ひろがるスカイ!プリキュア 炎と氷の竜   作:水甲

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31 本当の気持ち

桜空side

 

スカイランドへのトンネルが完成したことを、王様と王妃様に伝えるヨヨさん。

 

「安全のため、少しばかりミラーパッドを調整する必要があります」

 

『どれくらいかかるのです?』

 

「ええ……明日の夕方には……」

 

『おお! 頼みましたぞ!』

 

『プリンセス、待っていますよ!』

 

「えぅ!」

 

トンネルが出来るまで長かったような短かったような……でもこれでエルちゃんも帰れる。それを知って嬉しそうにしているエルちゃんだけど……でもこれって……

 

「さて、みんな聞いてちょうだい。」

 

ヨヨさんはエルちゃんを抱きながら、真剣な表情であることを告げた。

 

「アンダーグ帝国は、これからもきっと、エルちゃんを狙ってくるでしょう。戦いの場所は、このソラシド市から、スカイランドに移る。でも、ましろさんと桜空さんは、スカイランドでは暮らせない。ソラシド市で学校に通わなくちゃいけない。勉強もしなくちゃいけない。それに……」

 

「ラ、ランボーグがエルちゃんを襲ってきたら、私、トンネルを使って、すぐスカイランドに助けに行くよ?」

 

「僕もだよ。ましろ一人に行かせるつもりはない」

 

「桜空くん、ありがとう」

 

「そうね。そうしてあげて。でも、ひとつ屋根の下、みんなで暮らすのは、明日でお終い。寂しいけれど……」

 

今日でソラたちとお別れか……ましろの提案であげは姉を呼ぶことになる中、ノアとアスは……

 

「二人はどうするんだ?」

 

「俺はスカイランドに帰る。元々ソラと一緒にいると決めているからな」

 

「私もツバサくんについていくよ!スカイランドに行くならツバサくんの両親に挨拶しないと!」

 

「挨拶ってなんのですか!?」

 

「ツバサくんの未来のお嫁さんですって」

 

「絶対にやめてください!僕の両親、絶対に信じますから!そもそも引っ越してきたばかりじゃないですか!」

 

「大丈夫!フウは帰るつもりないから!」

 

何だかフウさんも大変だな……それにしてもノアのソラと一緒にいるって……何かあるのか?

 

 

 

 

その日の夜、あげは姉を呼び、みんなで夕食を食べていた。あげは姉もソラたちが帰ることを知り、少し寂しそうにしていた。

 

「そっか……帰っちゃうんだ……」

 

「エルちゃんをお家に帰してあげる。そのために頑張ってきたんですから!」

 

「それはそうだけどさ……ましろん、明日どうするの?」

 

ましろに声をかけるが、ましろは何処か上の空だった。

 

「ましろん?」

 

「え? 明日? 一緒にエルちゃんを送り届けて、ちょっと観光してから帰ってくるよ。ちょうど学校お休みだから……」

 

ましろ……何となくましろの様子がおかしい理由は分かる。僕から何か言うべき……でもこれは……

 

 

 

 

その日の夜、寝付けず、少し夜風に当たるために外へ出るとましろとソラの二人がいるのを見つけた。声をかけようとしたが何となく邪魔をしたらいけないと思い、影で様子を見ることにした。

 

「初めて来た時には、魔法の世界かと……」

 

「フフッ、そんな事言ってたね!」

 

「でも、今はなんだか、ここがもう1つのふるさとみたいに思えます。そんなに長い間暮らした訳じゃないのに……」

 

もうひとつの故郷か……ソラにとってはそう思える場所だって思えるようになったんだな……そしてましろからしたら……

 

「ご、ごめんなさい! また、すぐに遊びに来ますから!」

 

「うんうん!」

 

「え、えっと、明日! 靴を譲ってくれた人を探しに行きませんか? トンネルが開くまで時間がありますし!」

 

「そうしよう! そうしよう!」

 

二人とも……もう少し素直になればいいのに……

 

「あ、桜空くんも誘ってもいい?」

 

「そうですね。私もノアを誘います!」

 

二人の時間を邪魔して……いや、二人の気持ちを考えれば……仕方ない。断る理由もないしな。

 

 

 

 

 

 

アスside

 

ソラたちが出掛けているため、ツバサくんと一緒にエルちゃんのお世話をする私たち。

 

「今日は、お家で遊びませんか? 天気予報で言ってましたよ? 雨が降るかもって……絵本! 絵本を読みましょう! それとも、お人形遊びが……」

 

「何だか大変そうだね。ツバサくん」

 

「アハハハ……ズルいですよ、ソラさん、ましろさん、桜空さん、ノアさん……ボクに損な役回り押し付けて……」

 

「まぁまぁあの子達からしたら大切な時間だから」

 

