リコリコの世界にモブキャラとして転生したら、全てのモビルスーツシリーズが造れる件   作:フェルトファン

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 感想欄でビームについて触れられたので、それについて解説します。

 本作ではビームやサーベルなどの威力を上下設定できるようになるという設定になっております。簡単に例えるなら、今までガンダム作品に登場するビーム武装の威力を下げる事で、現代社会でも被害を少なくする事も可能となっております。



 つまり、一般人君がビームが放射できる武装を使用する時、相手が死なないよう威力を最大限まで低下していたのであります。



 説明不足で本当にすみません…。



 なお、今回はMSの登場はありません。




Episode 7 日常の変化

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何事にも時には流れというものがある…

 

 

 

 

 時間、歴史、そして人の意志もそうだろう。

 

 常に絶えず、変化し、そして進化する。それを流れだと人は呼ぶ。

 

 そしてこの世界にも、流れがあった。

 

 始まりは幻想(空想)理想(現実)、そうと気付かなかった妄執か。

 

 いや、彼等が魅入られた力の原点を辿れば、果たして始まりは何時になるのか。

 

 だが、この世界もまた、一つの流れの中にあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜日本のとある記者会社〜

 

 

 

「それはこっちに回せ!おい君、これはそっちだ!」

 

「編集長!こちらも見ていただけないでしょうか!?」

 

「おい誰か!出雲さんに電話してくれ!」

 

「クソっ!…いつになったら終わるんだ!?」

 

 

 あの事件が終えてから慌ただしく朝一から日本の記者会社が動き回る……恐らくここだけでなく、全国もそうだろう。

 

 人の口は絶えず、その足は止まらず、目は忙しなく文字を追い、耳は常に何かしら、誰かの言葉を聞き取っている。

 

 ひっきりなしに鳴る電話の音が煩い。文字を書く手が疲れた。途切れることなく行われる会議、話し合い、論争に声はしゃがれ、喉はカラカラで痛い。

 

 それでも、誰も止まらない。まるで、一歩でも足を止めれば、乗り遅れてしまうとばかりにせかせかと動き続けていた。

 

 

 その発端は()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 しかし、その僅かな間に起こった出来事は、日本全国を急き立てた。

 

 

 

 誰が予想していただろうか……いや、恐らく誰も予想だにしなかっただろう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜◯◯県、とある街中〜

 

 

 

 

 

 

「なぁお前、今朝のニュース見たか?昨日東京でとんでもねぇ事件があったんだってよ。なんでも、街が半分以上壊滅的被害を受けたって話だぜ。」

 

「え?マジで………うわ、マジじゃん。」

 

「……何これ、どうしたん?」

 

「いやなんでもよ、東京の街で自衛隊の最新式戦車が暴走したって報道されてんだぜ。まあ、どこまで正確な情報なのかは分からねえけど……しかも昨日のことだぜ…」

 

 

 ビル下町の喫茶店で飲む三人の大学生。その一人が、二人に昨日の事件の事を話していた。当然二人は知らなかったので、スマホを使って公式ニュースの報道を調べていた。

 

 

「おいおい、これって最近話題になってる10式戦車改だっけ?ってか、これ完全に街燃えてね?」

 

「うわ本当だ。この動画よく撮れてんな。」

 

「あ〜、確か動画も載ってるぜ。」

 

 と言ってスマホを操作し、その動画を見せる。そこには10式改が東京の街中で暴れ回っている映像が映っていた。当然、彼らだけではなく、この店にいる他の客もそして店以外でも…この事件について見ているだろう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーあの事件から一夜明けー

 

 

 

 

 

 

 

 

 日本全国の地方から集まる、消防隊、救急隊、そしてレスキュー隊。普段ならそこまでの数を東京の街にには派遣しないはずだが、この被害の大きさを考えればそれを無視してでも駆り出して消火活動や救急活動などに勤しまねばならなかったのだ。

 

 共に指揮しつつ、他の生存者を探す地元の隊と協力して残っている街の消火を行うこと数時間、ようやく応援を要請していた自衛隊が駆けつけてきた。

 

