ひろがるスカイ!プリキュア 炎と氷の竜   作:水甲

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一気に一話分終わらせます


02 桜空とましろの始まり

昔見たテレビの中のヒーロー。僕はそのヒーローに強く憧れた。でも物凄い力を持っていたり、変身できたりすることは出来ないのは知っている。だからこそ……強くなろうと、どんな小さな事でも人を助けられるようになりたい。そんなヒーローに…………

 

 

 

 

 

「桜空くん、桜空くん」

 

「ん……ましろ、どうした?」

 

部屋でのんびりとしていると幼馴染のましろが入ってきた。

 

「今日一緒に買い物行くって約束したよね」

 

「そう言えばそうだったな」

 

「朝ご飯の時に話したことなんだけど……」

 

ましろは呆れた顔をしていた。朝は色々と考え事してたからな~

 

「直ぐに用意するから待ってろ」

 

「うん」

 

僕の両親はましろの両親と同じ様に海外赴任していて、今はましろの家に厄介になっている。最初は断っていたがましろの強い要望……と言うよりかは…………

 

「桜空くん、料理すると全部丸焦げにしちゃうでしょ。だからご飯時とか家に来て!」

 

と言われてしまい、厄介になっている。でも僕は悪くない。ただ火力は命だと思う。

まぁましろもだけどましろのお祖母ちゃんも優しいから割と居心地は悪くないけど…………

 

 

 

 

 

準備を済ませ、街へと出る僕ら二人。だけどましろはprettyholicのお店の新商品に夢中になってた。

 

「ましろ、見てると夕方になるぞ」

 

「あ、そうだね。早くお祖母ちゃんの買い物済ませないと」

 

まぁましろも女子だし、こういうものが好きなのは悪いことではないけど……

そう言えば何を買うんだ?

 

「買い物って何を?」

 

「えっと……ローズオイルに、シナモンスティック、あとは、干したカエルって、どこで売ってるのかな、それ?」

 

まず街に干したカエルなんて売っているものなのか?そもそも何に使うんだよ……

そんなことを思っていると不意に上から手帳が落ちてきた。ましろはその手帳を拾うと……

 

「なにこれ?」

 

「手帳だけど……どこの文字だ?」

 

見たことない文字だし……何なんだ?

 

「うわー」

 

何処からともなく声が聞こえ、二人で辺りを見渡すと空から人が落ちてきた。

 

「そこ、どいて下さい!」

 

あれって女の子!?と言うか退いたらグチャってなりそうだし、ここは何とか受け止めないと……

 

「って桜空くん!?」

 

「受け止めるしか……」

 

受け止める体勢を取ろうとすると、何故かさっきまで凄い勢いで落ちていたのに、急にふわふわと浮き出して着地をする女の子と赤ん坊。いや、本当に何なんだ?

 

「セ、セーフ……」

 

「空から女の子が落ちてくるものなのか?」

 

「いや、ないと思うけど……」

 

青髪の女の子は着地出来たことに安堵するけど、僕らを見て、慌て始めた。

 

「ご、ごめんなさい! ビックリしちゃいましたよね!? 実は、私も相当ビックリしてて!偶然、誘拐現場に出くわして、この子を追いかけて、不思議な穴にエイヤと、飛び込んだら、空の上にポコって! それで、ピューって!はっ!?えーっ!?なんですか、この変な街!あれ、何ですか!? あれは!?も、もしかして、ここって、魔法の世界!?」

 

「ターーーイム!」

 

青髪の女の子の慌てように対して、ましろは咄嗟にタイムをかけ、少し落ち着くのを待つと…………

 

「「これ夢だ~」」

 

「いや、夢で済ませるのかよ!」

 

思わずツッコミを入れてしまった。と言うか普通にあり得ないことが起きてるからって夢で済ませるのもどうかと思うし……

 

「夢でしたか」

 

「うんうん夢夢」

 

夢でいいのかよ……

 

「はじめまして、夢の中の人たち。私、ソラ・ハレワタールです」

 

「私は、ましろ。虹ヶ丘ましろだよ!」

 

「真倉桜空……」

 

「鉄の箱が道を走ってるなんて、夢の世界はすごいですね! この夢の街、名前は何て言うんですか?」

 

「ソラシド市だよ!」

 

「ソラシド市……あっ!」

 

ソラはましろが拾った手帳に気がついた。もしかしてこの手帳はソラの?

 

「え? ああ、これ? もしかして!」

 

「私のです! 拾ってくれて、ありがとう! とても大事な手帳なんです!」

 

「何て書いてあるの?」

 

「これですか? スカイランドの文字で、私の……」

 

ソラが何かを言いかけた瞬間、また何かが落ちてきた。

 

「夢の中、本当、何でもアリだよ!」

 

「夢であってほしかったけどな」

 

煙が晴れるとブタみたいな怪人がいた。何なんだ?こいつは……

 

「許さないのねん、ソラ……まずは、お前をボッコボコにして、それからプリンセスをいただくのねん!」

 

怪人を見て、赤ん坊は泣きそうになっているが、ソラは安心させるように笑顔で……

 

「怖くないですよ。私が守ります」

 

「守れるかな?カモン! アンダークエナジー!」

 

ブタの怪人が黒いエネルギーを作り出し、ショベルカーが巨大な怪物に変わった。

 

『ランボーグ!』

 

「普通に痛いよ! これ、夢じゃないの?」

 

