ひろがるスカイ!プリキュア 炎と氷の竜   作:水甲

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126 ヒーローだからこそ

ましろside

 

桜空くんの突然の告白……バッタモンダーを助けるのに参加しないって……

 

「桜空くん……どうして……」

 

「ごめん、言えない……」

 

桜空くんはそう言い残して部屋に戻っていった。

 

「桜空さん……一体どうしたんでしょうか?」

 

「さぁな……あいつなりに考えがあるんだろうが……」

 

桜空くんなりの考え……桜空くんは…………

 

「もしかしたら嫉妬とか?」

 

アスちゃんがそう言うけど、嫉妬で流石に……

 

「流石にないよ。桜空がそれで参加しないってことは……多分だけどましろんの事を思っての判断だと思うけど……」

 

「桜空さんはヒーローとしての考えがあると思います」

 

「そうですね……」

 

「バッタモンダーの件が終わった後にでも理由を聞けば良い」

 

「えるっ!」

 

桜空くんの考えをみんなが理解した上で明日の事を話し合い、みんな眠りにつくのであった。

 

 

 

 

朝、バッタモンダーに行く前に桜空くんの部屋の前で私は桜空くんに話しかけた。

 

「桜空くん、行ってくるね」

 

もっと何か話すべきだけど……今はこれだけを伝えるべき……そう思った。

 

 

 

 

 

桜空side

 

『桜空くん、行ってくるね』

 

ましろの声を聞きながら、僕は目を閉じた

 

『良いのか?行かなくて』

 

「…………ましろのヒーローとして……そうするべきだと思った。それだけだよ」

 

『主様……』

 

『我々は貴方の考えに賛同します』

 

『……そうだな。そしてその行動にも……な』

 

ましろ…………ごめんな。僕は……

 

「本当に嫌になる……」

 

 

 

 

 

ましろside

 

昨日の公園でバッタモンダーと会う私たち。バッタモンダーは俯きながら私たちと対峙していた

 

「バッタモンダー……」

 

「ミラージュペンを取り返そうってんなら無駄だ……ここにはないからな……」

 

「戦う気はないよ……あなたと話したいだけ……」

 

「話す? やっぱり、お前は何も分かっちゃいない……俺にはもう……そんな時間なんかねーんだよ!」

 

バッタモンダーは黒いエネルギーの塊を取り出した。あれって……アンダーグエナジー!?

 

「まさか……」

 

「今日こそ、お前らを倒す……そして俺の強さを証明する!」

 

「やめて! バッタモンダー!」

 

止めに入る私だけど、バッタモンダーの後ろにスキアヘッドが現れた

 

「我らにとって、力はすべて」

 

「スキアヘッド!」

 

「この期に及んで、まだ迷うとは。プリキュアに勝てず、無様にあがいた末、負け犬として終わるつもりか?」

 

バッタモンダーは辛そうな表情をしながらアンダーグエナジーを取り込み、筋肉が膨れ上がった姿に変貌した

 

「バッタモンダー!」

 

「呼びかけても無駄だ。ヤツの弱い心は消え、力そのものになるのだ。破壊のみを求める獣にな。アンダーグエナジーは強力だ。使い道のない無価値な存在にさえ、これほどの力を与える」

   

「無価値……」

 

「そうだ。力を持たぬ者には価値などない」

 

「価値がないなんて……あなたが決める事じゃない!自分の価値は、自分で決めるんだよ!」

 

そうだよ……価値があるかなんて……いくらでも自分で決められる。バッタモンダー……気がついて……

 

「変身もできず、何の力もないお前が、自分には価値があると吠えたところで、所詮は綺麗事」

 

「自分の価値は……自分で決める……」

 

「バッタモンダー、これでようやくお前も、アンダーグ帝国の役に立てるという訳だ。さあ、いけ」

 

スキアヘッドがそう指示した瞬間、バッタモンダーはスキアヘッドの腹を殴った。

 

「何を……」

 

「いいかげんムカついたから殴っただけだよ、オッサン!」

    

「バカめ。やはり、お前は無価値な存在」

 

「ああ、そうさ! 俺はバカだ!でもな、俺は無価値なんかじゃねぇ!」

 

バッタモンダーはスキアヘッドからミラージュペンを奪い返し、私に投げ返した

 

「ありがとう! バッタモン……」

 

私のお礼の言葉を聞き、安らかな顔をした瞬間、バッタモンダーからアンダーグエナジーが溢れだした。

 

「バッタモンダー?」

 

「アンダーグエナジーに飲まれたか」

    

「必ず助ける!」

 

私たちは頷き合い、プリキュアに変身した

 

「「「「「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」」」

 

「スカイ!」

 

「プリズム!」

 

「ウイング!」

 

「バタフライ!」

 

「マジェスティ」

 

「「「「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」 

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「あげて広がるワンダホー!キュアバタフライ!」

 

「降り立つ気高き神秘!キュアマジェスティ!」

 

「「「「「ReadyGo!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」」

 