 そうして足りなかった人手を得たことで数時間かけてようやく残りの鎮火に成功するも、それによって判明したあまりにも凄惨な被害者数と、失われた建物や施設の数に皆が沈痛な面持ちとなった。

 

 

 また、東京の街の外れにある避難所に、多くの人が集まっていた。一応確認をすると、死亡者は奇跡的に()()である。

 

 

 なぜなら、DA本部が10式改が東京の街に侵攻してくる事を予想し、秘匿で警察組織に情報データを送っていたのだ。もしも10式改の暴走を街に侵攻する前に阻止できていれば、一部の建物で火災事故が発生と偽の情報を表に出すはずだった。

 

 しかし、結局阻止することができず、街に侵攻してしまった。死亡者はでなかったもの、少なく見積っても重軽傷者含む被害者数は一万人以上を越えている。中には、腕の皮膚を完全に火傷してしまい、もう今後動けないんじゃないのかと思うほどの重症者もいる。

 

 

 そして東京として致命的であったのは、多くの観光客が集まる浅草の有名スポット、“雷門“がこの事件で失われてしまったことと、高額な金額で建設した建物や歴史的な建造物などが完全に焼失してしまったことであった。

 

 

 まさに、旧電波塔事件以来であり、十年ぶりの大事件でもある。

 

 

 後に【10式戦車改暴走事件】と名付けられる事になるその災害は日本の治安を荒らす荒波を引き起こした。これにより、かねてから低調気味であった日本政府の権威は更に低迷し、本格的に彼らの必要性に疑問視を抱くようになっていく……

 

 

 

 

 

 

 

 

『今野さーん、そちらはどんな状況でしょうか?』

 

『は、はい!現場の熊谷です!こちらは、陸上自衛隊◯◯基地では……』

 

 とあるテレビ番組の画面に東京の陸上自衛隊の会議場が撮される。既に始まっている、会議場を映しながらリポーターが話し始める。

 

『あの事件があった翌日……もの凄い批判の声が上がっています!』

 

 

 その中、様々なカメラのレンズが会議場に向け、一斉に注がれる。

 

 

 その画面の先に映されているのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この責任を一体どう取るのですか!」

 

「説明をしてください!」

 

「自衛隊のセキュリティは一体どうなっているのですか!?」

 

「東京で、私の夫が大怪我を負いました!」

 

「アンタ達が造ったあの戦車のせいで!ウチの家族にも被害があったんだ!」

 

 

 

 

 10式戦車改を保管した基地、陸上自衛隊の責任者と上官、及び10式改の開発者。更にその開発費や計画の案を考えた国会議員も参加。その席に座る彼らの前に、彼らに批判の声を浴びせるマスコミ関係者、更に東京で被害に遭ってしまった人々の関係者達。

 

 

 そして、国会中継、受信料絶対徴取の某公共放送局が筆頭に義務的に中継している。もちろん、ネットサイトの生中継も入るようになった。

 

 

 

 また、掲示板サイトやネット内にて、

 

『自衛隊、ついにやらかす』

 

『平和の掟を破ったアホども』

 

『日本の恥』

 

 

 

 

 などなど、ネット上でのコメントでも、世間は彼らに対する批判の声が段々と広がっていく。なぜここまで批判の声が上がっているのか、その理由は二つもある。

 

 

 

 

 

「議員にお尋ねします!事件当時、貴方が自衛隊の出動を拒否したと言う噂は聞きましたが、それは本当なのですか!?」

 

 

 と、マスコミの男性が国会議員に尋ねる。この会見を行ったのは初めてなのか、議員は戸惑っていた。

 

 

「………え…えっと……それはですね……」

 

 

「何とか言ったらどうなのですか!」

 

 

「「そうだそうだ!!」」

 

 

 更に他のマスコミからの圧がかかり、何喋っていいのか困惑している議員。その時…

 

 

「開発チームの方々に問います!今、私が入手した情報によれば、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!それは、事実でしょうか!?もしもそれが本当なら、その暴走を止めなかった原因は、開発者であるあなた方が原因ではないのですか!」

 

 

 また、今度は記者の女性も10式改を開発した開発チームに問う。

 

 

