ノアside
ある日のこと、ソラと一緒に出先からの帰り道……突然雨に降られ、たまたま近くにあった洋館で雨宿りすることになった。
「すごい雨ですね」
「まぁ少ししたら落ち着くだろう」
「折角のデートなのにちょっと残念です」
「デート…ね」
家を出るときにあげはにからかわれたけど、ソラは無自覚に……「あげはさんは返事したんですか?」って聞いて、あげはは顔を真っ赤にさせてたな
「まぁたまにはこういうこともある」
「そうですね。これも思い出になりますね」
二人でそんなことを話していると……
『こっち』
「ん? どなたですか?」
『こっちだニャ』
誰の声だ?ソラと顔を見合わせた。すると閉じていた扉がいつの間にか開いていた。俺たちはとりあえず中に入ることにした
「助かります! お邪魔します!」
中に入るが人の気配はなかった。さっきの声の主は?
二人で捜索をしているとある一室に入り、窓際に汚れたぬいぐるみがあった
「ぬいぐるみ……」
ソラは倒れていたぬいぐるみを起こすとぬいぐるみは猫のぬいぐるみだった。
「ネコさん! 可愛い!」
その時雷が鳴ると、猫のぬいぐるみがゆっくりと立ち上り……
「連れてってニャ」
喋りだした。ソラは思いきりその場から逃げ出すのであった。
「ふむ、不思議な事があるんだな。とりあえず……ん?」
いつの間にかぬいぐるみが消えていた。まさかと思うが……ソラに付いて行ったのか?
家に戻るとソラはタオルを頭に被り、あるものを見てびびっていた
「ノア~連れてきたりは……」
「してないぞ」
さてどうしたものか……とりあえず一旦ソラを落ち着かせ、何が起きたのか話した
「えっと、このぬいぐるみがソラちゃんに付いて、うちまで来たって事でいいのかな?」
「そうです!」
「そんな事ある訳ないでしょ?」
「私、確かに声を聞いたんです! 『連れてって』って!ノアも聞きましたよね!」
「あぁ」
「でも、街外れの洋館って、確か今は空き家だったはずだよ?」
「じゃあ、ソラちゃんが聞いたのは……」
「もしかして、このぬいぐるみ……?」
ましろ、ツバサ、あげはがぬいぐるみを見つめた
「おばけ!」
エルがそう言うとソラが更に離れた
「ソラちゃん、怖いの苦手なんだね……桜空くんたちはそこまで怖がってないみたいだけど……?」
「僕の場合は近い存在がいるし……」
「我の事か?」
「主、我々は……」
「まぁ魂だけの存在だしね。近い存在だね」
グーリ、ノワール、ブロンが出てきてそう言ってきた。まぁこの三人は確かにそうかもしれないな
「あの洋館に返しに行きましょう!」
ソラがそう言った瞬間、ぬいぐるみが動きだし、机の上に乗ると部屋にあった本を操りだし、閉じ籠った。帰りたくないって事か?
するとエルが近づき……
「にゃーにゃー。にゃーにゃー。にゃーにゃー。だいじょうぶだよ!」
エルの声かけに心を開いたのかぬいぐるみは本を元の場所に戻し、エルに抱きついた
「エルちゃんに教えてもらっちゃったね、相手が誰でも同じように接するって事!」
「未熟でした……その通りです!」
「ソラちゃん?」
「ヒーローは困っている人には誰にでも手を差し伸べる。なのに、ネコさん……あなたの気持ちを分かろうもとせず、帰らせようとしてしまいました……ごめんなさい! 私でよければ、力になります!」
そう言うがソラはまだ怖がってるな……
ソラとましろの二人がぬいぐるみを洗っているとツバサがあることを聞いてきた
「そういえば竜の幽霊とかいるんですか?」
「いるぞ。まぁ人間と変わらないが……」
「変異した上位存在がかなり厄介だよね」
「変異?」
「あぁ幽竜と呼ばれる実態のない竜族がいるが、そいつらは彷徨う魂を成仏させる存在だ」
「あとは腐竜って言うのがいるけど、あれは災害みたいなものだよね」
「アスも戦ったことあるのか」
「うん、かなり強いって言うか……ヤバイね」
「そ、そんなにですか?」
「ツバサくんが知らないって……スカイランドにいる存在なのにおかしくない?」
「腐竜はスカイランドの住人たちと遭遇する前に俺たち竜族が止めているからな。奴等が暴れれば国が滅ぶ」
腐竜……身体は腐り、痛みを感じない存在。厄介なのが攻撃をしても意に返さず、更にはリミッターを外しているから向こうの攻撃はかなり強力だったりする
「まぁこっちの世界に現れることはないだろ。その前に潰しているからな」
それからぬいぐるみをどうにか元の持ち主に帰すために明日色々と聞いて回ることになった。
そして次の日、俺、桜空、ソラ、ましろ、エルの五人でぬいぐるみの持ち主を探すが見つからなかった。まぁそうそう見つかるわけないか
「エルちゃん、よく寝てますね」
「ソラちゃん、まだ怖い?」
「実は、まだちょっと……」
「ぬいぐるみって、いいものだよ。抱っこすると安心できるし。ほら」
確かにエルは安心して眠っている
「私、子供の頃は、修行や特訓ばかりで、分からなくて……」
「ぬいぐるみって、一番最初にできる友達みたいなものだよ。私も大事にしてたよ……」
「友達……」
すると突然ぬいぐるみが動き出した。何か見つけたのか?
「どうしちゃったのかな?」
「追いかけます!」
とりあえず追いかけることに……
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