 

 白目を剥いた状態で気絶しているベネットがいた。彼女達は再びガンダムに視線を向けると、まるで“後は好きにしてくれ。”と自分達に伝えているような気がした。

 

 

「……あなたは……私達の味方……なんですか?」

 

 

 

 思わず反射的に尋ねてしまったたきなの質問にガンダムは答えない。やがてビームライフルと盾を回収し、いつの間にか地上に降りたGファイターの上に乗ったガンダムは後ろに振り返らず、そのまま上空へ飛んでいってしまった。市民の救助活動を終えたガンキャノンを乗せたガンペリーがGファイターの後を追う光景を目撃する。

 

 

 

 

「行っちゃいましたね………」

 

 

「………うん…」

 

 その様子を見ていた2人は少し経った後、体の力が抜けたようにその場に座り込んだ。ついでに気絶しているベネットをワイヤーで拘束した。

 

「ねぇたきな………これって夢だったのかな……?」

 

「何度も言わせないでください………ですが、私もそうだと思いたいですよ・・・ただ、この状況を見て、ぜーんぶ現実なんだって認識させられてます。」

 

 2人の目の前には、すでにほぼ大半が崩れ落ちた建物とその瓦礫。ガンダムと10式改が戦った結果あちこちが陥没・ヒビが入った地面が、今起こったことは全て現実だと否が応でも認識させていた。

 

 一体なんなのか……そして、あのカボチャ頭は一体何者なのか……など、色々な考えが頭を行ったり来たりしており、とてもすぐには考えはまとまらなさそうだった。

 

「たきな……クリーナー……」

 

「スマホ持ってませんよ……それはともかく、あの巨大ロボ……それにあのカボチャ頭は私達の味方……で、いいんでしょうか?」

 

「う〜〜〜ん」

 

 味方か敵かは未だに全く分からないまま考える千束。先程まで上空へ飛んでいってしまったガンダムは消えてしまったが、その空を見上げる彼女にたきなは声を掛ける。

 

「千束、どうしたんですか?」

 

「いやさ………あのカボチャ君にさ、伝え忘れちゃったんだよね〜」

 

「伝え忘れた?何を?」

 

 

 千束が漏らした後悔が何かを尋ねたところ、千束はこう答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「街のみんなを助けてくれて、ありがとう……って。」

 

 

 

 

 

 さっミズキ達を探そう!と千束はすっかり良くなった体で走り出すと、待ってください!と、たきなも走ってその後を追いかける。

 

 

 しかし、この時誰もが気付いていなかったことがあった。

 

 

 

 

 

 

─────そのカボチャ頭が、ただの一般人(モブキャラ)である事を……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜同時刻〜

 

 

 

==DA管制室==

 

 

 

 

「あ、アンノウン……上空へ向かってしまいました……」

 

「ドローンで追うことは?」

 

「ダメです!流石のドローンでも高度の限界があります!」

 

「し、司令!追跡が途絶えてしまいました!」

 

「ーーーーそうか……」

 

 

 ついさっき、アンノウン(ガンダム)の解析をしようとドローンを寄せたが…流石に気付かれてしまい、頭の機関銃…のような武器で破壊されてしまい、映像が途絶えてしまった。

 

 

 その後、ラジアータの機能がいきなり復帰し、急いで再び追跡しようとする……しかし、追跡も不可能となってしまった……

 

 

「アンノウンに関しては後回しだ!今は、自衛隊の派遣を急げ!」

 

「りょ、了解!」

 

 楠木の指示を聞いたオペレーターの人達は、慌てて作業に戻る…

 

 

 指示を出した楠木は少し緊張を解き、軽く息を吐いた、それに合わせるかのように、秘書がどうぞ、と水の入ったコップを手渡した。

 

 助かる。とだけ言い水を口に含む楠木に、秘書はどうしても聞きたかったことを聞いてみた。

 

「あの、司令………あれは……一体なんなのですか……少なくとも…」

 

 怒られることを覚悟の上で、秘書はどうしても先程のアンノウンについて質問をしてみた。しかし、楠木は怒ることもなく……

 

「分からん……少なくとも、アレは日本の技術で作れる物ではない…」

 

 モニターを見る楠木。実は、ドローンが壊される前、音声が取れなくても、なんとか映像を録画する事ができた。

 

 再び映像を見返すと……正直、あれは最先端技術が詰め込まれている。しかも、あの最新式の戦車、10式戦車改よりもだ…

 

 それにあの4体の巨人(ガンキャノン)も恐らくあれらも先のアンノウンの仲間だろう。

 

 一体どれだけの技術を持ってあそこまで造り上げられたんだと、流石の楠木も口には出さなかったが驚きを隠せなかった。

 

 

「お前は………何者だ……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜その頃、ガンダムのコックピット内にて〜

 

 

 

 

 

ヘックシュン!!…なんだ?誰かが噂をしているような………」

 

 

 

 その通り、謎の秘密組織に目を付けられている事に気づいていない蒼夜。

 

「はぁ……明日、バイト遅れるな……しかも初日で……」

 

 そう言うと、明日なんて謝ればいいんだろうと考える一般人……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜本編登場MSオリジナル部隊(追加設定)&オリジナル武装設定〜

 

 

 

〜ガンキャノン救助部隊の4機の機体詳細〜

 

 

 

 

機体:ガンキャノン(消防型)

 

 

 見た目は変わらないが額には炎のエフェクトマークを表しており、240mm低反動キャノン砲の中には消化用の水が大量に放出する事が可能。ちなみにバックパックに装備されているタンクの中身が空っぽになってしまったら、予備用のタンクに入れ替える事もできる。

 

 

 

機体:ガンキャノン(作業型)× 2

 

 

 額には工事の“びっくりマーク”のようなエフェクトマークを表しており、MSサイズのスコップなどを利用して瓦礫などを退かす作業も可能。

 

 

 

機体:ガンキャノン(救急型)

 

 

 こちらも額に白い十字架のエフェクトマークを表しているが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。非戦闘用として作られた作業用のMSだが、背中に背よっているバックパックから数体のオートマトンを出現させ、医療キット箱や食料箱も届け、怪我や病気の治療を行う事も可能。ちなみにガンダム00二期や劇場版に登場するオートマトンの見た目た似てはいるが、救急用として白と赤のカラーに染められている。

 

 

 

 

〜ビーム設定〜

 

 

 

 この世界ではビームの威力を自由に設定する事が可で、以前蒼夜がMSが使用するビーム兵器の威力を自由に設定できないかと考え見事に成功した。*1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
※この設定でこれからの物語に使用しますので、どうかよろしくお願いします by作者





質問、こんな一般人(モブキャラ)がいてもいいのでしょうか?

  • こんなの一般人ではないではない!
  • いや、あれは一般人だ。私がそう判断した。
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