「そ……それは……」

 

 

 

 戸惑う開発チームの責任者の回答に記者、マスコミ、そして視聴者の注目が集まる。その回答は……

 

 

 

「じ、()()であります……10式戦車改は、コンピューターウィルスに感染してしまい、この様な事件が起きてしまいました……」

 

 

 集まる中、開発チームの責任者は焦りとした態度で言葉を走らせた。その言葉に記者、マスコミ、そして被害者の関係者は騒然となった。その声を押さえると、今度は、陸上自衛隊の上官と基地管理の責任者はどういった原因で暴走したのかを語っていく。

 

 

「ーーーーー昨夜、私達は、確かに間違いなくいつも通りに機体の検査をしました……あの事件が起きるまでは……」

 

 

「恐らくその時……いや、もっと前から……ウィルスに感染してしまっただろう━━━」

 

 

「もっと前からなのですか!?それはつまり、今までずっと気づかなかったと言うことなのですか!」

 

 

「…………はい……私達が語っていたのは、()()()()()()()()()()()()。今回の事件に責任を感じ、私は本日より議員を辞任することにしました。関係者の皆様、そして被害に遭ってしまった皆様も……本当に……本当に申し訳ございませんでした!」

 

 議員を含めた多くの責任者達は暗い表情で立ち上がり、謝罪の言葉と共に頭を深く下げる。

 

「━━━ふ、ふざけるな!

 

「まだ納得できてないぞ!」

 

「議員!どうか説明をお願いします!今回の事件についてもう一度っ!」

 

「こっちの家族にも被害が出てんだぞ!」

 

 しかしまだ納得できない者は多く残っており、批判な声を上げるばかり。議員らもも頭を下げ続ける事しかできず、ネット上でも批判なコメントが投稿されていた。

 

 

 

『うわ、マジかコレ』

 

『はい、政府完全にやらかしたな』

 

『てか開発費っていくらだっけ?結構赤字じゃね?』

 

『責任とれ!責任!』

 

 

 

 

 この会見により開発に関わっていた者達は責任を取って辞任する形となり、10式戦車改の量産開発は禁止すると同時に破棄処分となった。同じく政府側も今回の出来事で起きた被害者に多大なる請求や損害賠償など、毎日頭痛が感じる日々を送るだろう。

 

 

 

 しかし、世間が注目するのはこれだけではなかった……

 

 

 

 

 

 

 世間では突然現れた未知に対して沸き上がり、それは突如街に現れた巨大人型ロボット(ガンダム)。『10式戦車改暴走事件』はその日のどの夕刊の一面にも印刷されていた。

 

 大きな一面を飾ったのは、ガンダムの姿だった。

 

 とある新聞には、こう見出しがつけられていた。

 

 

『東京の街に、巨大ロボがやってきた!』

 

 

 

 など、ある動画サイトに投稿された東京の事件の映像は、一日で何百万再生もの記録をたたき出したという。特に、アニメファンの人々や特撮ファンにとってとても興奮したのだろう。

 

 日本国のやらせではないかとの声も上がったことがある。しかし、別のアングルから撮影された映像は、何百も別のアカウントで投稿され、実際に東京街にの現場には大きな傷跡が残されているのだ。

 

 そのリアリティ及び事実関係は、敵を撃つ光線銃や光線剣など、安易なCGによる合成ではないことを物語っていた。また、この事件に遭い、そのロボットを目撃した人も多く、人々は『紛れもなく事実である』と取材に来た記者にも話していた。まさに架空ではなく現実である。

 

 

 そして、国会議事堂では緊急特別国会が組織され、その巨大ロボについて議論を繰り広げている。『あれは何なんだ!?』や、『一体どこの国があんな物を造ったのだ!?』と、などなど疑問を持つ者が多かったのだろう。

 

 人々の今一番の関心も、この事件に向いていることだろう。

 

 特に、巨大ロボに対する反応がすさまじい。

 

 連日どの新聞も、そしてネットニュースにも一面を飾る10式改と戦うガンダムと人々の人命救助をしている4機のガンキャノン。

 

