桜空side
「アスが引きこもってる?」
朝になり、ましろからそんな話を聞かされた僕。何でまた……
「朝ごはん持っていこうとしたんだけど、部屋に入ってほしくないって……鍵をかけてて……」
何かあったのか?思い当たるとしたら……
「ツバサ……何かしたのか?」
「え?何で僕を疑うんですか!?」
「そうですよ!ツバサくんはアスさんの看病をしているんですから、傷付けるようなことをしたりしません」
「だが……思わぬ一言で傷ついているのかもな」
ノアの言うようにツバサが何かしら言って……でもツバサは思い当たらない感じだけど……とりあえず昨日の夜、何を話したのか聞こうとしたとき、呼び鈴がなった。
「僕が行くよ」
僕はそう言って、玄関のドアを開けるとそこには僕とそう変わらない歳の男の子がいた。ましろの知り合い?いや、クラスメイトなら僕は知ってるし……うわ……そんなことしないよな
「あの、虹ヶ丘ヨヨさんいますか?」
「ヨヨさん?」
それじゃもしかして……こいつがヨヨさんが前に話していたアスの怪我を治せる奴なのか?でも見た感じ普通そうだし……まぁ竹刀袋を持ち歩いているのか気になるけど……
色々と考えていると、中々戻らない僕を心配してましろが様子を見に来てくれた。
「桜空くん、お客さん?」
「うん、ヨヨさんを訪ねてきたみたいだけど……」
「来たわね」
するとヨヨさんも部屋から出てきて、笑顔を男の子に向けた。
「ヨヨさん、頼まれていた薬草とか持ってきましたよ。あと……」
「そうね……その前にあなたの事をこの子達に紹介しないと」
リビングでお客さんについてヨヨさんから紹介を受けた。因みにリビングに案内する時にあげは姉が来て、あげは姉も一緒に紹介を受けることになった。
「彼は橘紫乃。彼の祖父と居候の彼女とは知り合いでね。紫乃さんともその繋がりで知り合ったのよ」
「橘紫乃です。よろしく」
「虹ヶ丘ましろです」
「真倉桜空です」
「ソラ・ハレワタールです。こちらはエルちゃんです」
「える!」
「ノアだ」
「ツバサです」
「聖あげはです。桜空たちと同じ歳くらいだね」
「はい……」
「それにしても怪我を治せる人だと聞いてましたが、普通な感じですね」
「うん、特殊な力を使えるって聞いてたけど……」
「ヨヨさん……話したんですか?」
「特殊な力を使えると言うことくらいよ」
何だかあまり触れてほしくない感じだけど……何かあるのか?紫乃に?
するとノアは紫乃を睨み付けていた。
「お前……人間か?」
「!?」
「ノア、何を言ってるんですか?」
「お前から人とは違う気配を感じる。ただその気配は小さいがな」
ノアは何を感じ取ってるんだ?紫乃は少し俯いたが……すぐ顔をあげた。
「ノアと桜空も少し変わった感じがするけど?」
「!?」
紫乃は気付いているのか?だとしたらこいつ……何者なんだよ……
「僕としてはあまり気にしないけど、気になるなら話すけど?」
「いや……いい。お前が悪い奴ではないことは何となく分かるし、フウが出てこない事を考えれば……更に説得力がある」
「それならいい」
ノアは警戒してたからあんなことを言ったんだろうけど……フウさんが出てこない事が信憑性があるってことなのか?
「機会があったら紫乃さんの事を話すわ。いいわよね?」
「はい、それで怪我の治療についてだけど……」
「えぇ、問題が二つあるわ」
「問題?」
「一つは紫乃さんの力は今、弱くなっていること。それはこの薬を飲めば戻るわ」
ヨヨさんは小さな瓶に入った赤い薬を取り出した。というかヨヨさん……そんなのも作れるのか……
「でも本当にいいの?」
「はい、まぁ友達に怒られるけど……僕としては誰かを助けるために力を取り戻すのは別に悪いことではないですので……」
紫乃はそう言って薬を飲み干したけど、何だか苦そうな顔をしていた。そんなに不味いのか?
「もう一つの問題は……怪我人が今閉じ籠ってるのよ。そこは何とかしてくれるから……ましろさん、桜空さん。彼に街を案内してあげて」
「う、うん」
「分かった」
「よろしく。後力に関してだけど、薬飲んですぐに使える感じじゃないから……馴染むのにちょっとかかるかも」
「分かったわ」
とりあえず僕らはヨヨさんの言いつけ通りに紫乃に街を案内するのであった
ノアside
残った俺らは、閉じ籠もったアスをどうにかするためにツバサからアスと何かあったのかを聞くことになった。
「昨日の夜……アスさんに言ったんですよ。これ以上アスさんが傷つくところを見たくないから、僕はもっと強くなるって……」
それを聞いて、あげはがため息をついた。
「ダメだよ……それ……少年はアスちゃんの気持ちを分かってない!」
「えぇ!?」
「そんなにダメな発言でしたか?」
「あげは……分かってない奴がもう一人いるぞ」
「ソラちゃんは……まぁ仕方ないとして……アスちゃんは少年の為に頑張るために桜空に力を半分あげたりしたんだよ。少年の為に頑張ろうとしているアスちゃんの気持ちを少年は踏みにじったの」
「ぼ、僕はそんなつもりは……ただアスさんを守りたいと……思って……」
「少年の言葉を聞いて、アスちゃんの頑張る理由を台無しにしちゃったんだよ」
「そんな……僕は……」
「少年は少し反省のために、ましろんたちと一緒に行った方がいいよ。アスちゃんの事は任せて」
「はい……」
ツバサは俯いたまま、出掛けていった。ツバサからしたらこれからアスと一緒に戦うと言う意味で言ったのだが、アスからしたら自身の生きる目的を否定された感じだからな…………
「色々と大変だな」
「ノアも気を付けた方がいいよ。案外ソラちゃんの事を傷つけるかもしれないし」
「大丈夫です!その時はハッキリと言いますから!」
「あー、二人なら大丈夫そうだね。エルちゃん、早く少年とアスちゃんが仲直りするといいね」
「えぅ!」
「そう言えばノアは紫乃さんから何の気配を感じ取ったんですか?」
「ん?あぁ……小さい気配だったが……あいつからは………………」
「「えぇ!?」」
二人も聞いて驚いていた。それもそうだよな。あいつからは竜でも人間でもない……化物の気配を感じたんだから
紫乃に関しては次回紹介します
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