ひろがるスカイ!プリキュア 炎と氷の竜   作:水甲

39 / 165
39 弱くなんてない

桜空side

 

エルちゃんを元気づけるために先ずは絵本の読み聞かせをしようとしたが、あげは姉は折角だから人形劇にしようと提案してきた。

 

「ちょうど学校の演習でやっててさ、これ、授業で作っちゃった!」

 

そう言って見せてくれたのはお姫さま姿のあげは姉に似た人形だった。結構クオリティー高いな……

 

「可愛い! なんだか、あげはちゃんみたい!」

 

「あげは姫って感じ?」

 

「人形でお芝居……楽しそう!」

 

と言うことで人形劇をすることになった。先ずは何で人形劇をやるか話し合うことになり、エルちゃんは『ももたろう』が気に入った感じだった。ソラはましろからももたろうについてあらすじを聞くと……

 

「こちらの世界の犬、猿、雉は強いんですね!」

 

「そう言う訳じゃないけど……」

 

ましろが苦笑いをしながらツッコミを入れる中、ノアはというと

 

「確か犬が逃走者で、雉がピンクで愛が重くて、猿が俳句を読むんだよな。あと黄色鬼がいたり、主人公のももたろうは目が合っただけで縁が出来たって……」

 

「ノア……それは違うももたろうだからな。ドンがついたり、暴太郎だったり……」

 

「ましろさん、ノアと桜空さんは何の話を?」

 

「えっと……ももたろうだけどももたろうじゃない話かな?」

 

「少年は鮫になりそうだね」

 

「……あげはさんも何の話をしているんですか?」

 

「える?」

 

そんなこんなで早速人形劇の準備をすることになり、準備が終わり、劇が始まった。因みに僕も手伝いをすることになり、ノアは見学することになった。

 

「むかーしむかし、ある所に、小さな雲がふわふわと下りてきました」

 

「桃じゃないんですか?」

 

「だよね?」

 

「アレンジしちゃった!」

 

いや、いきなりアレンジしすぎじゃないか?

 

「そして、舞い下りた雲がパカッと開くと、中から元気なえるたろうが出てきました!」

 

『えるたろう?』

 

「そう! 雲から生まれた、えるたろう!」

 

まぁエルちゃんを元気づけるのが目的だからえるたろうで問題はないだろうな

 

「えるたろうはミルクを飲んで、グングン大きくなっていきました。しかし、ある日、えるたろうの大好きなあげは姫が鬼に連れ去られてしまったのです……」

 

『あげは姫?』

 

「せっかく人形あるしさ!あーれー! 助けて! えるたろう様!」

 

「だいぶお話変わってきてるよね……」

 

それからえるたろうはお婆さんからくもパンを貰い、あげは姫を助けに行くことに…………

するとえるたろうの前に……

 

「待って下さいワン! ヒーローの出番ですワン!そのくもパンを下さい。そうしたら、鬼ヶ島へお供しますワン!」

 

ソラ犬がくもパンを貰い、えるたろうのお供になった。

 

「ちょっと待ってウキ! くもパンをくれたら、えるたろうさんと一緒に鬼ヶ島に行くウキ!」

 

「それは心強いですワン!」

 

ましろ猿もお供になることけど……何でましろが猿なんだ?いや、まぁ……配役的にそうなるのは仕方ないけど……

 

「ちょっと! お待ち下さいケン!ボクはプリンセスのナイトになります」

 

「プリンセスじゃなくて、えるたろうさんウキ……」

 

「おっと、そうですケン!」

 

「4人は旅をしながら、笑ったり、たまにはケンカしたりして、少しずつお互いの事を知り、仲良くなっていきました。そして、ようやくえるたろう達は、港に辿り着きます。遥か海の向こうに見えるのは、鬼ヶ島。鬼ヶ島には、村を襲い、あげは姫をさらった、恐ろしい鬼が住んでいました」

 

「あれが、鬼ヶ島……」

 

「なんだか嫌な感じです……まるで、アンダーグ帝国……」

 

鬼ヶ島がアンダーグ帝国と重なって見え始めたソラたち……僕も……

 

「えるたろうさん。ボクは、あなたのためなら、たとえ、どんな敵が相手でも、戦ってみせます……それに……アスさんに……もうあんな顔をさせたりしません……」

 