 その動画を公開しているチャンネルや、バンダ◯チャンネル(特にロボットアニメ)でも、視聴者や加入者が爆発的に増えたとの報告があった。またテレビ上でもその映像を速報として動画を出し、どのチャンネルでもうめつくされていた

 

 あの事件で10式戦車改が暴走した事に関する話題も確かに存在する。

 

 しかしそれを押しのけて世間の話題をさらっている巨大ロボは、やはり人々の間で爆発的な人気を誇っている証なのだろう。特にロボット好きの子供やロボットオタクの人々にとっては…

 

 

 事件から一夜明けた日本。しかし日本全国ではなく、世界中にも話題となった。すべてのメディアは『日本に突如現れた巨大人型ロボット』に話題となる。もちろん、SNSなどでも大きく話題となり、トレンド一位にもなった。

 

 また、ニュース、新聞、雑誌、ネット…あらゆる方面で、ガンダムについての論議がされている。

 

 

 

開発者に恨みを持つ人物による愉快犯・説

 

どこかの国が日本へ宣戦布告・説

 

未来から来たタイムトラベラー・説

 

宇宙人の地球侵略作戦・説

 

アラン機関が造った・説

 

本物のマジ◯ガーZ・説

 

 

 

 

 などなど、差異はあるが、一番の話題はガンダムの正体だった。

 

 どのメディアも血眼になって追っている。朝から『巨大ロボ』の単語を聞かない者はいない。当然、会社や学校でも話題で持ちきりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、─────DA本部

 

 

 

 

 

 

「「「「せ〜〜の!」」」」

 

 

 

 

 千束とたきな、そしてフキとサクラの四人はDA内にある警察の取り調べ室のような所で、描いた絵を楠木に見せた。そして、タブレットの画面越しにミカも交じっている。

 

 そして描かれた絵は、差はあるものの一応一致はしていた。

 

 ーーーとは言っても、事前に彼女達から話を聞いて想像した通り、絵はいたってシンプルである。 カボチャのような頭部に目や口、まさにジャック・オー・ランタンである……はずだったが……

 

 

 

 千束は……なぜか少女漫画に出てきそうなキャラ…しかも結構美形に。

 

 

 

 たきなは……目と口は正確に書いてあるも、顔の形は独特である。カボチャではなく、ピーナッツである。

 

 

 サクラは……ゲームに出てくるキャラクター( ※ マインク◯フト)

 

 

 フキは……普通である…

 

 

 

 にも関わらず、絵は意外と一致しており、逆に言えば、カボチャ頭の顔はそれほどまでに描きやすい顔、ということなのかもしれない。

 

「ぐふwたきな……それ、ピーナッツじゃん……むぐ!」

 

「なっ!わ、笑いましたね千束!そっちこそ、目と口全然違うじゃないですか!」

 

「どっちも違うだろ!ってかサクラ!なんでゲームの顔なんだよ!?」

 

「いやいやフキ先輩こそ…………………意外と普通っすね。」

 

「お前ぶっ飛ばそうか!?」

 

 

 描いた絵がピッタリ………とまでは言わないが、それでも大まかに見れば絵に関し言い合っている彼女達を横目に、楠木は四人の絵を見ながら、否が応でもやってくる頭痛を抑えようと、片手で頭を押さえながら何度も聞いたことを再び質問してみる。

 

 

「これがお前達が見たあの巨大人型兵器を操縦する正体……一応何度も聞くが、ふざけているわけじゃないんだな?」

 

「ふざけてなどいません楠木司令!私達は確かにこの目で見ました!本当なんです!」

 

「信じてくださいよ〜楠木さ〜ん。」

 

 ここに四人が来てから何度も同じ質問をしているが、返ってくる答えは変わらず一緒だった。

 

 

 事件から翌日、千束とたきなはDA本部へと呼び出されていた。もちろん呼ばれたのは楠木であり、本部にいるフキとサクラも同じ理由である。

 

 

 本来ならば事件のあの日、すぐに来させようとしたが、まだ四人とも整理が出来ていない、とミカからの連絡であり、せめて彼女達にもう少しは休みを与えろという休暇を申請し、仕方なく今日の昼に本部へ来いという事なった。

