ニューダンガンロンパv3 全員生存RTA   作:壊の公式

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一章最後です。

あんまり書くことがなかったので、短くなってしまった...
こんなことなら前話とくっつけたら良かった...


タイムリミット

 <side 赤松楓>

 

 

 タイムリミットがあと一時間を切り、不快な音楽が鳴り響く中、私たちは食堂を訪れていた。

 私たちは隠し通路を見つけることが出来なかったのだ。

 そして、入間さんの発明も完成していない。

 つまり、雁木くんが星くんを殺すために食堂を訪れたのだ。

 

「星くん...」

 

「くそッ!星を犠牲にしねーといけねーのかよ...やっぱり、俺ら全員でモノクマたちに立ち向かった方が...」

 

「あんたまだそんなこと言ってんの?エグイサルを見たでしょ?あんなの私たちがどうにかなるような物じゃない。」

 

「いいんだよ...俺は死ぬことを覚悟して頼んだんだ。俺を殺してくれってな。俺はどうしても生きなくちゃといけねー理由は存在しねーんだよ。」

 

「星くん...ごめん...私たちは何も出来なかった...」

 

 私はやるせない思いで一杯だった。

 私たちが見つけれていないだけなのか、それとも生存者特典自体が間違っているのかは分からない。

 しかし、どちらにせよ何も出来なかったのは確かだ。

 

「そろそろ時間だヨ。お別レはこの辺にして、雁木君頼んだヨ」

 

 その言葉に雁木くんは頷き、銃口を星くんの方向に向けた。

 

「雁木、後は頼んだぜ。」

 

「ああ、星。()()()()()。」

 

「......」

 

 その瞬間、食堂に発砲音が鳴り響いた。

 銃口から勢いよく発射された弾丸は、星くんの頭に吸い込まれ―――なかった。

 そのままのスピードで星くんの頭上を通過し、食堂の壁に着弾したのだ。

 

「は?なにやってやがる?」

 

 雁木くんは星くんの困惑した声を無視し、星くんの方へ近づく。

 そして、ひょいと肩に担ぐ。

 

「いきなり何なんだ...!?」

 

「ゴン太ー、俺の言った約束、ちゃんと守ってね。じゃあ、アデュー!」

 

 その瞬間、雁木くんは食堂から目にも止まらぬスピードで出て行った。

 咄嗟のことに、私は呆然とする。

 

「雁木くん...!?」

 

「あいつ...!」

 

 そう言うと、春川さんも雁木くんを追いかけて、食堂から出て行った。

 

「何をやってるんですか、あの男死は!?」

 

「まずいです!このままだと全滅してしまいますよ!」

 

「にしし...雁木ちゃんにしてやられたねー」

 

「ダイジョーブだよー。みんな神さまの所へ行くだけだねー」

 

「全然大丈夫じゃないよ!」

 

「こうしちゃいられねー...オレ様はこんな所なんかで死にたくねー!」

 

 そう言うと、入間さんはキッチンの方に行こうとする――が、その前にゴン太くんが立ちはだかった。

 

「邪魔だ、ゴン太!」

 

「ダメだよ!ゴン太、雁木君から入間さんが何か変な行動をしないように見張れって言われたんだ!」

 

「へぇー...やっぱり雁木ちゃんはこうなることを前々から想定していたみたいだねー」

 

そうして、ゴン太くんが入間さんを相手にしているのを尻目に、最原くんと天海くんが焦った様子でこちらに近づいてきた。

 

「雁木くんは僕たちを全滅させようとしているのか...?」

 

「...分かんないっすけど、雁木君はそんなことしないと信じてるっす。だから、きっと何か考えがあっての行動っす」

 

「...そうだね。私もさっきは気が動転してたけど、きっと何とかなるって信じる。」

 

 それから、永遠のように長い5分間を待ち続けた。

 みんなも覚悟を決めたのか、じっとその時を待っていた。

 緊張で、足の震えが止まらなかったけど、それでも信じて待ち続けた。

 

 やがてその時が来た。 

 唐突にあの不快な音楽が鳴りやんだのだ。

 時計を見ると8時を過ぎている。

 ということは...