「私も、みんなを悲しませる人達に、負けてなんていられないから……」

 

「私は、強く誇り高いヒーローにならなくては……あの人のように……シャララ隊長……」

 

「僕も……今のままじゃダメだよな……強くなったと思い込んでた…………もっと強くならないと……」

 

「みんな……」

 

すると突然エルちゃんが泣き出した。さっきまで楽しそうにしていたのに……

 

「どうしたの、エルちゃん?」

 

「何か怖いものでも?」

   

あげは姉はエルちゃんを抱き抱え、あやした

 

「大丈夫だよ! 大丈夫……不安な気持ちって、不思議と伝染しちゃうんだよね」

 

「ごめんね、エルちゃん……」

 

「笑顔になってもらおうと思っていたのに……」

 

「自分の心を抑えきれず、未熟でした……」

 

「えるたろうは大丈夫! ね?」

 

あげは姉はえるたろうの人形を見せ、エルちゃんも元気になってきた。

 

「ソラ、心を抑えきれないのは未熟だが……それに気がつけるかどうかだけで変わってくる」

 

「ノア……はい!」

 

自分の心の未熟差に気がつけるかどうかか……そうかもしれないな

 

 

 

 

 

気を取り直して、人形劇を再開した。

 

「鬼達よ! えるたろうさんに、あげは姫を返して下さい!」

 

「何の用だ?」

 

鬼は旗に絵を描いたものだった。声は僕だ

 

「ええ……大き過ぎるウキ……」

 

「まるで、大きな山ケン!」

 

「お前らが噂のえるたろうとお供達か? フン、どれだけ強いか試してやる!」

 

「まずは私がいきますワン!」

 

ソラ犬が突っ込んでくるが、勢いが強すぎて舞台が壊れてしまった。

 

「ご、ごめんね、エルちゃん……」

 

「み、未熟……つい力が入ってしまって……」

 

エルちゃんも突然のことでポカンとしていた

 

「すぐ直すからね!」

 

「ほら、大丈夫ですよ! プリンセス!」

 

するとエルちゃんは立ち上り、ゆっくりとこっちに歩きながら……

 

「ソラ。ましろ。ツバサ。あげは。桜空。ノア……」

 

僕らの名前を呼び、更には扉の向こうを向き……

 

「アス」

 

「エルちゃん、ましろって……」

 

「プリンセスが、ボクの名前を!」

 

エルちゃんにこうして名前を呼ばれるだけで何だか嬉しくなった。そしてみんなも……

 

「結局、エルちゃんに励まされちゃってるし!」

 

「そうだね!」

 

「エルちゃんに元気になってほしかったのに、元気がないのは、私達でした……ですが、力を合わせれば鬼……じゃなく、バッタモンダーやランボーグからエルちゃんを守り抜き、いつか、スカイランドに戻る事ができる!大丈夫です!きっと!」

 

「うん!」

 

「もう人形劇は必要ないみたいね!」

 

こうして人形劇が終わり、一件落着かと思っていたが、窓の外が騒がしかった。見てみると小鳥が何かを伝えようとしていた。その小鳥たちはツバサの友達らしく、話を聞くと公園に変なのが現れたらしい。僕らは急いで公園に向かうとそこには……

 

「やぁ来たみたいだね」

 

バッタモンダーが鬼の的当てに乗って待ち構えていた。

 

「バッタモンダー!またエルちゃんを狙って!」

 

「違うよ。僕の狙いは……君たちプリキュアだ!カモン!アンダーグ・エナジー!」

 

「ランボーグ!」

 

バッタモンダーが鬼型のランボーグを生み出した。すると更に空から……

 

「それじゃ竜の相手は僕がするよ」

 

黄色髪の少年が現れた。あいつは話に聞いていたライって奴か!

