「ハァ…ハァ…」
「はぁ…はぁ…」
街での一件。あのブタみたいな怪人が逃げたのは良かったが、その後が問題だった。あれだけの騒動で街の人たちはソラと僕に注目をしていた。ソラは気に止めずにみんなに安心するように声をかけるが、大事だし更にパトカーのサイレンまで聞こえてきたので色々と厄介なことになりかねないので急いで虹ヶ丘家まで帰ってきた。
「ここが、ましろさんのお家!?もしかして、ましろさんって、この世界のプリンセス!?ましろ姫ですか!?」
「え……そんなんじゃないよ……」
「まぁましろがそう見えるのは仕方ないけど……」
「桜空くんまで///って桜空くんは大丈夫なの?」
「傷は完全に塞がってるけど、痛みがまだあるな……」
「そう……なんだ……」
辛そうにしているましろ。あんまり気にしないでほしいけど……仕方ないか。
「ソラちゃんたち、ついお家まで連れてきちゃったけど、これからどうすればいいのかな?」
「ヨヨさんに話をするしかないだろ。信じてもらうかどうかだけど……」
二人でその事を話していると玄関の扉が開き、ヨヨさんが出迎えてくれた。
「おかえりなさい。ましろさん、桜空さん」
「お祖母ちゃん……こ、これ、絶対信じてもらえないと思うけど、聞いて!この子達が、空の上からピューって! それから、モンスターがバーって! それから、それから、キラキラってなって、フワーって!それで桜空くんが凄いパワーで……」
「大変だったわね……さ、おあがりなさい」
今ので理解したのか?だとしたら凄すぎるけど……
「え……自分でも言うのもなんだけど、今の説明でOKなの、おかしくない?」
「まぁそこら辺は年の功なんじゃ……」
家に上がり、ソラからスカイランドの聞くことになり……
「スカイランド……こことは別の世界があるなんて……まだ信じられないよ……」
「私だって自分が別の世界にいるなんて信じられません。それに……私がキュアスカイに変身したことも……」
「その不思議なペンはなんなんだろう?プリキュアってなんなんだろう?それに桜空くんのあの姿も…」
「僕はあの姿になる前に声を聞いたけど…」
「声?」
「力を授けるって……そしたらあの姿に……」
何だか一日で凄いことが起きすぎてる気がする。するとましろが何か閃いたのかヨヨさんにあることをお願いした。
「ねぇ、お祖母ちゃん。お部屋の百科事典にプリキュアの事と桜空くんの力の事書いてないかな?何か手がかりが…」
「私の事よりこの子をお家に帰してあげるのが先です」
「ソラ…」
自分の事よりもその子の事を先に考えてるのか?
「約束したんです! パパとママのところに、帰してあげるって……ヒーローは、泣いている子供を、絶対に見捨てません!」
確かにヒーローならだけど、さっきの宣言で寝ていた赤ちゃんが泣いてるんだけど……
「むしろ泣かせたーえっとこう言うときは…いないいないばぁ~」
ましろとソラの二人が必死であやすけど、更に泣きじゃくる赤ちゃん。
「もしかしたらお腹が空いてるのかも?」
「それだ!ミルク買ってくる!と言うかミルクってコンビニで売ってるの?味の種類とか…ミルク、どどどど、ミルク…」
焦るましろ。するとヨヨさんは落ち着いた感じで…
「キッチンの棚。一番下に粉ミルクとマグがあるわ」
「えぇ!?」
「ミルクは一肌に」
とりあえずましろと二人でキッチンに行き、ミルクを作ることになった。
「本当にあったよ」
「えっと、ひと肌だよね…」
この粉ミルク……もしかして昔ましろに使っていたやつか?期限を調べると新しいやつだけど……ヨヨさんはこの事を予測していた。
「我も腹が減ったぞ」
「いや、何で腹なんか…」
「桜空くん、誰と話して……えぇ!?」
何故か僕を見て驚くましろ。どうしたんだ?