ましろ、僕も夢だと思いたいけど、これは現実だよ。

 

「ノアは……はぐれましたか。仕方ありません。ましろさん……桜空さん、この子をお願いします」

 

「まさか……お前……」

 

「ソ、ソラちゃん、だっけ? 一緒に逃げ……行っちゃ駄目!」

 

ましろがソラの腕を掴み、止めるが、ましろは何かに気がつき、手を離した。

 

「何をごちゃごちゃ話してる! みんなまとめてぶっ飛ばしてもいいのねん?」

 

「相手がどんなに強くても、正しい事を最後までやり抜く……それが、ヒーロー!」

 

「ヒーロー…………」

 

ソラもなのか?ソラもヒーローに……

 

「時間を稼ぎます! 逃げて下さい!」

 

「ましろ、行くぞ」

 

「でも!」

 

「今はあの子を信じよう」

 

「……うん」

 

僕とましろはその場から逃げ出すのであった。何故かあの子は……ソラは信じられる。そんな気がする。

 

「そう言えば何で手を離したんだ?」

 

「あの子……震えてたの……」

 

震えていたか……そうだよな。普通に怖いもんな。だけどそれでも立ち向かっていくのがヒーローなんだよな

 

「見つけたねん!」

 

「あ……あぁ……」

 

追い付いてきた。どうする……いや、ソラだって頑張ったんだ。僕だって……

 

「ましろ!逃げろ!うおおおおおおお!」

 

「桜空くん!」

 

少しでも時間を…………

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、強い衝撃が僕の身体を襲った。

 

「いや……いやぁぁぁぁぁぁー!?」

 

ましろの悲鳴……立ち上がらないと……大丈夫だって……言って……安心させないと…………

 

薄れゆく意識の中、ボロボロになりながらも怪物に立ち向かおうとするソラの姿が………………

 

 

 

 

 

 

 

 

声が聞こえた。これはさっきのブタの怪人の声?

 

「空の上を怖がっていたら、ヒーローは務まらない。ヒーローは、泣いている子供を絶対に見捨てない。ブフ! 絶対、ヒーローになるぞ! ヒーロー! ハハハハ!」

 

バカにしてるのか?誰を?ソラを?

何かを破り去っていく音が強く響いた。

 

「力のないヤツは、ガタガタ震えて、メソメソ泣いてればいいのねん!」

 

何……笑ってんだ……あの野郎………………

 

「大丈夫……パパとママのところに……お家に帰ろう……」

 

ソラの声が聞こえる。諦めてない。

 

『相手がどんなに強くても、正しい事を最後までやり抜く……それがヒーロー』

 

僕も……ヒーローになりたい…………ソラみたいに正しいことを最後までやり遂げられるヒーローではなく…………誰かの夢を守れるヒーローに…………今も泣きそうなましろを守れるヒーローに…………なるんだ…………

 

『力をやろう』

 

誰だ?この声…………

 

『お前に力を授ける。お前の願い、夢は気に入った。我が力をお前に授ける!氷の竜の力を!』

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?」

 

気がつくと僕は立ち上っていた。それに気を失っている間に…………あの青いヒーローは……ソラなのか?

 

「桜空くん?」

 

「今は……あの怪物を!」

 

『力を解放しろ!叫べ!お前の魂を込めて!』

 

「氷竜!」

 

眩い光と共に僕の両腕が青に変わった。いや、変わったのは両腕だけじゃない。身体中に力がみなぎる!

 

「なんなんのねん!あいつはくたばったはずなのねん!」

 

「桜空さん……その姿は……ノアに似ている?」

 

『ランボーグ!』

 

ソラ?と共に怪物の攻撃を避けるが、あまりの跳躍力で一気にビルの屋上まで来ていた。

 

「よく分からないけど……凄い力だ……」

 

「やはり……でも桜空さんは普通の人間なのに……」

 

ソラ?は不思議そうにしていると、怪物が屋上までやって来た。

僕とソラ?は構え、怪物の攻撃をソラ?が受け止め、

 

「ハアアアア!」

 

僕が思いきり殴ると怪物はそのまま地面へと落ちていく。これなら戦える……けど……

 

「っ……!?」

 

「桜空さん!?血が!?」

 

右腕から血が吹き出る。もしかして物凄い力を得たけど……身体が耐えられない?

 

「あとは任せてください!」

 

ソラ?はビルの壁を駆け降り、拳を構え

 

「ヒーローガールスカイパンチ!」

 

怪物を殴り抜ける。怪物は何故か気分が良さそうにしながら……

 

『スミキッタ~』

 

元のショベルカーに戻ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

僕は屋上から飛び下り、何とか着地するが……うん、物凄く痛い……

 

「桜空くん!?大丈夫なの?怪我は!?って吹き飛ばされてたよね!?早く病院に……ってあれ?」

 

「何か……怪我がなおってる……」

 

吹き飛ばされたり、殴ったら血が吹き出てたり、屋上から飛び下りた衝撃で足が物凄く痛かったのに、あの状態から戻ると怪我が治ってる?ただ鈍い痛みだけは感じてるけど……

 

「二人とも……怪我はありませんか?」

 

するとヒーローの姿から元の姿に戻ったソラが声を駆けてきた。

 

「あなたこそ……あの……ねえ、ソラちゃん。あなたって、ヒーローなの?」

 

「うーん……分かりません」

 

分からないって……と言うか僕のあの姿は一体……

 

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