 

「桜空、今回はお前が相手しろ。俺は手を出さない」

 

「ノア……分かった!」

 

僕は戦闘スタイルになり、ソラたちもプリキュアに変身する。

 

「「「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」

 

「スカイ!」

 

「プリズム!」

 

「ウイング!」

 

「「「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「「「ReadyGo!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」

 

スカイたちはランボーグに向かっていき、僕はライと対峙した。

 

「君みたいな未熟な奴にはこれだけで十分だよ」

 

ライは僕に向かって雷を落とす。僕は避けようとするが雷が落ちるスピードが早すぎる

 

「避けるなんて無理だよ!竜を宿しているだけの未熟な奴には!」

 

避けるのが無理なら…………僕は地面に手をかざし、地の盾を上に作り出し、雷を防ぐ

 

「へぇ、防ぐくらいはできるみたいだけど…………それだけだと攻撃することは出来ないみたいだね」

 

ライの言う通り……防御に専念してるだけじゃ……どうすれば良い……どうしたら……

そんなことを考えていると、こっちに向かって光弾が放たれてきて、僕は吹き飛んだ

 

「なんだよ!邪魔するなよ」

 

「はっ!協力してやるって言っても遊んでるだけだろ!」

 

気がつくと辺りがめちゃくちゃにされていた。今の攻撃を含めてやったのはあのランボーグ……

 

「それにしても……あぁ、めちゃくちゃだ……これじゃ、まるで、スカイランドのようじゃないか……王と王妃が倒れ、護衛隊の隊長も消えてしまって……弱いって、なんて可哀想なんだ……」

 

このバッタモンダーは……

するとスカイは立ち上り、バッタモンダーに向けて言った

 

「いいえ……スカイランドは、弱くなどありません! みんな、希望を胸に、前に進もうと頑張っている!それは、私達も、同じ! 前に向かって進むだけです!」

 

希望を胸に……前に進むか……僕らは立ち上り、前を見つめた。

 

「スカイ!プリズム!ウィング!桜空!」

 

エルちゃんも応援してくれている。頑張れる気がしてきた!

 

「教えてあげる。どんな希望があろうと、強さの前では何の意味もないって事。やれ、ランボーグ!」

 

向かってくるランボーグに向かってプリズムが光弾を放ち、当たる直前で弾けさせ目眩ましをし、追撃にウィングがかかと落としを喰らわせていく

 

「ボク達には、まだできる事がある!」

 

「たとえ、わずかな光でも!」

 

「希望の光は、心と拳を、無敵にしてくれるんです!」

 

三人のコンビネーションでランボーグを追い詰めていく。僕も負けてられない!

 

「プリキュアがどんなに頑張ろうが!お前は弱いままなんだよ!」

 

また雷が落とされる。僕は地の盾で防ぐ

 

「防ぐだけじゃ芸が……」

 

「地竜の力を100%にして使うだけじゃダメだ……地と氷を両方扱えるように……」

 

今回の盾は1回防ぐだけで砕けたが、砕けた欠片を凍らせて、僕はライに向けて放った。

 

「地氷弾!」

 

どれか一つの力を完全に使うのは僕には難しい。だけど半分の力を使う……今の僕にはこの戦い方が一番合っている

 

「ぐっ!舐めすぎていたよ……次はこうはいかない!」

 

ライはそう言って姿を消すのであった。後は……ランボーグだけど、スカイたちがランボーグを追い詰めていき……

 

「スカイブルー!」

 

「プリズムホワイト!」

 

『プリキュア・アップドラフト・シャイニング!』

 

「スミキッター」

 

「ミラーパット!オッケー!」

 

スカイはミラーパットにキラキラエナジーを回収した。

 

「ありえねぇ! こんな弱いヤツらに負けるなんて! ぜってー俺の前にひざまずかせてやるからな!おっと。僕とした事が……君達の奮闘ぶり、とても素晴らしかった! また会いに来るよ!」

 

バッタモンダーがそんな捨て台詞を吐いて逃げるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

気持ちがへこんでいたが、エルちゃんに元気づけられた僕ら。エルちゃんも元気になったみたいだ。そんな帰り道のこと……

 

「そういえば……私とノア。お付き合いすることになりました」

 

「「「「へー……えぇ!?」」」」

 

ソラの爆弾発言を聞き、驚く僕らであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

アスside

 

夜、ツバサくんたちも元気になって良かった。私も早く治さないと……そんなことを思っているとき、ツバサくんが部屋を訪ねてきた

 

「どうしたの?」

 

「アスさん……僕、決めました!プリンセスを守るために……そしてアスさんをこれ以上戦わせないためにも強くなります!」

 

「え?」




次回、前々から予告していたヒープリのオリ主が登場するオリジナル回です!
感想待ってます!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。