「さ、桜空くん…あ、頭の上……」
「へ?」
何か頭の上に違和感を覚え、触れてみると……何かいる!?慌てて下ろしてみると青い蜥蜴がいた。
「なんだこいつ?」
「我を忘れたか。貴様に力を授けただろ」
力を授けた?もしかしてこいつが……あの時の声の……
「我が名は氷龍のグーリだ」
異世界の住人の次はドラゴンですか…………
一旦赤ちゃんにミルクを上げつつ、グーリの話を聞くことになった僕ら。
「我は元々はスカイランドにいた存在。だがある対決にて相打ち……いや、あの戦いで我は消滅した」
「消滅って……と言うかスカイランドには龍もいるのかよ!」
「はい、いますよ。とは言え伝説的な存在ですから……」
「そっちでもそんな感じなんだ……」
「魂となり、この世界にたどり着いた際、死にかけのお前に出会った」
死にかけって……じゃああの時は本当に不味かったのか……ましろもそれを聞いて心配そうにしてる。
「お前が我の力を受け取ったことにより、こうしてこの姿でいられるようになった。とは言えまだ本来の姿には程遠いがな」
「要するに僕の身体の中にお前がいるってことでいいんだな」
「そうだ。そしてお前には我の力を扱えるようになっている。とは言えただの人間が我の力を使えば……もう身をもって知っているな?」
「あぁ」
殴る度に皮膚が避けたりしたからな…………
「ゆっくり馴染ませていくしかない。それにそれなりの再生力を授けたから、多少は大丈夫だが無理は禁物だ」
「………………とりあえず分かった」
普通なら直ぐ様元の身体に戻りたいところだけど、あのブタの怪人がまた襲ってくることを考えれば……受け入れるしかないな
「桜空くん…」
「心配はするな…って無理だろうけど…」
「うん…」
ましろも心配してるし、無茶はしないようにしておこう。
話をしながら赤ちゃんはミルクを飲み終えていた。ソラは優しく背中を叩き、げっぷをさせていた。
「ソラちゃん、慣れてるね」
「家に年の離れた弟がいるのでなれてるんです」
「お祖母ちゃん、どうしてうちに粉ミルクとマグなんてあるの?」
「オムツだってあるわよ」
「えぇ~!?」
何でもあるのかよ……この家は……
「ドラゴンさんにはこれを」
ヨヨさんはグーリにお菓子をあげるとグーリは警戒もせずに食べてるし……
「ふむ、中々だな」
「出会いに偶然はない。人と人が巡りあうこと。それはいつだって必然。運命……物語の始まり。あなたの世界に戻る方法が見つかるまで2階の空いてる部屋を好きにお使いなさい」
「分かりました。ありがとうございます!それとグーリ……聞きたいことがあります」
「何だ?」
「貴方が戦った存在は……ノアと言う名前ですか?」
「そうだが……知っているのか?小娘!」
「私の……大切な人です。こちらに来たときにはぐれましたが……」
「奴も来ているのか……」
ソラの大切な人って……と言うかグーリと因縁があると言うことは……
「すみません。ノアに対して」
「安心しろ。我は恨んではない。正々堂々と戦った。それだけで恨むと言うことはない」
「そうですか!良かった」
ソラも安心してるみたいだな。確かにそのノアと再会したら、色々と厄介事が始まったりしないか心配だしな。
これからソラが使う部屋を掃除し、赤ちゃんも安心して眠っている
「ごめんなさい。私、なるべく早く出ていきます」
「そんな気にしないで」
「そうだぞ。僕が言うのもなんだけど……」
気を遣うソラ。まぁ普通に居候するのは気を遣うけど、遣いすぎも大変だしな。
するとソラは膝を付きながらましろにある誓いを立てた
「ましろさん!」
「はい?」
「今日のご恩は決して忘れません!今よりこの私、ソラ・ハレワタールはましろさんを守る騎士となり、全身全霊忠義を尽くし、あなたをお守りすることを……」
「時代劇かな?」
「まぁソラからしたら、ましろは恩人だし……」
「騎士とかいらないよ」
「え?じゃあどうすれば……」
「そうだ!お友だちからお願いします」
「はい!」
「そうだ!着替えはとりあえず私のジャージーでいいかな?私、隣の部屋にいるから、桜空くんもその隣の部屋だから何でも……」
気がつくとソラはいつの間にか眠りについていた。まぁ今日だけで色々とあったからな
僕とましろは起こさないようにそっと部屋をあとにするのであった。
「ましろも疲れただろ。ゆっくり休んだ方がいい。僕も……」
自分の部屋に戻りつつ、そう言いかけた瞬間、ましろが僕の背中に身を寄せてきた。
「ましろ?」
「心配……したんだから……」
「あ……」
「いっぱい心配したんだから……」
ましろからしたら……そうだよな。嫌な光景を見せたりしたし……
「ごめん……」
「桜空くん…きっとこれからいっぱい無茶するよね?」
「まぁ…なるべくは無茶をしないようにしたいけど……」
「お願いだから……私が心配してるってこと……忘れないで」
「分かった。約束する」
ましろとの約束……絶対に忘れないようにしないとな。幼馴染みを泣かせたくないし……
自分の部屋に戻るとグーリが現れ……
「あの小娘とは付き合っているのか?」
「違うよ。幼馴染みなだけ」
「それにしては……まぁいい。貴様もこれから先は我の力を扱えるように慣れておけ」
「分かってる」
僕も僕なりのヒーローになりたい。グーリの力を受け取ったときにそう誓ったんだ。
「むぅ?」
「どうした?」
「いや、なんでもない」
グーリは裏山の方を見て、何かを察知していたけど……どうしたんだ?