突如として現れたランボーグだが、これまでよりも強い気配を感じた。
『脇役の皆様にお知らせ致します。邪魔くせーので、白線の外側までお下がり下さい!下がれっつってんだろオラッ!出てこいプリキュア!どっちがTUEEEEかはっきりさせてやる!そしてプリンセスはいただくのねん!』
あのカバ野郎……本気みたいだな。仕方ない。話し合いは後にして……
「ましろさん、エルちゃんをお願いします!」
ソラはプリキュアに変身して、一人でランボーグに向かっていく。
「あの馬鹿!」
俺もスカイの後を追うが……
「みーつけた!」
不意に背後から巨大な岩が襲いかかり、俺は地面に落とされた。
「この攻撃は……お前か!」
「そうだよ。私だよ!アスだよ」
黄色の髪の少女アス。こいつもこっちに来てたのかよ。しかもめんどくさい奴だし……
「さぁ!遊ぼうよ!久しぶりに!」
「遊んでる暇はない!」
互いの拳がぶつかり合うのであった。
桜空side
スカイは一人でランボーグと戦い。ノアは謎の少女と戦ってる。しかもスカイのスカイパンチが力負けして吹き飛ばされてるし
「早く行かないと!」
「で、でもエルちゃんが……
」
エルちゃんを一人にしておくのは危険だし、ましろもスカイの所へ行きたがってるけど、どうしたら……
そんなことを考えているとエルちゃんのゆりかごが光だし、ひとりでに浮き出した。
「これって、もしかしておばあちゃんが?ありがと過ぎるよおばあちゃん!」
「それなら行くしかない!」
ましろはプリキュアに変身し、スカイの所へ。僕もノアの所へと向かった
「ノア!」
「桜空!お前はスカイのところに!」
「いや、ノアが行ってくれ!こいつは僕が何とかする!」
「…………普通なら断るところだけど、今はスカイの事が心配だ。任せるぞ」
「あぁ!」
ノアを見送り、僕は目の前の少女を見つめた。こいつも竜なのか?
「君……グーリの気配を感じるね。もしかしてグーリと融合してる?」
『そんなところだ。アス。』
グーリが姿を現し、そう告げるとアスは嬉しそうな笑顔をしていた。
「あはは、まさかグーリにも会えるなんてね!しかも人間と融合してるなんて……面白いね!楽しめそうだよ!」
殴りかかってくるアス。僕はアスの拳を防ぐが、何て重い拳なんだ……
「気を付けろ。奴の攻撃は重いぞ」
「全力を出してるってことか?」
「いいや、加減をしてるみたいだ」
「加減するに決まってるででしょ!戦いは長く続けた方が楽しいじゃない!」
パンチの連打を放ち続けるアス。こんなパンチを防ぎ続けるのは……
「くっ!?」
距離を置いて、少し考えようとするが……
「あはは、逃げても無駄だよ!」
アスは口から土石流を放つ。これは……ブレス!?僕は防御しようとするがそのまま飲み込まれる。
「ねぇ、ねぇ、もう終わり?」
「くっ……」
近距離だとあの重い攻撃……遠距離だとあの土石流のブレス。今の僕では……でも……
「任された以上……やるしかない!」
「いいね!最高に楽しもうよ!」
更にパンチを繰り出してくるアス。僕は防ぎつつ……ほんの少しだけでもいい。奴の隙を見つけないと…………それに普通のパンチじゃダメだ……
多分後でましろに怒られそうだし、泣かれそうだけど…………
「さぁ!これに耐えられるかな?」
大きく振りかぶった瞬間、僕は全力でアスの身体を殴り、アスは吹き飛んだ。
殴った衝撃で右手が裂けて血だらけになったが…………
「どうだ……?」
吹き飛んだアスは笑みを浮かべていた。ダメージはあるみたいだけど……
「あはは、あははははは!いいね!本当に楽しめそうだよ!それじゃ今度は…………」
突然悪寒が走った。なんだ?これ……殺気?いや、違う。恐怖なのか?
「止めておけ」
不意に声が聞こえた瞬間、アスの肩を掴む男がいた。あれは……
「何よ。フウまで来たの?」
「ここで本気を出したらこの街は崩壊する。それは好ましくない」
「相変わらず平和主義だね。まぁいいや、また今度遊ぼうね。グーリの器くん」
アスは姿を消し、残ったフウという男は……
「あまり無理をするな。グーリの力はいずれ馴染む」
「フウ……貴様まで来ているのか」
「この街はそういう場所だからな。安心しろ。俺は敵にはならない」
フウも姿を消した。なんというか助けられた感じだけど…………
「グーリ……僕はまだまだだな」
「当たり前だ。力の制御は出来てるがな」
もっと頑張らないと……とりあえず今はプリズムたちの所に!