 

「生き残った...?」

 

 私は、フッと力が抜けて、その場に座り込んでしまった。

 周りを見てみると、みんなも安堵している様子が目に映る。

 

「助かったよ!ゴン太たち、みんなで生き残ることが出来たよ!」

 

「ああ、そうだなゴン太!何が起こってんのか分からねーが、俺たちは助かったんだ!」

 

「こ、これもウチの魔法のお陰じゃ。お主ら、ウチを崇めたてるがいいぞ...」

 

「夢野さん、大丈夫ですか!すごい汗ですよ!足も震えてますし!」

 

「赤松さん、大丈夫?」

 

 そう言って、最原くんが座り込んだ私の手を引っ張って立たせてくれた。

 私は自分の手が汗でびっしょりだったことを思い出し、少し恥ずかしくなりながらも「ありがとう」とお礼する。

 

「どうやら、雁木くんが上手くやってくれたようっすね。」

 

「んー具体的に何をやったのかは分からないけどねー。その辺は本人に――と言ってたら来たね」

 

 王馬君が言う通り食堂の扉が開いて、雁木君と担がれた星君、そして食堂から出て行った春川さんが帰ってきた。

 

「ふー、疲れたよー。星を担いでいるとはいえ、春川にあそこまで距離を詰められるとはね。正直、あと数分あれば捕まっていたかもしれないよ。」

 

「そのわりには随分と余裕そうに走ってたけど。」

 

 雁木君もそうだが、春川さんも息一つ乱れていない。

 春川さんが食堂から出て行く時も思ったが、すごい身体能力だ。

 超高校級の保育士ということもあり、子供の相手をするので、やっぱり体力があるのだろうか。

 

「おい、雁木。なんで俺を撃たなかった?いや、なんで俺たちは全滅してねーんだ?」

 

 ようやく雁木くんの肩から降ろされた星くんは、珍しく困惑の色がありありと現れていた。

 

「あー、それはね、俺たちがコロシアイに参加させられた生徒じゃないからだよ。そうだよね、モノクマ?」

 

 その言葉にモノクマとモノクマーズが現れるが、あきらかにいつもと様子が違っていた。

 

「はあ...そうだよ!キミたちはコロシアイに参加させられた生徒に該当しない。だから死ななかったんだよ。これで満足?」

 

「お父ちゃんが滅茶苦茶キレてる!」

 

「だってー、折角二つも動機を用意してお膳立てしたってのに、だーれも殺してないんだもん!本当にキミたちにはガッカリだよ!」

 

 そう吐き捨てて、モノクマたちはさっさと食堂から出て行った。

 

「いや、おかしいですよ!ボクたちはコロシアイに参加させられた生徒のはずです!自ら進んで参加したはずありません!」

 

 キーボくんは興奮した様子で捲し立てる。

 私もキーボくんと同じように、この学園には気づいたら連れられていて、強制的にコロシアイをさせられている。

 その、筈だけど...

 

「それより、雁木君は何故全滅を避けられるって分かっていたの?先ほど聞いた情報も、僕たちが知り得る筈のないような情報だヨ。」

 

「ああ、それはね、メタ的な視点からの考察だよ。つまり、これがデスゲームということから推測した結果さ。」

 

「デスゲーム?」

 

「そういえば、キミたちには言ってなかったね。俺の推測だけど、このコロシアイはデスゲームとして見世物にされてる。」

 

 それは、私、天海くん、最原くんにとっては、前々から聞いていた話だった。

 しかし、それ以外の人にとっては初耳だ。

 当然、衝撃を受ける。

 

「そんな!?転子たちを見世物にしている人たちがいるんですか!許せません!」

 

「まあまあ、ここで何を言っても仕方ないっす。それで、その話とどう関係があるんすか?」

 

 怒り心頭といった様子の茶柱さんを、天海くんは落ち着かせて尋ねる。

 

「それでね、俺は思ったわけよ。もしこのまま全滅すれば、このコロシアイの視聴者はどう思うかってね。答えは簡単、始まったばかりなのに全滅すればそれはもう、つまんないよね!」

 

 雁木くんは心底楽しそうに喋る。

 まさに、自分の立てた推論が合っていて、楽しくて仕方がないといったように。

 