バタフライがミックスパレットで私たちの力を上げ、ノアさんたちと一緒にバッタモンダーに向かっていくが、バッタモンダーの力は凄まじくマジェスティの拳を受け止め、蹴りを放つスカイとウィングに向かって放り投げると一瞬でスカイたちの背後に回り込み、殴り飛ばした。私はすかさず光弾を放つが、アンダーグエナジーで光弾を取り込み、そのまま投げ返した。ノアさんたちが攻撃を仕掛けるがバッタモンダーはノアさんたち三人を相手に互角だった

 

「バッタモンダー……」

 

「お前も諦めが悪いようだ。弱い者があがき続ける様は、目障りだな」

 

「あなたの評価なんか、どうでもいい! バッタモンダーを助けるって、覚悟は決めたから!私は、絶対に諦めない!」

 

「プリズム……」

 

みんなが立ち上がる中、スキアヘッドの隣に臥竜のドルトが現れた

 

「様子を見ていたが面白いことになってるな」

 

「邪竜の部下か。何しに来た?」

 

「遊ぶつもりはなかったんだけどな……そっちの女が面白いことを言ってたな。自分の価値は自分で決めるって……確かにそうかもな。だけど他人が決める価値はあるぞ!」

 

ドルトが黒い塊をバッタモンダーに植え付けるとバッタモンダーの口は裂け、真っ黒で大きな角を生やし、背中には禍禍しい翼が生えた姿に変わった

 

「アンダーグエナジーで暴走した姿に……邪の力を注ぎ込んだ。そうそう、他人が決める価値が何かって……使えるかどうかと助けるかどうかだよ。そいつはアンダーグエナジーと邪の力で更に使えるようにしておいた」

 

バッタモンダーが私に向かっていくとノアさんとフウさんが間に入り、バッタモンダーの拳を受け止めるけど……

 

「くっ!?」

 

「これは!」

 

バッタモンダーの件が受け止めきれず、吹き飛ばされてしまった二人。アスちゃんが巨大な岩でバッタモンダーを押し潰そうとするが、バッタモンダーはその岩を砕き、アスちゃんの後ろに回り込み蹴り飛ばした。

 

「バッタモンダー…………」

 

「はははは!そこまでしてこいつを助けたいか?助ける価値はないだろ。こんな弱い奴!どうせ助けたところで感謝も何もない!」

 

「煩いな……バッタモンダーを助ける価値は……僕らにある!」

 

突然、バッタモンダーが雷に打たれ、更にバッタモンダーを竜巻が囲んだ

 

「そ、そいつは俺たちの友達だ」

 

「だからせっかく回復した力を使ってでも……助けるんだよ」

 

私の前に現れたのはライとテンペスターの二人だった。どうして二人が……

 

「協力してくれるんだ」

 

アスちゃんは血を拭いながらライの隣に立った

 

「協力?お前たちが協力しろよ!」

 

「言うねぇ!」

 

「お前たちが来るとはな」

 

「た、助けたいから来ただけだ」

 

「手が増えたな……フウ、アス、四元の力を解放しろ!プリズム!バッタモンダーを助けたいなら方法を考えろ!俺たちがバッタモンダーを抑える!」

 

「ノアさん……はい!」

 

バッタモンダーが竜巻を破ると同時にノアさんたちが向かっていく。スカイたちも回復してもらい、戦いに参加する。私は…………どうすればいいかと考えているとバッタモンダーの胸に小さな光が見えた

 

「バッタモンダー……心の輝き!お願い! 消えないで!ううん!私が……照らし出してみせる!」

 

私は真っ白な光を大きくしていき、まばゆい光でバッタモンダーの心の光を照らし始めた

 

「きらめけ! プリズムシャイン!」

 

プリズムシャインでバッタモンダーの心の光を照らす。これで……自分を取り戻して…………バッタモンダー!

 

「ぐっ……グオオオオオオ!!!!」

 

突然バッタモンダーから真っ黒なオーラが溢れだし、私たちを吹き飛ばし、プリズムシャインも掻き消された。どうして……ダメだったの……

 

「アンダーグエナジーのみなら出来てたかもな。だがそいつは邪の力を注ぎ込んでいる。そんなちっぽけな光でそいつを救えない」

 

ドルトがそう言いながら、倒れた私の背中を踏みつけた

 

「プリズム!?」

 

「そういえば四元の器がいないな……ははは!助ける価値とか言ってたが、四元の器からしたら助ける価値ないと思ったんだろうな!」

 

「そんな……こと……うぅ!?」

 

「そうだろ?だからこの場にいない!お前たちが綺麗事を言っているのに、苛ついてるんだろう!なぁ!」

 

ドルトの踏みつけが……強くなっていく。桜空くん……本当に……ううん、桜空くんは違う……違うよね……

 

「先ずはお前からだ!」

 

ドルトが私の頭を踏み潰そうとした瞬間、突然何かがドルトを殴り飛ばした

 

「人の女を踏みつけてんじゃねぇよ!」

 

私の前に立っているのは、氷の鎧を纏った桜空くんだった

 

「桜空……くん……」

 

「バッタモンダーは……変わってるな……まぁいい」

 