「アスさんって、意外と……」

 

「人間の気持ちを知ってるみたいだって思うでしょ。まぁ私からしてみたらこうして人と関わることは長かったからね」

 

「竜だからですか?」

 

「うん、竜はたくさんの人と関わった。それはノアやグーリ、フウも同じ。長い年月の中では戦いの対象となったり、人の暮らしを豊かにするためだったりね」

 

「戦いの対象……」

 

「まぁ今はツバサくんって言う一生を添い遂げてもいい人が……」

 

「あ、あはは……」

 

「ほら、エルちゃん。たかいたかいしてあげるね」

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

街に出て、色んな靴屋を回るがあのおばさんを見つけることが出来なかった。どうしたものかと考えていると……

 

「悪いけど、急用が入ってしもて……うん……うん、ごめんやで……あっちに着いたら電話ちょうだい。ほな、達者でな!」

 

あの電話している人って……昨日の……

 

「あの!」

 

「うん?」

 

ソラはおばさんに声をかけ、近くの喫茶店で靴の件を話すことにした。

 

「そら、ご苦労さんやったなあ……でも、お金払ったのは、そっちやし、それに、あの赤ちゃん、この靴、えらい気に入ってたやんか? そっちこそ大丈夫なん?」

 

「大丈夫、ではないです……正直なところ……」

 

「でも、これで良かったって言ってたのを聞いて、なんだか気になって……」

 

「心の声が漏れてもうたかー! おばちゃん、恥ずかしわー!あんな? この靴、孫に買うてやろと思とってんけど……子供てな、ホンマに可愛いなあ……未来しかない……そんな子が、こないだ1人で歩けるようになって……」

 

「それじゃあ、この靴は……」

 

「そう、ファーストシューズっちゅうやつ? でもなあ、仕事の都合で外国に引っ越してしまう事になってなあ……空港まで見送りに行って、そこで渡そうと思ってたんや……でも、こんなん渡したら、おばちゃん絶対泣いてまう・・・。そしたら、おばちゃんの息子も、みんな、しんどい気持ちになるやろ?そんなん、だーれも得せえへん? 別れは涙で汚さん方がええ。ニコニコ笑って明るくお別れした方がええ!そんで、外国でバリバリ仕事してもろて、家族で楽しく暮らしてくれた方がええねん!」

 

本当にそれでいいのか?何だか本当の気持ちを押さえ込んでいる感じがした。何か言うべきかと思い、伝えようとすると……

 

「「そんなの駄目だよ!」」

 

ましろとソラの二人が同時に言った。二人も自分達と重ねていたのかもしれないな

 

「きゅ、急にどないしたん?」

 

「本当の気持ちを言わないと駄目です!」

 

「嫌だって、寂しいって、ずっと一緒に暮らしたいって!」

 

「泣いたっていい……」

 

「駄々をこねたって……」

 

「そしたら、きっと……」

 

「きっと、その後は本当に笑ってお別れできる。そう思います」

 

「かもしれへんな。でも、もう遅いねん……じきテイクオフや……せやから、その靴、やっぱり、お嬢ちゃん家の赤ちゃんにあげといて……」

 

おばさんと別れた後、ましろは直ぐ様空港までの道のりを調べあげ……

 

「ノア、少し行ってきます!」

 

「あぁ」

 

「桜空くん、行ってくるね」

 

「分かった」

 

二人は何処かへと行き、窓の外を見るとプリキュアに変身した姿でおばさんが行った先へと向かう姿が見えた。

 

「一応、見届けるか」

 

「後、靴も探しつつな」

 

 

 

 

 

 

 

空港へと着くとましろとソラの二人が出てくるのが見えた。二人は泣いた後が見えたけど……互いに自分の本当の気持ちに向き合ったんだな

 

「ごめんね。急に」

 

「いいよ。あと、これ」

 

僕は二人にあのシューズを見せた。空港までの道のりに見つけた靴屋で同じものがあった。

 

「ノア、お疲れ様です」

 

「まぁ付き添っただけだからな」

 

笑顔で話すソラとノア。この二人って……

 

「どうしたの?桜空くん?」

 

「いや、なんでもない」

 

まぁ僕が気にすることではないか。

 

 

 

 

それから家に帰り、エルちゃんに靴を渡し終え……僕らはスカイランドへと向かうのであった。

 

 

 

 

 

ヨヨside

 

みんなを見送り、王様たちにそちらへ向かったことを伝え終えると、ある電話がかかってきた。

 

「もしもし?あぁ久しぶりね。そう、取りに来るのね。あら、使いの人を?分かったわ」

 

彼が使いとして来るのね……これもまた運命ね

 




ヨヨさんが最後に電話していた相手はとあるオリ主です。エル太郎の話が終わったら、オリストとして書きます
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