 

 その間に本部は、映像の解析をしていた。

 

 理由はもちろん、巨大人型ロボット(ガンダム)についてである。

 

 

 廃工場内に侵入した時、ドローンの録画データの中になぜか()()()()()()()()()()()()()()()()。結果、当事者である千束達が唯一の情報源であり、こうして話を聞いている。

 

 そして最も更に頭を悩ませたのが、巨大人型兵器が突如現れ、ピンチに陥っていた街の人々を助け、無傷のまま10式改を撃退したという。しかも、その他の緑の人型兵器も現れ、人命救助を行なっていた。

 

 音声は取れなかったものの、最初この映像を見た時、これは現実なのか、そもそも人が乗っているのか、とドローンの映像をミカに見せ、話を聞いた。

 

 

『あぁ、本当だ。一応、その現場にいた客人に聞いたら、“本物だ、あれは夢なんかじゃない“っと答えたぞ。』

 

 

 間違いなく事実だ、と答えるミカ。

 

 

 ※ ちなみに、ミカはDAが映像を送る前、クルミのドローンの映像で見てはいたが、クルミの存在はDAにも秘密であるため、初めて映像を観た事にした。

 

 

 そして今日、例の当人達に聞いてみても、何度質問をしても結果は同じだった。

嘘をついている可能性ももちろん考え、一応DAで導入しているウソ発見器にもかけたが、結果は彼女達の言っていることは事実だということを示していた。

 

 

「なるほど…そもそも何なんだ、このふざけた技術は?」

 

 

 そう言って手元に置かれた、“アンノウン(ガンダム)”の映像解析調査記録を憎々しげに睨み付ける。映像だけだったが、DAで調査した結果、いくつか分かった事があった。

 

 

 一つ、恐らく未知の物質で構成された合金らしき鋼材と、既存の理論からかけ離れた構造で製造された機体でできている事。なぜなら、10式改が戦車も破壊するレベルの兵器を多数使用しても一切の損傷が見られなかった。

 

 二つ、巨大ロボが持つ大型光線銃(ビームライフル)は、装甲車程度なら紙や飴細工のように貫通、溶解する威力を持っている。わずか数秒で、あっという間に戦車などに使われる装甲材を数メートル単位で貫通した。

 

 三つ、異次元レベルの強力な電波妨害機能を搭載していると思われる。あの日、突如現れてから最高AI・ラジアータの機能が突然停止。だが、巨大ロボが街からいなくなったら、すぐに復旧した。調べた結果、恐らく様々なレーダーや探知機等も阻害する事も可能だろう。

 

 

 と、映像解析したが……なんかの漫画かアニメの設定なのか?と聞き返したくなるような疑問が次々と上がってくる。現在、1000丁もの取り逃がした銃の行方を追っているというのに ここで……しかも日本で既存の兵器や戦力では恐らく逆立ちしても敵わないという、とんでもない兵器(?)が現れたという事が判明した今、DAはかつてないほど混乱していた。

 

 

 

 

 『それで、…分かったことはあるのか?』

 

 

 「……残念ながら一切不明です。製造元はおろか、一体どこの誰が造ったのかすら一つも情報が出てきませんでした。」 

 

 ミカにそう問われ、重苦しく返すしかない楠木は未だに手元の捜査書類を睨んでいた。“一体どこの誰がこれを造ったのか?“そもそも、一体どうやって造ったのかが問題だ。しかし、それすら解らないのが現状だった。

 

 幾人もの研究者や科学者を様々な分野から集めて調べさせたが、結局映像だけでは分からないままである。ハッキリ言って、技術レベルの壁を超えている。

 

 

 

 

 

 

「……本能では未だ受け止めきれないが、現実だと認めるしかないか……」

 

「司令、大丈夫ですか?」

 

 頭を抱える楠木の様子を心配した楠木の秘書が近づくが、大丈夫だと言って払いのけた。

 

 

 

 『………上層部はコイツをどうするつもりなんだ?そのまま放置はないんだろう?』

 

 

 

 隣から聞こえたミカの言葉に、楠木は早く話は進んだ。

 

 