バッタモンダーは桜空くんに襲いかかるけど、突然動きを止めた。よく見てみるとバッタモンダーの足が凍りついていた

 

「アブソリュートゼロ……少しは動けないだろ」

 

桜空くんはそう言って、ドルトを睨んだ。ドルトは立ち上り、自分の顔に触れた

 

「俺の身体にヒビを……何をしやがった!」

 

ドルトは桜空くんに向かっていく。桜空くんは拳を構え……

 

「氷竜爆撃……乱式!」

 

ドルトの身体を何発も殴り、殴られた場所にヒビが入った

 

「ぐおおお……き、貴様……貴様!」

 

「お前も凍ってろ」

 

気がつくとドルトの足も凍りついていた。

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

少しは時間は稼げているはず、後は……

 

「プリズム……ここに来る前に見えたあの光は?」

 

「あれは……バッタモンダーの心の光を照らすために……だけど邪の力で……照らすことが……」

 

「なるほどな……プリズム、その技をもう一回!今度は僕も手伝う!」

 

「桜空くん……分かった!」

 

プリズムが立ち上り、あの光を作り出す。僕は氷であるものを作り出す。

 

「…………僕が参加しないって言ったのは……バッタモンダーを助けたくないからじゃない」

 

「えっ?」

 

「確かにバッタモンダーはソラを傷付け、ましろまでも傷付けた。到底許すことが出来ない。だけどそれでもプリズムは……ましろはバッタモンダーを助けようとしている。それなら僕はましろの気持ちに応えたいって思ったけど…………正直怒りの方が強くて……ましろが望まない結果になりそうだったから……あえて参加しないことにしてたんだ」

 

「桜空くん……」

 

下手すると助ける以前にバッタモンダーをボコボコにする可能性があったしな……

 

「来るつもりはなかったけど……やっぱりダメだった。大好きなましろが……みんなが頑張っているのを見て、じっとなんてしてられない。何せ僕は……ましろのヒーローだから!」

 

僕とプリズムの周りに氷のクリスタルが現れ、僕らの前には氷で作られた巨大なレンズがあった。

 

「プリズム!」

 

「うん!輝け!プリズムシャイン!」

 

プリズムシャインの光がクリスタルに当たると反射していき、レンズに集まっていく。

 

「プリズムシャイン・クリスタルレンズ!!」

 

一点に集まったプリズムシャインの光がバッタモンダーを包み込んでいく。その瞬間、バッタモンダーの身体から何かが抜け落ちていく。

 

「みんな!今だ!」

 

『マジェスティクルニクルン!ひろがる世界にテイクオフ!プリキュア・マジェスティック・ハレーション!』

 

マジェスティックハレーションでバッタモンダーを浄化し、元の姿に戻すことに成功した。スキアヘッドはいつの間にか消え、ドルトは……

 

「貴様……許さない……」

 

ドルトのひび割れた身体から何かが溢れだしていく。あれは…………

 

「このままお前らを……そこの役立たずの竜たちも!」

 

ドルトが力を解放しようとした瞬間、巨大な蛇がドルトに巻き付いた

 

「戻るぞ。ドルト」

 

「ウロボロス!邪魔を!」

 

「邪竜様の命だ。今はまだその時ではない……」

 

「くっ!?」

 

ドルトから力が抜け落ちていく。ウロボロスはライとテンペスターを見つめると……

 

「お前たちは……好きに生きろ。既に利用価値はない」

 

そう言い残して姿を消すのであった。

 

 

 

 

 

 

無事バッタモンダーを助け出すことに成功し、バッタモンダーとライとテンペスターは……

 

「まさか本当に助けるとは、お人好しもここまでくるとは呆れるね……特に、そこの……僕の事なんか、到底許せやしないだろうに……」

 

「反省しているんですよね? だったら、これ以上、私から言う事は何もありません」

 

「ほら、バッタモンダー。助けてくれてありがとうとか言わないのか?」

 

「そ、そうだぞ。お礼と謝罪を……」

 

「うるさいな!お前たちは……たくっ……破ってごめん……」

 

バッタモンダーはましろにそう言ってライたちと帰ろうとすると……

 

「ライ!テンペスター!ちょっと待った」

 

アスが呼び止めた

 

「なんだよ?僕らは疲れてるんだ」

 

「ライの力……返すね」

 

「はぁ?なんで?」

 

「そうしたいから……それだけ。フウは?」

 

「…………まぁ悪さする気はないだろうしな」

 

アスとフウはライとテンペスターの二人に力を返すと……

 

「……ありがとうな」

 

「か、感謝する」

 

「ほら、行くぞ!」

 

バッタモンダーたち三人は帰っていくのであった。

 

 

 

 

 

 

それからましろの絵本は無事にコンクールで最優秀賞を取った。ましろなりに答えを見つけ出せたな。




分割するか悩みましたが、一気に上げました。
何気にプリズムと桜空の共同作業……もとい合体技がここで初と言う……
あの愛の共同……合体技は要するに虫眼鏡です
次回……あの話……ではなくオリストです
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