ノアside
プリズムに遅れてスカイの所へと駆けつけるが、どうにもまだプリズムが戦うことを嫌がってるスカイ。
そんなのお構いなしにランボーグが攻撃を仕掛けてくるが、プリズムはスカイを突き飛ばして、ランボーグの攻撃を回避させ、二人は近くの路地裏に隠れた。俺もそこへ向かうと……
「大丈夫か?二人とも!」
「ノア……」
「危なかった……今は言い争ってる場合じゃないよ。一緒に戦おう? ね?」
「できません……」
「でも……」
「スカイ……お前は……」
普通なら意地を張るなと叱るところだが、スカイの様子を見る限り違う感じがする。俺はスカイの気持ちをハッキリと自分で言うのを待った。
「友達だから……」
「え?」
「ましろさんは、私の初めての友達だから!」
「…………プリズム。スカイはこうして友達が出来たのは本当に初めてなんだ」
「ノアさんは……」
「俺は家族みたいなものだ。友達とは違う。だからこそスカイは……」
「そうです……あの日、あの瞬間から、私は、ヒーローになるためのトレーニングを始めました……」
ひたすらトレーニングを続けていく毎日。年の近い子と遊んだりすることはなかった。俺自身もスカイには友達を作らないのかと言うが、断っていた。
「自分で決めた事です。だから、自分で受け止めるしかないんです……」
スカイは戒めとして、手帳に『独りぼっちを恐れない。それがヒーロー』と記していた。だがそんなスカイに……
「でも、友達ができました……ワガママです……分かってます……でも、怖いんです! ましろさんが傷付くなんて! そんなの絶対に嫌だ!」
「スカイ……」
「だったら、1人の方がいい……私、1人で戦います!」
「そんな……」
こういうとき俺が何かしら言えれば良いんだが、俺よりもプリズムに任せた方が良いのかもしれないな。
そう思っていると、ランボーグに乗ったカバトンに見つかる俺たち。
「みーつけた!」
「しまった!」
「もう少し話し合いをさせてやれよ!」
俺はブレスを吐き、ランボーグの視界を塞ぐが、ランボーグはビルを破壊しながら、こっちに向かってこようとしている。俺たちは一旦逃げ出すが、ランボーグは追ってくる
「私が囮になります!」
「二言目には、それ言うよね! もう1人じゃないんだよ!」
「1人じゃないから怖いんです!」
「分かったよ!」
「え?」
「友達が傷付くのが怖いって言うなら、私、友達やめる!」
「えぇ!?」
「たった今から私達は、友達じゃなくて、パートナーって事で、どうかな?」
「じゃあ、相棒! コンビ! ペア! 他に何かある?」
「知りません!」
「そんなの言葉遊びです!」
「逃げながら喧嘩をするなよ……エルも悲しそうだぞ」
二人の言い争いを見て、泣きそうなエル。二人はそんなエルをあやしていた。
「ケンカしてるんじゃないんですよ!」
「そうそう! 泣かないで! ほら!」
そんなことをしている内にランボーグが攻撃を仕掛けてきて、スカイを吹き飛ばし、残ったエルを捕まえようとするランボーグ。プリズムは咄嗟に駆けつけ、
「あぁ……」
多分今のスカイには夢の光景が浮かんでいるのかもしれないが……
「はァァァァ!」
プリズムは二つの光弾を放つが、ランボーグにその光弾を掴まれた。その瞬間
「弾けて!」
光弾が弾けて、ランボーグの視界を奪う。更に追撃として下から桜空が来て、ランボーグを思いきり殴る。
「壁ジャンプ……怖すぎだろ」
「無茶をするな……」
「二人は?」
「見てろ」
俺たちはスカイたち二人の様子を見つめた
「駄目だ……友達以外の言い方、見つからないや。パートナーとか相棒とか、そうじゃなくて、あなたは私の友達。あなたが心配だよ。助けたいよ……気持ちは同じ……それって、一緒に戦う理由にならないかな?」
手を差し伸べるプリズム。スカイはプリズムの隣に並び立つと……
「やろう、スカイ!」
「はい、プリズム!」
「やっと、その名前で呼んでくれたね!」
二人の絆が深まった瞬間、エルがプリキュアと叫び、新たなスカイトーンが現れた。
「これは……」
「エルちゃんの新しい力!」
二人は頷きあうと……新たなスカイトーン。スカイトーンWシャイニングをスカイミラージュに装着し
「スカイブルー!」
「プリズムホワイト!」
ランボーグを円盤の中へ入れ込ませ、
「プリキュア・アップドラフト・シャイニング!」
眩い光でランボーグを浄化するのであった。
カバトンは危険を察知したのか逃げ出したみたいだな。
ビルの屋上で、夕陽を見つめる二人。スカイはプリズムの手を握りしめていた。
「一件落着か」
「そうではないぞ。ノア」
「そういえばアスは撤退させたのか?」
「撤退したというか……させられたというか……」
「フウまで来ていた」
フウか……あいつが来ているのは驚きだが……
「今はアスだな。とりあえず桜空」
「何?」
「その傷……プリズムがもの凄く見てるぞ」
「あ……」
その後、桜空は無茶をしたことをプリズムに怒られるのであった。