 恐らく上層部でもこれだけのこの兵器を野放しにしたくないのは満場一致で、可能な限り情報収集しただが、映像以外他の情報も無く、捜査は今も絶賛難航している。

 

 

「そうですね……ですが、一つだけ分かったことがあります。」

 

 

『……?というと…』

 

 

「えぇ、このカボチャ頭ですね。」

 

 

 楠木は、四人が描いた絵を指で指す。それを聞いた我に千束の表情に陰りと焦りが滲む。カボチャ頭に対してDAが今後どう対応を取るつもりなのか。

 

 

「楠木さん、カボチャ君は?」

 

「………現状について、可能であれば()()をしたいところではある。それに、あの兵器を操縦しているのはこのカボチャ頭なら、それなりの準備をしなければならない。」

 

 カボチャ頭と巨大人型兵器の対応については今日は一旦止め、方針が決まってもう話すことがなくなったのか、楠木は取調室の出入り口へと向かおうとするが…

 

 

 

 

 

 

「あーそうだ!」

 

 

 

 ーと何か思い出したように、千束は声を上げる。

 

 

 

「なんだ?」

 

「そういえば、カボチャ君についてまだ話してない事があった!」

 

「………何?」

 

 まさかまだ他にも情報が残っているのか、と足を止めさせてでも聞かせたいだろう。だが、もしかしたら、それが有力な情報であれば聞かないといけない。

 

「………それで一体何の事だ?」

 

 

 

 

 

 

 

「カボチャ君、()()()()()()()!」

 

 

 

 

 

 

 

「「『……………は?』」」

 

 

 

 

 説明不足とも言える千束の言葉に楠木と秘書、そしてモニター越しのミカは疑問の声を上げる。

 

 

「(…………まさか…)」

 

 

 と考えた楠木は、一応たきな達の方にも確認すると「事実です」と答えた。

 

 

 

 

 

 

「………調査記録は忘れずに出せ、これは命令だ。」

 

 

 

 再び頭を抱える楠木がそう言って今度こそ終わりを告げる…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★★★

 

 

 

 

 

 

〜喫茶リコリコ〜

 

 

 

 

 

=店内にある一室の押し入れ=

 

 

 

 

 仄暗い空間で青白く展開されたモニターが見せるのは、先日の暴走事件にてクルミが飛ばしたドローンが映し取った映像だった。

 

 

 任務先の廃工場から東京の街までの一連の流れを、そのドローンは鮮明に映し出していた。そしてクルミが一番気になっていたのが、音声が取れなかったものの、録画に成功した映像に映る巨大ロボを眺めて、その動きを余す事無く観察する。

 

 新型戦車ーーー10式戦車改との戦闘が長引くにつれて研ぎ澄まされるように動きの荒さが少なくなり、押されていた状況は次第に拮抗し、最後には大型光線銃で圧倒するまでの戦力差。

 

 それを見て、クルミは感嘆の息を漏らした。

 

「………凄い…………コイツは凄いぞ!」

 

 目をキラキラさせ、モニターの映像を観て興奮するクルミ。昨夜、クルミのドローンは何とか無事だった。そしてドローンの映像の録画に成功した彼女は、早速その巨大ロボについて映像を再び確認をする。もちろん解析をするためだが…

 

 

「……っち、やっぱり映像だけじゃ分からない……」

 

 

 何度か調べ直したが、やはり映像だけでは解析する事は不可能である。どんな人間の正体や構造などでも丸裸にすることが可能なウォールナットが調べたのがこの映像だけとはいえ、ここまで手掛かりを一つも入手できないというのは、異常と言っていい。

 

「このビームを発射する銃……ハッキリ言って技術レベルが現代を超えているぞ!いや、それだけじゃない……あの光線剣らしき兵器も、今の技術じゃ造れない……誰だ……一体どこの誰がこれを造ったのだ!?」

 

 一体どこの国が造ったのか。そして一体誰がこの巨大ロボを設計したのか。今のクルミは、この巨大ロボに興味が湧いてきた。だが、調べてから既に丸一日経過したものの、結局情報は何一つ掴めなかった。

 