「じゃあ、デスゲーム主催者側は、全滅なんて避けたいわけさ。つまり、そこから俺たちは殺されないかもって思ったんだよ。ご丁寧にも、コロシアイに参加させられたって言葉の逃げ道まで作ってたしね!」

 

「なるほど...そこから推理したというわけね...」

 

「でもさー、それってどこまでいっても雁木ちゃんの推測でしかないじゃん。文字通り、全員の命運を握ってまでやるには、不安要素が多すぎるよね?そう、例えば、もっと確実な根拠があったりしない限りさー」

 

「いや、根拠なんてないよ。強いて言うなら勘だよ。俺の勘ってよく当たるんだよね。」

 

「っな!?勘だけで、皆さんの命を懸けたんですか!?」

 

「そうだよ。とは言っても、ほとんど大丈夫だと確信してたけどね。」

 

 雁木くんは悪びれもせずそう言った。

 その返答に茶柱さんは「勘だけで、全員の命を懸けるなんて...」と衝撃を受けていたが、私はそれよりも聞きたかったことがあった。

 

「どうして、私たち3人にもそのことを言ってくれなかったの?」

 

「もし、勘ってだけでこんな作戦を言っても受け入れられないって思ったのが一点。あとは、キミたちに教えてしまうとキミたちから作戦が漏れてしまう可能性があったからだ。現に今回、俺以外の全員を騙したおかげで作戦は成功したんだしね。」

 

「そう、分かった...。でも次から独断行動はやめて、きちんと相談してから行うこと。いいね?」

 

「善処するよ。」

 

「いや、善処じゃなくて約束してよ!」

 

 そういうと、「いやーすまんすまん」と全く思ってなさそうに返される。

 なんか癪だな...

 

「先ほどの話に戻りますが、ボクたちはコロシアイに参加させられた生徒ではないってどういうことですか?」

 

「いや、俺に聞かれても分からないよ。さっきも言ったように、メタ的に全滅しないって推測しただけだって。だから俺に聞かれても困る。」

 

「でも―――」

 

「まあ、なんだ。もう夜時間になってんだし、オメーらも疲れてるだろうから解散にしねーか?そういう難しいことは明日じっくり話し合おうぜ。」

 

「そんなこと言って、百田ちゃんが緊張して疲れたから早く寝たいだけでしょー?正直に言いなってー」

 

「なっ!?そ、そんなことねーし!オメーらが疲れたってツラしてっからそう言っただけだ!断じて、オレが疲れているわけではねーよ!」

 

「確かに、ウチも疲れた...モノクマ軍団に対抗するために、ずっと魔力を練っていたからな...」

 

「わたしも、もう限界かも...コスプレの衣装を三徹して作り上げた時くらいしんどいよ...」

 

「そうね...皆も疲れているみたいだし、百田君の言う通り解散にしましょう。気になっていることはあると思うけど、また後日にしましょう。」

 

 そうして、明日の予定などを確認して、今日解散となった。

 

 

 

 ♪♪♪

 

 

 

 

 自室のベッドに寝転がる。

 思えば、激動の五日間だった。

 訳も分からないところに閉じ込められて、コロシアイをするよう言われて。

 皆で協力しようとなっていたところに、タイムリミットなんてものを設けられて。

 隠し通路を見つけられたなら、全滅を回避できるかもと思って探したけど見つからなくて。

 ...でも、最後にはみんなで生き残ることが出来た。

 

 外に出られたらみんなで友達になろう、その言葉がいつ現実になるか分からない。

 そもそも現実にできるかどうかも分からない。

 でも、何故だろう。

 絶対に叶う、そんな気がする。

 みんなと力を合わせれば絶対に大丈夫、そんな自信が湧き上がってくる。

 

 瞼がどんどん重くなってくる。

 どうやら、私も今日のことですっかり疲れてしまっていたらしい。

 そんなことを思いながら、眠りへと落ちていく。

 明日への希望を抱きながら――

 

 

 




これで、やっと二章に入れる...

二章のチャートの練り直しに時間がかかるかもです。

v3原作ってどこまで知ってる?

  • 当然、プレイ済みだよ!
  • 体験版だけなら...
  • キャラぐらいなら...
  • 前作なら知ってる!
  • ダンガンロンパの名前だけなら...
  • ダンガンロンパ?何それ美味しいの?
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