「確か千束達からの話じゃ……上空へ飛んでいったな……それならどっかの空港の追跡機能をハッキングすれば……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゴラああああぁぁぁぁぁ仕事せんかーこの引きこもりー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とその時、突然押入れを強く開けるミズキ。

 

 

「み、ミズキ!?急にどうs「どうしたんじゃないわ!今日から仕事だっつーの!いい加減に働きなさい!」…お、おい待て!今僕は忙しいんだぞ!」

 

 

 今日はリコリコの仕事日である事にもかかわらずいつも通り仕事をサボっているクルミ。そんな彼女を押し入れから無理矢理引っ張り出すミズキ。

 

 

「ハアァ………何やってんだ……」

 

 

 そして、毎日の日常にもう聞き慣れたミカは、ため息と共に頭を抱える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★★★

 

 

 

 

 

〜蒼夜のアパート〜

 

 

 

 

 

「ーーーーーーーえ?」

 

 

 

 

 

 電話越しから流れてきたその言葉の意味が分からず、蒼夜は、ぽつりと戸惑いの声を漏らした。

 

 

 

 

 

 

 それは、唐突に起こってしまった。

 

 

 

 

 

 

 昨夜、事件日の現場から帰ってきた蒼夜は、明日のバイト初日の出勤の為、すぐに寝た。そして翌日、予想通り朝起きるのが遅かった。そんな彼は急いで朝の支度をしている時、突如バイト先から連絡があった…

 

 

 

 

 もしかして、バイト時間の遅刻で怒られるのではないか。そう考えた蒼夜は、覚悟を決め、電話を出る事にする……が、聞こえたのは……

 

 

 

『ーーーという事だ。それに君は確か……今日からバイトを始める子だったよな……』

 

「は………い……あの……………さっきの……ど、どういう………ことです……か?」

 

 

 かかってきたのは、社長ではなく、バイトリーダーの人であった。しかも、電話をしてきた理由は、自分が出勤時間に遅刻した事ではなく…

 

 

「か、会社が……な……なくなった………もう……()()()()()()……」

 

 

 相変わらずコミュ障である彼。簡単に説明すれば、昨夜の事件で、蒼夜が働くはずだった会社が10式改の爆撃に巻き込まれ、破壊された。当然、その会社には誰もいなかったため、誰にも被害は出ていないのだが、会社が破壊された事で、営業を続けるのは難しいだろうと考えた社長は、本日を持って会社を()()する事にした。

 

 

『まぁ、正直会社の営業は厳しいから別に閉業したって、俺達困らないしな…』

 

「………」

 

『その………君も頑張れよ……じゃあな!』

 

 

 

ツー、ツー、ツー

 

 

 

「……」

 

 

 

 

 ードタン

 

 

 

 バイトリーダーからの通話が切られ、その場で四つん這いになる彼。

 

 

 

 

「…………は…………はははは……」

 

 

 

 

 突然、乾いた笑いをし、虚な目になった蒼夜は………

 

 

 

 

 

「また、無職に戻ったよ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────くそったれぇぇぇぇ!!!」

 

 

 

 

 

 心底からの無職に戻った絶望に、雄叫びを上げるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜DA報告書〜

 

 

 

 

報告書: 巨大人型兵器

 

記録:20XX年■月13日

 

コードネーム: アンノウン(後に変わる可能性あり)

 

解説:映像で分かった事は、技術力の違いである。特に、謎の光線銃は、SF世界に登場する兵器ではないかと疑う。

 

 

また、その操縦しているのは、カボチャ頭を被っている不審人物であり、名前、性別、そして年齢も不明。

 

 

 

『今回起こった事件での重要参考人として指名手配、そして巨大人型兵器を捕獲するように優先とする』

 

 

 

 

 

 

 

 






 また、無職に戻ってしまった一般人(モブキャラ)君…






 皆さん、いつも感想本当にありがとうございます。

 毎話必ずくれる人とかもいてとても嬉しく思います。書くモチベに自分にとってアドバイスとなっているので、とても助かっております。

 あと、感想欄で色んな人の考えや感想を知れるのって面白いです。

 質問やアドバイスなどあればよろしくお願いします。
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